この記事では、TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要と、Part 2の攻略法について解説しています。最初に、TOEIC L&Rテストの構成やリスニングセクション全体の問題の形式、Part 2の内容と出題傾向など、試験の概要を述べています。次に、Part 2の攻略法や解答のコツ、スコアを伸ばすためにすべきことなどを解説します。最後に、Part 2に特化した勉強方法や、役に立つ参考書についてまとめています。TOEIC L&Rテストのスコアを伸ばしたい方やリスニングに苦手意識のある方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2019年9月時点の情報に基づいています。受験の際は、TOEICウェブサイトで最新情報をご確認ください。

試験内容

以下では、問題数や試験時間、スコアなど、TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要について述べています。Part 2の試験内容についても詳述しています。

TOEIC L&Rテストのリスニングセクションの概要

TOEIC L&Rテストは、マークシート方式の一斉客観テストです。つまり、同室の受験者が同じタイミングで受験し、問題用紙に記された選択肢を選んでマークすることにより解答します。出題形式は毎回同じで、英文和訳や和文英訳など日本語力を要する設問はありません。

TOEIC L&Rテストは、リスニングセクションとリーディングセクションから構成されています。まずリスニングセクションが行われ、設問数は100問、試験時間は約45分です。そのあと、設問数100問、試験時間75分のリーディングセクションが実施されます。

●TOEIC L&Rテスト、リスニングセクションの構成

パート 内容 問題数 詳細
Part 1 写真描写問題 6問 写真の内容を最も的確に描写している説明文を、放送される4つの選択肢から選ぶ。
Part 2 応答問題 25問 発言を聞き、放送される3つの選択肢から、応答として最もふさわしいものを選ぶ。
Part 3 会話問題 39問
(13会話×3設問)
2人または3人の会話を聞き、問題用紙に印刷された質問と4つの選択肢を読んで、最も適当な答えを選ぶ。
Part 4 説明文問題 30問
(10トーク×3設問)
ミニトークを聞き、問題用紙に印刷された質問と4つの選択肢を読んで、最も適当な答えを選ぶ。

TOEIC L&Rテストの成績は、合否ではなく、10~990点のスコアで評価されます。リスニングセクションとリーディングセクションそれぞれのスコアレンジが5~495点です。

TOEIC L&Rテストについて、より詳しく知るには、この記事がおすすめ!
「TOEIC L&Rテストとは:概要と勉強法・試験対策」

この記事には、レベルや試験内容、他の英語試験との比較など、TOEIC L&Rテストの概要がまとめられています。出題傾向に合わせた勉強法や当日の試験対策も、例題を挙げて詳述されています。ぜひ参考にしてください。

Part 2 応答問題とは

リスニングセクションの2つめのパートであるPart 2では、1つの質問または文と、それに対する(A)~(C)の3つの応答が放送されます。その3つの中から、質問または文への応答として、最もふさわしいものを選ぶ問題です。設問も選択肢も問題用紙には印刷されていないので、耳でしっかり聞き取る必要があります。放送回数は1回です。

Part 2では、以下のような問題が出題されます。

例題:
(問題用紙に印刷されている文言)
Mark your answer on your answer sheet.

(放送される英文)
W : Where is the building maintenance being carried out?
M : (A) Jack’s team is doing it.

(B) On the third floor.

(C) No, it will carry on.

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(B)

次に試験の流れと解答のコツを詳しく見ていきます。

試験の流れと解答のコツ

以下では、Part 2がどのように出題されるかについて述べています。聞き取るコツや注意すべき点など、解答の要点についても解説しています。

Part 2の流れ

まずPart 2のDirectionsが流れ、試験内容が案内されます。Directionsの文章は問題用紙に印刷もされています。次にPart 2の問題がNo.7〜No.31まで計25問、続けて放送されます。1問につき、問題と選択肢が読み上げられる時間は約15秒間です。各問題の音声が流れ終わったあとに、5秒のポーズが設けられています。この5秒の間に解答をマークします。5秒が経過すると、次の問題の放送が始まります。

聞き取りのポイント

疑問詞を聞き取る

Part 2の選択肢はいずれも、単語や文法などの点では正しい英文です。したがって正答するには、最初の発話の内容を正しく聞き取って文脈を理解することが求められます。

最初の発話は、半数近くが疑問詞のある問いかけです。この種の問題では疑問詞を聞き取ることが重要です。例えば、選択肢(A)が時刻、(B)が場所、(C)が人について述べているような問題では、最初の発話の疑問詞を聞き落とすと正解できません。疑問詞はたいてい冒頭に来るので、放送直前から待ち構えてしっかり判別するようにしましょう。以下の例題を見てください。

例題:
(問題用紙に印刷されている文言)
Mark your answer on your answer sheet.

(放送される英文)
M : Where is the film showing?
W : (A) Yes, I really like that show.

(B) At the Roxy Theater downtown.

(C) Tomorrow evening at 7:30.

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(B)

この問題の選択肢は、(A)が Yes / No で答える文、(B)が場所について、(C)が時間について話す文となっています。したがって、最初の発話の Where(どこ)をしっかり聞き取ることができれば、場所を答えている(B)が正解だと分かります。疑問詞が When(いつ)や What time(何時)などであれば、日時や時刻を答えている選択肢が正解となります。

音のひっかけに注意する

最初の発話にでてきた簡単な単語が、選択肢でも使われた場合、ひっかけの可能性があります。count(数える)と account(説明する)など発音の似た単語も同様です。即断せず、落ち着いて細部まで聞くようにしましょう。

例題:
(問題用紙に印刷されている文言)
Mark your answer on your answer sheet.

(放送される英文)
W : Did Ms. Shibata ask Tom about his new client?
W : (A) Yes, in an e-mail.

(B) They’re called West Pacific Industries.

(C) I’ll ask her for advice.

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(A)

この問題の選択肢(C)には、最初の発話にでてきた ask(尋ねる)という語が使われています。しかし問いかけの内容にはまったく関連していないので、ひっかけです。

Do you mind ~? や否定疑問文に注意する

英語の会話文には応答のパターンが、日本人のイメージする答えとは違う形になるものがあります。Do you mind ~?(~を気にしますか?≒~してもいいですか?)という問いに肯定的に答えるとき、No, I don’t.(気にしませんよ≒どうぞ)と否定形を使うケースなどです。Sure.(かまいませんよ)や Go ahead.(どうぞ)など、この種の問いかけへの応答としてよく使われる表現も学んでおくことが大事です。また、Don’t ~?, Isn’t ~?, Haven’t ~?(~ではないのですか?)などの否定疑問文もあります。これに対しては、No が「はい、~ではありません」、Yes が「いいえ、~です」という答えになり、それぞれ、日本語にしたときの肯定/否定と英語のYes / Noが一致しません。混乱しないよう日頃から慣れておきましょう。

例題:
(問題用紙に印刷されている文言)
Mark your answer on your answer sheet.

W: Do you mind if I leave a little early today?
M: (A) I’ll keep that in my mind.

(B) No, not at all.

(C) The latter is better.

『スコアが上がる TOEIC L&Rテスト 本番模試600問[改訂版]』より)

答え:(B)

最初の問いかけが、「今日は少し早めに出てもいいですか」という、Do you mind ~? を使って相手に許可を求める文となっています。No, not at all. (ええ、いいですよ)という、定型表現である応答をしっかり聞き取りましょう。

間接応答問題に注意する

Part 2では、間接的な応答も出題されます。Do you ~? と尋ねられても Yes または No とダイレクトには答えなかったり、What や Who という問いかけに対して「知らない」「~さんが知っている」と返事をしたりするなど、婉曲な答え方をするパターンです。Who knows?(誰が知っている?≒私は知らない)などと問い返すこともあります。特にPart 2の後半では、「ストレートではない応答が来るかもしれない」と想定しておくとよいでしょう。

例題:
(問題用紙に印刷されている文言)
Mark your answer on your answer sheet.

(放送される英文)
W : Where is Mr. Chen going on vacation?
M : (A) Two weeks.

(B) No one knows.

(C) He went to Peru last year.

『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』より)

答え:(B)

最初の発話が Where という疑問詞で始まるので、「場所について述べる選択肢が正解だ」と予測しそうになる問題です。しかし Peru という地名を挙げる選択肢(C)は、last year(去年)という過去形の文で、時制が合いません。No one knows.(誰も知りません)と間接的に答える(B)が正解です。

解答のコツ

最初から最後まで集中しよう

Part 2は、発話も応答もいずれも短文です。その上、ヒントになるような画像もテキストもありません。したがって聞き逃すと正答はまず不可能です。最初から最後まで集中力を保ち、しっかり聞き取ることが求められます。

Part 2のDirectionsの間にPart 3を先読みする人もいるでしょう。先読みは、TOEIC L&Rテストのリスニング全般に役立つ方法ですが、Part 2のDirectionsは30秒と短時間です。先読みに注力し過ぎてPart 2の最初の問題を聞き落とすことのないよう、気をつけましょう。

解答時間は5秒のみ

Part 2の、それぞれの問題の間のポーズは5秒間です。選択肢(C)を聞いてから、 (A)~(C)を比較して考える余裕はありません。聞き終わってから吟味しようとすると、選択肢をすべて一時記憶しなければなりませんから、難度が上がります。ですから、正解は音声が流れ終わるまでに選び、5秒はマークと次への準備だけに使うようにしましょう。

選択肢を一つずつ選別しながら聞く

Part 2は、選択肢を聞いている間に「これは違う」「これが正解」と選別していきましょう。正解だと思える選択肢があったら、その時点で選択肢をマークする方が得策です。そしてすぐ、次の問題に注意を向けるようにしましょう。

解けなければ、どれかをマーク

選択肢(C)の音声が流れ終わるまでに正答を判別できなかった場合は、最も正答に近いと思う選択肢を急ぎマークしましょう。TOEIC L&Rテストのリスニングは、分からない問題に時間をかけるより、諦めて次に集中した方がスコアが上がります。「分からなかったらAを選ぶ」「『〇は誤答だ』とわかったけれどそれ以上は絞れない場合、○の次の選択肢を選ぶ」など、自分の解答パターンを前もって決めておくのも、一つのやり方です。

解答ペースは維持しよう

Part 2は問題数が25問もあるので、解答ペースを乱さないよう気をつけましょう。序盤の問題には難易度の低いものが多く、簡単に感じられますが、後半になるにつれ難しさが増していきます。分からない単語や聞き取れない部分が出てきても慌てず、聞き取れた情報から推測してすばやく判断するようにしましょう。自信のない問題があっても引きずらず、マークを終えたら次の問題へと頭を切り替える方が得策です。

Directionsの間の時間の使い方

 

Part 2が始まる前のDirectionsは、30秒かけて放送されます。Part 2自体には、先読みすべき画像やテキストがないので、その間にPart 3やPart 4の先読みをしてもよいでしょう。ただし、30秒間でどれだけ先読みできるのかを事前に測っておくべきです。短時間でページを行き来すると集中力がそがれる、効率的に読めそうもない、などと感じるなら無理はしないようにしましょう。先読みしない場合は、Directionsを聞かずに頭を休めることがおすすめです。

学習方法

以下では、Part 2のスコアを上げることに役立つ学習方法を解説しています。

スピードとリズムに慣れる

Part 2は問題数が多く、その上ナチュラルスピードの短い会話が立て続けに放送されるので、発話スピードとリズムに慣れる必要があります。公式問題集や本番形式の問題集・模試など実際のテストと同様の教材を用い、演習を重ねる方法がおすすめです。たとえ速いと感じても、1問ごとに音声を止めたりせず、Part 2を通して解き切るようにしましょう。その経験を重ねることで、速くても聞き取れる量が増え、また持続的に解けるようにもなります。

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自然な対話をインプットする

Part 2の対話は、パターンがある程度決まっています。たいていはビジネスシーンを想定した状況で、上司と部下や同僚どうしなどが交わすような対話です。選択肢はどれも、文法や単語という点では正しい英文なので、「最初の発話に対する応答として自然かどうか」を判別できるようになることが大事です。具体的な学習方法としては、本番形式の問題集を解いたあと、問いかけと正答とのペアを何度も音読することがおすすめです。例えば、この記事で前述した例題の、

Where is the building maintenance being carried out? ― On the third floor.
Did Ms. Shibata ask Tom about his new client? ― Yes, in an e-mail.

などを、声に出して読んでみましょう。この練習を重ねると状況や内容、それに「自然な対話」のリズムなどがつかめてきます。

選択肢から質問を推測する

本番形式の問題集やPart 2対策の教材を普通に解いたあと、違う使い方もしてみましょう。例えば、誤答選択肢が答えになる問いかけはどんなものかを考えてみるのです。前述の「Part 2 応答問題とは」の例題で説明します。

W : Where is the building maintenance being carried out?
M : (A) Jack’s team is doing it.

(B) On the third floor.

(C) No, it will carry on.

の誤答選択肢は、(A)と(C)です。

(A)ならば、「ジャックのチームが…」と人について答えているので、対応する質問は人を問うものになりそうです。したがって、Whoで始まる疑問文があり得るでしょう。doing it は、いろいろなものを指せる表現ですが、この問題のトピックから考えると「ビルのメンテナンス」に関係ある文になりそうです。この2点を考え合わせると、
例)Who is taking over the building maintenance?(誰がビルのメンテナンスを引き継いでいますか?)
などの問いが可能でしょう。

(C)で考えてみた場合は、No と答えているので、Yes/No を問う疑問文になりそうです。No の後に何かが carry on(続く)と答えているので、何かが終わるかどうかについての質問でしょう。itが何を指すのかは、いろいろな可能性が考えられますが、この問題のトピックからすると「ビルのメンテナンス」絡みの事物です。以上の3点を考えると、
例)Will the building maintenance end today?(ビルのメンテナンスは今日終わりますか?)
などの問いがあり得るでしょう。

以上のトレーニングは、正解が定まっている訳ではないので、いろいろなやりとりが想像できます。こういった練習も回数を重ねると、英語での自然な応答の感覚が身についてきます。

おすすめの参考書

Part 2の対策には、実際のテストに近い内容の問題を本番に近い状態で解くトレーニングがいちばんおすすめです。『はじめてのTOEIC LISTENING AND READINGテスト 本番模試[改訂版]』や、『スコアが上がる TOEIC L&Rテスト 本番模試600問[改訂版]』などを使い、時間制限を守りながら、マークシートを塗りつぶすところまでやってみるようにしましょう。

自分のレベルに特化した勉強をしたい方や、目標のスコアがある方には、『TOEIC L&Rテスト 470点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 600点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 730点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト 860点奪取の方法』がおすすめです。Part 2の中で何問程度の正答を目指すのか、めどをつけた上で弱点の強化が図れます。

TOEIC L&Rテストで目標スコアがある場合は、この記事がおすすめ!
「TOEIC L&Rテスト:目標スコア奪取の方法(470点・600点・730点・860点)」

この記事では、目標スコアの奪取に必要な勉強のポイントが解説されています。目標スコアを470点、600点、730点、860点に設定し、スコアに合った攻略法・勉強法を、TOEIC対策書「目標スコア奪取シリーズ」(旺文社刊)から選りすぐって紹介しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

TOEIC L&Rテスト、Part 2の概要が把握できたでしょうか。Part 2はヒントが少なく、上級者でも足を引っ張られることの多いPartです。一方で、出題されるのが短い会話文であるため、集中して聞く訓練をしたり会話表現を学んだりすることによって、得点源に変えることも可能です。この記事の内容を参考にがんばってください!