この記事では、英検準2級合格のために必要な情報をまとめて紹介しています。最初に、レベルはどのくらいで合格点は何点か、合格するとどんなメリットがあるかといった英検そのものの解説や、試験⽇程などの情報を挙げてあります。次に、出題の傾向や特徴、効率的な勉強法、苦⼿とする⼈が多いリスニングの対策など、かなめとなる試験対策を詳述します。最後に、試験当⽇の流れや具体的な問題例と解答のコツ、⾯接のポイントなどをまとめています。英検準2級を受験する⽅、受験を検討している⽅は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2024年2⽉時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は、複数ある試験⽅式のうち、最も基本的な方式である「従来型」を前提に解説しています。試験⽅式の詳細は、「英検とは:概要と級別の勉強法・試験対策 試験⽅式について」をご参照ください。
※この記事で紹介されている教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式には対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。

英検とは

英検とは、実⽤英語技能検定のことです。公益財団法⼈ ⽇本英語検定協会が主催し、⽂部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、年に3回実施されています。年間の総志願者数は420万⼈を超える、⽇本で最⼤規模の英語検定試験です。

リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングという、英語の運⽤に不可⽋な4技能を堅実に測定する検定で、⻑年にわたる実施歴により、抜群の知名度と信頼を得ています。検定料は8,500円(準2級の場合)で、試験会場も多く受験しやすいのが特⻑です。⼩学⽣から社会⼈まで幅広い年齢層を対象としているため、職歴や経験によって結果が左右されないよう設計されており、「誰でも受けられる」「英語⼒そのものを測る」検定という定評があります。

受験の資格・条件などはないので、7つの級のどれにチャレンジしてもかまいません。試験後に送付される成績表には、合否判定だけでなく、どのくらい合格ラインを上回ったか、あるいは下回ったかなどが⽰されることから、習熟度のチェックや学習モチベーションの維持にも活⽤できます。国際標準規格CEFRに対応した英検CSEスコアによって、⾃分のレベルをグローバルな視点で把握できることも⻑所です。

レベル

英検準2級は⾼校中級程度のレベルとされ、「⽇常⽣活に必要な英語を理解し、使⽤することができる」とうたわれています。中学英語がしっかり⾝についていないと合格は難しいと⾔えるでしょう。中⾼⽣を中⼼に幅広い層に受験されています。

受験する意義

中学⽣にとっては、⾼校中級レベルである英検準2級を持っていることは、標準以上の英語⼒を意味します。そのような級に挑戦し成功したという証拠ですので、学⼒だけでなく学習意欲やチャレンジ精神もあると⾒なされ、⾼校⼊試の⾯接などにおいて、好印象を与えることができるでしょう。⾼校や⾼専によっては、受験の出願条件として認めているところもあります。

⾼校⽣にとっては、⾼校中級レベルである英検準2級にいつ合格できるかは、学習進度の⽬安となるでしょう。⾼校1年時に取得できれば標準以上であり、3年時であればやや遅れをとっているということになります。また英検準2級を持っていると⼤学⼊試において、出願資格が得られたり、得点に加点されるなどの優遇措置を受けられたりするケースがあります。

社会⼈にとっては、英語の運⽤を求められる職場では、英検2級以上の取得が望ましいとされています。しかし英語から離れている期間が⻑い⽅などには、まず英検準2級合格を⽬標にし、基礎を固めることをおすすめします。グローバル・ビジネスの現場では⽤件を誤解なく伝えるため、特にノンネイティブの間では、基礎的な⽂法・単語が使われる傾向があるからです。コミュニケーションのしかたを⼯夫すれば、英検準2級レベルの英語⼒でもかなりのことができるでしょう。

TOEICテストとの違い

英検の問題とTOEICテストの問題は⼤きく異なります。英検準2級では、社会での⽇常⽣活や学校での場⾯・話題が出題されますが、TOEICテストでは、ビジネスでの英語⼒を測定する 試験のため、ビジネスや社会人の日常生活における場⾯・話題が中⼼に出題されます。ビジネスの経験がない中⾼⽣にとっては、英検準2級の⽅が攻略しやすいでしょう。

また、TOEICテストの問題の難易度は幅広く、英検準2級を⽬指す⽅にとっては、難しい問題がかなり多く出題されます。英語⼒の判定のみを⽬的とするならどちらの試験も有効ですが、英語学習の⼀環として資格試験に取り組んでいる⽅にとっては、TOEICテストを受けるのは 英検準2級に合格してからでも遅くはないでしょう。

英検準2級とTOEICテストは、そもそもテストの性質が異なるため、単純な⽐較はできません。しかし、外国語運⽤能⼒の評価基準であるCEFR* に基づいて各試験を⽐較すると、英検準2級合格はCEFRのA2にあたり、TOEIC L&Rテストでは225点以上(満点は990点)、 TOEIC S&Wテストでは160点以上(満点は400点)に対応します。

CEFR 英検 TOEICスコア
測定範囲 英検CSEスコア
C1 1級    2600~3299
(1級合格:2630)
L&R:945~
S&W:360~
B2 準1級  2300~2599
(準1級合格:2304)
L&R:785~
S&W:310~
B1 2級  1950~2299
(2級合格:1980)
L&R:550~
S&W:240~
A2 準2級  1700~1949
(準2級合格:1728)
L&R:225~
S&W:160~
A1 3級 1400~1699
(3級合格:1456)
L&R:120~
S&W:80~

(⼤学⼊試センターの公開資料とTOEICウェブサイトを基に作成)

* CEFRは、世界中で広く利⽤されている外国語運⽤能⼒の指標です。詳しくは当サイト内の記事「CEFRで⾒る英語・外国語検定試験」をご参照ください。

試験内容

英検準2級には、⼀次試験(筆記・リスニング)と⼆次試験(⾯接)があります。

一次試験

一次試験は、筆記試験とリスニングテストの2部構成です。
筆記試験は80分で、リーディング・ライティングの2技能が判定されます。
リスニングテストは約25分で、筆記試験に続いて実施されます。
解答形式は、ライティングのみ記述式で、それ以外はマーク式です。

問題の構成は下記のとおりです。

●筆記試験
測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リーディング   1 短文の語句
空所補充
短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。 15
2 会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5
3 長文の語句
空所補充
パッセージ(長文)の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。 2
4 長文の内容
一致選択
パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。 7
ライティング 5 Eメール Eメールを読み、返信を英文で書く。 1
6 英作文
(意見論述)
質問に対する回答を英⽂で書く。 1
●リスニングテスト
測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リスニング   第1部 会話の応答文
選択
会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。
(放送回数1回)
10
第2部 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10
第3部 文の内容
一致選択
短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数1回)
10

英検準2級では、学校、趣味、旅⾏、買い物、スポーツ、映画、⾳楽、⾷事、天気、道案内、海外の⽂化、⼈物紹介、歴史、教育、科学、⾃然・環境などに関する話題が出題されます。

二次試験

⼆次試験は⾯接形式のスピーキングテストです。
⽇本⼈あるいはネイティブスピーカーの⾯接委員と1対1で約6分話します。

出題される問題は下記のとおりです。

測定技能 問題番号 問題形式 詳細
スピーキング   音読 50語程度のパッセージを読む。
No. 1 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 2 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動を描写する。
No. 3 イラストについての質問 イラスト中の人物の状況を説明する。
No. 4 受験者自身の意見など カードのトピックに関連した内容についての質問に答える。
No. 5 受験者自身の意見など 日常生活の身近な事柄についての質問に答える。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)

英検準2級の⼆次試験では、⽇常⽣活の話題が主に出題されます。過去の出題例を挙げると、ホームシアター、ボランティアガイド、電⼦辞書、⾷品フェア、映画祭、プリペイドカードなどです。

日程

英検準2級は年に3回実施されます。実施⽉は下記のとおりです。

  一次試験 二次試験
第1回 6⽉ 7⽉
第2回 10⽉ 11⽉
第3回 1⽉ 3⽉

個人受験は、下記の日程で実施されます。

●2024年度

  受付期間 一次試験 二次試験
第1回 3⽉15⽇〜5⽉8⽇* 6⽉2⽇(⽇) (A⽇程)7⽉7⽇(⽇)
(B⽇程)7⽉14⽇(⽇)
第2回 7⽉1⽇〜9⽉9⽇* 10⽉6⽇(⽇) (A⽇程)11⽉10⽇(⽇)
(B⽇程)11⽉17⽇(日)
第3回 11⽉1⽇〜12⽉16⽇* 2025年1⽉21⽇(⽇) (A⽇程)2025年3⽉2⽇(⽇)
(B⽇程)2025年3⽉9⽇(⽇)

* 受付期間はいずれもインターネット申し込みの場合です。コンビニ支払・郵便局ATM(Pay-easy)支払の場合、書店申込の場合の締切日は異なりますので、英検ウェブサイトの「2024年度 試験日程」をご確認ください。

⼆次試験にはA⽇程とB⽇程とがあり、英検準2級の個⼈受験では、満21歳以上がA⽇程に、満20歳以下がB⽇程に割り振られます。

個⼈受験でも準会場(団体試験の会場)で受験できる場合があります。その場合は、上記の個⼈受験(本会場)の⽇程とは異なり複数の⽇程があります。詳しくは、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。また、団体受験の受験⽇も、個⼈受験の⽇程と異なり複数ありますので、ご⾃⾝の所属する団体に問い合わせましょう。

過去問

英検準2級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが⼀番です。英検ウェブサイトにて、直近3回分の過去問が公開されています。過去問は、試験終了後1週間程度でアップロードされます。

過去問で英検準2級対策をするなら、6回分の過去問を収録し、⽇本語訳と丁寧な解説をつけた『2024年度版 英検準2級 過去6回全問題集』旺⽂社の過去問シリーズがおすすめです。

『2024年度版 英検準2級 過去6回全問題集』

英検準2級合格を⽬指すなら、まずは過去問から︕

本書には過去6回分の試験が収録されているので、これをやりこなすことで英検の出題傾向をしっかりつかむことができます。「別冊解答」には、確実に問題を解くための解説が掲載されています。解説を読んで、解答のポイントをしっかりと把握することが、合格への近道です。もちろん、一次試験だけでなく、二次試験(面接)の問題カード・解答模範例・解説も掲載されていますので、二次試験(面接)対策もしっかりできます。さらに二次試験(面接)対策ができるWeb特典で面接の流れを把握すれば、当日の面接試験の緊張を少しでも和らげることができるはずです。ぜひ一度体験してみてください!

⾳声は、旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことができます(ただし、書籍に記載されたパスワードの⼊⼒が必要です)。

また、24年度版は英検2024年度試験リニューアルに関して、新ライティング問題の英検公式サンプル問題(解答例・訳・解説付き)と、旺文社オリジナル予想問題(解答例・訳・解説付き)を掲載しています。

合格点・合格率

一次試験

一次試験の合否は技能ごとに算出されたCSEスコアという指標をもとに合否が判定されており、何問正解すれば合格かをはっきりと知ることができません。ただし⽇本英語検定協会は、「2016年度第1回では、各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格した」と発表しており、今後も6割程度の正答率が合格ラインだと予測されます。

CSEスコアでは、リーディング・リスニング・ライティングの技能ごとに600点満点とされており、合格基準スコアは3技能合計で1322点です。筆記試験のうち、英作⽂問題の2問はライティングとして600点満点で評価されるため、⼀次試験の中で⽐重は1/3とかなり⼤きくなります。例えば、リーディング・リスニングで満点を取っても、ライティングが0点だった場合、合計1200点となり、合格基準スコアに122点⾜りないことになります。つまり、⽇頃からどの技能もバランスよく⾼めておかないと、英検準2級合格は難しいのです。

二次試験

⼆次試験の合否もCSEスコアで判定されます。満点は600点で、合格基準スコアは406点です。応答内容、発⾳、語彙、⽂法、語法、情報量、アティチュード(積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度)などが評価ポイントとなります。

合格までの道のり

受験級の確認

英検を受験する際には、まず、受験すべき級が本当に準2級であるか、よく検討しましょう。英検は下の級から順に受験する必要はなく、初めて英検を受験する場合でも、英検準2級から受験してかまいません。
英検ウェブサイトで過去問を眺め、⾃分の実⼒とかけ離れていないかどうかチェックしましょう。もし⻭が⽴たないと感じたら、より今の実⼒に近い級から受験し、ステップアップするというやり⽅もあります。

ケース別学習手順

英検準2級にチャレンジする⽅のモデルケースを2つ想定しました。⾃分の実力に合わせて、学習⼿順・所要時間の⽬安にしてください。

※ここで紹介されている教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式に対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。

ケースA:英検準2級レベルの学習をほぼ終えている場合

⾼校2、3年⽣や⼤学⽣、社会⼈など、すでに英検準2級レベルの学習の⼤半を終えている場合、
・試験に慣れること
・苦⼿分野を補強すること
の2つが重要です。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 過去問で問題演習

英検は試験形式が毎回⼀定の試験です。そのため、試験に慣れるだけでも、素早く解答し、正答率を上げることができます。『2024年度版 英検準2級 過去6回全問題集』で過去問を解き、試験形式に慣れましょう。必ず時間を計り、どれくらいの速さで解答していけばよいか、よく確認しましょう。

2. 答え合わせと、苦⼿分野の発⾒

過去問を解き終わったら答え合わせをし、間違えた問題の解説をよく読みましょう。英検準2級合格に必要な正答率は明らかにされていませんが、6割程度が合格ラインだと予測されます。⼤問ごとに正答率を算出し、正答率が6割を切った⼤問は、苦⼿な分野だと考えましょう。

3. 苦⼿分野の補強

苦⼿な分野があった場合には、『英検準2級 総合対策教本』であてはまる章を学習しましょう。単熟語に不安があったら『英検準2級 でる順パス単』を使⽤して、語彙⼒を補強しましょう。

4. 二次試験の問題演習

⼀次試験を突破したら、『2024年度版 英検準2級 過去6回全問題集』で⼆次試験の過去問に挑戦しましょう。スマホなどで⾃分の解答を録⾳し、あとから⾃⼰評価するとよいでしょう。うまく答えられなかった問題は、解説をよく読み、解答例に使われている表現を覚えてしまいましょう。

ケースB:英検準2級レベルの学習が⾝についていない場合

中学⽣、⾼校1年⽣、しばらく英語に触れていなかった社会⼈など、英検過去問を眺めてみて「まだ習っていないことが多い」「知識不⾜だ」と感じる⽅は、まず英検準2級に最低限必要な知識を固めていきましょう。

英検対策書を使った学習⼿順の⼀例をご紹介します。

1.文法を学ぶ

⽂法は英語を学ぶ基礎になります。『英検準2級 総合対策教本』の第1章で、英検準2級によくでる⽂法事項を学びましょう。英検3級までで学ぶ基本的な⽂法事項もコンパクトにまとめられているので、おさらいすることができます。

2. 重要単語を覚える

単語集『英検準2級 でる順パス単』のでる度A(常にでる基本単語)の400語をまず覚えましょう。この単語集はでる順に掲載されており、効率よく学習できます。でる度Aには3級レベルの単語も含まれているので、復習にもなります。

ここまで終えたら、ケースAの学習⼿順に進みましょう。

合格に必要な学習時間

上記の⼿順で学習をすすめた場合、どれくらいの学習時間が必要か、⼀例を⽰しました。

ケースA

1. 過去問で問題演習︓過去問6回分と英作⽂2問の演習で11時間
2. 答え合わせと、苦⼿分野の発⾒︓過去問6回分の答え合わせと丁寧な復習で8時間
3. 苦⼿分野の補強︓苦⼿分野1つにつき1時間
4. ⼆次試験の問題演習︓過去問6回分の演習と丁寧な復習で3時間

苦⼿分野の数によりますが、22〜25時間程度を⾒込むとよいでしょう。

ケースB

1. ⽂法を学ぶ︓未習⽂法を学ぶのに5時間
2. 重要単語を覚える︓でる度Aを覚えるのに5時間
+ケースAの学習時間

未習分野の量によりますが、32〜35時間程度を⾒込むとよいでしょう。

もちろん個⼈差もありますし、単語や英作⽂のように⼀度やっただけでは定着せず、時間のかかる項⽬もありますので、上記の時間はあくまで⽬安です。⽇頃、学校で英語の授業を受けている⽅は、その分、英語⼒が⽇々⾼まっているはずですので、個⼈学習にここまでの時間は必要ないかもしれません。逆に、社会⼈などで独学されている⽅は、⼗分な学習時間を確保できるよう、しっかり計画を⽴てることが⼤切です。

勉強法

単語

英検準2級によくでる単語は、⽇常⽣活で使われるものが中⼼で、⾼校1〜2年の教科書に出てくるレベルです。

特に筆記⼤問1は、単語の知識を問う問題が中心です。リーディングでは、簡単な説明⽂を読めるだけの語彙⼒が必要です。⾝近なものを表す単語が中⼼だった3級よりレベルが上がり、抽象的な単語が増えてきます。

⼤問1によくでる単語を例に挙げると、exchange(〜を交換する)、nature(⾃然)、 nearly(ほとんど)などです。

旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検準2級 でる順パス単』の⾳声をダウンロードすることができます。収録された⾒出し語のリストを⾒ながら発⾳を確認できるので、英検準2級レベルの単語を、効率的に⽿で覚えられます。

参考書

おすすめの参考書は、『英検準2級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される単語を「でる順」に掲載した、リスト型単語集です。

勉強法

英検準2級レベルの単語を学習するには、教科書や問題集で⽬にした語彙をがっちり覚えるのが基本です。ただ意味を覚えるだけでなく、その単語が形容詞かそれとも副詞か、といった品詞の違いや、動詞であれば⾃動詞か他動詞かというポイントも、頭にしっかり⼊れましょう。これらの知識は英作⽂に当たっても必要になります。

語彙⼒を効率よく上げるには、単語集『英検準2級 でる順パス単』がおすすめです。単語集 は、「覚えている」「覚えていない」を仕分けるチェックリストととらえましょう。単語の暗記はあと回しにして、載っている単語を覚えているか覚えていないかだけで、⽚っ端から短時間で仕分けていくのです。単語集の⾒出し語にはチェックボックスがありますから、「覚えていない語にチェックを⼊れる」とルールを決めて(逆に覚えている語にチェックを⼊れてもかまいません)、チェックを⼊れていきましょう。すべての⾒出し語の仕分けが終わったら、それから暗記に移ります。この勉強⽅法の利点は、すでに覚えている語に時間を奪われず、覚えていない語だけに集中できることです。勉強時間は有限ですから、できるだけ効率よく集中できる状況を作りましょう。

単語を覚える際は、単語の⾳を聞く、実際に発⾳してみる、スペルを書いてみるなど、単語集を読むだけでなく、聞く・話す・書くなど、すべての技能を総動員することが⼤事です。英検準2級レベルになると、単語の前や後に特定のスペルがつくことによって、その単語の意味や品詞が変化した「派⽣語」が多く出現するようになります。例えば、形容詞 fair(公平な)の前に否定を表すスペル un- がつくと、unfair(不公平な)という意味に変わる、動詞 decide(決⼼する)の後に名詞を作るスペル -sion がつくと、名詞 decision(決定)となる、などです。派⽣語のこのような仕組みを理解すると、単語⼒を上げられるだけでなく、未知の単語に出会ったとき、スペルから意味を類推することもできるようになります。

『英検準2級 でる順パス単』は、末尾についている別冊を使って、⾃分だけの単語帳を作ることができます。旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、無料で聞くこともできます。しかも、アプリの機能「単語モード」を使えば、⾒出し語の⾳声を聞きながらチェックを⼊れて、「覚えている」「覚えていない」をアプリ上で仕分けることができます。『英検準2級 でる順パス単』で学習している⽅は、ぜひアプリもフル活⽤してください!

また、スペルを書いて単語を覚えたい⽅は『英検準2級 でる順パス単 書き覚えノート』がおすすめです。『英検準2級 でる順パス単』に収録された語を書き込んでいける教材です。

英検準2級の単語について、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検準2級英単語のレベルと単語⼒テスト」をご覧ください。

熟語

英検準2級の熟語は、⽇常⽣活で使われるものが多く、⾼校1〜2年の教科書に出てくるレベルです。

英検準2級では筆記⼤問1で、熟語の知識を問う問題がしばしば出題されます。特に多いのは、動詞の働きをする熟語についての出題です。⻑⽂読解や、1回しか放送されないリスニングでも、熟語はひんぱんに出てきます。ですから、「catch up with 〜は、catch がつかむ、up が…」などと1語ずつ思い出しているようでは間に合いません。「catch up with 〜、〜に追いつく︕」と即ひらめくくらい読み慣れ、聞き慣れて、確かな知識にしておく必要があります。

⼤問1によくでる熟語を例に挙げると、rely on(〜を信頼する)、be familiar with(〜に精通している)、so far(今までのところ)などです。

旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検準2級 でる順パス単』の⾳声をダウンロードすることができます。収録された⾒出し語のリストを⾒ながら発⾳を確認できるので、英検準2級レベルの熟語を、効率的に⽿で覚えられます。

参考書

おすすめの参考書は、単語集『英検準2級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析して単語だけでなく熟語も、「常にでる基本熟語」210語、「よくでる重要熟語」205語の計415語を掲載しています。黙々と暗記するのが苦⼿という⽅には、『英検準2級 ⽂で覚える単熟語』がおすすめです。⽂脈の中で単語・熟語が⾝につきます。

勉強法

単語と同じく、覚えていない熟語と出会うたびにひとつひとつ覚えていくのもよい学習法ですが、やはり『英検準2級 でる順パス単』を使った学習が効率的です。詳しくは、単語の項をご参照ください。『英検準2級 ⽂で覚える単熟語』では付属のダウンロード⾳声や旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使って、リスニング⼒を鍛えながら覚えることもできます。

熟語を学習する上で特に重要なのは、声に出して覚えることです。例えば、「間違って」は by mistake だったかな︖ それとも with mistake かな︖ などと迷うことがあるでしょう。字⾯だけを眺めて覚えていると、前置詞などの細かい違いを忘れがちなのです。しかし例⽂を声に出して読んで、複数の語のつながりを⾳で覚えておけば、前置詞なども⼝をついて、⾃然と出てくるようになります。⼝に出して読むことは単語でも⼤事ですが、熟語ではより⼀層、意識して学習するようにしましょう。前置詞や副詞のニュアンスを理解しておくのも重要です。「onには『続けて』という意味がある」と知っていると、「go on doing は『〜し続ける』、from now on は『今後ずっと(続いて)』を意味する」と覚えやすくなります。

英文法

英検準2級では、中学⾼校で習うレベルの⽂法・構⽂が幅広く出題されます。

近年は、ライティングやスピーキングを通して文法力を測ろうとする傾向が強まっています。したがって、文法的に正しい英文を作ったり、正確な英文をとっさに考えて口から出したりできるよう、日ごろから文法を意識して勉強しておく必要があります。

参考書

おすすめの参考書は『英検準2級 総合対策教本』です。巻頭ポスター「出題範囲がわかる︕ 重要⽂法⼀覧表」で、どの⽂法が中学英語の、または⾼校英語の範囲なのか⼀⽬でわかります。また、英検準2級合格に必要⼗分な⽂法知識を、中学までで学ぶ範囲も含めコンパクトにまとめてあるので、基礎に不安のある⽅のおさらいにも向いています。

勉強法

英検準2級には、ライティングやスピーキングも出題されるので、読んだり聞いたりができるだけではなく、話したり書いたりと⾃分で英⽂を⽣み出せるだけの⽂法⼒が必要です。正答肢をなんとなく選べるだけの⽂法知識では⾜りません。中学までで学ぶ⽂法事項(現在完了、受動態、to不定詞、動名詞、分詞、関係代名詞、⽐較など)はきっちり理解できていますか︖ それぞれの⽂法がどのような意味・ニュアンスを表すのか、おぼつかない場合は英検3級まで戻って再確認して、その⽂法を使いこなせるレベルにしておきましょう。

まずは⽂法問題や読解問題を解いてみて、⾃分が知らない・覚えていない⽂法事項を洗い出すことから始めましょう。そしてその⽂法事項についての解説を教科書・参考書などで読んで、その意味やルールを理解し、覚えることが必要です。最後に、「⾃分がこの⽂法を使ったら、どんなことを⾔い表せるだろうか︖」と考えて、実際に英作⽂をしてみましょう。そうすることによって、⽂法を機械的に覚えるだけでなく、ライティングやスピーキングでも使える確かな知識にすることができます。

また、リーディングやリスニングの学習をする際にも、フィーリングで理解するのではなく、英⽂を⽂法的に理解する習慣をつけるとよいでしょう。英検準2級では⻑⽂読解の量が多く、内容が難しくなり、なんとなくの理解では読めなくなってきます。⽂法的に分析してみて、意味を確実に理解した上で全⽂を読むよう⼼がけましょう。その積み重ねで、⽂法が⾃然と⾝についていきます。

長文読解

英検準2級の⻑⽂読解では、⽇常⽣活の話題に関する内容を理解することができるレベルが求められます。

⻑⽂読解は、⼀次試験・筆記の⼤問3・4で出題されます。⼤問3は3Aの1題のみで、⼤問4には4A、4Bの2題があります。

問題 長文の種類 語数の目安 設問数
3A 物語文 150語程度 2
4A Eメール 200語程度 3
4B 説明文 300語程度 4

合計650語程度を、できれば28分ほどで解きたいところです。

3Aの物語⽂では、主に架空の⼈物の⽇常的なエピソードが出題されます。
4Bの説明⽂では、歴史・⽂化・社会・科学・テクノロジー・⾃然・⽣物など、話題は多岐にわたりますが、歴史・⽂化・社会の⽐率が⾼くなっています。

参考書

長⽂読解を基礎から学びたい⽅には『英検準2級 総合対策教本』がおすすめです。⻑⽂の構成や読み⽅のコツなど、短時間で正確に⽂脈を把握する⽅法を指導しています。

勉強法

英検準2級の⻑⽂読解で⼤事なことは、⽂脈を素早く押さえることです。が、「とにかく速く読まなくちゃ︕」と焦るのはよくありません。英⽂をただ頭から速読するのではなく、Eメールの書式はどんなか、物語⽂・説明⽂はどのような形式で書かれるのかなど、⻑⽂のタイプごとに、英⽂の構造の基礎をあらかじめ理解した上で着実に読み進めましょう。それが結果的には、⽂脈を素早く押さえることにつながります。

物語⽂では、出来事が起きた順番に書かれるのが普通で、起承転結の流れがあることを覚えておきましょう。

Eメールでは、次に⽰すヘッダーに注⽬することによって、⼀⽬で概要を把握できます。

From 送信者の名前とメールアドレス
To 受信者の名前とメールアドレス
Date 受信⽇
Subject 件名(話題)

説明⽂では次のようなパラグラフ展開になることがほとんどです。

①序論(Introduction) 説明⽂のトピックを提⽰する導⼊部分。
②本論(Body) トピックを具体例などを⽰しながら論じる部分。
③結論(Conclusion) 説明⽂のまとめ。

続いて、各パラグラフの内部は次のような構造を持っています。

①トピックセンテンス(主題⽂) パラグラフの冒頭に置かれることが多い、パラグラフの全体像を⽰した⽂。
②サポーティングセンテンス(⽀持⽂) トピックセンテンスで提⽰した内容を、具体例や証拠を⽰しながら説明する⽂。
③コンクルーディングセンテンス
(結びの⽂)
パラグラフの最後に置かれる、結論にあたる⽂。本論(Body)のパラグラフではしばしば省略される。

これらを把握しておけば、わからない単語があるなどで、理解しにくい部分があっても、⽂脈を想像することができます。⽇頃、⻑⽂を読む際に、英⽂全体あるいはパラグラフ内の構造を意識するよう⼼がけましょう。

ライティング

英検準2級のライティングでは、⽇常⽣活の話題について書くことができるレベルが求められます。

ライティングは、⼀次試験・筆記に2題出題されます。1題目は「Eメール」です。提示された英文のEメールを読み、タスク(要件)を満たす返信を書きます。示されるEメールは80語程度で、内容は友人などからの日常的な連絡です。要件は以下の3点です。

  • 相手のEメールにある質問にわかりやすく答えた返信文を作る。
  • 相手のEメール文中の下線部について、特徴を問う質問を2つ作成する。
  • 語数の目安は40〜50語。

2題目は「英作文(意見論述)」です。「⽣徒は学校でクラブ活動に参加すべきだと思いますか︖」など、⾝近な問題についての質問(QUESTION)が問題冊子に英語で書かれているので、答える文章を作成します。要件は以下の2点です。

  • QUESTIONの答えとなる⾃分の意⾒と、その理由2つを書く。
  • 語数の目安は50〜60語。

勉強法

1題目の「Eメール」では、相手からのEメールの内容を踏まえた返信を書く必要があります。文中には、あなたへの質問がひとつ含まれているので、しっかり読み取りましょう。解答欄には、書き出しと締めくくりの挨拶がすでに印字されているので、挨拶の言葉は省略して本題から書き始めて大丈夫です。

解答する上でのポイントは、
1. 指示をよく読んで守る
2. 相手にする2つの質問を忘れない
3. 相手の質問に対して、分かりやすく答える
これらを意識してEメールに返信することです。指定された40〜50語に足りなかったら、トピックの内容に関わる雑談を1、2文加えましょう。相手からのEメールと関係がまったくない文章を書くと、「Eメールの内容を読み取れていないようだ」と判定されてしまう恐れがあります。

対策としては、質問文の作り方と答え方をまずマスターしましょう。英語の質問文でよく使われる、5W1Hは頭に入っていますか? 5つのWである「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」と、1つのH「How(どのように)」ですね。それぞれに対し、「Whenを使った質問への返事は、It’s… という形になることが多い」など、知識を整理しておき、実際に質問文・回答文を作ってみましょう。教科書などに載っている文例をお手本として、何回も読みあげ暗記する方法も役立ちます。

2題目の「英作文(意見論述)」では、構成をしっかり考えることが大事です。⻑⽂読解のところで、英語のパラグラフは

①トピックセンテンス(主題⽂) パラグラフの冒頭に置かれることが多い、パラグラフの全体像を⽰した⽂。
②サポーティングセンテンス(⽀持⽂) トピックセンテンスで提⽰した内容を、具体例や証拠を⽰しながら説明する⽂。
③コンクルーディングセンテンス
(結びの⽂)
パラグラフの最後に置かれる、結論にあたる⽂。本論(Body)のパラグラフではしばしば省略される。

という構造を持っている、と指摘しましたが、これは私たちがパラグラフを作成する、つまり英作⽂をするときにも守るべきルールです。

すなわち、英検準2級の英作⽂「⾃分の意⾒とその理由2つを」「50〜60語で」、というパラグラフを作成する場合、その構造は以下のようになります。

①トピックセンテンス(主題⽂) ⾃分の意⾒
②サポーティングセンテンス(⽀持⽂) その理由2つ
③コンクルーディングセンテンス(結びの⽂) ⾃分の意⾒を再度述べた結論

この⾻格に沿って、英作⽂を実際にやってみましょう。⼿順は、

  1. トピックに対する意⾒と、その理由を2つ、箇条書きなどでメモにまとめる
  2. メモに従って英⽂を書く。意⾒をトピックセンテンスとして、2つの理由をそれぞれサポーティングセンテンスとして書き、最後に意⾒を改めてコンクルーディングセンテンスとして書く
  3. 論理展開に⽭盾がないか、⽂法の間違いやスペルミスがないか、などを⾒直す

となります。

解答時間の⽬安は35分です。1題目のEメールに15分、2題目の意見論述に20分を目安にするとよいでしょう。当然ながら、ライティングは経験がものを⾔います。時間内に英⽂をまとめあげる演習を数多くこなすようにしましょう。

また、扱われるトピックは、日常的な連絡や⾝近な社会的トピックが中⼼です。⽇頃から、英文でEメールを書いてみたり、起きたことや⽬にしたものについて周囲の⼈の意⾒を知っておいたりすると、困ることはなくなるはずです。

リスニング

英検準2級のリスニングでは、⽇常⽣活に関する内容を聞いて理解することができるレベルが求められます。

リスニングテストには、第1部、第2部、第3部があります。
第1部・第2部では、同僚・友⼈同⼠、店員と客など、男⼥2⼈の会話が読み上げられます。 第3部では、50語程度の⽂章が読み上げられます。最も多いのは、ある架空の⼈物についてのエピソードで、次いでデパートや学校のクラスなどでのアナウンスと、⾃然・⽂化に関する説明⽂がほぼ同じ割合で出題されます。

実際に⾳声を聞いてみて、英語が読み上げられるスピードを確認しましょう。

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

参考書

リスニングを基礎から学びたい⽅は『英検準2級 総合対策教本』がおすすめです。⽂や⽂脈に応じて変化する発⾳の特徴を、実例とCDによる⾳声で解説しています。

勉強法

英検準2級では、英検3級までとは異なり、リスニングの⾳声はすべて1回しか読み上げられません。また、第3部の⽂章も50語程度と⻑くなります。従って、「もう⼀度聞いて理解しよう」「全部聞いてから考えよう」という⼿は通⽤しなくなります。英⽂は読み上げられる順序のままに、⼩さなまとまりごとに理解する習慣をつけましょう。要点だけをメモするのも効果的です。

「リスニングが苦⼿だ︕」という⼈の中には、⽂字に起こせるほど完璧に英語の⾳声を聞き取れなければいけない、と誤解している⼈がいます。しかし、英検準2級のリスニングテストが求めている能⼒は、聞こえた⾳声から、会話や英⽂の⼤意をつかむ能⼒です。ですから「聞き取れない︕」と感じてもあわてずに、聞こえた語句をつなぎ合わせて、話の流れを推測するようにしましょう。

逆に、復習の際には、問題集の解答に記載された放送⽂のスクリプトと⾳声とを、⼀字⼀句⽐べるように聞き直してみましょう。スクリプトの⽂字と⾳声は⼀致するでしょうか。もし、⽂字を⾒たときに思い浮かべた⾳と、実際の⾳声とがかけ離れているように感じたら、それは、⽿が英語の⾳声にまだまだ慣れていない証拠です。英語は、⽂字に書かれていても、とても弱く発⾳されてほとんど聞こえない部分があったり、隣の単語とくっついて⼀体になって発⾳される部分があったりします。こういった⾳声に慣れるためには、スクリプトを⾃⼰流の発⾳で読み上げるのではなく、リスニングの⾳声を聞こえたまま真似て発⾳する練習をするとよいでしょう。次第に、⽂字と⾳声との間の違和感がなくなっていくことでしょう。

『英検準2級 総合対策教本』には、英語のそういった⾳声変化の特徴も解説されていますので、ぜひ参考にしてください。

旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検準2級 予想問題ドリル』『英検準2級 でる順 合格問題集』などの⾳声を、スマホでいつでも気軽に聞くことができます。繰り返し聞いて、リスニング⼒を⽇々鍛えましょう︕

英検準2級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検準2級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

スピーキング(二次試験・面接)

英検準2級のスピーキングでは、⽇常⽣活の話題についてやりとりすることができるレベルが求められます。

スピーキングテストは、⼆次試験において⾯接形式で⾏われます。
まず問題カードに記載されたパッセージの⾳読を求められ、それからそのパッセージに関わる質問をされます。その後、イラスト2点を描写する問題が出され、最後に⾃分の意⾒を聞かれます。

過去の出題例は、ホームシアター、ボランティアガイド、電⼦辞書、⾷品フェア、映画祭、プリペイドカードなどで、⽇常的な話題となっています。

早く話す必要はありません。⾯接委員にしっかりと聞き取ってもらえるように、はきはきと話すことが⼤事です。

参考書

⾯接の流れをあらかじめ知っておけば、不安も解消︕ 10セットの練習問題に加え、⾯接をリアルに体験できる動画の付いた『10⽇でできる︕ 英検準2級 ⼆次試験・⾯接 完全予想問題』がおすすめです。

勉強法

⾯接の評価には、アティチュード(態度)という項⽬があり、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲を⽰すことが⼤事です。具体的には、⼊退室のあいさつや、アイコンタクト、⼤きな聞き取りやすい声、黙り込まない、などです。問題演習をする際には、頭の中で答えを思い浮かべて済ますのではなく、⾯接の場⾯を想定した上で、しっかりと声に出して練習しましょう。先⽣や友⼈などに付き合ってもらうのもよい⼿ですが、ちょうどよい⼈がいない場合は代わりにぬいぐるみを置くなどして、⾯接委員とのアイコンタクトのシミュレーションをしましょう。このような実演を重ねることで、明瞭な発声やアイコンタクトが⾝につき、本番でも⾏えるようになります。

パッセージの⾳読は、ただひたすらに読み下すのではなく、意味のまとまりごとにポーズを置くよう気をつけましょう。具体的には、前置詞の前やコンマのところで、ポーズを取るとナチュラルです。ピリオドでは息継ぎをするつもりで、イントネーションを下げ、⽂をしめくくりましょう。重要な単語は強めに⾔い、単語はアクセントのある場所を意識して、リズミカルに⾳読する訓練を積めば、⾃然な英語を⼝が覚えるものです。

英検準2級のスピーキングでは、3級よりも多くの発話をこなせることと、⽂と⽂とをうまくつなぐことがポイントになります。イラスト描写では現在進⾏形が重要ですので、⽇頃から周囲の⼈のようすを英語で表現してみるなどして練習しましょう。適切な動詞を知らなくても、すぐに辞書に頼ってはいけません。本番では辞書を使えないのですから、今思い出せる単語を フル活⽤して、何とか伝えるよう⼯夫しましょう。また、いくら発話量が多くても、つながりのないばらばらの⽂では評価は低くなります。and(それで)、also(また)、because(〜なので)などの接続詞を使って、まとまりのある⽂で話せるよう練習しておきましょう。

英検の⾯接の出題パターンは、ある程度決まっています。ですから、過去問や参考書を使って問題演習を重ねることが、最も効果的な対策になります。

英検準2級の⼆次試験・⾯接について、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検準2級⾯接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

過去問・予想問題

実際に試験を受けてみたら、時間が⾶ぶように過ぎてしまい、最後の問題までたどり着かなかった―そんな経験をしたことはありませんか︖ ほんの少し答えを悩んだつもりでも、驚くほど時間が経ってしまっていることもあります。試験当⽇、こんな失敗をしないためには、普段から実際の試験と同じ分量の問題を時間内に解くトレーニングをしておくことが⼤事です。過去問や予想問題はこのトレーニングに最適な素材です。

※ここで紹介されている教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式には、対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。

参考書

『2024年度版 英検準2級 過去6回全問題集』には、6回分の過去問が丁寧な解説と共に収められています。2024年度から変更される新ライティング問題に関して、Eメールの英検公式サンプル問題と旺文社オリジナル予想問題を、それぞれ解答例、訳、解説付きで載せています。

勉強法

過去問や予想問題を解くときには、下記の「試験当⽇の試験対策/⼀次試験」の問題ごとの時間配分を参考に、各⼤問にどれくらいの時間をかけるか、決めておきましょう。⼤問がひとつ終わるごとに時計を⾒て、時間どおりに進められているか確認しながら解き進めることが⼤事です。わからない問題に時間を割きすぎては、時間内に解き終わることはできません。マーク式の部分であれば、あとで時間が余ったときに⾒直せるように問題冊⼦に印をつけた上で、マークシートには勘で答えを記⼊してしまいましょう。このように本番の試験と同じ気持ちで、過去問・予想問題に取り組むことが⼤事です。

答え合わせが終わったら、⼤問ごとに正解率が何パーセントであったのか、算出しましょう。合否判定はCSEスコアで⾏われるため、何問正解したら合格なのかははっきりしませんが、およその合格ラインは6割程度と予測されます。もし正解率が6割を切る⼤問があったら、それは苦⼿な⼤問ですから、⼊念に復習しましょう。『英検準2級 総合対策教本』で苦⼿な⼤問の解説を読み、基礎知識をしっかりと固めるのもおすすめです。

試験当日の試験対策

試験会場に⾃動⾞やバイクで⾏くことは禁⽌されています。必ず、電⾞やバスなどの公共交通機関を利⽤して会場に向かってください。会場には早めに着き、トイレも済ませ、愛⽤の参考書で最終確認をしながらリラックスして試験開始を待ちましょう。

⼀次試験(筆記・リスニング)

⼀次試験は、筆記試験、リスニングテストの順で⾏われます。筆記試験開始前に、リスニングテストの⾳量チェックが⾏われます。リスニングテストの直前には⾳量チェックは⾏われませんので、⾳量が⼩さいなど聞こえづらい場合は、必ずこのタイミングで試験監督者に申し出るようにしましょう。

筆記試験は80分です。⼤問ごとの⽬標解答時間は下記のとおりです。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 目標解答時間
1 短⽂の語句
空所補充
短⽂または会話⽂の空所に、⽂脈に合う適切な語句を補う。 15 9分
2 会話⽂の⽂
空所補充
会話⽂の空所に適切な⽂や語句を補う。 5 8分
3 ⻑⽂の語句
空所補充
パッセージ(⻑⽂)の内容に関する質問に答える。 2 8分
4 ⻑⽂の内容
⼀致選択
パッセージ(⻑⽂)の空所に、⽂脈に合う適切な語句を補う。 7 20分
5 Eメール Eメールを読んで返信を作成する。 1 15分
6 英作文
(意見論述)
質問に対する回答を英⽂で書く。 1 20分

時折、時計を⾒て、進み具合を確認しましょう。試験には腕時計の携帯が許可されています(ただし、Apple Watchなどのウェアラブル端末の携帯は禁⽌されています)。

筆記 大問1:短文の語句空所補充

短⽂あるいは会話⽂の空所に、⽂脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。単語、熟語の知識を問う問題です。

例題:
空所にあてはまる語を選びなさい。

A: I heard that you bought a house.
B: Yes. It’s very comfortable. Best of all, our living room (   ) the southeast.

1 brings 2 faces 3 pulls 4 draws

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの⽬安は、15問中10問正解です。空所の前後だけでなく、⽂全体を読み、正しく⽂脈を把握した上で解答しましょう。答えがわからない場合は、消去法を使って正解率を上げていきましょう。⼤問1は、悩んでも答えがひらめくことはほとんどないので、わからない問題は早々に⾒切りをつけて、⻑⽂読解に⼗分な時間を取るのが得策です。

⼤問1に限りませんが、わからない問題でも解答欄には答えをどれか記⼊しておきましょう。「ライティングまで終わったら、⼤問1に戻ってマークすればいいや」と思っていても、実際には時間切れでマークができないこともありますから、ご注意を。

筆記 ⼤問2︓会話⽂の⽂空所補充

会話⽂の空所に、⽂脈に合う適切な⽂や語句を、4つの選択肢から選ぶ問題で、設問数は5問です。

例題:
空所にあてはまる文を選びなさい。

A: Are you coming to the party at Susan’s house?
B: Yes, but I’m wondering how to get there since my father will use the car tonight.
A: That’s no problem, Polly. (   )
B: Thank you, Jimmy. That’s very kind of you.

1 I’ll be able to fix your car.
2 I’ll pick you up at 5:30.
3 You don’t have to come to my house.
4 My mother will pick me up tonight.

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの⽬安は、5問中3問正解です。空所部分を念頭に置きながら、会話の状況と話の展開に注意して会話全体を読みましょう。多くの場合、解答のカギとなる部分は、空所の後に出てきます。

筆記 ⼤問3︓⻑⽂の語句空所補充

⻑⽂の空所に、⽂脈に合う適切な語句を補う問題です。150語程度の物語⽂で空所は2つです。

例題:
空所にあてはまる語句を選びなさい。

A Cute Bag

Sayaka loves cute items. Two weeks ago, she went downtown to do some shopping. She went into a small shop and found a very cute bag there. According to the shop owner, it was a handmade bag imported from France, and there was only one left at the store. She liked the bag very much, but it (   ), so she couldn’t buy it. A few days later when she visited the shop again, the bag had already been sold to someone else. She was a little disappointed.(以下、略)

1 was not her taste
2 was not for sale
3 was expensive for her
4 was quite reasonable

『英検準2級 予想問題ドリル』より抜粋)

答え:3

合格ラインの⽬安は、2問中2問正解です。空所の前後だけを⾒て正解を特定することは難しく、前後の⽂を含めて⽂脈から判断する必要があります。⽂章⾃体は⾝近でわかりやすいトピックが多いので、まずざっと⽬を通して⼤意をつかみ、それから改めて読み返しながら問題を解くようにしましょう。⽂章の展開を⽰すつなぎ⾔葉(for example, howeverなど)がヒントになります。

筆記 ⼤問4︓長文の内容一致選択

⻑⽂について、内容に関する質問に答える問題です。英⽂はA, Bの2つ出題されます。Aは 200語程度のEメールで設問の数は3問、Bは300語程度の説明⽂で設問の数は4問です。

例題:
質問に対して最も適切な答えを選びなさい。

(Eメール本文)
Dear Ann,
I’m sorry I’ve taken so long to reply to your last e-mail. I haven’t had a minute to spare this week. My car broke down. I never realized before how much I depended on it. I mean, I’ve only had it six months, but I always used Dad’s before and now I really can’t move without it.(以下略)

Why does Mike feel so helpless?
1 He can’t use his car now.
2 He has no time to see Ann.
3 Something is wrong with his dad’s car.
4 He has moved to an unfamiliar city.

『英検準2級 予想問題ドリル』より抜粋)

答え:1

筆記 大問5︓Eメール

提示された英文Eメールに対する返事を書きます。指定された質問2つを含めるほか、相手から尋ねられたことへの回答も入れる必要があります。

例題︓
● あなたは,外国人の知り合い(John)から,Eメールで質問を受け取りました。この質問にわかりやすく答える返信メールを,       に英文で書きなさい。
● あなたが書く返信メールの中で,JohnのEメール文中の下線部について,あなたがより理解を深めるために,下線部の特徴を問う具体的な質問を2つしなさい。
● あなたが書く返信メールの中で        に書く英文の語数の目安は40語〜50語です。
● 解答がJohnのEメールに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。JohnのEメールの内容をよく読んでから答えてください。

Hi!

Guess what! My dad bought me a tablet computer last week. I wanted a notebook computer, but my dad said notebook computers are too big to carry around easily. He suggested I get a tablet computer instead. I’m writing this e-mail on it now. My tablet computer is very useful, but the screen isn’t very big. I like reading comic books, but they’re difficult to read on a small screen. Do you think more people will buy tablet computers in the future?

Your friend,
John

Hi, John!

Thank you for your e-mail.

解答欄に記入しなさい。

Best wishes,

解答例:
You must be very happy to get a tablet computer. Mine is blue, but what color is yours? How big is it? About your question, I think more people will buy tablet computers. Tablet computers are convenient and can be used for taking notes, listening to music, and so on!

「英検合格ナビゲーター」より引用)

Eメールは、以下の3つの観点で採点されます。

①内容 ・問題文の指示に不足なく答えられているか
・受け取ったEメールに対する返信として適切な内容か
②語彙 課題にふさわしい語彙を正しく使えているか
③⽂法 ⽂構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

筆記 大問6︓英作文(意見論述)

QUESTIONを与えられ、それについての答え(⾃分の意⾒)と、そう思う理由を2つ、50〜 60語の英⽂で書きます。

例題:
● あなたは,外国人の知り合いから以下のQUESTIONをされました。
● QUESTIONについて,あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
● 語数の目安は50語~60語です。
● 解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。

QUESTION
Do you think more foreigners will visit Japan in the future?

解答例:
I think more foreigners will visit Japan in the future. I have two reasons. First, there are many places to see in Japan. For example, Kyoto is famous for its old temples and shrines. Second, Japan is safe. People can walk safely on most streets even at night. That is why I think more foreigners will come to Japan.

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

英作文(意見論述)は、下記の4つの観点から採点されます。

①内容 課題で求められている内容(意⾒とそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
②構成 英⽂の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
③語彙 課題にふさわしい語彙を正しく使えているか
④⽂法 ⽂構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

なお、ライティングにおいて、解答がEメール/QUESTIONへの答えになっていない場合や、要件を満たしていない場合は、正しい英⽂を書いたとしても0点や減点になる恐れがあるので、気をつけましょう。スコアは12点満点です。合格ラインは、8点程度だと思われます。

筆記試験が終わると、続けてリスニングテストが⾏われます。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 放送回数
第1部 会話の応答⽂選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。 10 1回
第2部 会話の内容⼀致選択 会話の内容に関する質問に答える。 10 1回
第3部 ⽂の内容⼀致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 10 1回

問題⽂はすべて1回しか放送されません。解答時間は、設問ごとに10秒間です。

リスニング Part 1︓会話の応答⽂選択

2⼈の会話が放送されます。その最後の発話に対する応答としてふさわしいせりふを、選択肢3つの中から選ぶ問題です。10問出題され、会話と選択肢は1度しか放送されません。選択肢は問題冊⼦には印刷されておらず、英語で読み上げられます。

例題:
対話を聞き、その最後の文に対する応答として最も適切なものを放送される1, 2, 3 の中から一つ選びなさい。

(放送文)
A: Hi, Mike. I’m sorry I’m late.
B: That’s OK. Where shall we go for dinner?
A: How about that French restaurant on Port Avenue?

1 You’re welcome.
2 Sounds good.
3 Have a good day.

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの⽬安は10問中6問正解です。男⼥2⼈の2往復の会話となっているので、最後の発話(3つめのせりふ)を集中して聞きましょう。疑問⽂だった場合、疑問詞を聞き逃すと致命的なので、⽂頭には特に注意する必要があります。選択肢は放送されるだけで、しかも1回しか読まれません。ですから、会話の雰囲気や聞き取れた表現も⼿がかりにして、最も正答らしい答えを選び、すぐ次の問題に集中するようにしましょう。

リスニング Part 2︓会話の内容⼀致選択

最初に男女2人の会話、続いて質問が放送されます。その質問に対する回答を、4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、会話と質問は1度しか放送されません。

例題:
対話を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 Stay home.
2 Finish her work.
3 Talk with Nick on the phone.
4 Go shopping with Nick.

(放送文)
A: Nancy, do you want to go shopping with me?
B: Sorry, Nick, I can’t. I’ve got to finish this work.
A: Too bad. There’s a big bargain sale at the new mall.
B: Oh, in that case, I’ll do this later.

Question: What is Nancy going to do now?

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

答え:4

合格ラインの目安は10問中6問正解です。男女2人の会話が放送され始めたら、聞き取れた語句から場面・状況をすばやく把握しましょう。声のトーンや、ファーストネームで呼び合っているかどうかも、彼ら2人の間柄を知る手がかりになります。2往復の会話の後、質問が読み上げられるので、その冒頭の疑問詞は特に注意して聞き取りましょう。

リスニング Part 3︓⽂の内容⼀致選択

最初に50語程度の英⽂、続いて質問が放送されます。その質問に対する回答を、4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、英⽂と質問は1度しか放送されません。

例題:
英文を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 The view is nice.
2 It is inexpensive.
3 It has a spacious kitchen.
4 It is sunny, but expensive.

(放送文)
Sam had to look for an apartment. Most apartments were very expensive. The apartment he finally moved into is sunny, but smaller than what he wanted. Also, the view is not very nice. But the rent is reasonable, so he is content with it.
Question: Which is true of Sam’s apartment?

『英検準2級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの⽬安は10問中6問正解です。まとまった量の英⽂を⼀度だけしか聞けないので、選択肢を先に読んで、話の内容を推測しておきましょう。例えば、選択肢にview、 expensive/inexpensive、kitchenなどの単語があれば、家の賃貸に関する⽂章である可能性が⾼いものです。代名詞itを使った選択肢が多いなら、「それ」が何かがポイントになります。質問は英⽂の後に読み上げられるので、集中⼒を最後まで切らさずに聞き取りましょう。

英検準2級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検準2級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

二次試験(面接)

⼆次試験の会場は、⼀次試験の会場とは異なりますので、⼆次試験受験票をよく確認しておきましょう。会場では、受付を済ませたら、控え室で待機します。⻑く待たされる場合もありますので、なるべくリラックスして過ごすようにしましょう。順番が近づくと、⾯接室の近くの席に案内されます。試験後は控え室に戻ることはできませんので、荷物はすべて持って移動しましょう。係員に⼊室するよう指⽰されたら、⾯接室のドアをノックして⼊室しましょう。⼊室の際は、Hello. などの挨拶を忘れずに。

問題番号 問題形式 詳細
  音読 50語程度のパッセージを読む。
No. 1 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 2 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動を描写する。
No. 3 イラスト中の人物の状況を説明する。
No. 4 受験者自身の意見などを問う問題 カードのトピックに関連した内容についての質問に答える。
No. 5 日常生活の身近な事柄についての質問に答える。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)

面接試験にはアティチュード(態度)という採点項目があります。聞き取りやすい声ではっきりと話し、積極的にコミュニケーションしようとする姿を見せましょう。たとえ話す英語に未熟な点があったとしても、黙り込んだりせず自然に応答する方がプラスになります。

パッセージの音読

⾯接委員から⼿渡された問題カードに書かれたパッセージを⾳読します。

例題:
(問題カードに書かれたパッセージ)

Aerobics with Japanese Drums

Recently, people have started doing a new exercise. It is a combination of Japanese drums, wadaiko, and aerobics. People move around the drums and exercise by beating them. It also offers the chance to learn Japanese culture. This exercise is both healthy and interesting, so it is getting more and more popular.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

⾯接委員から問題カードを⼿渡されたあと、黙読に20秒与えられます。この時間内で、パッセージの内容をつかみ、単語の発⾳や、⽂の区切りなどを確認します。⾳読の際は、タイトルを忘れないよう注意しましょう。パッセージの意味を考えて、強調すべき部分は強く、そうでない部分は弱く、抑揚をつけながら読むことも大事です。

No.1 パッセージについての質問

⾳読したパッセージの内容を問う問題です。

例題:
According to the passage, why is the new exercise getting more and more popular?

解答例: (Because) it is both healthy and interesting.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

問題カードを⾒ながら答えることができます。質問にはwhy(なぜ)やhow(どのように) がよく使われるので、パッセージの中に「理由」や「⽅法」について書かれた部分、例えば、 so(〜なので)やby(〜によって)があったら要注意です。解答するときは、質問中に使⽤された語を代名詞に置き換えるなど(例題ではthe new exercise → it)、質問に対する適切な答えになるように⾔い換えましょう。

No. 2 イラスト中の⼈物の⾏動を描写する問題

問題カードにかかれたイラストAを描写する問題です。イラストには、複数の⼈物が何かをしているようすが描かれています。

例題︓
Now, please look at the people in Picture A. They are doing different things. Tell me as much as you can about what they are doing.

(問題カードにかかれたイラスト)

A

解答例︓A woman is cleaning the floor. / A boy is carrying a chair. / Two men are shaking hands. / A girl is putting on shoes. / A man is opening the curtain.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

イラストの内容を描写するときは、現在進⾏形を使いましょう。主語を最初にしっかり⾔い、a man など冠詞の a を忘れないことも重要です。⾆がもつれて噛んでしまったりしても諦めず、できるだけ多くの⼈物について描写しましょう。

No. 3 イラスト中の⼈物の状況を説明する問題

問題カードにかかれたイラストBを描写する問題です。イラストには⼈物と、それを補⾜する吹き出しが描かれています。

例題:
Now, look at the boy in Picture B. Please describe the situation.

(問題カードにかかれたイラスト)

B

解答例:He wants to buy a drink from the vending machine, but he doesn’t have any coins.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

まずは頭の中で、⼈物を描写する⽂を作りましょう。それから吹き出しの中を表現する⽂章を作り、⼈物を描写する⽂との関係を考えて、適切な接続詞でつなぎます。because(〜なの で)、and(そして)、but(しかし)などが効果的です。

No. 4 問題カードに関連したトピックについての受験者⾃⾝の意⾒

問題カードに関わるトピックについて、受験者⾃⾝の意⾒を問う質問がされます。

例題:
Do you think people should exercise every day?
(Yes.と答えた場合)Why?
(No.と答えた場合)Why not?

Yes.と答えた場合の解答例:
It is important for people to try to be healthy all the time. It is often said that people need more exercise today.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

No. 4の質問の前に、まず問題カードを裏返すように指⽰があります。緊張していると指⽰が聞き取れず焦るかもしれませんが、その場の雰囲気や⾯接委員の態度もヒントになるので、落ち着いて聞くようにしましょう。その後、Do you think〜︖と聞かれるので、そう思う場合はYes、思わない場合はNoと、意⾒とその理由をはっきり述べましょう。しっかりアイコンタクトして、⾃分の意⾒に対して⾃信を持っていることをアピールするのも忘れずに。

No. 5 ⽇常⽣活の⾝近な事柄についての受験者⾃⾝の意⾒

⽇常⽣活の⾝近な事柄について、受験者⾃⾝の⾏動や希望、好みをたずねられます。

例題:
Today, many towns in Japan have large shopping malls. Do you like to go shopping at these malls?
(Yes.と答えた場合)Why?
(No.と答えた場合)Why not?

Yes.と答えた場合の解答例:
I can buy many different things at one place. When I am tired from shopping, I can eat there, too.

『英検準2級 でる順 合格問題集』より)

No.5は、カードのトピックに関係しない質問であることも多いので、先⼊観を持たず注意して聞き取りましょう。⾯接委員はまず前置きの⽂章を⾔い、次に質問をしてきます。ですから、2つめの⽂は特に注意して聞き取り、それに対応した⽂を考えて返事をしましょう。⾃分⾃⾝の意⾒を述べる問題なので、⾯接委員の⽬をしっかり⾒て、⾃信のあるようすを⾒せることが⼤事です。

質問が聞き取れなかった場合には、⾃然な会話の流れの中であれば、Pardon? やCould you speak that again? などと聞き返しても減点はされません。ただし、質問の中の単語の意味を⾯接委員にたずねても教えてはくれませんので、⾒当がつかない場合は聞き取れた語の話題について、当てずっぽうでもよいので⾃分の意⾒を述べてしまいましょう。黙り込んでしまうとアティチュードの評価に悪影響を与えますし、 Pardon? を繰り返していると聞き取れないと判定されて、次の質問へ移られてしまいます。

英検準2級の⼆次試験・⾯接について、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検準2級⾯接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

まとめ

英検準2級の全貌が把握できたでしょうか︖ 英検は問題形式が決まっていますので、ひとつひとつの形式をよく把握しておけば、それぞれの正解率を上げることができます。合格ラインは6割程度。地道な対策が合格のカギです。合格を⽬指してがんばってください︕