【2024年新試験対応版】英検3級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ
この記事では、英検3級の一次試験で出題されるライティング問題について詳しく解説しています。はじめに、どのような問題が出されるのか、ライティングの配点が合否にどの程度かかわるのか、どのような観点から採点されるのかなど、試験の概要を述べています。次に、理想的な英文を書くためのコツや解答のノウハウ、役に立つ表現について解説しています。英文の質を上げるために確認すべき事項のチェックリストも載せています。最後に、作文力をつけるための学習方法や、参考書を使った対策を詳述しています。ぜひ参考にしてください。
※本記事は、2024年4月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
試験概要
以下では、英検3級で出題されるライティング問題の概要と問題例、その解答例を挙げています。どのような観点から採点されるのか、合格点はどの程度と予想されるのか、頻出テーマは何か、などについても述べています。
概要
英検3級のライティングは、一次試験・筆記の大問4と大問5に1問ずつ出題されます。英検3級の一次試験に合格するためには、この2問で一定以上の点数をとらなければいけません。というのも、英検の一次試験では、リーディングとライティング、リスニングの各技能に CSE スコアが550点ずつ割り当てられているからです。すなわち、この2問だけで一次試験の1/3のウェイトを占めるということになります。
※CSE スコアについては、「英検3級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策:合格点・合格率」をご参照ください。
大問4はEメール問題です。提示された英文のEメールを読み、タスク(要件)を満たす返信になるよう、解答欄内に15〜25語程度の英文を書き込みます。提示されるEメールは40語程度で、内容は友達などからの日常的な手紙です。目標解答時間は約15分です。
大問5は意見論述問題です。内容は、与えられたQUESTIONに対する自分の考えとその理由を、25~35語程度で書くというものです。QUESTIONは英文10語程度で、多くは、「好きな季節は何ですか?」など、受験者自身についての身近な話題です。目標解答時間は約15分です。
Eメール問題の問題例
例題:
● あなたは,外国人の友達(Jessie)から以下のEメールを受け取りました。Eメールを読み,それに対する返信メールを, に英文で書きなさい。
● あなたが書く返信メールの中で,友達(Jessie)からの2つの質問(下線部)に対応する内容を,あなた自身で自由に考えて答えなさい。
● あなたが書く返信メールの中で に書く英文の語数の目安は,15語〜25語です。
● 解答欄の外に書かれたものは採点されません。
● 解答が友達(Jessie)のEメールに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。友達(Jessie)のEメールの内容をよく読んでから答えてください。
● の下のBest wishes, の後にあなたの名前を書く必要はありません。Hi,
Thanks for your e-mail.
I heard that you moved to Los Angeles and started a new school there. Tell me more about it. How do you go to school every day? And what is your favorite class there?Your friend,
JessieHi, Jessie!
Thank you for your e-mail.
解答欄に記入しなさい。
Best wishes,
(『2024年度版 英検3級 過去6回全問題集』収録「旺文社オリジナル予想問題」)
Eメール問題の解答例
解答例:
Yes, I’m in Los Angeles! My new school is far from my home, so I usually go by bus. My favorite class is math.(『2024年度版 英検3級 過去6回全問題集』収録「旺文社オリジナル予想問題」)
意見論述問題の問題例
例題:
● あなたは,外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。
● QUESTIONについて,あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。
● 語数の目安は25語~35語です。
● 解答欄の外に書かれたものは採点されません。
● 解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。QUESTION
What do you want to do in the future?(旺文社作成予想問題)
意見論述問題の解答例
解答例:
I want to work as a doctor because my father is a doctor and I respect him. Also, I want to help a lot of sick people in the future.(旺文社作成予想問題)
採点の観点と配点
大問4:Eメール問題
Eメール問題は、以下の3つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~3点が配点されており、合計9点満点です。6点以上を目標とするとよいでしょう。
①内容 | 問題文の指示に不足なく答えられているか 受け取ったEメールに対する返信として適切な内容か |
②語彙 | 課題にふさわしい語彙を正しく使えているか |
③文法 | 文法的に正しい英文が書けているかどうか |
「内容」の観点で最も重要なのは、「友達(差出人)からの2つの質問に答える」など、与えられたタスクをきちんとこなすことです。次に大事な点は、提示されたEメールに対する返信としてふさわしい英文を書くことです。(友達からの)Eメールの話題にまったく関係ない内容を書くと、たとえ英語としては正しい文章を書いていても0点になることもあります。これらの要素を満たした英文を書くためには、問題の指示文と提示されたEメールを注意して読み、タスクと文意をしっかり理解する必要があります。
「語彙」の観点で重要なのは、英検3級にふさわしい語彙を正しく使えているかです。小学生レベルの語彙ばかり使用するのは好ましくありません。正確なスペルで、語と語の間には適切なスペースを空けて書くようにしましょう。文頭の単語や固有名詞の最初の文字を大文字で書くことや、複数形の語尾を正しく変化させることも大事です。
「文法」の観点で重要なのは、文法的に正しい文が書けているかです。特に動詞は、主語や時制に対応した形にするよう気をつけて書きましょう。意味の区切りにはカンマ、文末にはピリオドを打つなど、英文のルールを守ることも忘れないように。
大問5:意見論述問題
意見論述問題は、以下の4つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~4点が配点されており、合計16点満点です。10点以上を目標とするとよいでしょう。
①内容 | 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか |
②構成 | 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか |
③語彙 | 課題にふさわしい語彙を正しく使えているか |
④文法 | 文法的に正しい英文が書けているかどうか |
「内容」の観点で最も大事なポイントは、与えられたQUESTIONに対して適切に答えているかどうかです。ですから問題文とQUESTIONを慎重に読みましょう。また意見だけでなく、そう思う理由2つも書かなければいけません。
「構成」の観点で重要なのは、自分の意見とその理由をわかりやすく論理的に書けているかです。自分の意見と矛盾する内容は書かないようにしましょう。また、接続詞などのつなぎ語を効果的に使うと論旨の通った明快な文章にすることができます。
「語彙」と「文法」の観点で重要なポイントは、上記のEメール問題と同じです。
Eメール問題解答のコツ
以下では、Eメール問題の解答として理想的な英文を作るための、重要なコツを挙げています。
タスクをこなせるようEメールを組み立てる
通常のEメールならば、最初に相手の名前と挨拶を書き、それからケースバイケースで本文を連ね、最後に「Best wishes,」などの締めくくりの言葉と自分の名前とを記します。しかし英検3級のEメール問題では、この「最初」と「最後」の部分はすでに印字されており、考慮不要です。したがって、「本文」に当たる部分だけを考えて書くことになります。
友達同士の日常的なEメールという設定なので、定まった構成・形式などはなく、自由に書いて大丈夫です。ただし、「語数の目安は15~25語」「相手からの2つの質問に答える」という要件を、きちんと満たす必要があります。また、相手からのEメールに対する、適切な返信文にもなっていなければいけません。それらを満たすには、以下の型に当てはめて文章を組み立てるとよいでしょう。
前置き | 相手からのEメールへの返信としてふさわしい前置き文を書く。(1文程度) |
答え1 | 1つめの質問に対する答えを書く。(1文程度) |
答え2 | 2つめの質問に対する答えを書く。(1文程度) |
この形式を、前項で挙げた「解答例」に当てはめてみましょう。
前置き | Yes, I’m in Los Angeles! |
答え1 | My new school is far from my home, so I usually go by bus. |
答え2 | My favorite class is math. |
注意する必要があるのは、前置き文の書き方です。相手からのEメールは、あなた(受験者)に関する架空の設定を含んでいるかもしれません。例えば、前項の例題を見てみましょう。相手からのメールの本文は、I heard that you moved to Los Angeles and started a new school there.(私は、あなた=受験者がロサンゼルスへ引っ越してそこで新しい学校に行き始めたと聞きました。)という1文で始まっています。つまり、「受験者はロサンゼルスに転居した、そしてロサンゼルスで通学を開始した」という設定になっているのです。この架空の自分になったつもりで英文を作らなければ、「適切な返信文」にはなりません。ですから、この情報を前置き文の中できっちり表現することがおすすめです。解答例では、Yes, I’m in Los Angeles!(はい、私は今ロサンゼルスにいます!)という前置き文により、返信文の滑り出しが自然なものとなっています。
答え1と答え2の作り方
まず、相手からのEメールの中にある、2つの質問をしっかり読みましょう。着目すべきなのは疑問詞です。例題では、How do you go to school every day?(あなたは毎日どのように学校へ行きますか)と And what is your favorite class there?(そしてそこでの、あなたが一番好きな授業は何ですか)が問われています。how だから「どのように、何で」と手段を聞いているな、what だから「何」と問われているなと、あわてずに根本を押さえて、回答文を作りましょう。
思いつかなければ、質問文を利用すれば基本的な回答文を作れます。例えば、質問文の中の表現のほとんどは、回答文の中にも繰り返して使うことが可能です。
How do you go to school every day? → I go to school every day by bus.
What is your favorite class there? → My favorite class here is math.
赤字の部分は、繰り返して使える部分です。青字の部分は、you を I に、there を here に変えるなど、相手の視点に立った語を自分の視点に入れ替える微調整をしましょう。前述の前置き文に加えて、このように作った答え1、2を書くことで、必要な語数は満たせます。余裕があれば、別の文型や言い回しに入れ替えて、語彙力をアピールしましょう。
意見論述問題解答のコツ
以下では、意見論述問題の解答として理想的な英文を作るための、重要なコツを挙げています。
型に沿って書く
英検3級の意見論述問題に、使用すべき単語や文型などの規定はありません。しかし「自分の考えとその理由を2つ書く」「語数の目安は25~35語」などの指示を満たしながら、内容のまとまりのある英語の文章を書くとなると、おのずから形式は定まってきます。模範的な形式は以下のとおりです。
主張 | 自分の考えを述べる。(1文程度) |
理由1 | 1つめの理由を挙げる。(1文程度) |
答え2 | 2つめの理由を挙げる。(1文程度) |
この形式を、前項で挙げた「解答例」に当てはめてみましょう。
主張 | I want to work as a doctor |
理由1 | because my father is a doctor and I respect him. |
理由2 | Also, I want to help a lot of sick people in the future. |
このように、模範的なパターンに当てはめて書くようにしましょう。そうすれば、問題文の指示に沿った上で、理想的な構成の英作文を書くことができます。
書き方の手順
自分の考えと、それを支える2つの理由を手際よくまとめるコツは、以下のとおりです。
まず、日本語でも英語でもいいので、QUESTIONに対する自分の考えを書きましょう。次に、それを支える理由を箇条書きにします。それから理由のそれぞれをチェックして、英語で表現しやすいものを2つ選びます。そして、以下のようなメモを作りましょう。
QUESTION: What do you want to do in the future?
メモ例
自分の考え:医者として働きたい
理由1:父が医者 父を尊敬している
理由2:病気の人たちを助けたい
このメモがそのまま英文の骨格になります。ここまでを、3分程度でこなせるとよいでしょう。
次に、このメモに従って解答欄に英文を書いていきます。自分の考えを上の表の「主張」の位置に入れ、2つの理由をそれぞれ「理由1」「理由2」に当てはめる、という要領で書いていきましょう。「主張」で1文、「理由1」で1文、「理由2」でも1文の、計3文程度が目安です。文と文をつなぎ語でまとめる場合は、2文程度でも構いません。この英文を書く作業は10分程度を目標にしましょう。
最後に、2分程度を使って見直しをしましょう。見直す事項は、あとの「解答のチェックリスト」を参考にしてください。語数の目安は25~35語と指示されていますが、多少オーバーしても、解答欄の枠内に収まっていれば減点されません。ですから時間が足りない場合は、語数の調整に神経を使うより、スペルや文法をチェックするほうがよいでしょう。
使える表現
英検3級の意見論述問題で役に立つ表現は以下のとおりです。
自分の考えを言い表す
自分のしたいことを言うなら、I want to+動詞の原形.(私は…したいです)という表現が定番です。自分の好きなことを表現するなら、I like to+動詞の原形. あるいは I like …ing.(私は…することが好きです)という言い方が便利です。
理由を挙げる
自分の考えを述べたあと、I have two reasons.(理由は2つあります)と書くと、「これから理由を2つ挙げる」ということを明示できます。理由の2つめの文頭に Also,(また、さらに)を使うと、「これからもう1つの理由を述べる」ということが明示できます。また、それぞれの理由を述べる文の冒頭に、First, ….(第一に、…)と Second, ….(第二に、…)を使うやり方もあります。
具体例を挙げる
for example, …(例えば…)という表現が定番です。
比較する
I like A better than B.(私はBよりAが好きです)という表現を使うと、2つのものを挙げてどちらが好きかを言い表せます。「いちばん好きだ」と言いたいときは、I like … the best.(私は…がいちばん好きです)と最上級を使いましょう。
希望を述べる
I hope to+動詞の原形 (in the future). という表現を使うと、「私は(将来)…することを望んでいます」と言えます。
ライティング問題解答のノウハウ
解答用紙に慣れておく
英検で使用される解答用紙の見本は、英検ウェブサイトからダウンロードできます。事前に実際に書いてみて、要領をつかんでおきましょう。参考書などの模範解答を、読みやすいように語と語の間を適切に空けて、書き写してみることもおすすめです。理想的な解答がどれくらいの分量になるかわかっていると、本番でも落ち着いて書けるでしょう。
表現しやすい内容を考える
英検3級のライティングは、語学の試験です。相手を言い負かすディベートでもなければ、内容の高度さを競うテストでもありません。正しい英文で自分の考えを、明快に表現できるかどうかがポイントです。ですから、自分の考えを支える理由は、難しさや専門性よりも、表現のしやすさを基準に選ぶようにしましょう。
解答のチェックリスト
問いに適切に答えているか
Eメール問題なら、「2つの質問に答えているか」「ふさわしい返信文になっているか」、意見論述問題なら、「与えられたQUESTIONに対して適切に答えているか」「理由を2つ書いているか」が重要です。解答用紙に書き始める前に、今一度確認しましょう。
関係のない内容が含まれていないか
EメールやQUESTIONの内容と無関係な文章が入っていると、採点上マイナスとなります。「この受験者は当てずっぽうで書いているようだ」とジャッジされてしまうかもしれません。
つなぎ語を適切に使っているか
つなぎ語(for example や because、and など)を適切に使えていると、文章の構成がわかりやすくなります。
スペルミスがないか
焦ると思わぬミスをしがちです。foreigner(外国人)や Wednesday(水曜日)など、発音されない文字を含む単語は特に気をつけましょう。second など、日本語での発音(セカンド)とスペルにズレのある単語も要注意です。
英語ではない単語を使っていないか
和製英語などのカタカナ語は、エアコンなら air conditioner など、正しい英語で書きましょう。「着物」など日本語特有の表現などを使う場合は、英語話者に理解できるよう説明を加える必要があります。ただし、英検3級のライティングの指定語数では、説明する余裕はあまりないでしょう。したがって使わないほうが無難です。
時制のミスがないか
動詞を時制に合った適切な形にしているかチェックしましょう。未来を表す助動詞 will のあとでは、動詞は原形にしなければいけません。過去を表す場合は、きちんと過去形にしましょう。
単数/複数が適切か
複数の人・物について書くときは、名詞を忘れずに複数形にしましょう。child(子ども)の複数形は children になるなど、不規則に変化する複数形もあるので注意が必要です。数えられる名詞の複数形に -s [-es] が付いているか、主語の単複や人称に応じて適切な動詞の形を使っているか、など名詞だけでなく、それに対応する動詞や代名詞もふさわしい形にしましょう。
冠詞がついているか
冠詞の a / an / the を必要なところに使っているか、確認しましょう。 a / an は、初めて話題に出る、不特定の可算名詞(数えられる物・人)の単数形に付けます。the は、可算名詞か不加算名詞か、単数か複数かを問わず、一度話題に出た、もしくは特定できる名詞に付けましょう。
語と語、文と文の間に適度なスペースがあるか
語と語の間、文と文の間には、1文字に相当するスペースが必要です。1つの単語を、文字と文字の間を空けて書くと、1つの単語に見えなかったり、次の単語との境界が不明確になったりする恐れがあります。文字は単語ごとにキッチリとまとめて書くようにしましょう。
大文字で始めるべき語が大文字になっているか
文頭の単語、固有名詞、月・曜日名などを表す単語は、最初の文字を大文字にします。これもしっかり確認しましょう。I(私は)は常に大文字です。
ピリオド、カンマが抜けていないか
文末にピリオドを書き忘れていないか、カンマを適切に使っているかなども確認しましょう。理由を列挙するときの First, ….(第一に、…)と Second, ….(第二に、…)のカンマを忘れずに。
学習方法
学習方法
英検3級のライティングは、経験がものを言います。ピリオドを打つことや名詞の複数形を語尾変化させることなどは、習慣づけることによってミスを減らせるからです。また、英検ウェブサイトからダウンロードできる解答用紙サンプルを使って書き慣れておくと、どのくらいの分量を書けば指定の語数になるか見当がつくようになります。手書きで書く練習も、回数をこなすことが重要です。パソコンやスマホでばかり書いていると、スペルチェック機能や予測変換に助けられて、スペルを意外と覚えていなかったりします。本番の緊張した状況では、なじみのある単語であってもあやふやになることがあるので、怠らず手書きで書くようにしましょう。
ライティングが苦手で、何から始めていいかわからないという人は、過去問や問題集の解答例を書き写すことから始めましょう。そのうち、模範的な文の形式がわかってきます。大体のパターンがつかめたら、解答例を熟読し、よく使われる表現を覚えて自分の解答に使ってみるようにしましょう。
重点を置くべきは、応答文を作る練習です。英検3級のライティングで必ず問われるからです。英語の疑問詞「5W1H」、つまり what(何)、who(だれ)、where(どこ)、when(いつ)、why(なぜ)、how(どのように)を、本番の緊張した状況でも迷わず思い出せるよう、しっかりと頭に入れましょう。how は how many(いくつ、どれくらいの数の)や、how much(いくら、どのくらいの量の)、how long(どのくらいの長さの)などの形でも問われます。疑問文とそれに対する応答文、という組み合わせの例文は、何度も音読して、できれば暗記してしまいましょう。本番で迷ったとき、例文を思い出せたらそれをお手本にして、正しい英文を作れるからです。友達と協力して例文を利用し、互いに質問する・応答するというやり取りを実践するのもよいでしょう。
また、ライティングに欠かせないのが単語力です。単語を知らなければ、自分の言いたいことも表現できませんし、思い出そうとしたり別の言い回しや理由を考えようとしたりして、時間をむだにしてしまいます。日頃から、身の回りの物を見てはそれを英語で言ってみる、知らなければ調べるなどして、日常生活に関する語彙を増やしましょう。単語集『英検3級 でる順パス単』などを使って、日本語の意味を見て、その見出し語の英単語を即座に思い出す訓練をするのもよいでしょう。この単語集に対応した形式の書き込み式ノート『英検3級 でる順パス単 書き覚えノート』を使えば、単語力の強化とスペリングの手書き練習が同時にできます。旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば音声を無料ダウンロードして、空き時間に耳で学習することも可能です。
参考書
おすすめの参考書は、『英検3級 予想問題ドリル』です。ライティングの問題が「Eメール」「意見論述」それぞれ4問収録されているので、時間を計りながら本番のつもりでやってみましょう。それから前項の「解答のチェックリスト」を参照して、問題点を自分なりに洗い出してみます。解答例と解説を読む際は、自分が知らなかった表現があったら覚えるようにしましょう。「この語句をチェックしよう」の項で挙げられている単語・言い回しは、特に覚えるべきものです。時間に余裕があれば、解答例を書き写してみるといいでしょう。
まとめ
英検3級のライティング問題について把握できたでしょうか? 出題の傾向を知っておくことで、問題指示文を読む時間が短縮でき、点数アップにつながります。しかしライティングという問題の特性上、高スコアをとるには単語・熟語・文法の幅広い知識と、地道な練習が不可欠です。合格を目指してコツコツとがんばってください!
解答には、because、also などのつなぎ語を大いに利用しましょう。上の表の「理由2」を見てください。もし、理由2が Also なしで I want to help a lot of sick people in the future.(私は将来おおぜいの病気の人たちを助けたいです。)だったら、どう見えますか? それまで my father is a doctor and I respect him.(父は医者で、私は父を尊敬しています)と父と自分の話をしていたのに、なぜ「人を助けたい」という話に切り替わったのだろう、と感じませんか? 文頭につなぎ語 also(また、さらに)を置くことで、「これからもう1つの理由について書く」と示すことができます。