TOEIC初心者を脱却した社会人5年目のなっちゃん。さらなるスコアアップを目指して、まだまだ奮闘中。
カタカナ英語の落とし穴に気づいたようです。

#9 “season” なのに、「季節」じゃない!?

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濱崎潤之輔先生(以下ハ):TOEICはオフィス英語なので、summary や launch など、ビジネスパーソンにはおなじみの単語もよく出てきますね。

なっちゃん(以下な):はい、よく見かける気がします。入社したてのころは、上司が「今日のアジェンダは…」ってよく言うので、「何? アジェンダって?」と思ってたんです。「議題」のことなんですよね。そしたらTOEICでも agenda が出てきて、英語でもフツーに使うんだーと思って覚えました。ところが、中途半端にカタカナ英語を知っていることが、理解のじゃまになるときがあって…「レジュメ」は知っている! と。

ハ:résumé の意味は「会議の資料」だけだと思ってしまったんですね。

な:そうなんです! 日本語の会話ではそれ以外の意味で使うことがないですから、英語としてもそれがメインの意味なんだろうと思いこんでいました。

ハ:無理もないかもしれませんね。

な:そうしたらTOEIC問題で求職者に「レジュメ」を求めるシーンが出てきて、「まだ入社してもいないのに会議資料を提出するっていったいどういう状況……?」って。

ハ:「求職者に求めるもの」という文脈であれば、名詞の「履歴書」の意味ですね。「要約、概要」という意味もあって、これが転じて日本では「会議資料」の意味で使われることが多いようです。でも、TOEICではもっぱら「履歴書・身上書」の意味で登場します。ちなみに、ほとんど同じつづりで、動詞「再開する」の意味もありますよ。

な:ぐぐ……カタカナ語のせいでただでさえ紛らわしいのに、違う品詞の意味まであるとは。

ハ:リーディングセクションでは e の上にアクセント記号がつくので名詞だとわかります。résumé なら名詞、resume なら動詞ってことですね。

な:なるほど、それは見分けやすいです! でもリスニングだと、違いがわかるかな……。

ハ:résumé と resume は発音が違うので、どう発音されたかを覚えておけば大丈夫。あとは、リーディングでもリスニングでも、文脈に気を付けましょう。複数の意味を持つ言葉の中には、文脈で判断するしかないものもあります。season なんかは、同じ発音で名詞の「季節」「時期」、動詞の「~に味付けする」「~に経験を積ませる」とか……

な:わ、ノーマークだった意味がいくつも! それにしても、日ごろ馴染んでいない単語だと、文脈で判断するのが難しいです。

ハ:そうですよね。なかなか意味をイメージできないときは、TOEICのテキストを使って覚えるのが効果的です。たとえば、resume ならこんなシーン。工場が点検で作業を停止していたあと、再稼働するときに流れるアナウンス。
“Our operation will resume on Monday.”

な:「月曜日に作業を再開する」ってイメージですね! いかにもTOEICに出てきそう!

ハ:その調子です。複数の意味を持つ語について、どういう状況でどの意味が使われやすいかは、テキストを読み込んでいくと見えてきますよ。

な:自分の知っている意味だけで訳していくと、なんだか話がおかしいな? と思うことがよくあったので、テキストを丁寧に読んで文脈ごと意味を覚えるようにしてみます!

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な:「英語では違う意味がメインになる」どころか、もはや英語にそんな単語はないぞってカタカナ語もありますよね……。

ハ:そう、特に日本で作られた和製英語は、英語での言い方とまったく違うことがあるので、要注意ですね。TOEICに出てきそうなものをあげてみましょうか。

よく使われる和製英語(左)と実際の英語(右)
  • アルバイト → part-time job
  • アンケート → questionnaire
  • オーダーメイド → custom made, tailor made, made-to-order
  • ガソリンスタンド → gas station(米), petrol station(英)
  • クレーム → complain
  • コンセント → outlet(米), socket, power point(英)
  • シャトルバス → shuttle service
  • ノートPC → laptop computer
  • パンフレット → brochure
  • フライドポテト → french fries
  • フローリング → wooden floor
  • ベビーカー → stroller
  • ペットボトル → plastic bottle
  • ホテルなどのフロント → reception
  • マンション → apartment
  • メーカー → manufacturer
  • モーニングコール → wake-up call
  • リュックサック → backpack

な:わー、知らなかったやつが結構あります! 「コンセント」は concent じゃないのか……。「フロント」は reception なんですね。「レセプション」っていうと、大勢で集まってごはんの会のイメージです。

ハ:それは日本人の使い方ですね。レセプションは receive(受ける)の名詞形なので、「受付」なんです。同じ語根では receipt「受領書」もありますね。

な:レシートは紙でもらうものなので、「シート」と関係あるのかと思っていました。「受ける」から派生していたんですね!

ハ:気づいたときが覚えるチャンス! 意味や用法をイメージしながら単語を覚えていきましょう!

◆ハマー先生に学ぶ! 本日の教訓◆

  • カタカナ英語・和製英語は、英語とは違うことを心しておくべし。
  • 覚えにくい単語は、TOIECのテキストを使ってイメージをつかむのも手。

濱崎潤之輔先生 プロフィール

大学・企業研修講師、書籍編集者。TOEIC L&Rテスト 990点×70回以上取得。著書に『TOEIC L&Rテスト 990点攻略』(旺文社)など多数、監修した書籍も含めると累計70万部以上。一切妥協のない真摯な指導が多くのファンに支持されている。近刊に『TOEIC L&Rテスト 目標スコア奪取の模試』(旺文社) 、 『TOEIC L&Rテスト 990点攻略』(旺文社)など。

♦Twitter @HUMMER_TOEIC

なっちゃん プロフィール

社会人5年目の旺文社社員。TOEIC400点台からのスコアアップ(とそのごほうびの焼肉)を目指してTOEIC対策に奮闘中。Twitterフォロワーさんのあたたかい励ましが日々のやる気のもと。勉強中のエネルギー補給はもっぱらラムレーズンチョコ。

♦Twitter @gogoNacchannel

4コマイラスト はしあさこ

イラストレーター、キャラクターデザイナー。ほんわか、かわいいテイストで独特の笑いを攻める4コマが人気。

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