この記事では、英検3級合格のために必要な情報をまとめて紹介しています。最初に、レベルはどのくらいで合格点は何点か、合格するとどんなメリットがあるかといった英検そのものの解説や、試験日程などの情報を挙げてあります。次に、出題の傾向や特徴、効率的な勉強法、苦手とする人が多いリスニングの対策など、かなめとなる試験対策を説明します。最後に、試験当日の流れや具体的な問題例と解答のコツ、面接のポイントなどをまとめています。英検3級を受験する方、受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2023年3月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。

※本記事は、複数ある試験方式のうち、最も標準的な「従来型」を前提に解説しています。試験方式の詳細は、「英検とは:概要と級別の勉強法・試験対策:試験方式について」をご参照ください。

英検とは

英検とは、実用英語技能検定のことです。公益財団法人 日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、年に3回実施されています。年間の総志願者数は250万人を超える、日本で最大規模の英語検定試験です。

リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングという、英語の運用に不可欠な4技能を堅実に測定する検定で、長年にわたる実施歴により、抜群の知名度と信頼を得ています。検定料は3級で6,300円で、試験会場も多く受験しやすいのが特長です。小学生から社会人まで幅広い年齢層を対象としているため、職歴や経験によって結果が左右されないよう設計されており、「誰でも受けられる」「英語力そのものを測る」検定という定評があります。

7つの級のどれにチャレンジしてもかまいません。試験後に送付される成績表には、合否判定だけでなく、どのくらい合格ラインを上回ったか、あるいは下回ったかなどが示されることから、習熟度のチェックや学習モチベーションの維持にも活用できます。国際標準規格CEFRに対応した英検CSEスコアによって、自分のレベルをグローバルな視点で把握できることも長所です。

レベル

英検3級は中学卒業程度のレベルとされ、「身近な英語を理解し、また使用することができる」とうたわれています。「基礎力の集大成の級」という位置づけなので、英検3級レベルの力が身についていなければ、今後準2級、2級とステップアップしていくことは難しいでしょう。中学生を中心に、幅広い層に受験されています。

受験する意義

中学生にとっては、中学卒業レベルである英検3級を持っていることは、標準的な英語力が身についていることを意味します。日頃の学習の成果や、英語がどれほど身についているかを、合格という目に見える形で確認できるでしょう。また、学校のテストとは傾向が違う英検に向けて勉強することや、英検受験を実際に経験することは、高校入試への準備にもなります。

高校生や社会人にとっては、英検3級を受験することは、英語の基礎を確認するという意味を持ちます。英語に対する苦手意識が強い人の中には、中学英語の段階でつまずいたため、その後力を伸ばせずにいる人が少なくありません。そのような人には英検3級レベルに一度戻って、基礎を固めることをおすすめします。

長年英語から離れていた人にとっては、高校レベルの文法も出題される英検準2級は、やや荷が重いかもしれません。昔学んだ英語を思い出しながら、無理なく取り組むことができる英検3級は、肩慣らしに最適です!

試験内容

英検3級には、一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(面接)があります。

一次試験

一次試験は、筆記試験とリスニングテストの2部構成です。
筆記試験は50分で、リーディング・ライティングの2技能が判定されます。
リスニングテストは約25分で、筆記試験に続いて実施されます。
解答形式は、英作文のみ記述式で、それ以外はマーク式です。

問題の構成は下記のとおりです。

●筆記試験

測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リーディング   1 短文の語句
空所補充
短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。 15
2 会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5
3 長文の内容一致選択 パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。 10
ライティング 4 英作文 質問に対する回答を英文で書く。 1

●リスニングテス

測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リスニング 第1部 会話の応答文選択 イラストを見ながら会話を聞き、会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。
(放送回数1回)
10
第2部 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10
第3部 文の内容一致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10

英検3級では、家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化、人物紹介、歴史などに関する話題が出題されます。

二次試験

二次試験は面接形式のスピーキングテストです。
日本人あるいはネイティブスピーカーの面接委員と1対1で約5分話します。

出題される問題は下記のとおりです。

測定技能 問題番号 問題形式 詳細
スピーキング   音読 30語程度のパッセージを読む。
No. 1 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 2, 3 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する。
No. 4, 5 受験者自身の意見などを問う質問 日常生活の身近な事柄についての質問に答える。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)

英検3級の二次試験では、身近なことに関する話題が主に出題されます。過去の出題例を挙げると、携帯電話、ラジオを聴く、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季などです。

日程

英検3級は年に3回実施されます。実施月は下記のとおりです。

  一次試験 二次試験
第1回 6月 7月
第2回 10月 11月
第3回 1月 2月

個人受験は、下記の日程で実施されます。

●2023年度

  受付期間 一次試験 二次試験
第1回 3月31日~5月2日
(書店は4月21日締切)
6月4日(日) (A日程)7月2日(日)
(B日程)7月9日(日)
第2回 8月1日~9月8日
(書店は9月1日締切)
10月8日(日) (A日程)11月5日(日)
(B日程)11月12日(日)
第3回 11月1日~12月14日
(書店は12月8日締切)
2024年1月21日(日) (A日程)2024年2月18日(日)
(B日程)2024年2月25日(日)

二次試験にはA日程とB日程とがあり、英検3級の個人受験ではB日程に割り当てられます。詳細は、英検ウェブサイトでご確認ください。

個人受験でも準会場(団体試験の会場)で受験できる場合があります。その場合は、上記の個人受験(本会場)の日程とは異なり複数の日程があります。詳しくは、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。また、団体受験の受験日も、個人受験の日程と異なり複数ありますので、ご自身の所属する団体に問い合わせましょう。

過去問

英検3級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが一番です。英検ウェブサイトにて、直近3回分の過去問が公開されています。過去問は、試験終了後1週間程度でアップされます。

過去問で英検3級対策をするなら、日本語訳と丁寧な解説が掲載された旺文社の過去問シリーズがおすすめです。じっくり取り組みたい方は、6回分の過去問を収録した『2023年度版 英検3級 過去6回全問題集』を、短期で実力を完成させたい方は、3回分の過去問を収録した『2023-2024年対応 直前対策 英検3級 3回過去問集』をご利用ください。

『2023年度版 英検3級 過去6回全問題集』

英検3級合格を目指すなら、まずは過去問から!

6回分の過去問を解くことで、出題傾向をつかむことができます。解き終わったあとは、答えを確認して終わりではなく、解説をじっくり読んで間違えたところを見直すと、着実に力がついていきます。

さらに、一次試験に合格したあとは、二次試験(面接)の対策もできます。問題・解答例・解説が掲載されていますので、ひととおり解いてみましょう。仕上げにWeb特典で面接の流れを把握すれば、対策は万全です。

音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことができます(ただし、書籍に記載されたパスワードの入力が必要です)。

合格点・合格率

一次試験

2015年度までは、設問ごとに配点は1点で、合計点が合格点以上であれば合格でした。しかし2016年度からは、技能ごとに算出されたCSEスコアという指標をもとに合否が判定されるようになり、その結果何問正解すれば合格か、はっきりとは分からなくなりました。ただし日本英語検定協会は、「2016年度第1回*では、各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格した」と発表しており、今後も6割程度の正答率が合格ラインだと予測されます。

* CSEスコアによる合否判定が導入された最初の試験回

CSEスコアでは、リーディング・リスニング・ライティングの技能ごとに550点満点とされており、合格基準スコアは3技能合計で1103点です。英作文問題は筆記試験の中のたった1問ですが、ライティングとして550点満点で評価されるため、一次試験の中で比重は1/3とかなり大きくなります。例えば、リーディング・リスニングで満点を取っても、ライティングが0点だった場合、合計1100点となり、合格基準スコアに3点足りないことになります。つまり、日頃からどの技能もバランスよく高めておくことが、英検3級合格につながるのです。

二次試験

二次試験の合否もCSEスコアで判定されます。満点は550点で、合格基準スコアは353点です。応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、アティチュード(積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度)などが評価ポイントとなります。

合格率

2015年度の合格率は52.9%でした。2016年度以降、合格率は公表されていません。

合格までの道のり

受験級の確認

英検を受験する際には、まず、受験すべき級が本当に3級であるか、よく検討しましょう。英検は下の級から順に受験する必要はなく、初めて英検を受験する場合でも、英検3級から受験してかまいません。
英検ウェブサイトで過去問を眺め、自分の実力とかけ離れていないかどうかチェックしましょう。もし歯が立たないと感じたら、より今の実力に近い級から受験し、ステップアップするというやり方もあります。

ケース別学習手順

ケースA:英検3級レベルの学習をほぼ終えている場合

高校生、社会人など、すでに英検3級レベルの学習の大半を終えている場合、
・試験に慣れること
・苦手分野を補強すること
の2つが重要です。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 過去問で問題演習

英検は試験形式が毎回一定している試験ですので、試験に慣れるだけでも、素早く解答し、正答率を上げることができます。『2023年度版 英検3級 過去6回全問題集』で過去問を解き、試験形式に慣れましょう。必ず時間を計り、どれくらいの速さで解答していけばよいか、よく確認しましょう。

2. 答え合わせと、苦手分野の発見

過去問を解き終わったら答え合わせをし、間違えた問題の解説をよく読みましょう。英検3級合格に必要な正答率は明らかにされていませんが、6割程度が合格ラインだと予測されます。大問ごとに正答率を算出し、正答率が6割を切った大問は、苦手な分野だと考えましょう。

3. 苦手分野の補強

苦手な分野があった場合には、『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』であてはまる章を学習しましょう。単熟語に不安があったら『英検3級 でる順パス単』を使用して、語彙力を補強しましょう。

4. 二次試験の問題演習

一次試験を突破したら、『2023年度版 英検3級 過去6回全問題集』で二次試験の過去問に挑戦しましょう。スマホなどで自分の解答を録音し、あとから自己評価するとよいでしょう。うまく話せなかった問題は、解説をよく読み、解答例に使われている表現も覚えてしまいましょう。

ケースB:英検3級レベルの学習が身についていない場合

中学生1、2年生、しばらく英語に触れていなかった社会人など、英検過去問を眺めてみて「まだ習っていないことが多い」「知識不足だ」と感じる方は、まず英検3級に最低限必要な知識を固めていきましょう。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 文法を学ぶ

文法は英語を学ぶ基礎になります。『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』の第1章で、英検3級によくでる文法事項を学びましょう。

2. 重要単語を覚える

単語集『英検3級 でる順パス単』のでる度A(常にでる基本単語)の300語をまず覚えましょう。この単語集はでる順に掲載されており、効率よく学習できます。でる度Aには4級レベルの単語も含まれているので、おさらいにもなります。

ここまで終えたら、ケースAの学習手順に進みましょう。

合格に必要な学習時間

上記の手順で学習をすすめた場合、どれくらいの学習時間が必要か、一例を示しました。

ケースA

1. 過去問で問題演習:過去問6回分と英作文2問の演習で7時間
2. 答え合わせと、苦手分野の発見:過去問6回分の答え合わせと丁寧な復習で5時間
3. 苦手分野の補強:苦手分野1つにつき1時間
4. 二次試験の問題演習:過去問6回分の演習と丁寧な復習で3時間

苦手分野の数によりますが、18時間程度を見込むとよいでしょう。

ケースB

1. 文法を学ぶ:未習文法を学ぶのに3時間
2. 重要単語を覚える:でる度Aを覚えるのに4時間
+ケースAの学習時間

未習分野の量によりますが、25時間程度を見込むとよいでしょう。

もちろん個人差もありますし、単語や英作文のように一度やっただけでは定着せず、時間のかかる項目もありますので、上記の時間はあくまで目安です。日頃、学校で英語の授業を受けている方は、その分、英語力が日々高まっているはずですので、個人学習にここまでの時間は必要ないかもしれません。逆に、社会人などで独学されている方は、十分な学習時間を確保できるよう、しっかり計画を立てることが大切です。

勉強法

単語

英検3級によくでる単語は、身近な話題で使われるものが中心で、中学校2~3年の教科書に出てくるレベルです。

筆記大問1の15問中最初の7問程度が、単語の知識を問う問題となっています。出題されるのは名詞・動詞・形容詞が中心で、それぞれ2~3題出題されるケースが多くなっています。副詞や前置詞などが出題されることもあります。

大問1によくでる単語を例に挙げると、invite(~を招待する)、stamp(切手)、delicious(おいしい)などです。

旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検3級 でる順パス単』の音声をダウンロードすることができます。収録された見出し語のリストを見ながら発音を確認できるので、英検3級レベルの単語を、効率的に耳で覚えられます。

参考書

おすすめの参考書は、『英検3級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される単語を「でる順」に掲載した、リスト型単語集です。

勉強法

英検3級レベルの単語を学習するには、教科書や問題集で目にした単語をがっちり覚えるのが基本です。ただ意味を覚えるだけでなく、その単語が名詞か形容詞か、といった品詞の違いも意識しましょう。動詞であれば、目的語を必要としない自動詞か、それとも目的語を必要とする他動詞かということにも注意が必要です。これらの知識は英作文に当たっても役立ちます。

語彙力を効率よく上げるには、単語集『英検3級 でる順パス単』がおすすめです。単語集は、「覚えている」「覚えていない」を仕分けるチェックリストととらえましょう。単語の暗記はあと回しにして、載っている単語を覚えているか覚えていないかだけで、片っ端から短時間で仕分けていくのです。単語集の見出し語にはチェックボックスがありますから、「覚えていない語にチェックを入れる」とルールを決めて(逆に覚えている語にチェックを入れてもかまいません)、チェックを入れていきましょう。すべての見出し語の仕分けが終わったら、それから暗記に移ります。この勉強方法の利点は、すでに覚えている語に時間を奪われず、覚えていない語だけに集中できることです。勉強時間は有限ですから、できるだけ効率よく集中できる状況を作りましょう。

単語を覚える際には、単語の音を聞く、実際に発音してみる、スペルを書いてみるなど、単語集を読むだけでなく、聞く・話す・書くなど、すべての技能を総動員することが大事です。英検3級で長文読解が難しいと感じる場合には、単語力がそもそも足りていないということがあります。その場合は、『英検3級 でる順パス単』を繰り返し使って、まず単語力を上げましょう。

『英検3級 でる順パス単』は、末尾についている別冊を使って、自分だけの単語帳を作ることができます。旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば音声を無料で聞くこともできます。しかも、アプリの機能「単語モード」を使えば、見出し語の音声を聞きながらチェックを入れて、「覚えている」「覚えていない」をアプリ上で仕分けることができます。『英検3級 でる順パス単』で学習している方は、ぜひアプリもフル活用してください。

また、スペルを書いて単語を覚えたい方は『英検3級 でる順パス単 書き覚えノート』がおすすめです。『英検3級 でる順パス単』に収録された語を書き込んでいける教材です。

英検3級の単語について、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級英単語のレベルと単語力テスト」をご覧ください。

熟語

英検3級の熟語は、日常生活でよく使われるものが多く、中学校2~3年の教科書に出てくるレベルです。

英検3級で熟語の知識を問う問題は、筆記大問1の15問中5問程度とそれなりの分量があります。長文読解やリスニングでも、熟語が解答のカギとなることがあるので、念入りに勉強しておきましょう。

大問1によくでる熟語を例に挙げると、a pair of(1組の~)、be interested in(~に興味がある)、have a chance to do(~する機会がある)などです。

旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検3級 でる順パス単』の音声をダウンロードすることができます。収録された見出し語のリストを見ながら発音を確認できるので、英検3級レベルの熟語を、効率的に耳で覚えられます。

参考書

おすすめの参考書は、単語集『英検3級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される重要熟語200語と、差がつく応用熟語200語の計400語を掲載しています。黙々と暗記するのが苦手という方には、『英検3級 文で覚える単熟語[4訂版]』がおすすめです。文脈の中で単語・熟語が身につきます。

勉強法

単語と同じく、覚えていない熟語と出会うたびにひとつひとつ覚えていくのもよい学習法ですが、やはり『英検3級 でる順パス単』を使った学習が効率的です。詳しくは、単語の項をご参照ください。『英検3級 文で覚える単熟語[4訂版]』では付属のダウンロード音声や旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使って、リスニング力を鍛えながら耳で覚えることもできます。

熟語を学習する上で特に重要なのは、熟語をひとまとまりで覚えることです。例えば、throw away(~を捨てる)を、「throwは『投げる』、awayは『あちらへ』」などと、バラバラに覚えたりしていませんか? これでは、緊張している本番のリスニングなどで出題された場合、混乱して間違ってしまいます。「throw awayで『捨てる』」とピンとくるよう、ひとまとまりで頭に入れましょう。フレーズや短文の用例ごと覚えてしまうのもいい方法です。

英文法

英検3級では、中学で習うレベルの文法・構文が出題されます。

筆記大問1では、文法そのものの知識を問う問題が3問程度出題されています。出題頻度が高いものは、時の表し方(過去、未来、現在完了など)、疑問文の作り方、受動態、比較、現在分詞、動名詞、to不定詞、関係代名詞などです。また、自分で文を作り出さなくてはならないライティングやスピーキングでも、文法の知識が求められます。

参考書

おすすめの参考書は『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』です。巻頭ポスター「出題範囲がわかる! 重要文法一覧表」で、どの文法が英検3級に出題されるのか、一目でわかります。また、英検3級合格に必要十分な文法知識をコンパクトにまとめてあるので、基礎に不安がある方のおさらいにも向いています。

勉強法

3級で新たに学ぶ文法項目は、現在完了、受動態、現在分詞、過去分詞、関係代名詞などです。と言われてピンと来ないものはありませんか? 習っていない文法や忘れてしまった文法は、中学の教科書や、中学の文法が解説されている参考書で確認しましょう。文法問題や読解問題を解いてみて、自分が知らない・覚えていない文法事項を洗い出すのもいい方法です。参考書・文法書などで読んで、その文法の意味やルールを理解したら、「この文法を使えば、どんな表現ができるのだろう」と考えてみましょう。その習慣が、ライティングやスピーキングのときに役立ちます。

また、リーディングやリスニングの学習をする際にも、フィーリングで理解するのではなく、英文を文法的に理解する習慣をつけるとよいでしょう。英検3級レベルでは、長文もまだ分量がそれほどないので、フィーリングや単語力で解けてしまうこともしばしばです。しかし、そのような読み方では、英検準2級レベル以上になると読めなくなってしまいます。今の段階から、文法を意識して確実に読むよう心がけましょう。その積み重ねで、文法が自然と身についていきます。

長文読解

英検3級の長文読解では、身近なことに関する文章を理解することができるレベルが求められます。

長文読解は、一次試験・筆記の大問3で出題されます。大問3は、A、B、Cの3つに分かれています。

問題 長文の種類 語数の目安 設問数
A 掲示 100語程度 2
B 手紙文またはEメール 260語程度 3
C 説明文 260語程度 5

合計600語程度を、できれば20分ほどで解きたいところです。

Aの掲示は、学内イベントの案内、レストランなどの求人広告など、幅広い内容となっています。
Bの手紙文またはEメールは、友だちや親せき宛のものが多く、話題はホームステイ、旅行、学校生活、趣味など、身近なものがよく見られます。
Cの説明文は、人物の業績や生い立ち、動物の生態、場所や観光地の案内などが多くなっています。

参考書

長文読解を基礎から学びたい方には『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』がおすすめです。長文の構成や読み方のコツなど、短時間で正確に文脈を把握する方法を指導しています。

勉強法

英検3級の長文読解で大事なことは、時間内に読み切ることです。そのためには英語を返し読みせず、語順どおり左から右へと読み進めていきましょう。英文を小さなまとまりごとに、文頭から順に読み下すのです。「それでは理解できない」という人は、始めは1段落だけを、まとまりごとにスラッシュを引きながら読んでみましょう。そして次第に量を増やしていけば、最終的にはまとまった分量を、スラッシュを引かなくても読めるようになります。

例:
Our teacher told us / to keep a diary / in English / during the summer vacation.

「先生は言った」→「日記をつけるように」→「英語で」→「夏休みの間」という流れで理解する。

『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』より)

長文のタイプによって、文章構造や性質を知っておくのも役に立ちます。
Aの掲示は、必要な情報が一目でとらえられるように、箇条書きでまとめられていることに着目しましょう。
Bの手紙文やEメールでは、まず宛名と差出人を把握し、登場人物を整理しながら読み解くことが大事です。
Cの説明は複数の段落で構成されています。例えば5段落構成の場合、次のような展開になることがほとんどです。

①序論 話題の紹介 第1段落
②本論 話題に関する具体的な情報 第2~4段落
③結論 話題のまとめ 第5段落

それぞれの段落の冒頭にはトピック・センテンスと呼ばれる、その段落で伝えたい内容が端的に表された文があります。段落の最初の文を読むことにより、だいたいの内容が把握できることを知っておきましょう。
日頃から、長文のこれらの特徴を意識しながら、問題演習をするようにしましょう。

また、長文読解問題を解いた後は、単語の意味を頭に入れた上で、英文を音読するようにしましょう。英語に慣れて語順どおりに頭に入ってくるようになりますし、スピーキングの練習にも役立ちます。

英作文(ライティング)

英検3級の英作文(ライティング)では、身近なことについて書くことができるレベルが求められます。

英作文は、一次試験・筆記の大問4として出題されます。例えば「あなたの好きな季節は何ですか?」など、日常生活に関連した身近な話題が中心です。質問に対して自分の考えとその理由2つを、25~35語の英文で書くことが求められます。

参考書

英作文を基礎から学びたい方には、英文の基本構造から学べる『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』がおすすめです。問題演習には、英作文が合計4問収録されている『英検3級 予想問題ドリル[5訂版]』がおすすめです。

勉強法

英作文というと、「何から手をつけていいのかわからない」という人がいます。そういう人は、英語の文の構造をまず理解しましょう。英語の文は、[主語][動詞][その他の要素]という順序になるのが原則です。英検3級の英作文で多く求められるのは、受験者自身の考えを述べる文ですので、[主語]にはI、[動詞]にはwant(~したい)やlike(~が好き)などを入れてみましょう。そして[その他の要素]に目的語を入れれば、「私は~がしたい」「私は~が好き」など、自分を主張する文章ができあがります。

英検3級の形式に合わせて、文章の構成を基本パターン化し、練習を重ねる手も有効です。英検3級では「自分の考えとその理由2つ」を作文するので、構成の基本パターンは以下のようになります。

①自分の考えを書く。 (例)I want to [動詞の原形]. (私は~がしたい。)
②1つめの理由を書く。 First, ~.(第一に~。)
③2つめの理由を書く。 Second, ~.(第二に~。)

自分の考えを述べる表現も、いくつか覚えておきましょう。My favorite ~ is …(私がいちばん好きな~は…です。)、I am interested in ~.(私は~に興味があります)などが便利です。

英作文に当たっては、文頭や固有名詞は大文字で書き始める、複数形は名詞の末尾にsをつける、文末にはピリオドを書く、などのルールを守りましょう。こういったことは、日頃から注意して習慣づけておかないと、本番の試験でミスをしてしまいます。

英検3級の英作文(ライティング)について、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。

リスニング

英検3級のリスニングでは、身近なことに関する内容を聞いて理解できるレベルが求められます。

リスニングテストには、第1部、第2部、第3部があります。
第1部・第2部では、友だち同士、親と子、店員と客など、男女2人の会話が読み上げられます。内容は家庭生活や学校生活など、日常的な話題が多くなっています。
第3部では、35語程度の文章が読みあげられます。日常的な話題に加え、公共の場における案内放送なども出題されます。

第1部では1回のみ放送されますが、第2部・第3部では2回放送されます。読まれるスピードもゆっくりですから、落ち着いて取り組みましょう。

実際に音声を聞いてみて、英語が読み上げられるスピードを確認しましょう。

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

参考書

リスニングを基礎から学びたい方は『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』がおすすめです。文や文脈に応じて変化する発音の特徴を、実例とCDによる音声で解説しています。

勉強法

リスニング対策は一にも二にも、英語特有のリズムやイントネーションに慣れることです。過去問や問題集を使い、リスニング問題の音声を繰り返し聞きましょう。耳に聞こえてくる響きをまねして、自分で言ってみるという手もあります。同じように聞こえる音声であっても自分が発音してみると、その音を出しているときの口の形や舌の位置の違いが実感でき、音の違いが認識できるようになるものです。英語のスペルと音声が一致しないという人はリスニング問題の音声を、本に載っている放送文を見ながら何度も聞き、いっしょに音読して体になじませましょう。

また、英検3級のリスニング問題は3分の2が対話形式で、会話表現の知識を問う問題が多く出されます。ですから、その対策が必要です。会話表現の難しい点は、文字通りの意味とは違うニュアンスが定着していたり、スペルとはかけ離れた発音だったりすることです。例えば、Guess what? は、guess(推測する)ともwhat(何)とも違う「ねえねえ、聞いて!」という意味ですし、許可を求める表現 Can I ~?(~してもいいですか?)は、キャナイと聞こえます。英検3級のリスニング問題で高得点をあげるには、会話表現をなるべく多く、意味だけでなく響きも覚えておきましょう。『英検3級 でる順パス単』は、「会話表現編」も収録されている上、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で音声を無料ダウンロードできるので、リスニング対策におすすめです。

英検3級のリスニングテストが求めているのは、1語1句を完全に聞き取る能力ではありません。聞こえた音声から、会話や英文の大意をつかむ能力です。ですから「聞き取れない!」と感じても、あわてる必要はありません。特に第2部と第3部は2回放送されるので、1回目でおおよその内容と質問を理解し、2回目は質問に関係がある部分に集中して聞きとるよう、ふだんから練習しておきましょう。

旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検3級 予想問題ドリル[5訂版]』『英検3級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』などの音声を、スマホでいつでも気軽に聞くことができます。繰り返し聞いて、リスニング力を日々鍛えましょう!

英検3級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

スピーキング(二次試験・面接)

英検3級のスピーキングでは、身近なことについてやりとりすることができるレベルが求められます。

スピーキングテストは、二次試験において面接形式で行われます。
まず問題カードに記載されたパッセージの音読を求められ、それからそのパッセージに関わる質問をされます。その後、イラスト中の人物の行動や、物の状況を描写する問題が出されます。最後に、日常生活の身近な事柄について、自分の意見を聞かれます。
過去の出題例は、携帯電話、ラジオを聴く、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季などです。

早く話す必要はありません。面接委員にしっかりと聞き取ってもらえるように、はきはきと話すことが大事です。

参考書

面接の流れをあらかじめ知っておけば、不安も解消! 7セットの練習問題に加え、面接をリアルに体験できる動画の付いた『7日でできる! 英検3級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』がおすすめです。

勉強法

面接の評価には、アティチュード(態度)という項目があり、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲を示すことが大事です。具体的には、入退室のあいさつや、アイコンタクト、大きな聞き取りやすい声、黙り込まない、などです。問題演習をする際には、頭の中で答えを思い浮かべて済ますのではなく、面接の場面を想定した上で、しっかりと声に出して練習しましょう。このような実演を重ねることで、明瞭な発声やアイコンタクトが身につき、本番でも行えるようになります。

英検3級の受験者には、英語での面接試験は初めてという人も多いでしょう。緊張のあまり実力を発揮できないことのないよう、できれば予行演習をしておきましょう。学校の先生や英語の得意な友人に面接委員の役をしてもらい、本番のつもりで練習するのです。パッセージ音読の素材には、本番同様、初めて見る英文を使い、未知の単語があっても発音を推測して読み通しましょう。このような実演を一度でもしておくと、当日はかなり落ち着いて臨めるはずです。

ふだん英語を発音することに慣れていない人は、面接当日まで毎日、少しでも英語を発音するようにしましょう。なじみのある参考書の英文を音読するだけでもトレーニングになります。できれば自己流の発音ではなく、音声のついた素材を用いて、ネイティブスピーカーの発音のまねをするようにしましょう。

当日は、氏名の確認なども英語で行われます。May I have your name?(あなたのお名前は?)など、面接委員が言うであろう表現をチェックしておきましょう。聞き取れなかった場合に備えて、Pardon?(何ですって?)も覚えておくと安心できます。

問題演習には『7日でできる! 英検3級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』がおすすめです。当日、面接委員と交わすやりとりを記録した「面接の流れ」「出題内容」のページや、面接をリアルに体験できる動画もついています。7回分の予想問題が収められているので、こなしているうちに出題パターンもつかめてくるでしょう。

英検3級の二次試験・面接について、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級面接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

過去問・予想問題

実際に試験を受けてみたら、時間が飛ぶように過ぎてしまい、最後の問題までたどり着かなかった―そんな経験をしたことはありませんか? ほんの少し答えを悩んだつもりでも、驚くほど時間が経ってしまっていることもあります。試験当日、こんな失敗をしないためには、普段から実際の試験と同じ分量の問題を時間内に解くトレーニングをしておくことが大事です。過去問や予想問題はこのトレーニングに最適な素材です。

参考書

近年の傾向を把握するためにも過去6回分の過去問を一次・二次試験ともに完全収録した『2023年度版 英検3級 過去6回全問題集』をおすすめします。一次試験直前の総仕上げには、筆記・リスニング合わせて4セット分の予想問題を収録した『英検3級 予想問題ドリル[5訂版]』がおすすめです。

勉強法

過去問や予想問題を解くときには、下記の「試験当日の試験対策/一次試験」の問題ごとの時間配分を参考に、各大問にどれくらいの時間をかけるか、決めておきましょう。大問がひとつ終わるごとに時計を見て、時間どおりに進められているか確認しながら解き進めることが大事です。わからない問題に時間を割きすぎては、時間内に解き終わることはできません。マーク式の部分であれば、あとで時間が余ったときに見直せるように問題冊子に印をつけた上で、マークシートには勘で答えを記入してしまいましょう。このように本番の試験と同じ気持ちで、過去問・予想問題に取り組むことが大事です。

答え合わせが終わったら、大問ごとに正解率が何パーセントであったのか、算出しましょう。合否判定はCSEスコアで行われるため、何問正解したら合格なのかははっきりしませんが、およその合格ラインは6割程度と予測されます。もし正解率が6割を切る大問があったら、それは苦手な問題ですから、入念に復習しましょう。『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』で苦手な大問の解説を読み、基礎知識をしっかりと固めるのもよいでしょう。

試験当日の試験対策

試験会場に自動車やバイクで行くことは禁止されています。必ず、電車やバスなどの公共交通機関を利用して会場に向かってください。会場には早めに着き、トイレも済ませ、愛用の参考書で最終確認をしながらリラックスして試験開始を待ちましょう。

一次試験(筆記・リスニング)

一次試験は、筆記試験、リスニングテストの順で行われます。筆記試験開始前に、リスニングテストの音量チェックが行われます。リスニングテストの直前には音量チェックは行われませんので、音量が小さいなど聞こえづらい場合は、必ずこのタイミングで試験監督者に申し出るようにしましょう。

筆記試験は50分です。大問ごとの目標解答時間は下記のとおりです。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 目標解答時間
1 短文の語句
空所補充
短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を補う。 15 10分
2 会話文の文
空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5 5分
3 長文の内容一致選択 パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。 10 20分
4 英作文 質問に対する回答を英文で書く。 1 15分

時折、時計を見て、進み具合を確認しましょう。試験には腕時計の携帯が許可されています(ただし、Apple Watchなどのウェアラブル端末の携帯は禁止されています)。

筆記 大問1:短文の語句空所補充

短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。15問のうち、7問程度が単語、5問程度が熟語、3問程度が文法を問う問題です。

例題:
空所にあてはまる語を選びなさい。

Jack has no money because somebody stole his (        ) on the bus.

1 purpose 2 wallet 3 eye 4 chance

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:2

合格ラインの目安は、15問中9問正解です。空所の前後だけでなく、文全体を読み、正しく文脈を把握した上で解答しましょう。答えがわからない場合は、消去法を使って正解率を上げていきましょう。大問1は、悩んでも答えがひらめくことはほとんどないので、わからない問題は早々に見切りをつけて、長文読解に十分な時間を取るのが得策です。

大問1に限りませんが、わからない問題でも解答欄には答えをどれか記入しておきましょう。「英作文まで終わったら、大問1に戻ってマークすればいいや」と思っていても、実際には時間切れでマークができないこともありますから、ご注意を。

筆記 大問2:会話文の文空所補充

会話文の空所に、文脈に合う適切な文や語句を、4つの選択肢から選ぶ問題で、設問数は5問です。

例題:
空所にあてはまる文を選びなさい。

Boy 1: I don’t think I can play soccer with you after school.
Boy 2: (        ) You love soccer.
Boy 1: Well, my mother has been sick since last week.

1 What’s wrong?
2 When did you go?
3 How long is it?
4 Who was it?

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:1

合格ラインの目安は、5問中3問正解です。空所部分を念頭に置きながら、会話の状況と話の展開に注意して会話全体を読みましょう。提案を表す How about ~? や、依頼を表す Can you ~? など、定型的な会話表現が多く問われます。

筆記 大問3:長文の内容一致選択

長文について、内容に関する質問に答える問題です。英文は、A、B、Cの3つ出題されます。Aは100語程度の掲示で設問数は2問、Bは260語程度の手紙文またはEメールで設問数は3問、Cは260語程度の説明文で設問数は5問です。

例題:
英文を読み、質問に対する答えとして最も適切なものを選びなさい。

The Olympic Games

The Olympic Games are a big, international sports event held every four years. Many athletes* from all over the world come to the Olympics to compete* with other great athletes.
The Olympic Games have a long history. Many people believe they started in Greece, in a city called Olympia, more than 2,500 years ago. The ancient* Olympics were very different from the ones today. At first, only men who were not married could take part. In 1896, it became an international event for the first time. In 1924, the first Winter Olympics was held.(以下略)

* athlete:選手
* compete:競う
* ancient:古代の

What happened in 1896?
1 The Olympic Games became an international event.
2 The number of the countries in the Olympic was the highest.
3 The first Olympics was held in Greece.
4 The Olympics was not held in that year.

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)

答え:1

合格ラインの目安は、10問中6問正解です。最初に設問を読んで、何についての文なのか、解答に必要な情報は何なのかを絞り込んでから読むといいでしょう。数字に関する問いでは本文中に数字を探し、その前後を読むことで正答できることもあります。

筆記 大問4:英作文(ライティング)

QUESTIONを与えられ、それについての答え(自分の考え)と、そう思う理由を2つ、25~35語の英文で書きます。

例題:
●あなたは,外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。
●QUESTIONについて,あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。
●語数の目安は25語~35語です。
●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。

QUESTION
What do you want to do in the future?

解答例:
I want to work as a doctor because my father is a doctor and I respect him. Also, I want to help a lot of sick people in the future.

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

英作文は、下記の4つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~4点が配点されており、合計16点満点です。合格ラインは、10点程度だと思われます。

①内容 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
②構成 接続詞などを使って、自分の考えとその理由がわかりやすい構成になっているか
③語彙 QUESTIONで示された話題に関する適切な語彙を正しく使っているか
④文法 文法的に正しい英文になっているか

解答がQUESTIONへの答えになっていない場合や、理由が矛盾している場合は、正しい英文を書いたとしても0点や減点になる恐れがあるので、気をつけましょう。

語数の目安は25~35語となっていますが、この語数を多少オーバーしても解答欄の枠内に収まっていれば減点されません。試験時間が残りわずかだった場合は、慌てて語数を調整するより、スペル・文法のミスがないか見直すほうがよいでしょう。

英検3級の英作文(ライティング)について、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。

筆記試験が終わると、続けてリスニングテストが行われます。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 放送回数
第1部 会話の応答文選択 イラストを見ながら会話を聞き、会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。 10 1回
第2部 会話の内容一致選択 会話の内容に関する質問に答える。 10 2回
第3部 文の内容一致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 10 2回

問題文は、第1部では1回しか放送されません。第2・3部では2回放送されます。解答時間は、設問ごとに10秒間です。

リスニング 第1部:会話の応答文選択

問題冊子に印刷されているイラストを参考にしながら、男女2人の対話を聞き、その最後の発話に対する応答としてふさわしいせりふを、選択肢3つの中から選ぶ問題です。10題出題され、会話と選択肢は1度しか放送されません。選択肢は問題冊子には印刷されておらず、英語で読み上げられます。

例題:
イラストを参考にしながら対話と応答を聞き、最も適切な応答を選びなさい。

(問題冊子にかかれたイラスト)

(放送文)
A: May I help you?
B: Yes. I’d like a glass of juice.
A: What kind would you like?

1 No, thank you.
2 Orange, please.
3 I’d like a hot dog.

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:2

合格ラインの目安は、10問中6問正解です。まず、イラストを見て会話の状況を把握します。男女2人の2往復の会話となっているので、最後の発話(3つめのせりふ)を集中して聞きましょう。疑問文だった場合、疑問詞を聞き逃すと致命的なので、文頭には特に注意する必要があります。選択肢は放送されるだけで、しかも1回しか読まれません。ですから、会話の雰囲気や聞き取れた表現も手がかりにして、最も正答らしい答えを選び、すぐ次の問題へと気持ちを切り換えるようにしましょう。

リスニング 第2部:会話の内容一致選択

最初に男女2人の会話、続いて質問が放送されます。その質問に対する解答を4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、会話と質問は2度ずつ放送されます。

例題:
対話を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 Bill did.
2 Bill’s father did.
3 Jane’s father did.
4 Jane’s mother did.

(放送文)
A: That sweater looks nice on you, Jane.
B: Thank you, Bill.
A: Where did you get it?
B: Oh, it was a birthday present from my father.

Question: Who gave Jane the sweater?

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:3

合格ラインの目安は、10問中6問正解です。2回放送されるので、1回めの放送で内容をつかみ、2回めの放送で重要な情報を聞き取るようにしましょう。対話の後で質問が読み上げられるので、その冒頭の疑問詞に集中すると効果的です。

リスニング 第3部:文の内容一致選択

最初に35語程度の英文、続いて質問が放送されます。その質問に対する解答を4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、英文と質問は2度ずつ放送されます。

例題:
英文を聞き、その質問に対して最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 At 7:30.
2 At 7:40.
3 At 7:50.
4 At 8:30.

(放送文)
When Jack got up this morning, it was already 7:30. His class starts at 8:30, and it takes about fifty minutes to get to school. He left home at 7:40, so he didn’t have time to eat breakfast.

Question: What time does Jack’s class start?

(『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:4

合格ラインの目安は、10問中6問正解です。英文中に同じ種類の情報(時、場所、値段などの表現)が複数出てきて、それを聞き分ける必要のある問いが多くなっています。2回放送されるので、1回めで要点をメモし、2回めで正答を見つけるとよいでしょう。

英検3級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい方は、「英検3級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。

二次試験(面接)

二次試験の会場は、一次試験の会場とは異なりますので、二次試験受験票をよく確認しておきましょう。会場では、受付を済ませたら、控え室で待機します。長く待たされる場合もありますので、なるべくリラックスして過ごすようにしましょう。順番が近づくと、面接室の近くの席に案内されます。試験後は控え室に戻ることはできませんので、荷物はすべて持って移動しましょう。係員に入室するよう指示されたら、面接室のドアをノックして入室しましょう。入室の際は、Hello. などの挨拶を忘れずに。

問題番号 問題形式 詳細
  音読 30語程度のパッセージを読む。
No. 1 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 2, 3 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動を描写する。
No. 4, 5 受験者自身の意見などを問う質問 日常生活の身近な事柄についての質問に答える。
(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)

面接試験にはアティチュード(態度)という採点項目があります。聞き取りやすい声ではっきりと話し、積極的にコミュニケーションしようとする姿を見せましょう。たとえ話す英語に未熟な点があったとしても、黙り込んだりせず自然に応答する方がプラスになります。

パッセージの音読

面接委員から手渡された問題カードに書かれたパッセージを音読します。

例題:
(問題カードにかかれたパッセージ)

School Library

Most schools have a library. Many students often go to the library after school, and they enjoy reading many kinds of books there. Students can use the Internet at some school libraries.

『英検3級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

面接委員から問題カードを手渡されたあと、黙読に20秒与えられます。この時間内で、パッセージの内容をつかみ、前置詞の前やコンマ、ピリオドのところなど、ポーズを置くべき位置を確認しましょう。音読の際は、タイトルを忘れないようご注意を。もし発音のわからない単語があっても、スペルから推測して、堂々と読み切りましょう。

No. 1 パッセージについての質問

音読したパッセージの内容を問う問題です。

例題:
Please look at the passage. When do many students often go to the library?

解答例:They often go there after school.

『英検3級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

問題カードを見ながら答えることができます。質問にはwhy(なぜ)がよく使われるので、パッセージの中で「理由」について書かれた部分、たとえば、so(~なので)などがあったら要注意です。解答するときは、パッセージのあてはまる個所をそのまま読むのではなく、文中の名詞を代名詞に置き換えるようにしましょう(例題ではmany students → they)。語句だけで答えるより、主語、動詞、その他の要素をそろえた完全な文章で答える方が高く評価されます。

No. 2, 3 イラストについての問題

問題カードに描かれたイラスト中の人物の行動や物の状況を描写する問題です。

例題:

(問題カードにかかれたイラスト)

Please look at the picture. Where is the woman going to put the books?

解答例:She’s going to put them on the table.

『英検3級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

面接委員がthe womanは何をしていますか、と聞いてきたら、sheは何々をしていますというように、名詞は代名詞に置き換えて答えることを心がけましょう。必要な単語を忘れた場合は、黙ってしまうより、別の単語を使ってでも返事をした方が「積極的なコミュニケーション」と評価されます。例えば「運ぶ」と言いたいのにcarryを思い出せない場合は、have(持つ)で代用するなど、知恵をしぼりましょう。

No. 4, 5 受験者自身の意見などを問う質問

日常生活の身近な事柄について、受験者自身の考えや好み、経験などを答えさせる問題です。

例題:
What would you like to do next weekend?

解答例:I’d like to play soccer with my friends.

『英検3級 でる順 合格問題集[新試験対応版]』より)

No. 4の質問の前に、まず問題カードを裏返すように指示があります。それから受験者自身についての質問がされます。身近な事柄についての問いなので、落ち着いて聞けばそれほど難しくはないはずですが、時制には気をつけて答えましょう。現在のことを聞かれたら動詞を現在形に、未来のことなら〈will+動詞の原形〉で答える必要があります。言い間違った場合は動揺せず、sorry(すみません)と言って堂々と言い直しましょう。

質問が聞き取れなかった場合には、自然な会話の流れの中であれば、Pardon? やExcuse me? などと聞き返しても減点はされません。ただし、質問の中の単語の意味を面接委員にたずねても教えてはくれませんので、見当がつかない場合は聞き取れた語の話題について、当てずっぽうでもいいので答えてしまいましょう。黙り込んでしまうとアティチュードの評価に悪影響を与えますし、Pardon? を繰り返していると聞き取れないと判定されて、次の質問へ移られてしまいます。

英検3級の二次試験・面接について、さらに詳しく知りたい方は「英検3級面接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。

まとめ

英検3級の全貌が把握できたでしょうか? 英検は問題形式が決まっていますので、ひとつひとつの形式をよく把握しておけば、それぞれの正解率を上げることができます。合格ラインは6割程度。地道な対策が合格のカギです。合格を目指してがんばってください!