この記事では、TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要と、Part 4の攻略法について解説しています。最初に、TOEIC L&Rテストの構成やリスニングセクション全体の問題の形式、Part 4の内容と出題傾向など、試験の概要を述べています。次に、Part 4の攻略法や解答のコツ、スコアを伸ばすためにすべきことなどを解説します。最後に、Part 4に特化した勉強方法や、役に立つ参考書についてまとめています。TOEIC L&Rテストのスコアを伸ばしたい方や、分量の多いリスニングに苦手意識がありPart 3やPart 4のスコアが伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2019年10月時点の情報に基づいています。受験の際は、TOEICウェブサイトで最新情報をご確認ください。

試験内容

以下では、問題数や試験時間、スコアなど、TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要について述べています。Part 4の試験内容についても詳述しています。

TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要

TOEIC L&Rテストは、マークシート方式のテストです。同室の受験者が同じタイミングで受験し、問題用紙に記された選択肢を選んでマークすることにより解答します。出題形式は毎回同じで、英文和訳や和文英訳など日本語力を要する設問はありません。

TOEIC L&Rテストは、リスニングセクションとリーディングセクションから構成されています。まずリスニングセクションが行われ、設問数は100問、試験時間は約45分です。そのあと、設問数100問、試験時間75分のリーディングセクションが実施されます。

●TOEIC L&Rテスト、リスニングセクションの構成

パート 内容 問題数 詳細
Part 1 写真描写問題 6問 写真の内容を最も的確に描写している説明文を、放送される4つの選択肢から選ぶ。
Part 2 応答問題 25問 発言を聞き、放送される3つの選択肢から、応答として最もふさわしいものを選ぶ。
Part 3 会話問題 39問
(13会話×3設問)
2人または3人の会話を聞き、問題用紙に印刷された質問と4つの選択肢を読んで、最も適当な答えを選ぶ。
Part 4 説明文問題 30問
(10トーク×3設問)
ミニトークを聞き、問題用紙に印刷された質問と4つの選択肢を読んで、最も適当な答えを選ぶ。

TOEIC L&Rテストの成績は、合否ではなく、10~990点のスコアで評価されます。リスニングセクションとリーディングセクションそれぞれのスコアレンジが5~495点です。

TOEIC L&Rテストについて、より詳しく知るには、この記事がおすすめ!
「TOEIC L&Rテストとは:概要と勉強法・試験対策」

この記事には、レベルや試験内容、他の英語試験との比較など、TOEIC L&Rテストの概要がまとめられています。出題傾向に合わせた勉強法や当日の試験対策も、例題を挙げて詳述されています。ぜひ参考にしてください。

Part 4 説明文問題とは

リスニングセクションの最後のパートであるPart 4は、1人の人物によるミニトークと質問を聞き、質問への答えとして最も適当なものを4つの選択肢の中から選ぶ問題です。トークは印刷されておらず、1回だけ放送されます。質問は放送される上、問題用紙にも印刷されています。4つの選択肢は放送されず、問題用紙にのみ印刷されています。

問題の中にはトークの内容を、問題用紙に印刷された図などの情報と関連づけて解くタイプの出題もあります。放送されるトークの数は10で、トークごとに設問が3問ずつあり、Part 4全体では計30問が出題されます。

Part 4でどのような問題が出題されるか知りたい方は、後述の「設問の種類に注目する」の例題を参考にしてください。

リスニングセクションの他のPartについて知りたい方は、『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 1 問題と解答のコツ』『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 2 問題と解答のコツ』『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 3 問題と解答のコツ』をご覧ください。特にPart 3は、聞き取るべき英文の量が多い、読みながら聞くマルチタスキングが重要であるなど、Part 4との共通点が多いPartです。Part 3の記事を先に読んだ方は、基本的な考えをPart 4にも応用できます。

試験の流れと解答のコツ

以下では、Part 4がどのように出題されるかについて述べています。問題用紙に印刷された設問・選択肢を見るときに注目すべき点や、聞き取りのポイント、解答のコツについても解説しています。

Part 4の流れ

まずPart 4のDirectionsが流れ、試験内容が案内されます。Directionsは、問題用紙にも印刷されています。

Directionsが終わると、10のトークとそれぞれ3つずつの質問が続けて放送されます。1問につき、トークが読み上げられる時間は40秒前後です。各設問の音声が流れ終わったあと、8秒(図表を見て解く問題は12秒)のポーズがあります。このポーズは、解答時間として設けられています。3つめの設問が流れたあと決まった秒数が経過すると、次の問題の放送が始まります。

先読みのポイント

リスニング問題の放送開始前に問題用紙に目を通す「先読み」は、質問と選択肢が印刷されているPart 4では特に重要です。Part 3と共通する点が多いので、『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 3 問題と解答のコツ』の「先読みのポイント」も参考にしてください。

Part 4で出題されるトークは40秒前後と大量なので、質問・選択肢をトークの放送開始前に先読みした上で、必要な情報を待ち受けるようにトークを聞くのがおすすめです。質問と選択肢の両方とも先読みすることが難しいなら、どちらかだけにでも目を通して、何が問われるのか推測するようにしましょう。

以下の例題で、具体的に説明します。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)
Which department does Richard Slater normally work in?
(A) Accounting
(B) IT
(C) Consumer Finance
(D) Planning

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

この問題では、質問に department(部門)という単語と Richard Slater という人名があり、選択肢に Accounting(経理)、IT など部署名が並んでいることから、Richard Slater 氏の部署が問われると予測できます。

トークの種類に注目する

Part 3との違い

Part 3で出題される英文は、話題や場面の違いはあってもすべて conversation(会話)です。しかしPart 4のトークは、電話のメッセージや広告などと、いくつかの種類があります。トークの種類ごとに、話がどのように展開される傾向があるのか知っておくと、トークの内容を予想しやすくなります。トークの種類は、問題の冒頭で Questions XX through XX refer to the following ○○○○.(問題XXからXXは次の○○○○に関するものです。)と予告されるので、末尾の○○○○に気をつけて聞きましょう。以下の例題で確認してください。

例題:

(放送される英文)
Questions 80 through 82 refer to the following advertisement.

It’s hard to clean all the different surfaces in your home, isn’t it? (以下略)

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

この問題では、冒頭でQuestions 80 through 82 refer to the following advertisement.(問題80から82は次の広告に関するものです。)と述べられているため、トークの種類が広告だと分かります。

それでは以下で、トークの種類とその特徴を、種類ごとに詳しく見ていきましょう。

telephone message / 電話メッセージ

トークが留守番電話に吹き込まれたメッセージであるタイプです。発信者と受信者の関係は多くの場合、ある会社の社員や施設のスタッフとその顧客、または会社の同僚同士などです。想定されている聞き手は一人だけで、トークの始めの方で Hi, XX. などと名指しされることもあります。話の展開は、スケジュールの変更や商品・サービスの不具合の報告など、何か問題が起きていることを告げるものが主で、多くの場合、その問題点について出題されます。

announcement / アナウンス

トークが館内放送など客への説明であるタイプです。具体的には、フライトの変更を告げる空港でのアナウンス、社内での従業員へ向けたお知らせの放送などがあります。想定されている聞き手は特定の多数で、多くの場合、放送をしているのがどんな人か、放送が行われている場所はどこかなどについて問われます。

excerpt from a meeting / 会議からの抜粋

トークが社内会議での発表や報告であるタイプです。具体的には、商品・サービスに関する報告、成績や新支社開設の報告、従業員の紹介などです。想定されている聞き手は特定の多数で、話し手がどのような人物であるかがよく問われます。

broadcast / 放送

トークがラジオ番組など放送であるタイプです。具体的には、ニュースや交通情報、天気予報、イベントの紹介などです。不特定多数の人への放送で、聞き手は限定されません。多くの場合、2つの情報が関連づけて述べられます。例えば、天気予報のあとに雨天のために地域のイベントが延期されると伝えられるなどです。

advertisement / 広告

トークが、テレビやラジオによる広告であるタイプです。商品やサービス、イベントなどの紹介が述べられます。不特定多数の人への放送で、聞き手は限定されません。商品やサービスの特徴のほか、割引きなどの優待が説明されることもあります。

その他

その他、recorded message(録音された自動応答のメッセージ)、notice(告知)、report(報告)、talk(話)、introduction(紹介)などがあります。話し手がどんな人か、聞き手にはどんな人が想定されているかに注意しましょう。

電話番号やURLが出てきたら
トークが放送や広告である場合、トークの末尾あたりで電話番号やURL、メールアドレスが述べられることがあります。これらは、実生活であれば聞き取るべき情報ですが、TOEIC L&Rテストでは重要ではありません。話し手の用件が理解できれば十分なので、数字が列挙されたら「電話してほしい、という内容だな」、メールアドレスが述べられた場合は「Eメールを送れという主旨だ」、www.~とアナウンスされたら「ウェブサイトへの誘導らしい」程度に聞くようにしましょう。

「どの番号に電話をしてほしいと言っていますか?」などと、数字を並べた選択肢から放送された数字を選ばせるような問いは出題されません。ですから、数字や文字列の詳細に気を取られて重要な部分を聞き逃したり記憶の容量を無駄にしたりすることがないよう、「程よく聞き流す」ことが大事です。

設問の種類に注目する

Part 4では、Part 3の設問と似たタイプの問いが多く出題されます。Part 3の設問については、『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 3 問題と解答のコツ』の「設問のタイプ」を参考にしてください。

Part 3と異なるPart 4固有の特徴は、listener(トークには直接登場しない、架空の聞き手)について尋ねる設問がある点です。以下の例題で見てみましょう。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)
80. What is the speaker doing?
(A) Introducing a product
(B) Cleaning a house
(C) Helping a customer
(D) Arranging a program

81. What does the man imply when he says, “it’ll be spotless in seconds”?
(A) The cloth will dry fast.
(B) The surface will be clean quickly.
(C) The chemicals need time to mix.
(D) The cleaner cannot remove all dirt.

82. What are some listeners invited to do?
(A) Ask the speaker questions
(B) Participate in a demonstration
(C) Talk about their experiences
(D) Receive product samples

(放送される英文)
Questions 80 through 82 refer to the following advertisement.

It’s hard to clean all the different surfaces in your home, isn’t it? Usually, you need one cleaner for the kitchen, one for the bathroom, and one for the furniture. SteadyClean is different. Its powerful yet gentle chemicals allow you to clean any area of your home. Just spray it on a wet cloth and wipe it over any surface: it’ll be spotless in seconds! Now, I’m going to invite some of you from the audience to join me on stage. You’re going to have the chance to use this product on some of the items I have up here with me. Then, you’ll see just how great this cleaner really is!

No. 80. What is the speaker doing?
No. 81. What does the man imply when he says, “it’ll be spotless in seconds”?
No. 82. What are some listeners invited to do?

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:No. 80:(A)

No. 81:(B)

No. 82:(B)

概要を問う出題

トークの全体的な内容を問うタイプの設問です。話題や問題点など、トークの主題が問われ、多くの場合、3つの設問の1つめとして出題されます。例題を見てください。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)
80. What is the speaker doing?
(A) Introducing a product
(B) Cleaning a house
(C) Helping a customer
(D) Arranging a program

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(A)

このタイプは多くの場合、トークの冒頭を聞き取ることで解答できます。例えば上記の例題では、冒頭の前置きからトークの種類が advertisement(広告)だと分かり、トークの第1文の hard to clean(掃除することは大変)という語句から、掃除の困難さが話題だと判断できます。したがって清掃用品の宣伝であろうと推測することが可能になり、正答を絞り込めるでしょう。もし、冒頭を聞き落としてしまっても、諦めず最後までしっかり聞くことが大事です。会話の全体から use this product(この製品を使う)などのキーワードを拾えれば、解ける可能性が広がります。

細部を問う出題

トークの中で言及された、細かい情報を問うタイプの設問です。物事の理由、数字や時間、予定などの詳細な情報を、正確に聞き取らなければ正答できません。例題を見てください。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)
82. What are some listeners invited to do?
(A) Ask the speaker questions
(B) Participate in a demonstration
(C) Talk about their experiences
(D) Receive product samples

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(B)

このタイプの設問では、質問や選択肢の中の単語がそのままの形でトーク内に現れることは、ほとんどありません。ですから、「先読みした内容が言い換えられていないか」という点に注意しながら聞くとよいでしょう。質問や選択肢の中の単語と同じ単語や、発音の似た単語が聞こえた場合は、引っかけかもしれないので用心が必要です。ここでは join me on stage(一緒にステージに上がる)、have the chance to use this product(この商品を使う機会を得る)が、Participate in a demonstration(実演に参加する)と言い換えられています。

また多くの場合、質問で speaker と示される人は、トーク内で主語に I や we を使う人物と同一です。質問で listener と示される人物は、you で置き換えられることがほとんどです。上記の例題では、質問に listeners という単語があるので、トーク内で you と言われたら注意して聞くとよいでしょう。

意図を問う出題

トークの中で言及されたせりふが、どのような意図で話されたのかを問うタイプの設問です。設問の中に、“ ” で括られた文が入っていることが目印になります。例題を見てみましょう。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)
81. What does the man imply when he says, “it’ll be spotless in seconds”?
(A) The cloth will dry fast.
(B) The surface will be clean quickly.
(C) The chemicals need time to mix.
(D) The cleaner cannot remove all dirt.

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(B)

このタイプの設問は難度が高くなります。it で表していることがつかみにくい、「Aである(からBだ)」のような暗示されている(  )内を推測しなければならないなど、ハードルの高い問題が多いからです。解答に時間を取られるので、目標スコアによっては捨ててしまうのも一つの戦略です。

解こうとする場合は、トークの種類や音声のニュアンスなど、あらゆる情報を利用しましょう。上記の例題であれば、「このトークの目的は宣伝だ」、「音声も、ポジティブな面を強調している」などの点から、ネガティブなことを述べている(D)を除外し、ポジティブな選択肢である(A)か(B)に絞り込むことができます。

図表に関連する出題

問題用紙に印刷された画像の情報を、トークの内容と結びつけて答えるタイプの設問です。設問の冒頭に Look at the graphic.(その画像を見てください)という言葉があったらこの種の問題です。以下の例題を見てください。

例題:
(問題用紙に印刷されている質問と選択肢)

Look at the graphic. How many laptops does the company need in total?
(A) 3
(B) 5
(C) 6
(D) 7

(放送される英文)
John, this is Stella Gomez from headquarters. I turned in an order for office supplies this morning, but I hope that you haven’t processed it yet. We have to add another three laptops to our order.(以下略)

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(D)

この例題ではリストが取り上げられていますが、そのほかにも見取り図、グラフ、広告、レシートなど、さまざまな画像が用いられます。この種の設問は、トークの内容と画像の情報を組み合わせて解かなければならないので、難度が上がります。図は質問と選択肢より上の位置に印刷されていますが、まずは質問・選択肢を読みましょう。図はあとで、時間に余裕があったら見る程度に留めるのがおすすめです。質問・選択肢から要点を予想した上でトークを聞き、求める情報が言及され始めたら、図を見ながら聞くとよいでしょう。

解答のコツ

Part 4の解答のコツは、Part 3とほぼ同じです。必要に応じて、当サイト内の記事『TOEIC L&Rテスト リスニング Part 3 問題と解答のコツ』の「解答のコツ」も参考にしてください。

トークが流れている間

先読みした質問や選択肢の内容を頭に置きながら、音声に集中しましょう。設問は基本的に、トーク内に出て来る情報の順に配列されています。ですから設問順に情報が出てくると予測し、待ち受けるように聞くのがコツです。トークの放送中でも、答えを聞き取れたらすぐにマークシートに、線やチェックマークなどの印をつけましょう。マークシートを放送中に塗りつぶす必要はありません。TOEIC L&Rテストの音声は一度しか放送されないので、放送中や放送の合間は聞き取りと先読みに集中し、マークシートはリスニングパートの終わりなどにまとめて塗りつぶすとよいでしょう。

1・2問めの質問の読み上げ中

トークの放送が終わったら各質問の放送は待たず、印刷されている質問を読んで解答を進めましょう。質問の放送は内容を聞き取るためではなく、解答時間の目安に使うのがおすすめです。目標としては、2問めの質問の放送が始まる頃までに3問すべてを解けるとよいでしょう。「分からなかったらAを選ぶ」など、自分なりの解答パターンを前もって決めておき、聞き取れなかったら即マークして次へ進むのも、時間を効率的に使うための一つのテクニックです。

3問めの質問の読み上げ~ポーズの間

3問めの質問の放送は聞き流して、次の問題の先読みを始めましょう。「先読みのポイント」を参考に、質問や選択肢に目を通します。3つの質問とその各選択肢のすべてを読み切るのは難しいので、自分の先読みできる量を前もって確認し、「質問だけを読む」などと目安を決めておきましょう。「図表の出てくる問題はすべてAをマークして、その時間を残りの問題の先読みにあてる」などと、捨てる問題を決めるのも一つの方法です。このタイミングで準備を整え、次の問題の先読みにかからなければ、出題のスピードに追いつけなくなる恐れがあるので注意しましょう。

次のトークが始まったら

先読みした質問・選択肢の内容を頭に置きながら、音声に集中しましょう。そのあとは、上記の「トークが流れている間」以降の手順を繰り返しながら、解答していきます。

注意点

Part 4は一人のナレーターが話すため、聞き取りにくいナレーターの場合、3問ともまったく分からないという場合もあり得ます。Part 4の全問を正解できなくても当たり前だと割り切りましょう。印刷されている質問・選択肢を読んだだけで解ける問題はほとんどありません。聞き取れなかったらすぐに切り捨て、次の問題の先読みへ頭をすばやく切り替えるようにしましょう。解答ペースを維持することが正答率アップにつながります。

学習方法

以下では、Part 4を攻略する上で役立つ勉強法について解説しています。

英文の量とスピードに慣れる

Part 4では、一人のトークの発話スピードや英文の量に慣れることが大事です。しっかり先読みした上でリスニングに臨むという、解くリズムを身につけることも重要です。このスピードとリズムに習熟するには、公式問題集など本番形式の教材を用い、演習を重ねること以上のトレーニングはありません。速い、難しいと感じてもトークや設問ごとに音声を止めたりせず、Part 4を通して解き切る練習を心がけましょう。

トークの分量と解答が現れるタイミングに慣れる

Part 4は、1つのトークにつき3つの設問が出題され、それぞれを解くために必要な情報はほぼ設問の順番どおりに会話中で言及されます。したがって、Part 4のスコアを上げるためには、トーク全体の分量を把握した上で「この辺りで○問めの情報が語られる」というタイミングをつかむことが大事です。そのためには、本番同様の演習を重ねて慣れるしかありません。「この設問の情報はおそらく聞き落とした。適当に印をつけて次の設問に進もう」などと判断できるようになるまで、センスを磨きましょう。

TOEIC L&Rテストに特徴的な場面や状況をつかむ

Part 4に出題される場面や設定には、一定のパターンがあります。また、前述の「トークの種類に注目する」で触れたとおり、それぞれのトークの話の展開もある程度決まっています。その特徴に慣れるには、公式問題集や公式に近い模試を繰り返し解くことが一番です。1)どの種類のトークか、2)話がどう展開されるか、冒頭を聞いた時点でこの2点を推測できるようになるまで、本番同様の演習を重ねましょう。

説明文に特徴的な表現を知る

Part 4で出題されるのは、何かを順序だてて説明したり、論理的に話したりするトークがほとんどです。たまに「ああ、間違えました。…です」などと言い直す電話メッセージもありますが、会話が出題されるPart 3とは違い、聞き手からの問いかけ、反論などによって話の方向性が変わることはまずありません。つまり、求められるのはトークを聞いて話の筋道をしっかり理解する力だと言えます。対策としては、順番、理由、原因と結果などを表す、説明文によく使われる表現を覚えることが有効です。具体的には、therefore(したがって)、so(なので)、after that(そのあとで)、as a result(結果として)などです。こういった表現を手掛かりにして、話の展開を聞き取れるように訓練を重ねましょう。

 TOEIC L&Rテストの演習には、『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』がおすすめ!
 出題傾向や内容を始め、問題用紙のサイズやマークシートまで、「本番そっくり」にこだわった模擬試験集です。TOEIC L&Rテストの模試が2回分収録されており、マークシートも2枚付いています。音声も、実際のTOEIC L&Rテストと同様に英米豪加の4か国のナレーターによるものが、CD2枚で付属しています。

おすすめの学習書

Part 4のスコアを上げるには、実際のテストに近い内容の問題を、本番に近い状態で解くトレーニングがいちばんおすすめです。『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』や、『スコアが上がる TOEIC L&Rテスト 本番模試600問[改訂版]』などを使い、時間制限を守りながら、マークシートを塗りつぶすところまでやってみるようにしましょう。

自分のレベルに特化した勉強をしたい方や、目標のスコアがある方には、『TOEIC L&Rテスト 470点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 600点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 730点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 860点奪取の方法』がおすすめです。Part 4の中で何問程度の正答を目指すのか、めどをつけた上で弱点の強化が図れます。

TOEIC L&Rテストで目標スコアがある場合は、この記事がおすすめ!
「TOEIC L&Rテスト:目標スコア奪取の方法(470点・600点・730点・860点)」

この記事では、目標スコアの奪取に必要な勉強のポイントが解説されています。目標スコアを470点、600点、730点、860点に設定し、スコアに合った攻略法・勉強法を、TOEIC対策書「目標スコア奪取シリーズ」(旺文社刊)から選りすぐって紹介しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

TOEIC L&Rテスト、Part 4の概要が把握できたでしょうか。Part 4のスコアを上げるためには、Part 3同様、先読みした上で聞く、設問を読みながら聞き取るなどのマルチタスキングな解き方が必要です。そのうえでPart 4特有のポイントを理解すれば、より攻略しやすくなるでしょう。上記の内容を参考に、解ける問題を少しずつでも増やしていき、スコアアップを目指してください!