英単語の覚え方:単語帳・単語アプリの活用法
英語力を上げるには、語彙の知識を増やすことが欠かせません。そして語彙力を効率よく上げるには、単語帳や単語アプリが役に立ちます。この記事では、英単語を覚える目的や、目的ごとに異なる効果的な覚え方、単語帳・単語アプリを使った学習方法などを解説します。おすすめの単語帳や単語アプリ、よくある質問とその回答も載せています。英語の資格・検定試験を受けようと思っている方や、単語学習の能率を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
「単語を覚える」とは?
覚える目的
語学には、読む(リーディング)・聞く(リスニング)・話す(スピーキング)・書く(ライティング)という4つの技能があります。単語を覚える際には、どの技能を伸ばしたいのか、目的をはっきり意識するようにしましょう。なぜなら、聞く・話すためには単語の意味だけでなく発音も覚える必要があり、書くためにはスペルの知識も求められるなど、技能ごとに「語彙力」の内容に差異があるからです。もちろん、4技能のすべてを伸ばすに越したことはありませんが、目的別にターゲットを絞る方がストレスも少なく、効率よく覚えられるでしょう。
各技能に合わせた具体的な覚え方は、後述の「目的別学習方法の組み合わせ」をご参照ください。
「単語を覚えた」とは?
英単語の覚え方について学ぶ前に、以下のことを理解しておきましょう。
何をもって「覚えた」とするのかは、単語を覚える目的によって質が変わってきます。例えば、単語テストで高得点を取るために勉強する場合は、解答欄に正答を書ける程度に記憶したら「覚えた」と言えるでしょう。英語を運用できるレベルを目指すのなら、考えずとも一瞬で意味がわかる、話せる、書けるほど、しっかり記憶する必要があります。
英語のどの技能を身につけたいのかによっても、目標は変わります。リーディングを目的に勉強するならば、その単語が文中に出てきたときに意味がわかるレベルが求められます。リスニング力を伸ばしたいのならば、その単語の発音を聞いて意味をすぐ思い出せる必要があります。スピーキングをするためだったら、言おうと思った内容を表す英単語を即座に思い出せることと、その単語を正しく発音できることが求められます。ライティングの場合は、書きたい内容を表す英単語をすぐ思い浮かべられることと、正しくスペルアウトできることが必須です。
単語帳・単語アプリを使ったおすすめの学習方法
単語を覚えるには、単語カードやリストを作る、イラストと一緒に覚えるなど、いろいろな方法があります。どのような覚え方にも長所がありますが、多くの語をできるだけ効率よく覚えるという点では、市販の単語帳や単語アプリがやはりおすすめです。単語帳・単語アプリには、使用頻度の高い重要な単語が、学ぶ目的やレベルごとに数多く集められており、日本語訳・派生語・例文・音声など必要な情報がコンパクトにまとまっているという長所もあります。赤セルで日本語訳を隠す、アプリのテスト機能を使うなど、テストという手法で自分の弱点を把握することにより、効率よく復習できるのも利点です。
以下では、単語帳・単語アプリを使った学び方をおすすめ度順に紹介しているので、自分に合う学習方法を見つけてください。便利な単語帳・単語アプリを具体的に知りたい方は、後述の「おすすめの単語帳・単語アプリ」が参考になります。
見て覚える(おすすめ度:★)
見出し語と日本語訳を見比べたり、例文を読んだりと、目を使って覚える方法です。ただし見ているだけでは、なかなか覚えられなかったり、他の語と混同したりしがちです。たとえリーディングだけが目的であっても、音声を聞いたり何度も書いたりなど、他の学び方も組み合わせた方がよいでしょう。
書いて覚える(おすすめ度:★★)
ノートにスペルを書き写したり、それぞれの単語を紙に数回ずつ書いたりなど、手を使って覚える方法です。ライティングが目的の方におすすめです。書くという動作によって記憶を定着させるため、「試験の本番でスペルを思い出せない」という事態を減らすことができます。難点は書くことに時間がかかったり、手が疲れたりする点です。
発音して覚える(おすすめ度:★★)
単語を音読して覚える方法です。意味だけでなく発音も意識するやり方なので、リスニングとスピーキングを目的とする方におすすめです。メリットは比較的短時間で、繰り返し練習できることです。デメリットは、外出先や周囲に人がいる状況では練習しづらいなど、勉強の場が限られることです。
聞いて覚える(おすすめ度:★★★)
前述の「見て覚える」に加えて、耳も使う方法です。模範的な発音を聞くことができるので、リーディングだけでなく、リスニングとスピーキングを目的とする方にも役立ちます。目と耳の両方を刺激することで記憶しやすくなる上、スマホなどの機器があればいつでもどこでも聞けるのが長所です。すきま時間にこまめに聞くことで、学習時間を積み上げ、実力を伸ばすこともできます。
テストで覚える(おすすめ度:★★★)
単語帳の日本語訳部分を隠し、見出し語を見て意味を即座に思い出せるかチェックしたり、単語アプリのテスト出題機能を使ったりなど、テストを通じて覚える方法です。一度覚えた単語をテストで思い出すことで、記憶はより強固になります。単語帳のチェック欄に印を書き込んだり、アプリの「覚えた/覚えていない」を振り分ける機能を使ったりすることで、すでに覚えた単語を除外できるため、効率よく覚えることが可能です。
目的別学習方法の組み合わせ
前項では単語を覚えるいろいろな方法を、おすすめ度順に紹介しました。以下では伸ばしたい技能ごとに、それらの方法をどう組み合わせたらよいのかを説明します。
リーディング
リーディング力の向上が目的の場合は、単語を見た瞬間、その意味を理解できることが重要です。「この単語の意味、何だっけ」と悩んでから思い出すのでは、長い文章を把握することは困難だからです。単語を見たら意味がひらめくように、しっかり覚えることを目標にしましょう。単語とその日本語訳を見比べて覚えるだけでなく、音声を聞いたり、単語や例文を音読してみたりすると、記憶が定着しやすくなります。
リスニング
リスニング力を伸ばすためには、単語の意味だけでなく、発音も覚える必要があります。また長い英文を聞き取るには、単語を聞いた瞬間に意味を思い出し、理解できるレベルが求められます。そのレベルの語彙力を養うには、単語を読み上げる音声を再生し、聞いてすぐ意味を思い出せるようテストを繰り返すとよいでしょう。「聞き取れない」という場合には、音声に合わせて自分でも発音してみます。発音ができるようになると、音の違いも聞き取れるようになるからです。
リスニング対策には、無料ダウンロードできる旺文社リスニングアプリ「英語の友」がおすすめ! 単語モードに設定すると、見出し語だけが読み上げられるので、その意味がわかるかテストしてみましょう。再生間隔を短く設定すれば、より短時間で思い出す訓練も可能です。このアプリを使った学習法を知りたい方は「アプリ『英語の友』の使い方と学習法」を、リスニング対策全般に興味のある方は「英語のリスニング:上達する勉強法」を、ぜひご参照ください。
スピーキング
スピーキングは、「言いたい意味の単語が口をついて出ること」が求められます。単語を文章に組み立てる必要もあるので、リスニングより負荷が重いと言えるでしょう。その対策には、単語帳の例文をリピーティング(再生された音声を聞いてから復唱すること)したり、シャドーイング(再生される音声を聞きながら1、2秒遅れで復唱していくこと)したりすることがおすすめです。たいていの場合、スピーキングに要する語彙はリーディングよりやさしいので、ふだん使っている単語帳より難易度の低い本を使うとよいでしょう。例文を見て、その語や表現を使った英文を自分で作り、口に出してみるのもよい方法です。
ライティング
ライティングの場合は、単語の意味に加えて、スペルを正確に覚える必要があります。ライティングテストを受ける予定がある方は、緊張している本番でも正しく手書き/タイピングができるよう、実際に書いたりタイプしたりして覚えるとよいでしょう。単語帳の例文をディクテーション(再生された音声を聞いて書き取ること)するのもよい方法です。目で見るだけでなく、耳や手も使うことで記憶が定着しやすくなる上、「Wednesdayには発音されない d がある」などと、例外的なスペルへの意識も高まるからです。例文の一部を別の単語に入れ換えて、自分の言いたい内容に変えてみるなど、例文を生かした英作文をしてみるのもよいでしょう。
覚え方のヒント
以下では、英単語を効率的に覚える方法を解説しています。おすすめできない覚え方についても、理由を挙げて述べています。
覚えるための黄金ルール
反復する
単語を覚える一番の近道は、覚える→忘れたらまた覚える、というプロセスを繰り返すことです。一度で覚えられなくても、何度も忘れてしまっても、落ち込む必要はありません。日本語でも、しばらく書いていない漢字は書けなくなったりしますよね。ましてや外国語は、記憶しにくくて当然なのです。大事なのは諦めてしまわず、覚える作業をこつこつと繰り返すことです。1回や2回で覚えられなくても、10回20回、100回200回、見たり聞いたりすれば頭に入ります。「忘れて当たり前」くらいに考え、記憶が定着するまで反復して学習しましょう。
上記の作業を繰り返してせっかく覚えた単語も、そのあと長く触れずにいると、また忘れてしまい努力が水の泡になります。単語帳・単語アプリなどは、計画的に見返して、忘れているものがあれば覚え直すようにしましょう。具体的には、「毎日20単語ずつ覚える」などとペースを決め、その日はその単語を集中して覚え、24時間以内に1回、1週間後と1か月後にも1回ずつと復習を繰り返すのがおすすめです。適切な時期におさらいすれば、一度忘れてしまった単語も、今度はより短時間で覚えられます。一時期集中して覚える→時間を置いて復習する、この反復によって記憶がしっかり定着し、次第に忘れにくくなっていくのです。
テスト形式で確認する
単語テストは、覚えているか否かをはっきり認識できる上、比較的短時間で多くの単語に触れられる、効率的な学習方法です。毎日少しずつ行うよう習慣づけると、その積み重ねで確かな語彙力が培えるでしょう。何問正解できたかで一喜一憂するのではなく、覚えていない語を見つけて覚え直すための手段だととらえ、継続することが大事です。正答できなかった単語は意味をもう一度確認したり、例文を音読してみたりして、記憶を定着させるとよいでしょう。
市販のたいていの単語帳は、付属の赤セルを使って日本語訳を隠すと、テストとして活用できます。単語アプリは、テスト機能がついているタイプがおすすめです。詳しくは後述の「おすすめの単語帳・単語アプリ」をご覧ください。
覚えた単語に時間を使わない
単語を効率よく覚えるには、めりはりをつけた学習が大事です。すでに覚えた単語は除外して、未知の単語や覚えきれていない単語にエネルギーを集中しましょう。そのためには、単語を「振り分ける」ことが重要です。市販の単語帳を使う場合はチェックボックスを利用し、知っている単語には印をつける(またはつけない)ようにして、覚えた単語と覚えていない単語に振り分けましょう。単語アプリで学ぶ場合も、覚えたか覚えていないかを仕分けして、覚えていない単語だけを繰り返しテストできるアプリを選ぶとよいでしょう。
旺文社リスニングアプリ「英語の友」では、単語モードに設定すると、見出し語を「全て」「チェックをしたものだけ」「チェックをしていないものだけ」「未習のものだけ」読み上げるよう、再生パターンを選択できます。『英検でる順パス単』シリーズなど、旺文社の英語参考書の多くの音声を無料でダウンロードできるアプリです。
効率の良い覚え方
英単語の日本語訳だけを丸暗記するのは、シンプルで一見楽に見えますが、忘れるのもまた早いものです。おすすめの覚え方は、単語をいろいろな情報と結びつけて覚えるやり方です。複雑で手間がかかるように見えますが、記憶の定着度が格段に高まります。
同義語・対義語も一緒に覚える
一つの単語を覚えるとき、似た意味の単語や反対の意味の単語も併せて覚える方法です。例えば、abroad(海外で)を見たら同義語の overseas も同時に記憶する、sell(売る)という単語を目にしたときは「買う、は何だっけ?」と考えて buy を思い出すなどです。市販の単語帳はたいてい、同義語や対義語、さらに派生形なども載せているので、まとめて覚えるとよいでしょう。
接頭辞・接尾辞・語幹を覚える
多くの場合、英単語はアルファベットのランダムな羅列ではなく、一定の法則から成り立っています。その法則を理解すると、単語を効率良く覚えられるでしょう。例えば、pre(前に)という接頭辞がつく単語は、prepare(前もって用意する)、prepaid(前払いの)などと、「事前に」という意味を含みます。ist(~する人)という接尾辞がつく単語は、artist(artをする人=芸術家)、tourist(tour をする人=旅行者)と考えると覚えやすいでしょう。cred(信用)という語幹の意味を知っていると、credible(信頼できる)や credit card(クレジットカード)の意味が理解できるはずです。
リアルとリンクさせる
単語を教科書の中だけで覚えるのではなく、現実世界の事象と結びつけると、その単語のニュアンスが明確になり、記憶が定着しやすくなります。例えば retrieve(回収する)を覚えるときには、猟犬のレトリーバー(retriever)と結びつけると、「獲物を探し出して飼い主の元へ持って帰ってくる」というイメージから、単語の意味合いが覚えやすくなるでしょう。officer(警官、役人)という単語を覚えるときは、オフィスとの連想からイメージを膨らませることができますし、ネットで officer を画像検索してみて、視覚的に覚えるという方法もあります。
例文を手掛かりに、その語がどんな状況・場面で使われるのか、頭の中でリアルに想像する方法も効果的です。例えば、indicate(~を指し示す)を覚える際には、indicate a place on the map(地図上の場所を指差す)という例文を読んで、「街中で道を尋ねられた人が地図を指差しながら説明している様子」などを思い描くとよいでしょう。
効率の悪い覚え方
発音しない、音声を聞かない
たとえリーディングが目的であっても、スペルと日本語訳をただ眺めているだけでは、記憶が定着しにくいものです。単語を発声してみたりその音声を聞いたりと、五感を刺激して覚える方法がおすすめです。スペルを覚えたいときも、ただ書き写すより、ディクテーション(音声を聞いて書き取ること)をしたり、自分で発声しながら書いたりする方がよいでしょう。音と結びつけることでスペルを覚えやすくなりますし、単純作業になってしまいがちな書写より、耳や口も使いながら書く方が早く覚えられます。
1日に覚える単語数が少ない
人間の脳は、時間の経過と共に忘却する仕組みになっています。ですから覚えたものを忘れるのは当たり前です。「1日に覚える単語数は少ないけれど、ぜったい完璧に覚えるぞ」と頑張ってみても、日々新たな単語に取り組むうちに、記憶が薄れていくでしょう。それよりも忘れるのは覚悟の上で、1日にできるだけ多くの単語を覚える方がおすすめです。たくさん覚えた上で計画的に復習し、忘れたものを覚え直すようにした方が、結局はより多くの単語をより確かに記憶することができます。
おすすめの単語帳・単語アプリ
以下では、英単語を覚えるために役立つ単語帳・単語アプリを、レベルや目的ごとに列挙しています。自分のレベルがわからないという人のために、語彙力を判定するサイトも挙げています。
単語帳
単語帳は、ぱらぱらとめくってみて、「知っている単語が1、2割程度ある」と思うものにチャレンジするのがおすすめです。「どの単語帳を使えばよいか見当もつかない」という方は、語彙力判定サイトで実力を判定してから本を選ぶという方法もあるので、後述の「語彙力判定」の項を参考にしてください。
大学受験
大学受験を視野に入れて単語を学習しているという方には、以下の単語帳がおすすめです。
書名 | レベル |
『英単語ターゲット1200[改訂版]』 | 基礎から標準レベル。 |
『英単語ターゲット1400[5訂版]』 | 共通テスト・中堅私大レベル。 |
『英単語ターゲット1900[6訂版]』 | 共通テスト・国公立2次試験・難関私大レベル。 |
『英熟語ターゲット1000[5訂版]』 | 熟語の学習用。共通テスト・国公立2次試験・難関私大レベル。 |
英検
英検は級によってレベル分けされています。以下の表や、語学力の国際的な指標CEFR*を見て、自分のレベルに相当する級を選んでください。
書名 | レベル | CEFR |
『英検1級 でる順パス単』 | 大学上級程度 | B2~C1 |
『英検準1級 でる順パス単』 | 大学中級程度 | B1~B2 |
『英検2級 でる順パス単』 | 高校卒業程度 | A2~B1 |
『英検準2級 でる順パス単』 | 高校中級程度 | A1~A2 |
『英検3級 でる順パス単』 | 中学卒業程度 | A1 |
『英検4級 でる順パス単』 | 中学中級程度 | |
『英検5級 でる順パス単』 | 中学初級程度 |
*CEFRは、世界中で広く利用されている外国語運用能力の指標です。詳しくは当サイト内の記事「CEFRで見る英語・外国語検定試験」をご参照ください。
その他の英語資格・検定試験
その他の英語資格・検定試験のためには、以下がおすすめです。
試験名 | 書名 | CEFRレベル |
TOEIC L&Rテスト | 『TOEICテスト 英単語ターゲット3000[新装版]』 | A2~B2 |
TOEFLテスト(iBT, ITP) | 『TOEFLテスト英単語3800[4訂版]』 | B1~C2 |
IELTS | 『実践IELTS英単語3500』 | B1~C2 |
TEAP | 『TEAP英単語ターゲット』 | A2~B2 |
単語アプリ
おすすめの単語アプリは以下のとおりです。自分のレベルや目的に合うものを選びましょう。
アプリ名 | 目的 | 特徴 |
ターゲットの友 | 大学受験対策 | 『英単語ターゲット1200[改訂版]』、『英単語ターゲット1400[5訂版]』、『英単語ターゲット1900[6訂版]』、『英熟語ターゲット1000[5訂版]』の4種類があり、音声・テスト機能を利用できる。 |
英語の友 | 英検・TOEIC・TOEFL・IELTS・TEAP対策 | 旺文社の書籍に対応した音声が聞ける。単語学習に特化した「単語モード」あり。「覚えた/覚えていない」を仕分けることができ、テスト的な使い方も可能。 |
TOEFLテスト英単語3800 | TOEFLテスト対策 | 1)英単語を覚え、2)確認をし、3)選択問題で最終確認、という3段階で覚える仕組み。音声・テスト機能もあり。 |
新TOEICテスト 英単語・熟語 マスタリー2000 | TOEICテスト対策 | 1)英単語を覚え、2)確認をし、3)選択問題で最終確認、という3段階で覚える仕組み。音声・テスト機能もあり。 |
語彙力判定
「どのレベルの単語帳を使えばよいかわからない」という方は、語彙力を判定できるサービスを利用するとよいでしょう。例えば、Webサイト「Weblio語彙力診断テスト」では、25問の単語テストで手軽に自分の語彙レベルを判定できます。その結果に基づいて、前項の「単語帳」の中から、自分に合う教材を選びましょう。
FAQ(よくある質問)
英単語カードやリストは作った方がよいのでしょうか?
作ることそのものに時間がかかってしまうので、市販の単語帳や単語アプリを使う方が効率的です。音声の付属しているものが多く、耳で覚えたりディクテーション(書き取り)をしたりと、様々な覚え方ができるのもメリットです。独自の英単語カードやリストを作るのは、単語帳に未収録の語に出会うことが増える上級者(英検1級以上を目指すレベル)になってからでよいでしょう。
効率的に英単語を覚える方法はないですか?
繰り返しテストする方法がおすすめです。覚えているか否かを判定した上で、覚えていない単語を集中的に、何度もテストするようにしましょう。一度覚えたと思っても記憶は定着しておらず、しばらくしたらたいていは忘れてしまいます。24時間以内にまたテストし、1週間後にもう一度、そして1か月後にも試すなど、適切なタイミングで復習するのが大事です。
なかなか英単語を覚えられないのですが…
英単語と日本語訳の字面だけを見て、丸暗記しようとしているのかもしれません。英単語を見て日本語訳を思い出すだけでなく、様々な角度からテストする方が、記憶に残りやすくなります。日本語訳を見て英単語を思い出してみたり、音声を聞いて意味がすぐわかるか試したりしてみましょう。英単語を声に出して読み上げる、ディクテーション(音声を聞いて書き取ること)をするなども良い方法です。
英熟語帳はやった方がよいですか?
熟語なのか、それとも単語が並んでいるだけなのかを、見たり聞いたりしたときにぱっと判別できることが大切です。そのためには熟語集などで、ひととおり覚えておくとよいでしょう。熟語対策はつい後回しにしがちなので、あえて単語対策の前に組み込んだり、意識的に単語と並行して取り組んだりするのも一つのやり方です。
英単語帳以外の場所で見ると単語の意味を思い出せないのですが…
日本語訳を覚えてはいるけれど、その単語の語義を深く理解できていないのかもしれません。そういう方は英文の中で単語に出会ったとき、その訳語を文脈に合わせて微調整することができず、「思い出せない」と感じてしまいがちです。英単語とその日本語訳の間には、ニュアンスや文化の違いという溝があります。ですから日本語訳を丸暗記するのではなく、訳を手掛かりに単語そのものの意味を想像して覚えるとよいでしょう。例えば、「pictureの意味は、絵、写真、画面、全体像、…」と覚えると、英文を見たとき「どの意味だろう」と混乱してしまいますが、「pictureの原義は『描かれたもの』『絵のように美しい/そっくりなもの』だ」とイメージを膨らませて理解すると、英文全体の意味がすとんと腑に落ちるものです。単語を覚えるときは例文も読んで、場面・状況を思い描きながら、そのニュアンスを頭に入れるとよいでしょう。
まとめ
語学の基本は単語力です。活用や時制など文法の知識をどれだけ学んでも、ベースとなる語彙がおぼつかないのでは、英語を使いこなすことはできません。「膨大な単語をいちいち覚えるなんて…」「いくら頑張ってもすぐ忘れてしまう」と辛く感じるかもしれませんが、クイズや短時間でのおさらいなど自分に合う学習方法を見つけて、こつこつ身につけていきましょう。一定以上の単語を暗記すると、「この単語、見たことある」「XXの反対語だ」などと、頭の中で相互にリンクできるようになり、覚えるのが楽になっていきます。くじけずに、日々の努力を積み重ねていってください!
以上のように、手軽さや効率のよさという点では、音声を通して覚え、テストを繰り返す方法が最もおすすめできます。ライフスタイルや手持ちの機器などを考慮して、自分に合うやり方を見つけ、語彙力をこつこつ培うようにしましょう。