学校で習ったはずの英文法。日常会話にもよく出てくる使い方なのに、すっかり忘れていませんか? 身近にあるのに意外と知らない「習ったつもり」の英文法を、大学や専門学校、企業で教鞭をとるTOEIC人気講師・駒井亜紀子先生が解説してくれるコラムです。

to不定詞との組み合わせで、より「使える道具」に!

みなさん、こんにちは。駒井亜紀子です。

みなさんは何かスポーツはしますか? 私は、2年ほど前から細々とではありますがジョギングを続けています。

最近、外で走る時に使うシューズが傷んでしまい、買い替えました。その新しいシューズが非常に comfortable!(心地いい!)なんです。靴底のクッションの質がいいのでしょう。

そのシューズに替えて以来、外で走るのが楽しくなりました。多少、走る時の疲労も軽減されたようです。

こんな風に、何をするにしても「使い勝手のいい道具」は大事ですよね。道具を変えることで、私のようにジョギングが楽しくなる場合もありますし、使いやすい道具や心地よい道具を手にすることで作業が早く進んだり、効率よく仕事ができたりすることもあります。

実は、スポーツや仕事のみならず、英語に関しても、「使いやすい道具」があります。この「使いやすい道具」の中には 「文法表現」も入ることは間違いありません。

さて今回は、多くの方が「最も頻繁に使用する」と言っても過言ではないくらい、「非常に使い勝手の良い文法表現」をお伝えしていきます!

<It is 形容詞 + to不定詞>
(例)It is important to learn English.(英語を学ぶことは大事です。)

形式主語 it を文頭に置きます。この形式主語の it は訳しません。(形式主語 it は第2回のコラムでも出てきましたね!)まずは、It is important(大事だ)と言い切りましょう。そして、「何が?」と、自分自身に問うような感覚で考え、to learn English(英語を学ぶことは)とすると、to不定詞を繋げやすいですよ! つまり、ここの to不定詞である「to learn English(英語を学ぶことは)」は、この文の「真主語(本当の主語)」として機能しています。

実際、私自身もまだ英語を習いたての時に、頻繁にこの表現を使っていました。というのも、「簡単で、いろんな場面で使える」からです。しかも、It is important.(それは大事です。)という短い文ではなく、to不定詞を使いながら情報を加え、文を長く作れることで、「超初級者英語」から若干抜け出せた感覚になったのをよく覚えています。

きっとみなさんも簡単に使いこなせるはずですよ!

ではさっそく、例文を4つ作ってみましょう。
下線の部分に使用する (   ) 内の形容詞のヒントを手がかりに、まずは <It is形容詞> と言い切るつもりで文を作り始めましょう。

1. 英語の授業を受けるのは面白いです。(interesting)
2. 明日のテストに備える必要があります。(necessary)
3. 異なる文化を知ることは素晴らしいです。(great)
4. そこに10時までに行くことは可能です。(possible)

いかがでしたか。
ではそれぞれ答えを見ていきましょう!

1. It is interesting to take English lessons.
(英語の授業を受けるのは面白いです。)
2. It is necessary to prepare for tomorrow’s test.
(明日のテストに備える必要があります。)
3. It is great to know different cultures.
(異なる文化を知ることは素晴らしいです。)
4. It is possible to go there by 10 o’clock.
(そこに10時までに行くことは可能です。)

この表現は「誰が」を表す単語( I や You など)は書かれていませんが、 「話者」が自分のことを述べていると解釈するのが自然です。

とくに、例文で使用した It is important(大事だ)と、そして上記の It is interesting(面白い) / It is necessary (必要がある)/ It is great(素晴らしい)から始まる表現は、自分の意見や感想を言う時に非常に便利ですし、英検の二次試験の英語面接でも使える表現です。この4つは「いつも使える道具」になるように、何度も口に出して練習し、即座に使えるようにしておきましょう。「使える文法表現」という「手持ちの道具」を沢山揃えることで、どんな英語の場面でも対応できるようになってきますよ!

また、4番目の possible は「可能な」という意味の形容詞です。もしかしたら、その反対の意味の impossible「不可能な」の単語は、トム・クルーズ主演の Mission: Impossible(『ミッション:インポッシブル』)という映画で耳にしたことのある人もいるかもしれませんね!

もちろん、この impossible(不可能な)を当てはめて使うこともできます。

It is impossible to tell the difference.
(違いを見分けるのは不可能です。)
※tellは基本的には「言う」の意味ですが、tell the difference「違いを言う」という意味を発展させ、「違いを見分ける」という意味で使うことができます。

I can’t tell the difference. (私は違いを見分けることができません。)と言っても同じ意味になります。

4月のコラムは以上です!

It is really comfortable to stay outside in April!
4月は外にいるのがとても心地良いです!

暖かい春の季節をお楽しみください!
ではまた!