学校で習ったはずの英文法。日常会話にもよく出てくる使い方なのに、すっかり忘れていませんか? 身近にあるのに意外と知らない「習ったつもり」の英文法を、大学や専門学校、企業で教鞭をとるTOEIC人気講師・駒井亜紀子先生が解説してくれるコラムです。

「not + ○○」の組み合わせがポイント!

みなさん、こんにちは。駒井亜紀子です。

突然ですが、みなさんは何か運動をしていますか。
私は健康維持(兼、ダイエット)の目的でランニングをしています。

とはいえ、毎日走っているわけではありません。
気が向いた時だけ走っています(ゆるいランナー)。

さて、この「毎日走っているわけではない」という文を英語にしてみましょう。

「毎日走っているわけではない……つまり、時々走っている、という意味だよね?」と解釈し、I sometimes run.(私は時々走っています。)と英作文した人もいるでしょう。それもアリですね!

では、今度は「私はランニングをするのが好きです。しかし、毎日走っているわけではありません」という文を忠実に、ちゃんと、文字通りに、正確に英作文するならどんな文になるでしょう(どうしても忠実に英作文して欲しい人)。

I like running, but までは言えましたね。
では「毎日走っているわけではありません」はどうでしょうか。

I don’t run every day.

という英文を作った人も多いでしょう。
ただ、この文を見た時に、「え、don’t が入っているということは、これって、私は毎日走ってないっていう意味になって、つまり、私は全然走ってないって意味になっちゃったりしない!?(混乱)」と思った人もいるのではないでしょうか。

英文には、

・「全く~ない」と全体を否定する【全否定】
・「いつも~というわけではない」と一部だけを否定する【部分否定】

の2種類があります。
この「毎日走っているわけではない」という文を英作文した時に、「部分否定のつもりが全否定になってしまっているのでは!?」という混乱と困惑、そして立ちはだかる困難が皆さんを襲うのもよくわかります。

今日は、みなさんのこの混乱・困惑・困難(←ラップ風にリズムよく)を解消すべく、「全否定」と「部分否定」について学んでいきましょう!

1. 部分否定

先ほどの「毎日走っているわけではない」という文は、部分否定ですね。

部分否定は「すべてが / いつでも / 必ず~というわけではない」という意味になり、ある物事や行動、集団の一部だけを否定します。

いくつか日本語の例文を見てみましょう。

1) すべての日本人が寿司を好きなわけではない。
2) 私はいつも残業をしているわけではない。
3) 先生が必ずしも正しいというわけではない。

これらの文は部分否定ですね。
では、これらを英語にしていきましょう!

と、その前に……
部分否定の文を作る時のルールを説明します。

通常、以下のような「いつも」「すべての」などの全体性・完全性を表す語の前に not を置くと、「全部が~ではない」「完全に~ではない」という部分否定の意味になります。

  • ● always(いつも)、necessarily(必ず)、exactly(正確に)、absolutely(完全に)
    ● all(すべての)、every(すべての)、everyone(みんな)、everything(すべてのもの)

では、これらの語の前に not を置いて、先ほどの日本語を英文にしてみましょう。

1) Not all Japanese like Sushi. 【not+all
(すべての日本人が寿司を好きなわけではない。)

※「全部が~というわけではない」という部分否定の意味を明確にしたい時には、Not all のように、all の前に not を置きましょう。all のあとに not を置いて All Japanese don’t like Sushi. とすると、「すべての日本人が寿司を好きではない」という全否定の意味にとられてしまう可能性があります。

2) I don’t always work overtime. 【not+always
(私はいつも残業をしているわけではない。)

3) Teachers are not necessarily right. 【not+necessarily
(先生が必ずしも正しいというわけではない。)

いかがでしょうか。
all / always / necessarily の前に not を置き、部分否定となっているのがわかりますね。

  • not+all / always / necessarily :すべて / いつも / 必ず~というわけではない

では、冒頭の「私は毎日走っているわけではない」という文を振り返ってみましょう。

I don’t run every day.【not+every

この文にも don’t が入っており、後ろの every を否定する形なので「部分否定」の文ということになります。少し混乱・困惑・困難が解消されたでしょうか。

では、もし「私は全く走っていません」という全否定にしたい場合はどう書いたらいいでしょう。

ということで……
次に全否定を学んでいきましょう!

2. 全否定

全否定は「1つも(1人も)~ない」「全く~ない」のように、ある物事や行動の全体を否定する形です。

全否定は、not と以下のような語と組み合わせて作ることがポイントです。

  • not ~ any : 1つも~ない
    not ~ either:どちらも~ない
    not ~ at all :全く~ない

もしくは、次のような語を使って示すこともできます。

  • neither ~:どちらも~ない
    nobody ~:誰も~ない
    never ~:決して~ない

つまり、先ほどの「私は全く走っていません」であれば、以下のような英文になります。

  • I don’t run at all.【not+at all
    (私は全く走っていません。)

ではもう少し「全否定」の例文を見てみましょう。

1) I don’t drink coffee at all. 【not+at all
(私はコーヒーを全く飲みません。)

2) She doesn’t watch TV at all at home. 【not+at all
(彼女は家で全くテレビを見ません。)

3) I don’t have any questions. 【not+any
(私は質問が1つもありません。)

4) We don’t have any classes on Monday. 【not+any
(私たちは月曜日に授業が1つもありません。)

5) I don’t like either option. / I like neither option. 【not+either / neither
(私はどちらの選択肢も好きではありません。)

6) Neither answer is correct. 【neither
(どちらの答えも正しくありません。)

7) Nobody uses a paper dictionary at school. 【nobody
(学校では誰も紙の辞書を使いません。)

8)He never lies to me. 【never
(彼は決して私に嘘をつきません。)

このように、「部分否定」と「全否定」の文を作るうえで、not とどんな語を組み合わせるか、あるいは、どのような否定の語を使うかがポイントとなります。

ぜひ整理して覚えておきましょう。

文に入る語 意味
部分否定 ● not+always / necessarily / exactly
● not+every / all    
全部が(完全に)~というわけではない
全否定 ● not+any / either / at all
● neither / nobody / never
全く~ない

3. 部分否定と全否定を見分ける練習をしてみましょう!

部分否定と全否定の作り方が理解できたかと思います!
最後に、部分否定と全否定を見分ける練習をしてみましょう。

英文を見て、それぞれの文が「部分否定」か、「全否定」かを考え、選んでみてください。

1) I don’t always eat breakfast.

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  • 正解:部分否定
    I don’t always eat breakfast. 【not+always
    (私はいつも朝ごはんを食べるわけではありません。)

2) She doesn’t speak either language fluently.

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  • 正解:全否定
    She doesn’t speak either language fluently. 【not+either
    (彼女はどちらの言語も流暢に話せません。)

3) Not all students enjoy studying English.

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  • 正解:部分否定
    Not all students enjoy studying English. 【not+all
    (すべての学生が英語の勉強を楽しんでいるわけではありません。)

4) Neither answer is correct.

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  • 正解:全否定
    Neither answer is correct. 【neither
    (どちらの答えも正しくありません。)

5) We didn’t receive any complaints.

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  • 正解:全否定
    We didn’t receive any complaints. 【not+any
    (私たちは苦情を1件も受け取りませんでした。)

6) The expensive product is not necessarily better.

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  • 正解:部分否定
    The expensive product is not necessarily better. 【not+necessarily
    (最も高い商品が必ずしもより良いとは限りません。)

7) Not everything on the Internet is true.

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  • 正解:部分否定
    Not everything on the Internet is true. 【not+everything
    (インターネット上のすべてが正しいわけではありません。)

8) Nobody is perfect.

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  • 正解:全否定
    Nobody is perfect. 【nobody
    (誰も完ぺきではありません。)

いかがでしたか。
混乱するようであれば、「部分否定」の場合、not を置いたとしても、その後ろに always や all、every など、「いつも、すべて」を表す強めのワードが来てしまうと、すべてを打ち消すことができず、「部分否定となる」と覚えるのはどうでしょうか。

部分否定と全否定の文は、さまざまな日常的な場面で使える便利な文です。ぜひ整理して使えるようにしましょう!

We can’t study English every day, but every little bit adds up!
(私たちは毎日英語が勉強できるわけではありませんが、ちりも積もれば山となります!)

See you next time!
(ではまた!)