英語や大学入試に関する話題で、CEFR(セファール)という言葉を聞いたことはありませんか。この記事では、語学の熟達度を測る国際的な基準として近年注目が高まっているCEFRについて解説しています。最初に、そもそもCEFRとは何か、なぜ注目されているのか、2020年度の大学入試改革とどのようにかかわるのかについて述べます。次に、英検やTOEICテストなど、代表的な英語資格・検定試験を一つずつ取りあげ、CEFRの基準と対照します。最後に英語以外の言語の資格・検定試験とCEFRについても説明します。CEFRについて知りたい方、自分の英語力のレベルを国際的な基準で確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

CEFRとは

CEFRとは、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)」のことです。外国語の運用能力を、言語の枠や国境を越えて同一の基準で測ることができる国際的な指標です。欧州評議会(Council of Europe)により、20年以上にわたる研究と実証実験の末に開発され、2001年に公開されました。現在では38言語で参照枠が提供され、語学教育の現場で活用されています。言語資格を承認する根拠にもなるため、国境や言語の枠を越えた教育・就労の推進にも役立っています。

各レベルの概要

CEFRには、A1~C2の6つの等級があります。A1/A2レベルは「基礎段階の言語使用者」、B1/B2レベルは「自立した言語使用者」、C1/C2レベルは「熟達した言語使用者」であるとされています。従来の語学教育では、文法や語彙の知識の豊富さ・正確さを言語力として高く評価する傾向がありました。これに対してCEFRは、「その言語を使って、具体的に何ができるか」という点から言語力を評価します。したがってCEFRでは知識量と実用面の技能をバランスよく評価することができ、移住や就労、留学などの際に役立つ指標となっています。一般に、CEFRを1レベル上げるには、指導者の下での学習が約200時間必要とされています。

段階 CEFR 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧

熟達した言語使用者

C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
自立した言語使用者 B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の言語使用者 A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。

ブリティッシュ・カウンシル ウェブサイトより)

注目度上昇の背景

CEFRは2001年の発表以来、世界の言語教育に大きな影響を与えてきました。その発祥地域であるEUでは、多くの教育機関ですでに利用されています。例えば、「卒業までに、生徒の第二外国語のCEFRをB1レベルに上げることを目標とする」という具合です。CEFRの、さまざまな言語を「その言語で何がどの程度できるか」という尺度でレベル分けする点が、客観的で実用性の高い指標として評価されているのです。域内での人の移動を大幅に自由化したEUでは、就業・就学などに際し「私は、ドイツ語はA2でフランス語はB1です」などと、スキルのレベルを提示するようになりつつあります。

日本では、日本語版が2004年に発表されて以来、英語教育の指標として高校や大学で使われるようになりました。2012年にはNHKが、英語の各講座のレベルをCEFRに対応した6つのレベルに再編成しました。国内最大級の英語検定試験である英検(実用英語技能検定)も、CEFRに対応したスコア表示(英検CSEスコア)を2014年に試験的に導入、2年後に本格運用を開始しました。2020年度には、民間の英語資格・検定試験の結果を大学入試に利用する入試改革が予定されており、認定された9つの英語資格・検定試験*の結果の比較には、CEFRが用いられます。

* 認定された9つの英語資格・検定試験について詳しく知りたい方は、「大学入試のための英語資格・検定試験の特徴と選び方:英語資格・検定試験の特徴」をご参照ください。

グローバル化の進展と共に、語学、特に英語のスキルを国際的な指標で表す必要性は高まりつつあります。英語だけでなく他の言語の資格・検定試験でもCEFRを取り入れる動きがあり、重要性は今後も増していくことでしょう。

大学入試への影響

現行の大学入試センター試験は、国公立大学と一部私立大学の入試に広く使われていますが、2019年度(2020年1月実施)を最後に廃止されます。英語科目では、2020年度から2023年度にかけては、新しく始まる共通テスト「大学入学共通テスト」(1月実施)と、文部科学省が認定した民間事業者等が実施する英語の資格・検定試験(以下、民間試験)が併用されます。大学入学共通テストでは英語の2技能(リーディング・リスニング)を、民間試験では4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)を測定します。そして2024年度以降は、民間試験に一本化される予定です。

2018年3月、英検やTOEICテスト、IELTSなど9つの民間試験が大学入試センターにより認定されました。CEFRは、目的や内容が異なるこれらの試験の結果を公平に比較するため利用されており、大学入試関係者の間や教育業界で、注目されるようになってきています。

英語・外国語検定試験とCEFR

この項では、日本で広く利用されている英語資格・検定試験を取り上げ、CEFRとの対応関係をご紹介します。また、他の言語の資格・検定試験とCEFRのかかわりについても解説します。

(以下で述べる各試験の情報は、2018年8月時点の情報に基づいています。今後変更される可能性もあります。)

CEFRによる英語資格・検定試験の比較

英語の資格・検定試験はそれぞれ、測定する範囲を決めて、その範囲内で受験者の実力を測るように設計されています。以下では、各試験が測定範囲としているCEFRレベルを表で示しました。

試験名 A1 A2 B1 B2 C1 C2
英検1級            
英検準1級            
英検2級            
英検準2級            
英検3級            
TEAP            
TEAP CBT            
TOEIC            
TOEFL iBT            
IELTS            
GTEC Core            
GTEC Basic            
GTEC Advanced            
GTEC CBT            
ケンブリッジ英検 Key            
ケンブリッジ英検 Preliminary            
ケンブリッジ英検 First            
ケンブリッジ英検 Advanced            
ケンブリッジ英検 Proficiency            

大学入試センターの公開資料を基に作成)

CEFRで比較するメリット

英語資格・検定試験には、それぞれ独自の採点基準や配点があります。したがって、別の試験の受験者同士を比較してその英語力の優劣を判定したいとき、スコアを比べても意味がありません。このときに、受験者を「英語を使って何がどの程度できるか」という観点から評価するCEFRを使うメリットがあります。

また、英語資格・検定試験には、知名度や実施している地域にかたよりがあります。例えば、英検は日本では抜群の知名度がありますが、海外での認知度はそれほど高くありません。したがって海外で自分の英語力を表す場合は、「英検○級です」と言うより、「私は英検○級で、これはCEFRの△レベルに相当します」と言ったほうが伝わりやすいでしょう。

英検

英検という呼び名で知られている「実用英語技能検定」は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する国内最大級の資格試験です。内容は、日常生活からアカデミック、ビジネスまで幅広い分野を扱っており、小学生から社会人まで幅広い層が受験しています。比較的安価で、受験地が多いのが特長です。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、2018年8月以降は、従来型と英検CBTという2つの試験方式から選んで受験できます。

試験形式 実施級および検定料 実施回数 受験地
従来型 1級:8,400円
準1級:6,900円
2級:5,800円
準2級:5,200円
3級:3,800円
4級:2,600円
5級:2,500円 *1
年3回 全都道府県
英検CBT 2級:7,500円
準2級:6,900円
3級:5,800円
年12回 *2 北海道、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、福岡、沖縄

*1: 全級、本会場料金。

*2: ただし、4ヵ月ごとに区切られた回次ごとに1回のみ受験できる。

詳細は英検ウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

英検は、各級の合格がCEFRのA1~C1にほぼ対応しています。加えて、英検CSEスコアによって、CEFRのレベルの中でもどの辺りに該当するのか、より細かく判定することができます。

CEFR 英検各級の測定範囲 英検CSEスコア
C2      
C1 1級   2600~3299
(1級合格:2630)
B2 準1級 2300~2599
(準1級合格:2304)
B1 2級 1950~2299
(2級合格:1980)
A2 準2級 1700~1949
(準2級合格:1728)
A1 3級 1400~1699
(3級合格:1456)

大学入試センターの公開資料より)

目指すべきレベル

英検は、学習指導要領に沿って設計されているため、級と学年ごとの英語習熟度がほぼ一致しています。

CEFR 英検級 学年との対応
C1 1級合格 大学上級程度
B2 準1級合格 大学中級程度
B1 2級合格 高校卒業程度
A2 準2級合格 高校中級程度
A1 3級合格 中学卒業程度
  4級合格 中学中級程度
  5級合格 中学初級程度

大学入試(英語外部検定利用入試*)で、英検をはじめとする民間の英語資格・検定試験を活用したいと思っている方なら、志願する大学・学部にもよりますが、準1級(B2)~準2級(A2)程度が目標となります。また将来、英語を使う職場へ就職したいと思っている方なら、英検2級(B1)以上を目指すとよいでしょう。

* 英語外部検定利用入試について詳しく知りたい方は、「大学入試のための英語資格・検定試験の特徴と選び方:英語外部検定利用入試」をご参照ください。

 

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TOEICテスト

TOEIC(トーイック)テストは、アメリカに拠点を置く非営利テスト開発機関 Educational Testing Service(ETS)によって開発・制作され、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施・運営しています。ビジネスの場面を想定した内容が多く、社会人や大学生など、英語を仕事で使う人や就職活動を視野に入れた人が多く受験しています。リスニングとリーディングを扱うTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&Rテスト)と、スピーキング・ライティングを対象とするTOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&Wテスト)とに分かれています。

試験形式 検定料 実施回数 受験地
TOEIC L&R 5,725円 年10回 全都道府県
TOEIC S&W 10,260円 年24回 北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、埼玉、石川、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、福岡

詳細は TOEICウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

TOEICテストは、CEFRのA1~C1を測定できます。TOEIC L&Rテストでは、リスニングとリーディングを各495点満点で評価します。TOEIC S&Wテストでは、スピーキングとライティングの力を各200点満点で評価します。

CEFR TOEIC L&R TOEIC S&W
リスニング リーディング スピーキング ライティング
C2        
C1 490~ 455~ 180~ 180~
B2 400~ 385~ 160~ 150~
B1 275~ 275~ 120~ 120~
A2 110~ 115~ 90~ 70~
A1 60~ 60~ 50~ 30~

(IIBC「TOEIC Program各テストスコアとCEFRとの対照表」より)

CEFR TOEICテストの総合スコア *
C2  
C1 1845~1990
B2 1560~1840
B1 1150~1555
A2 625~1145
A1 320~620

大学入試センターの公開資料より)

* TOEIC S&Wテストのスコアを2.5倍にしてTOEIC L&Rテストのスコアと合算したもの。

目指すべきレベル

日本で2017年度にTOEICの公開テストを受験した人の平均点を見てみましょう。TOEIC L&Rテストでは、リスニングが320点(B1)、リーディングが261点(A2)です。TOEIC S&Wテストでは、スピーキングが124.5点(B1)、ライティングが141.2点(B1)です。

●日本における2017年度受験者の平均点

受験者 TOEIC L&R TOEIC S&W
  リスニング リーディング スピーキング ライティング
学生 309(B1) 250(A2) 122.2(B1) 136.3(B1)
社会人 333(B1) 274(A2) 126.2(B1) 145.0(B1)
全体(学生+社会人) 320(B1) 261(A2) 124.5(B1) 141.2(B1)

(IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2018」より)

IIBCが公表した2013年「上場企業における英語活用実態調査」報告書によれば、回答した上場企業の15.8%がTOEIC (L&R) テストのスコアを異動や昇進・昇格の要件にしており、45.2%が「将来は要件にする可能性がある」と答えています。そして「採用時にTOEIC (L&R) テストのスコアを参考にしている」という企業は69.3%、新入社員に期待するスコアは平均565点、中途採用社員では平均710点としています。英語力を期待する上場企業では、B1レベルが求められると言えるでしょう。

なお、IIBCの2018年7月12日のプレスリリースによれば、2018年度にTOEIC L&Rテストを団体特別受験制度(IPテスト)で受けた新入社員の平均スコアはリスニングが266点(A2)、リーディングが223点(A2)、合計489点だということです。

●TOEIC L&Rテスト:はじめの1冊にオススメ!
『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト本番模試 改訂版: 新形式問題対応』
 形式や内容はもちろん、サイズやマークシートなど細部まで「本番そっくり」にこだわったL&R向けの模擬試験集です。2016年5月にリニューアルされた新形式問題に対応した模擬試験を、2回分収録しています。さらに、スコアを上げるためのヒントをまとめた「即効!スコアアップ虎の巻」と、TOEIC攻略のカギとなる「重要ビジネスワード200」を収録した、特別冊子もついています。はじめて受験する人にも、「何度か受験したものの、もっと高いスコアを目指したい」という人にもおすすめの1冊です。音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことできます。

●TOEIC S&Wテスト:はじめの1冊にオススメ!
『TOEICテスト スピーキング/ライティング総合対策』
 設問別に攻略法を知り、トレーニングを通じて必要な力を身につけた上で、1回分の模擬テストを使って実力をチェックできます。トレーニングは、「文法」「スピーキング力」「タイピング速度」「ファンクション」という4つの側面から、発信力を総合的に上げる訓練をします。音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことできます。

IELTS

IELTS(アイエルツ)は、ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTSオーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営で保有する試験で、日本では日本英語検定協会とJSAFがそれぞれ実施しています。留学目的のアカデミック・モジュールと、移住など学業以外が目的のジェネラル・トレーニング・モジュールとがありますが、この記事では受験者が多いアカデミック・モジュールについて説明します。主な受験者は留学を希望する学生です。

検定料 実施回数 受験地
25,380円 年最大48回 札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、松本、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡、熊本

詳細は日本英語検定協会のウェブサイト、あるいはJSAFのウェブサイトをご確認ください。

CEFRとの対照

IELTSのテスト結果は、バンドスコアという、1.0から9.0までの0.5刻みの指標で表されます。4技能それぞれのバンドスコアと、その平均であるオーバーオール・バンドスコアがあります。CEFRのB1~C2を測定できます。

CEFR バンドスコア
C2 8.5-9.0
C1 7.0-8.0
B2 5.5-6.5
B1 4.0-5.0
A2  
A1  

大学入試センターの公開資料より)

目指すべきレベル

2017年にIELTSアカデミック・モジュールを受験した日本人の平均バンドスコアは、以下のとおりです。

技能 日本人の平均バンドスコア
リスニング 5.91(B2)
リーディング 6.09(B2)
ライティング 5.41(B1)
スピーキング 5.59(B2)
オーバーオール 5.81(B2)

(IELTSウェブサイト「Test taker performance 2017」より)

英語圏の一般的な大学へ留学する場合、多くはバンドスコア6.0~6.5を求められます。ハーバード大学など名門と言われる有名大学では7.0~7.5を要件とするところも少なくありません。つまり、B2~C1レベルの英語力が必要と言えるでしょう。

はじめの1冊にオススメ!  『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』
 海外留学を目指してIELTSを受験する人のための総合対策本。日本で初めてのブリティッシュ・カウンシル公認のIELTS問題集です。試験形式から申し込み方法まで、IELTSの公式情報が掲載されています。また、4技能の対策として、それぞれの出題形式、テストの流れ、評価基準、攻略法が書かれており、問題量も豊富なので、しっかりと対策ができます。加えて、現時点での実力を測るのに最適な、本番形式の模擬試験と、切り離して使える解答用紙、模擬試験の結果からどれくらいのバンドスコアを取れるのかが把握できる換算表もついているので、直前の対策にもばっちりです。他にも音声無料ダウンロード、IELTS学習アドバイスなどもあります。IELTSの目標バンドスコア取得へ向けて、ぜひ「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」と一緒にがんばってください!

TOEFL iBTテスト

TOEFL(トーフル) iBTテストは、アメリカが拠点の非営利テスト開発機関Educational Testing Service(ETS)が開発した試験で、アカデミックな場面における英語力を測定します。日本事務局は国際教育交換協議会(CIEE)です。主な受験者は留学を希望する大学生・高校生です。テストセンターで、1人1台のパソコンを割り当てられて受験します。

検定料 実施回数 受験地
235米ドル 40~45回 北海道、東北、関東、北陸、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄

詳細はTOEFLウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

TOEFL iBTテストは、各技能にスコアを30点ずつ割り当て、満点は120点です。CEFRのB1~C1を測定できます。

CEFR スコア
C1 95-120
B2 72-94
B1 42-71
A2  
A1  

目指すべきレベル

一般に、アメリカの大学へ留学するには61点以上、大学院なら80点以上が必要と言われています。つまり、大学はB1、大学院ならB2レベルが求められると言えるでしょう。ただし、ハーバード大学など名門と言われる有名大学ならば、100点以上、つまりC1レベルが必要とされることも珍しくありません。

はじめの1冊にオススメ!  『はじめてのTOEFLテスト完全対策 改訂版』
 TOEFL iBTはコンピュータを使って受験する試験で、試験時間が4時間にもおよぶハードなテストです。本番の試験で慌てたり、集中力が切れたりしないためにも、本書に収録された模擬試験すべてを受験できるWeb模試を利用して、試験に慣れておきましょう。本書は模試に加え、受験情報、攻略法、学習アドバイスと、必要な情報をすべて網羅してあります。音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことできます。本書を最大限に活用し、目標スコアを目指してがんばってください!

TOEFL ITPテスト

TOEFL(トーフル) ITPテストは、学校や企業などの団体単位で申し込み、その団体の構成員(学生・社員など)が受験します。英語のクラス分けや到達度テスト、科目の履修条件、単位認定、海外留学の選考などに利用されています。受験料は、団体や受験人数により異なりますが、TOEFL iBTテストの約7分の1と安価です。テストの実施日や実施場所は、団体の都合に合わせて決めることができます。TOEFL iBTテストとは全く別の試験で、そのスコアは、外部検定利用入試などの大学入試や、留学を希望する大学や大学院などに対する英語力の証明には使用できません。

詳細はTOEFL ITPテスト ウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

TOEFL ITPは、Level 1とLevel 2の2つのレベルがありますが、ここではより一般的なLevel 1について解説します。Listening Comprehension(リスニング)、Structure and Written Expression(文法)、Reading Comprehension(リーディング)という3つのセクションがあり、310~677点の範囲で採点されます。CEFRのA2~C1を測定できます。

CEFR TOEFL ITP
C1 627-677
B2 543-626
B1 460-542
A2 337-459
A1  

目指すべきレベル

TOEFL ITPテストとTOEFL iBTテストは別の試験ですが、そのスコアには高い相関関係が認められます。以下は、TOEFL ITPテスト(Level 1)とTOEFL iBTテストの総得点の比較を抜粋したものです。この表から、「TOEFL ITPで500点を取れたから、もしTOEFL iBTを受けるなら60点程度を狙えるかな」などと目途をつけることができるでしょう。留学にどの程度のスコアが必要かは、前項のTOEFL iBTテスト「目指すべきレベル」をご参照ください。

TOEFL ITPテストのスコア TOEFL iBTテストのスコア
640 – 677 111 – 120
600 – 637 100 – 110
577 – 597 90 – 99
550 – 573 79 – 89
527 – 547 71 – 78
500 – 523 61 – 70
467 – 497 51 – 60
437 – 463 41 – 50
397 – 433 30 – 40

(TOEFL ITPテスト ウェブサイト「TOEFLテストとの相関」より)

はじめの1冊にオススメ!  『はじめてのTOEFL ITPテスト完全対策 改訂版』
 「クラス分けや交換留学などでITPを受験することになったけど、何から勉強したらいいかわからない…」という方にオススメの1冊です。1回分の模擬試験に加えて、リスニング/文法/リーディングの各セクションの攻略法を解説した「傾向と解答手順」も掲載していますので、あまり時間がない方も効率よく対策できます。音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことできます。本書を活用して、目標スコアを目指してがんばってください!

ケンブリッジ英検

ケンブリッジ英検は、英国ケンブリッジ大学の非営利団体ケンブリッジ大学英語検定機構が制作している試験です。生涯にわたって英語を学習する視点で作られ、受験者の進路や目的、レベルに合わせた多くのテストを設計・実施しています。レベルは、やさしい方からKey、Preliminary、First、Advanced、Proficiencyの5段階があります。そのほかに学生向けのfor Schoolsや、ビジネスパーソン向けのレベル設定もあります。また、リーディング・ライティング・リスニングをパソコンで解答するCBT方式も実施されています。ここでは、2020年度以降大学入試英語成績提供システムに登録される試験として文部科学省に認定されたものだけを挙げます。

検定料(センターにより差異あり) 受験地
Proficiency:25,380円
Advanced:22,140円
First / First for Schools:19,980円
Preliminary / Preliminary for Schools:11,880円
Key / Key for Schools:9,720円
北海道、宮城、東京、神奈川、長野、静岡、愛知、大阪、兵庫、岡山、広島、島根、福岡、長崎

試験の種類や受験料、試験日、年間の実施回数は、試験センターにより異なります。認定試験センターはケンブリッジ大学英語検定機構のウェブサイトから検索できます。試験センターによっては、その実施機関(英会話学校など)に所属している人のみを対象としている場合もありますので、ご注意ください。

詳細はケンブリッジ大学英語検定機構のウェブサイトをご確認ください。

CEFRとの対照

ケンブリッジ英検は、CEFRの開発に深くかかわってきたケンブリッジ大学英語検定機構が制作しているため、CEFRに準拠しています。

CEFR 試験の種類
C2 C2 Proficiency(通称CPE)
C1 C1 Advanced(通称CAE)
B2 B2 First(通称FCE)
B1 B1 Preliminary(通称PET)
A2 A2 Key(通称KET)

(ケンブリッジ大学英語検定機構「ケンブリッジ英語検定とCEFR」より)

目指すべきレベル

ケンブリッジ英検は、日本の高校生を対象にKeyを開発するなど、学習指導要領との親和性が高い試験です。日本の高校生の受験者数(2017年度実績)を見ると、Preliminary / Preliminary for Schools(B1)の受験が最多でKey / Key for Schools(A2)がそれに次ぎ、この2つの試験がボリュームゾーンとなっています。

大学入試では、大学・学部により異なりますが、B1 Preliminary(通称PET)が最も多く英語外部検定利用入試に採用されています。次いで多いのはB2 First(通称FCE)です。

TEAP

TEAP(ティープ)は、上智大学と公益財団法人日本英語検定協会が共同で開発したアカデミック英語能力判定試験で、日本英語検定協会が実施しています。大学で必要とされるアカデミックな場面での英語運用力を正確に測定できるように設計されています。受験者は主に大学入試を目的とした高校生・浪人生です。

試験形式 検定料 実施回数 受験地
4技能パターン 15,000円 年3回 北海道、宮城、秋田、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、静岡、愛知、大阪、兵庫、広島、香川、福岡、熊本
2技能パターン(リーディング・リスニング) 6,000円

詳細はTEAPウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

スコアは各技能100点満点、全体で400点満点で採点され、CEFRのA2~C1を測定できます。

CEFR TEAPスコア 
  総合 リスニング リーディング ライティング スピーキング
C2          
C1 375~400 90~ 90~ 96~ 99~
B2 309~374 68~89 71~89 82~95 88~98
B1 225~308 54~67 52~70 59~81 60~87
A2 135~224 34~53 34~51 33~58 34~59
A1          

目指すべきレベル

TEAPのスコアを持っていると、英語外部検定利用入試に活用できます。上智大学などが行っている「TEAP利用型入試」では、学部ごとに定められたTEAPスコア以上を取得していれば、英語の試験が免除されます。また、従来の一般入試と併願できるため受験の機会が増えるメリットがあります。

具体例として、上智大学の2019年度TEAP利用型入試のTEAP出願基準スコアを見てみましょう。学部による差異はありますが、例えば外国語学部英語学科では、総合点300点(B1)と各技能のスコア70点(B1~B2レベル)を出願要件としています。その他の大学の例は、TEAPウェブサイトの「TEAP採用大学」をご参照ください。

はじめの1冊にオススメ! 『TEAP実践問題集』
 TEAP利用で合格を目指している受験生はもちろんのこと、まだ受験のプランが立っていないという方にも手に取っていただきたい問題集です。採用大学も続々と増えている試験なので、可能性の幅を広げるためにも、ぜひTEAP受験をご検討ください。
 本書の「TEAP受験生のみなさんへ。」では、TEAPで試される力とその習得方法について詳しく説明しています。TEAPは「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能試験ですから、多方面において総合的な学習をする必要があります。本書にはスクリプトとCDが付いているので、リスニングの音声を真似て読んでみたり、スピーキングのシミュレーションを繰り返したりする学習もオススメです。大学での勉強でも必ず役に立つ英語力を身につけて、志望校に合格してください!

TEAP CBT

TEAP CBTは、前項の「TEAP(ティープ)」の発展系として、教育測定研究所の協力を得て開発されました。ペーパーテストのTEAPとは試験内容が異なり、思考力・判断力・表現力に重きを置いた測定ができるよう設計されています。受験者は主に大学入試を目的とした高校生・浪人生で、会場に設置されたパソコンを利用して受験します。

検定料 実施回数 受験地
15,000円 年3回 北海道、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡

詳細は TEAP CBTウェブサイトでご確認ください。

CEFRとの対照

スコアは各技能200点満点、全体で800点満点で採点され、CEFRのA2~C1を測定できます。

CEFR TEAP CBT
C2  
C1 800
B2 600~795
B1 420~595
A2 235~415
A1  

目指すべきレベル

TEAP CBTも前項のTEAPと同様、英語外部検定利用入試に活用できるメリットがあります。上智大学の2019年度TEAP利用型入試のTEAP出願基準スコアを見てみましょう。学部により異なりますが外国語学部英語学科では、TEAP CBTの総合点525点(B1)を出願要件としています。その他の大学の例は、TEAPウェブサイトの「TEAP CBT採用大学」をご参照ください。

GTEC

GTEC(ジーテック)はベネッセコーポレーションが実施している英語試験です。社会人・大学生を対象としたものもありますが、ここでは中学生・高校生を対象としたものについて説明します。学校単位でのみ申し込むことができる試験で、学校ごとに希望する日程で行う「通常実施」と、あらかじめ定められた検定日に実施する「検定実施」があります。「通常実施」のスコアはオフィシャルスコアとして認定されません。4技能を測定することができますが、通常実施ではスピーキングを除いた3技能でも実施されます。

試験形式 検定料 検定実施の回数 受験地
3技能 非公開 (通常実施のみ) 47都道府県
4技能 5,040円 年2~3回 47都道府県

詳細はGTECウェブサイトをご参照ください。

CEFRとの対照

Core、Basic、Advancedの3タイプの難易度があり、それぞれCEFRのA1~A2、A1~B1、A1~B2を測定できます。4技能を測定する場合、スコアの上限はCoreが840点、Basicが1080点、Advancedが1280点です。

CEFR Core Basic Advanced
C2      
C1      
B2     1190-1280
B1   960-1080 960-1189
A2 690-840 690-959 690-959
A1 270-689 270-689 270-689

(4技能の場合;大学入試センターの公開資料を基に作成)

目指すべきレベル

GTECのスコアを外部検定利用入試に使用できる大学は、GTECウェブサイト「入試活用校検索」で調べることができます。入学を希望する大学・学部ごとに目指すべきスコアを確認しましょう。オフィシャルスコアではない「通常実施」のスコアを使用できるかは、各大学の入試要項をよく確認する必要があります。

GTEC CBT

GTEC CBTは、進学基準研究機構(CEES)とベネッセコーポレーションが日本の中高生の利用を想定して設計した試験です。GTECとは試験内容が異なり、個人で申し込むことが可能です。公開会場で、会場に設置したパソコンを利用して受験します。

検定料 実施回数 受験地
9,720円 年3回 47都道府県

詳細はGTECウェブサイトをご参照ください。

CEFRとの対照

試験結果は各技能350点の1400点満点で、CFERのA1~C1を測定できます。アダプティブ試験という、受験者が正答すると次問の難度が上がり、誤答すると下がるという方式なので、幅広いCEFRレベルの測定が可能です。

CEFR GTEC CBTのスコア
C2  
C1 1350-1400
B2 1190-1349
B1 960-1189
A2 690-959
A1 270-689

大学入試センターの公開資料より)

目指すべきレベル

GTEC CBTのスコアを外部検定利用入試に使用できる大学は、GTECウェブサイト「入試活用校検索」で調べることができます。入学を希望する大学・学部ごとに目指すべきスコアを確認しましょう。

他言語

独検

ドイツ語は、ドイツ、オーストリア、スイスのほか、リヒテンシュタインやルクセンブルクでも公用語として使われている言語です。その技能を測定するドイツ語技能検定試験、通称「独検」は、公益財団法人ドイツ語学文学振興会が主催しています。1992年の開始以来、累計約33万人が出願しました。

その独検でも、CEFRとの対応の目安が示されています。

CEFR 独検級
C2 1級
C1
B2 準1級
B1 2級
A2 3級、4級
A1 4級、5級

詳細は独検ウェブサイトをご確認ください。

日本語能力試験

日本語能力試験は、国際交流基金(JAPAN FOUNDATION;JF)と日本国際教育支援協会が運営する世界最大規模の日本語試験です。日本語を母語としない人たちを対象としています。N1~N5の5つのレベルに分かれていますが、CEFRには対応していません。そのため、国際交流基金の海外拠点、特にCEFRの需要が高い欧州の拠点で、CEFRに基づく指標を望む声が上がり、その結果「JFスタンダード」が開発されて、日本語教育に取り入れられています。

その他の語学の検定

EUの主要国フランスでは、Test d’Evaluation de Français(TEF)、Test de Connaissance du Français(TCF)、フランス国民教育省が認定した唯一の公式フランス語資格DELF / DALFなどの、CEFRに基づいた非ネイティブ向けのフランス語試験が行われています(日仏文化協会サイトより)。そのほか、イタリアの政府公認イタリア語検定試験Progetto Lingua Italiana Dante Alighieri(PLIDA)、スペインのスペイン語認定証Diplomas de Español como Lengua Extranjera(DELE)なども、CEFRを基準としています。

日本国内の、いわゆる「○検」と呼ばれる語学検定の多くは、日本での外国語教育の進め方に基づいて、その学習進度を測定する形で設計されています。そのためCEFRに対応していないものが多いのが実情です。しかし前述の独検がCEFRの目安を設けたように、今後はCEFRとの対応を意識した検定が増えていくものと思われます。

まとめ

英語の資格・検定試験の本やサイトなどで、よく引き合いに出されるCEFR、どういうものかご理解いただけたでしょうか。グローバル化の進展にともなって、語学力のレベルを統一的な基準で表す必要が生まれ、その結果誕生したのがCEFRです。多くの語学の資格・検定試験がCEFRを踏まえた方式に変わりつつあり、その流れは今後も続くと思われます。外国の人に自己アピールする機会に備えて、自分の英語力をCEFRのレベルで把握しておきませんか。