学校で習ったはずの英文法。日常会話にもよく出てくる使い方なのに、すっかり忘れていませんか? 身近にあるのに意外と知らない「習ったつもり」の英文法を、大学や専門学校、企業で教鞭をとるTOEIC人気講師・駒井亜紀子先生が解説してくれるコラムです。

「目的」「結果」「程度」の3つをおさえよう

みなさん、こんにちは。駒井亜紀子です。

さて、いきなりですが問題です!
次の中から接続詞(句)をすべて選びましょう。

when / during / except for / if / in spite of / because / so that

いかがでしたか。混乱させてしまってスミマセン。
接続詞の知識を試す問題で、選択肢には前置詞(句)と接続詞(句)が混ざっていました!

接続詞(句)は when / if / because / so that の4つです。
その他はすべて前置詞(句)です。
(during(~の間)/ except for ~(~を除いて)/ in spite of ~(~にも関わらず))

念のため、接続詞と前置詞の使い方を簡単に確認しておきましょう。

接続詞:It was raining when I went out.(私が外出した時、雨が降っていました。)
前置詞:I took notes during the class.(授業中、ノートをとりました。)

こんな風に、接続詞(句)の後ろには節(主語+動詞…)が続き、前置詞(句)の場合は名詞(句)が続きます。

先程の問題を正解できた方、おめでとうございます!

でも…
水をさすようですが、接続詞の代表格とも言える when / if / because は英作文や英会話で使えていても、「so that はうまく使えていません」という人が多いのではないでしょうか。

「知っているけど使いこなせていない英語選手権」があれば、間違いなく so that がランクインするでしょう(ちなみに現在完了形もランクインするはずです)。

前置きが長くなりましたが…
今回は、みなさんが英作文でも英会話でも使いこなせるように、so that の使い方を2つ説明していきます!

1. so that 構文で「目的」を表す
冒頭でも説明したように、接続詞(句)は節をつなげる働きをします。
so that を用いた文は、so that 構文とも呼ばれ、so that で導かれた節は、「~するために/~できるように」というように「目的」を表します。また、口語では that が省略されることが多々あります。

日本語で言うと、「早く映画館に行ったほうがいいよ、いい席を取るためにね」のように、「目的(下線部分)」を付け足す感覚です。

ちなみに、この文を英語にすると、このような so that 構文になります。
You should go to the movie theater early so that you can get a good seat.

他にも例文を見てみましょう。

  1. I study English very hard so that I will live in Australia in the future.
    (私は、将来オーストラリアに住むために、英語を一生懸命勉強しています。)
  2. You should speak loudly so that everyone may hear you.
    (みんなが聞こえるように、大きな声で話してください。)
  3. I prepared the documents so that the meeting could proceed smoothly.
    (打ち合わせがスムーズに進むように、資料を準備しました。)

上記の例文を見ると、so that 以下の意味は次のようになっています。

  1. 私は、将来オーストラリアに住むために
  2. みんなが聞こえるように
  3. 打ち合わせがスムーズに進むように

これらはすべて「目的」を表していますね!

ところで…
so that 以下の節には、助動詞が使われていることに気づきましたか?
この「目的を表す so that 構文」は、助動詞を用いることがポイントです。

主に使用される助動詞は下記の3つです。

  • will (would) ⇒ (主語が)将来~するために
  • can (could) / may (might) ⇒ (主語が)~できるように
  • ※ may は can より改まった表現です。

そもそも「目的」とは、未来に視点を置いている内容なので、「未来を表すキーワード」として助動詞を用いるんですね!

2. so A that B 構文で「結果」「程度」を表す

so A that B 構文は「目的」を表す他に、so の後ろに形容詞、または副詞を置き、「結果」「程度」を表すこともできます。

意味と構造を確認してみましょう。

<so 形容詞/副詞(Athat +節(B)>
<結果> とてもAなのでBだ。
<程度> BであるほどAである。

  1. He is so tall that he can easily reach the top shelf.
    <結果> 彼はとても背が高いので、簡単に一番上の棚に手が届きます。
    <程度> 彼は簡単に一番上の棚に手が届くほど背が高いです。
  2. She speaks English so fluently that everyone mistakes her for a native speaker of English.
    <結果> 彼女は英語をとても流暢に話すので、皆は彼女を英語のネイティブだと勘違いします。
    <程度> 皆が彼女を英語のネイティブだと勘違いするほど、彼女は英語を流暢に話します。

上記の例文を見てもわかるように、実は「結果」「程度」のどちらでも解釈できることがほとんどです。そのため、「どちらで解釈すべき!?」とあまり神経質になる必要はありません。

一方、下記の例文はいかがでしょうか。

I’m not so confident that I can pass the exam.
「結果(とてもAなのでBである)」で訳すと、「私はあまり自信がないので、テストに受かることができる」と不自然な意味になってしまいますね。

この場合は、「私はテストに受かるほどの自信がない」のように、「程度」で解釈するほうが自然です。文脈を見て、どちらの解釈がぴったりくるかを判断しましょう。

ちなみに余談ですが…
He is so tall. の so を「とても」という意味で解釈されている方が多いと思いますし、便宜上「とても」と説明される場合が多々あります。しかし、『オーレックス英和辞典[第2版]』には、「程度」の so の意味は「それほど、そんなに、これほど、あれほど」と記載されています。

そもそも He is so tall. という文だけでは「彼はそれほど背が高い」という意味になり、「それほど」がどの程度なのか文脈や口調から推測できる場合は問題ありませんが、そうでなければ、「それほどってどれほど?」と聞きたくなるようなニュアンスの文です。

そのため、that 以降で「どの程度なのか」を補足説明するわけですね!

3. so that 構文を作ってみましょう。

それでは、so that の使い方の練習です。まず 1.~3.の a と b の日本語を、それぞれ英文にしてみましょう。
そして、<  >内の意味を参考に so that を適切な場所に組み込んで、a と b の文をつなげてみましょう。

1.
a:私は正午までに報告書を送ります。
b:あなたはそれを打ち合わせ前に確認できます。 <目的>

2.
a:彼はとても速く走りました。
b:彼は最終電車に間に合いました。 <結果>

3.
a:この部屋はとても暗いです。 
b:何も見えません。 <程度>

どうでしたか?
早速、答えを見てみましょう。

1.
a:I’ll send the report by noon.
b : You can review it before the meeting.

<目的>を表す so that 構文ですね。
I’ll send the report by noon so that you can review it before the meeting.
あなたが打ち合わせ前に確認できるように、私は正午までに報告書を送ります。)

2.
a:He ran so fast.
b:He could catch the last train.

<so 副詞 fastthat …>で、<結果>を表します。
He ran so fast that he could catch the last train.
(彼はとても速く走ったので、最終電車に間に合いました。)

3.
a:This room is so dark.
b:Nothing can be seen.

<so形容詞 darkthat …>で、<程度>を表します。
This room is so dark that nothing can be seen.
(何も見えないほど、この部屋は暗いです。)

いかがでしたか。
a と b のそれぞれの文をつなげる感覚をつかめたでしょうか。

I explained the English grammar so that you could use it both in speaking and writing English!
みなさんが英会話でも英語のライティングでも使えるように、英文法を説明しました!)

ではまた!