学校で習ったはずの英文法。日常会話にもよく出てくる使い方なのに、すっかり忘れていませんか? 身近にあるのに意外と知らない「習ったつもり」の英文法を、大学や専門学校、企業で教鞭をとるTOEIC人気講師・駒井亜紀子先生が解説してくれるコラムです。

語順に要注意! 間接疑問を使いこなそう

みなさん、こんにちは。駒井亜紀子です。

いきなりですが問題です!

下記の2つの文はどちらが正しいでしょうか。
(どちらか1つは文法的に間違っている文です!)

(A) Do you know when he will arrive?
(B) Do you know when will he arrive?

いかがでしょうか。
このあたりの知識があいまいになっている方も多いのではないでしょうか。

正解は…(A)です!

(A) Do you know when he will arrive?
 (あなたは、彼がいつ到着するか知っていますか?)

この正解の文のように、疑問文(When will he arrive?)が文の1部に組み込まれ、名詞節として働くとき、「間接疑問」と呼ばれます。このように疑問文が文の中に組み込まれる場合、疑問詞の後の語順は、普通の疑問文と違って「疑問詞+主語+動詞」の語順になります。
疑問詞 when が使われているため、ついつい不正解(B)のように、when will he arrive?と語順を変えずに文に組み込んでしまう間違いがよくあるので気をつけましょう!

【間接疑問を使った例文】

  • I know+疑問詞+主語+動詞.(平叙文)
  • Do you know +疑問詞+主語+動詞?(疑問文)

※「疑問詞」の部分には、where, when, what, who, which, why, whose, how などのWHを使った疑問詞が入ります。疑問詞の後の語順は、平叙文でも疑問文でも「疑問詞+主語+動詞」になる点に注目しましょう。

さぁ、今回は、この「間接疑問」について一緒に学んでいきましょう!

1.WH疑問文が文の一部になる場合

では、さっそく3つの例文を見てみましょう。

(1)I don’t know what she bought.(平叙文)
  (私は、彼女が何を買ったのかを知りません。)

下線部分が疑問詞 what を使った間接疑問です。「疑問詞(what)+主語(she)+動詞(bought)」の順で並んでいますね。

(2)Do you remember when you met him?(疑問文)
  (あなたは、彼にいつ会ったのかを覚えていますか?)

下線部分が疑問詞 when を使った間接疑問です。「疑問詞(when)+主語(you)+動詞(met)」の順で並んでいますね。

(3)The important thing is what you learned.(平叙文)
  (大事なことは、あなたが何を学んだかです。)

下線部分が疑問詞 what を使った間接疑問です。be動詞 is の後ろに「疑問詞(what)+主語(you)+動詞(learned)」の順で並んでいますね。

少しずつ間接疑問を使った文のパターンがつかめてきましたか?

では次に、(A)と(B)の2つの文をつなげて間接疑問を使った文を作る練習をしてみましょう。(1)~(3)の(A)の文の後ろに、正しい語順に直して(B)をつなげましょう。

(1)(A)Do you know ?
        +
   (B)Where is he now?

(2)(A)Could you tell me ?
        +
   (B)Who left the memo?

(3)(A)She explained .
         +
   (B)How is she learning English?

(B)の普通の疑問文を文の中に組み込むと、「疑問詞+主語+動詞」の語順になることを意識できましたか?
では、1つずつ正解を見てみましょう!

(1)Do you know where he is now?
  (彼が今どこにいるかを知っていますか?)

「疑問詞(where)+主語(he)+動詞(is)」の順番に並べます。

(2)Could you tell me who left the memo?
  (誰がメモを置いたか教えてもらえますか?)

(B) の語順をどうすればいいのか迷った方もいると思います。この場合、(B) Who left the memo? は疑問詞 who が主語の役割「誰が」となり、「主語+動詞」とつづくため、間接疑問を使った文を作る際も、そのままの語順でOKです!

(3)She explained how she was learning English.
  (彼女はどのように英語を学んでいるかを説明しました。)

ここで気をつけたいのは、「疑問詞(how)+主語(she)+動詞(was learning)」の語順にするのに加えて、be動詞 is を過去形 was に変化させる点です。 疑問文(B) How is she learning English?(彼女はどのように英語を学んでいますか?)ではbe動詞は現在形ですが、She explained のように、(A)の文の述語動詞が過去形 explained になっているため、時制の一致で疑問詞の後ろの動詞も過去形に合わせます。

2.疑問詞が文頭にくる場合

ここまでは、WH疑問文が文の一部になる場合の間接疑問を説明してきました。

「彼が明日どこにいくか知っていますか?」を Do you know where he will go tomorrow? と言えるのは、もうわかりますね?(下線部分が「間接疑問」です)

では、「知っていますか?」の部分だけを変えて、「彼は明日どこに行くと思いますか?」はどう英語で表現できるでしょうか。
動詞 know を動詞 think に変えて、Do you think where he will go tomorrow? と考えたくなりますが、実は違います!

主節の動詞に know を使う場合と think を使う場合、どのような違いがあるか見ていきましょう。

そもそも、疑問文には2つのタイプがあります。
1つは、Do you ~? で始まる疑問文。こちらは Yes / Noで答えます。
もう1つは、Where ~? のように疑問詞から始まる疑問文。こちらは Yes / Noでは答えられません。

Do you know where he will go tomorrow? (彼が明日どこにいくか知っていますか?)は Yes / No で答えるため、Do you ~? で始まる疑問文を用います。
一方で、think を使った「彼はどこに行くと思いますか?」という疑問文はどうでしょうか。こちらは、Yes / No では答えられないため、Do you ~? で始まる疑問文では表せません。

では、「彼は明日どこに行くと思いますか?」を英文でどう書くのでしょうか。

正解は…

Where do you think he will go tomorrow?(彼は明日どこに行くと思いますか?)

という文になります。
この文は Yes / No を問う文ではなく、「どこに」を問う文であるため、疑問詞を先頭に置く必要があります。

2つの間接疑問の違い

(1)主節の動詞が know[tell / understand]などの場合(Yes / No で答えらえる)
 ⇒ <Do you know+疑問詞+S+V ~?> / <Can you tell+疑問詞+S+V ~?>などの形になる。

(2)主節の動詞が think[suppose / believe]などの場合(Yes / No で答えられない)
 ⇒ <疑問詞+do you think+主語+動詞 ~?>などの形になる。
  ※do you think の前に疑問詞を置く。

ポイントは Yes / No で答えられるかどうかで、文の構成が異なる点です。
さらに、2つの例文の違いを見てみましょう。

(1)Do you know what he said? (彼が何と言ったか知っていますか?)
 ⇒ Yes / No で答えることができる。⇒ Do you ~? で始まる。

(2)What do you think he said? (彼は何と言ったと思いますか?)
 ⇒ Yes / No で答えない。⇒疑問詞で始まる。

(2)のように、「間接疑問を Do you think ~? と共に使う場合は、疑問詞を先頭に置く」ということを意識しましょう!

いかがでしたか?
今回は、2つの間接疑問の作り方を紹介しました。

The other day, one of my students told me how she was learning English.
(先日、私の生徒の一人が、どのように英語を学んでいるか私に教えてくれました。)
What do you think she said?
(彼女は何て言ったと思いますか?)
She said, “I’m learning from your columns!”
(彼女は“先生のコラムから学んでいますよ”と言ってくれました!)

みなさんもこのコラムから学べることがあると嬉しいです!

ではまた!