【2024年度版】英検1級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策
この記事では、英検1級合格のために必要な情報をまとめて紹介しています。最初に、レベルはどのくらいで合格点は何点か、合格するとどんなメリットがあるかといった英検そのものの解説や、試験⽇程などの情報を挙げてあります。次に、出題の傾向や特徴、効率的な勉強法、苦⼿とする⼈が多いリスニングの対策など、かなめとなる試験対策を詳述します。最後に、試験当⽇の流れや具体的な問題例と解答のコツ、⾯接のポイントなどをまとめています。英検1級を受験する⽅、受験を検討している⽅は、ぜひ参考にしてください。
※本記事は、2024年2⽉時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は、複数ある試験⽅式のうち、最も基本的な方式である「従来型」を前提に解説しています。試験⽅式の詳細は、「英検とは:概要と級別の勉強法・試験対策 試験⽅式について」をご参照ください。
※この記事で紹介されている教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式には対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。
目次
英検とは
英検とは、実⽤英語技能検定のことです。公益財団法⼈ ⽇本英語検定協会が主催し、⽂部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、年に3回実施されています。年間の総志願者数は420万⼈を超える、⽇本で最⼤規模の英語検定試験です。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングという、英語の運⽤に不可⽋な4技能を堅実に測定する検定で、⻑年にわたる実施歴により、抜群の知名度と信頼を得ています。検定料は4技能を測って12,500円(1級の場合)です。試験会場も多く受験しやすいのが特⻑です。⼩学⽣から社会⼈まで幅広い年齢層を対象としているため、職歴や経験によって結果が左右されないよう設計されており、「誰でも受けられる」「英語⼒そのものを測る」検定という定評があります。
受験の資格・条件などはないので、7つの級のどれにチャレンジしてもかまいません。試験後に送付される成績表には、合否判定だけでなく、どのくらい合格ラインを上回ったか、あるいは下回ったかなどが⽰されることから、習熟度のチェックや学習モチベーションの維持にも活⽤できます。国際標準規格CEFRに対応した英検CSEスコアによって、⾃分のレベルをグローバルな視点で把握できることも⻑所です。
レベル
英検1級は⼤学上級程度のレベルとされ、「広く社会⽣活で求められる英語を⼗分理解し、また使⽤することができる」とうたわれています。英語資格試験の中でも屈指の難関として知られ、⼤学⽣・社会⼈を中⼼に、幅広い層に受験されています。
受験する意義
⼤学⽣にとっては、英検1級を持っていると⼤学によっては、英語科⽬の単位として認定されます。留学の際、英語⼒の証明として使えるケースもあります。就職活動においても、例えば教員採⽤試験で試験の⼀部免除や点数の加点の対象になるなどの優遇措置を受けられます。英語の運⽤を求められる職場では、英検2級以上を取得していることが望ましいとされるので、 1級を持っていると、採⽤の際に⼤変有利です。
社会⼈にとっては、英検1級を持っていると、グローバル・ビジネスの現場で実務をこなすだけの英語⼒があるという証明になるでしょう。国家試験である通訳案内⼠試験(通訳ガイド試験)において、英検1級合格者は筆記(⼀次)試験の外国語(英語)科⽬の受験が免除されるなど、優遇措置を受けられるケースもあります。ワールドワイドに働きたい⼈にとって英検1級は、⼤きな強みとなるでしょう。
TOEICテストとの違い
英検の問題とTOEICテストの問題は⼤きく異なります。英検1級では、家庭・学校・職場・地域など社会⽣活での場⾯・話題が出題され、時事問題から歴史・⽂化、⾃然科学までの幅広い話題に対応できる語彙⼒・背景知識が求められます。⼀⽅TOEICテストで は、ビジネスでの英語⼒を測定する試験であるため、ビジネスや社会人の日常生活における場⾯・話題が中⼼に出題されます。
また英検1級は、⼀次試験ではリーディング・ライティング・リスニングの3技能、⼆次試験ではスピーキングの能⼒を判定する4技能テストです。対するTOEICテストは、リーディングとリスニングの能⼒を判定するTOEIC L&Rテストと、スピーキングとライティングの能⼒を判定するTOEIC S&Wテストとに分かれています。近年は、従来重視されていたリーディン グ・リスニングの技能に加え、スピーキングやライティングの能⼒も求められる傾向が顕著です。4技能を総合的に判定したい場合は、⼀度の申し込みで受験でき、検定料も比較的安価な英検1級にメリットがあります。
英検1級とTOEICテストは、そもそもテストの性質が異なるため、単純な⽐較はできません。しかし、外国語運⽤能⼒の評価基準であるCEFR* に基づいて各試験を⽐較すると、英検1級合格はCEFRのC1にあたり、TOEIC L&Rテストでは945点以上(満点は990点)、TOEIC S&Wテストでは360点以上(満点は400点)にほぼ対応します。
CEFR | 英検 | TOEICスコア | ||
測定範囲 | 英検CSEスコア | |||
C1 | 1級 | 2600~3299 (1級合格:2630) |
L&R:945~ S&W:360~ |
|
B2 | 準1級 | 2300~2599 (準1級合格:2304) |
L&R:785~ S&W:310~ |
|
B1 | 2級 | 1950~2299 (2級合格:1980) |
L&R:550~ S&W:240~ |
|
A2 | 準2級 | 1700~1949 (準2級合格:1728) |
L&R:225~ S&W:160~ |
|
A1 | 3級 | 1400~1699 (3級合格:1456) |
L&R:120~ S&W:80~ |
(⼤学⼊試センターの公開資料とTOEICウェブサイトを基に作成)
* CEFRは、世界中で広く利⽤されている外国語運⽤能⼒の指標です。詳しくは当サイト内の記事「CEFRで⾒る英語・外国語検定試験」をご参照ください。
試験内容
英検1級には、⼀次試験(筆記・リスニング)と⼆次試験(⾯接)があります。
一次試験
⼀次試験は、筆記試験とリスニングテストの2部構成です。
筆記試験は100分で、リーディング・ライティングの2技能が判定されます。リスニングテストは約35分で、筆記試験に続いて実施されます。
解答形式は、ライティングのみ記述式で、それ以外はマーク式です。
問題の構成は下記のとおりです。
●筆記試験
測定技能 | 問題番号 | 問題形式 | 詳細 | 設問数 |
リーディング | 1 | 短文の語句 空所補充 |
文脈に合う適切な語句を補う。 | 22 |
2 | 長文の語句 空所補充 |
パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 | 6 | |
3 | 長文の内容 一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える。 | 7 | |
ライティング | 4 | 英文要約 | 提示された文章の要約を作成する。 | 1 |
5 | 英作文 (意見論述) |
指定されたトピックについて意見を論述する。 | 1 |
●リスニングテスト
測定技能 | 問題番号 | 問題形式 | 詳細 | 設問数 |
リスニング | Part 1 | 会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) |
10 |
Part 2 | 文の内容一致選択 | パッセージの内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) |
10 | |
Part 3 | Real-Life形式の内容 一致選択 |
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) |
5 | |
Part 4 | インタビューの内容 一致選択 |
インタビューの内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) |
2 |
英検1級では、社会⽣活⼀般、芸術、⽂化、歴史、教育、科学、⾃然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治などに関する話題が出題されます。
二次試験
⼆次試験は⾯接形式のスピーキングテストです。
⽇本⼈およびネイティブスピーカーの⾯接委員と2対1で約10分話します。
出題される問題は下記のとおりです。
測定技能 | 問題形式 | 詳細 |
スピーキング | 自由会話 | 面接委員と簡単な日常会話を行う。 |
スピーチ | 与えられた5つのトピックの中から1つ選び、スピーチを行う。(2分間) | |
Q&A | スピーチの内容やトピックに関連した質問に答える。 |
英検1級の⼆次試験では、社会性の⾼い幅広い分野の話題が出題されます。過去の出題例を挙げると、科学の発展は常に有益か、芸術への財政的⽀援増加の是⾮、世界経済における⽇本の役割、選挙権の⾏使を義務化するべきか、遺伝⼦組み換え⾷品の安全性、公共の場における治安改善の必要性などです。
日程
英検1級は年に3回実施されます。実施⽉は下記のとおりです。
⼀次試験 | ⼆次試験 | |
第1回 | 6⽉ | 7⽉ |
第2回 | 10⽉ | 11⽉ |
第3回 | 1⽉ | 3⽉ |
個人受験は、下記の日程で実施されます。
●2024年度
受付期間 | 一次試験 | 二次試験 | |
第1回 | 3⽉15⽇〜5⽉8⽇* | 6⽉2⽇(⽇) | (A⽇程)7⽉7⽇(⽇) (B⽇程)7⽉14⽇(⽇) |
第2回 | 7⽉1⽇〜9⽉9⽇* | 10⽉6⽇(⽇) | (A⽇程)11⽉10⽇(⽇) (B⽇程)11⽉17⽇(日) |
第3回 | 11⽉1⽇〜12⽉16⽇* | 2025年1⽉26⽇(⽇) | (A⽇程)2025年3⽉2⽇(⽇) (B⽇程)2025年3⽉9⽇(⽇) |
* 受付期間はいずれもインターネット申し込みの場合です。コンビニ支払・郵便局ATM(Pay-easy)支払の場合、書店申込の場合の締切日は異なりますので、英検ウェブサイトの「2024年度 試験日程」をご確認ください。
⼆次試験にはA⽇程とB⽇程とがあり、英検1級の個⼈受験では、満21歳以上がA⽇程に、満20歳以下がB⽇程に割り振られます。
過去問
英検1級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが⼀番です。英検ウェブサイトにて、直近3回分の過去問が公開されています。過去問は、試験終了後1週間程度でアップロードされます。
過去問で英検1級対策をするなら、⽇本語訳と丁寧な解説が掲載された旺⽂社の過去問シリーズがおすすめです。6回分の過去問を収録した『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』をご利⽤ください。
英検1級合格を⽬指すなら、まずは過去問から︕
まだ試験のことがよくわからない、という⼈は、まず試験の中⾝を知るために使ってください。ひととおり解くことで、⾃分が今どれくらいのレベルなのか、把握することもできます。そして、6回分収録されていますので、実⼒の伸びを確認したい、総仕上げとしたいなど、学習の進捗にあわせてさまざまな場⾯で利⽤することができます。
また、⼆次試験・⾯接では、英検協会から模範解答は発表されていませんが、本書で独⾃に作成したモデルスピーチを、各回5つ、合計30掲載しています。理想的な解答のイメージがつかめて、学習しやすくなります︕
⾳声は、旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことができます(ただし、書籍に記載されたパスワードの⼊⼒が必要です)。
24年度版は英検2024年度試験リニューアルに関して、新ライティング問題の英検公式サンプル問題(解答例・訳・解説付き)と、旺文社オリジナル予想問題(解答例・訳・解説付き)を掲載しています。
合格点・合格率
一次試験
一次試験の合否は技能ごとに算出されたCSEスコアという指標をもとに判定されており、何問正解すれば合格かをはっきりと知ることができません。ただし⽇本英語検定協会は、「2016年度第1回では、各技能7割程度の正答率の受験者の多くが合格した」と発表しており、今後も7割程度の正答率が合格ラインだと予測されます。
CSEスコアでは、リーディング・リスニング・ライティングの技能ごとに850点満点とされており、合格基準スコアは3技能合計で2028点です。筆記試験のうち、ライティングの2問は850点満点で評価されるため、⼀次試験の中で⽐重は1/3とかなり⼤きくなります。例えば、リーディング・リスニングで満点を取っても、ライティングが0点だった場合、合計1700点となり、合格基準スコアに328点⾜りないことになります。つまり、⽇頃からどの技能もバランスよく⾼めておくことが、英検1級合格には必要なのです。
二次試験
⼆次試験の合否もCSEスコアで判定されます。満点は850点で、合格基準スコアは602点です。スピーチ・応答の内容、語彙、⽂法、発⾳の正確さなどが評価ポイントとなります。
合格までの道のり
受験級の確認
英検を受験する際には、受験すべき級が本当に1級であるか、よく検討しましょう。英検は下の級から順に受験する必要はなく、初めて英検を受験する場合でも、英検1級を受験してかまいません。
英検ウェブサイトで過去問を眺め、⾃分の実⼒とかけ離れていないかどうかチェックしましょう。もし⻭が⽴たないと感じたら、今の実⼒により近い級を先に受験し、ステップアップするというやり⽅もあります。
ケース別学習手順
英検1級にチャレンジする⽅のモデルケースを2つ想定しました。⾃分の実力に合わせて、学習⼿順・所要時間の⽬安にしてください。
※ここで紹介されている一部の教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式に対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。
ケースA:大学で英語を学んでいる大学生。留学経験もあり
こういう方の場合、普段の勉強でかなりの英語力が身についていると思われます。しかし英検1級の場合、筆記大問1で使用頻度が少ない単語が多く出題されるなど、決して簡単に合格できる試験ではないので、傾向を知り対策をする必要があります。
1. 単語・熟語力をつける
『英検1級 でる順パス単』で単語と熟語の知識を頭に入れましょう。類義語や派生語、反意語など、知識を関連づけてふやしていくことが大事です。英検1級レベルでは語彙力はあればあるほど有利なので、受験を決めたらすぐに勉強を始め、試験直前まで続けましょう。 [学習時間の目安:20時間]
2. 英検対策書で出題の傾向をつかみ、実力を養う
『DAILY30⽇間 英検1級 集中ゼミ』で、各大問の内容をチェックし、練習問題で問題形式に慣れましょう。 [学習時間の目安:25時間]
3. 自分の弱点を見つけ、補強する
『DAILY30⽇間 英検1級 集中ゼミ』をやってみて、正答率が低い分野を見つけた場合、または自分で「~が苦手だ」と自覚している場合は、その克服に努めましょう。例えば、リスニングが不得手なら、『英検分野別ターゲット 英検1級 リスニング問題』を使い、リスニング問題を集中的にやりましょう。 [学習時間の目安:6時間]
4. 二次試験の問題演習
二次試験対策として、『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』で過去問に挑戦しましょう。スマホなどで自分の解答を録音し、あとから自己評価すると効果的です。 [学習時間の目安:4時間]
以上の手順1~4で、約55時間必要です。
ケースB:大学で英語を学んでいる大学生。留学経験もあり
学⽣時代は英語をかなりがんばったけれど、就職後は英語を使う機会があまりない…。そのような⽅の場合、語彙⼒を取り戻し、ブラッシュアップする時間を⾒込まなくてはなりません。また、⼆次試験の⾯接で2分間話し続けることはハードルがかなり⾼いでしょう。となると、英語を話すことに慣れておく必要があります。
1. 単語・熟語力をつける
『英検1級 でる順パス単』で、単語と熟語を覚えましょう。状況によっては、書いて覚えることができる『英検1級 でる順パス単 書き覚えノート』や、カギとなる語彙・イディオムを集めた『英検分野別ターゲット 英検1級 単語・熟語問題』も、⼀緒に使うといいでしょう。受験勉強の開始当初から取り組み、試験前までコンスタントに積み上げていきましょう。 [学習時間の⽬安︓40時間]
2. リーディング⼒、リスニング⼒をきたえる
ダウンロード⾳声や旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」で⻑⽂と単語を聞くことができる『英検1級 ⽂で覚える単熟語』を使い、語彙⼒だけでなくリーディング⼒とリスニング⼒も併せてブラッシュアップしましょう。 [学習時間の⽬安︓18時間]
3. スピーキング力を磨く
⼆次試験対策として、ネイティブスピーカー、あるいは英語を話し慣れている教師・友⼈などとディスカッションする機会を設けましょう。マンツーマンの英会話レッスンに通うのもよいでしょう。⽉2回、1回1時間のセッションを5カ⽉間⾏うと⾒込みます。 [学習時間の⽬安︓10時間]
4. 出題形式になれる
『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』で過去問を解き、出題形式に慣れましょう。答え合わせも⼊念に⾏い、間違った箇所は解説を⼗分に読み込む必要があります。 [学習時間の⽬安︓24時間]
5.自分の弱点を見つけ、補強する
『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』を解いていて正答率が低い分野を⾒つけた場合、また⾃分で「〜が苦⼿だ」と⾃覚している場合は、その克服に努めましょう。例えば、ライティングが苦⼿なら、『英検1級 英作⽂問題』で英作⽂の基礎を押さえ、英字新聞の記事を要約してみたり、様々なトピックについてエッセイを書いたりと、数をこなしましょう。 [学習時間の⽬安︓15時間]
6. 二次試験の問題演習
『14⽇でできる! 英検1級 ⼆次試験・⾯接 完全予想問題』で⼆次試験対策をしましょう。英語を話し慣れている教師・友⼈などに頼み、本番同様の演習を積むとより効果的です。 [学習時間の⽬安︓10時間]
以上の⼿順1〜6で、約117時間必要です。
もちろん個⼈差もありますので、上記の時間はあくまで⽬安です。⽇頃、⼤学などで英語の授業を受けている⽅は、その分、英語⼒が⽇々⾼まっているはずですので、個⼈学習にここまでの時間は必要ないかもしれません。逆に、社会⼈などで独学されている⽅は、⼗分な学習時間を確保できるよう、しっかり計画を⽴てることが⼤切です。
勉強法
単語
英検1級によくでる単語は、社会性の高い幅広い話題で使われる語彙が中心です。レベルは極めて高く、新聞や雑誌でもあまり見かけないような語が出題されることもあります。特に筆記大問1は、25問中最初の21問程度が単語の知識を問う問題です。品詞別に見ると動詞・名詞・形容詞がほぼ同数ずつ大半を占め、副詞も出題されています。
大問1によくでる単語を例に挙げると、allay(~を和らげる)、conjecture(推測)、caustic(辛らつな)などです。
参考書
おすすめの参考書は、『英検1級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される単語を「でる順」に掲載した、リスト型単語集です。
『英検1級 でる順パス単』の⾳声は、旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」で無料ダウンロードできます。収録された⾒出し語のリストを⾒ながら発⾳を確認できるので、英
検1級レベルの単語を、効率的に⽿で覚えられます。
勉強法
英検1級レベルの単語を学習するには、幅広い分野についての社会性の⾼い英⽂に⽇頃から触れることが⼤事です。TIME や Newsweek などネイティブ向けの、内容的に⾼度な記事を積極的に読むようにしましょう。⾒慣れない単語があったら意味を調べるだけでなく、コロケーション(他の単語との、よく使われる組み合わせ)や、覚えやすいように短いフレーズにしたものをメモして、⾃作の単語帳を作ると効果的です。⼤問1の対策にもなりますし、ライティングや⾯接(スピーキング)の際に、⾃然な英語表現を使えるようにもなります。
英語の記事などを読むのと並⾏して、単語集も活⽤するとよいでしょう。英検1級の⼤問1に出題される単語は、ジャンルが幅広い上、使⽤頻度が少ないので、読書だけを通して覚えようとすると膨⼤な量を読まなくてはならなくなります。したがって単語集を使った⽅が、効率的に覚えられるでしょう。早い時期から『英検1級 でる順パス単』を使い、他の学習と並⾏して取り組むことをおすすめします。知らない単語があまりに多いようであれば、まずは「でる度 A」の語彙を集中的に覚え、それから「でる度B」へ、と順々に攻略していきましょう。
単語集は、「覚えている」「覚えていない」を仕分けるチェックリストととらえましょう。まず、載っている単語を覚えているか覚えていないかを基準に、すべてを短時間で仕分けていきます。単語集の⾒出し語にはチェックボックスがありますから、「覚えていない語にチェックを⼊れる」とルールを決めて(逆に覚えている語にチェックを⼊れてもかまいません)、チェックを⼊れていきましょう。それから暗記に移ります。この勉強⽅法の利点は、すでに覚えている語に時間を奪われず、覚えていない語だけに集中できることです。勉強時間は有限ですから、効率よく学べるよう⼯夫しましょう。
旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」は「単語モード」機能を使えば、『英検1級 でる順パス単』の⾒出し語の⾳声を聞きながらチェックを⼊れて、「覚えている」「覚えていない」をアプリ上で仕分けることができます!
単語の意味を、接頭辞や接尾辞、語根から推測できるだけの知識を⾝につけておくことも⼤事です。例えば credential の意味が思い出せなくても、cred が「信」の意であることを知っていれば、「信⽤を証明するもの→資格」とイメージできたり、「問題⽂の主旨に合わない」と選択肢から除外できたりします。また単語を暗記する際にも、「frag は壊れるという意味だから fragile は壊れやすい→はかない」と理論的に覚えた⽅が記憶に残りやすく、fragility(もろさ)とも関連づけられるなど、効率的に頭に⼊れられるでしょう。『英検1級 総合対策教本』には、このような接頭辞・接尾辞・語根についての解説を始め、語彙問題を解くために役⽴つ情報や効率的な勉強⽅法がまとめられています。
熟語
英検1級の熟語は、社会性の⾼い話題で使われるものが中⼼で、レベルの⾼いものです。⼤問 1の22問中4問程度が熟語の問題で、「動詞+前置詞/副詞」の句動詞が主に出題されます。
⼤問1によくでる熟語を例に挙げると、crack down(厳しく取り締まる)、run up((借⾦など)を重ねる)、rub off on(〜によい影響を与える)などです。
参考書
おすすめの参考書は、単語集『英検1級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される重要熟語300語を掲載しています。黙々と暗記するのが苦⼿という⽅には、『英検 1級 ⽂で覚える単熟語』がおすすめです。⽂脈の中で単語・熟語が⾝につきます。
旺⽂社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検1級でる順パス単』の⾳声をダウンロードすることができます。収録された⾒出し語のリストを⾒ながら発⾳を確認できるので、英検1級レベルの熟語を、効率的に⽿で覚えられます。
勉強法
単語と同様、覚えていない熟語と出会うたびにひとつひとつ覚えていくのでは、必要な量を覚えきれないでしょう。ここでも単語集『英検1級 でる順パス単』を使った学習が効率的です。詳しくは、単語の項をご参照ください。
また熟語を覚える際には、以下のやり⽅がおすすめです。
①熟語を構成する単語の、それぞれの語義・ニュアンスをチェックする。
②それらの語義・ニュアンスを結びつけ、イメージを膨らませて意味を想像する。
③熟語としての意味と関連づける。
④例⽂を読み、記憶にインプットする。
(例)nose around(〜を捜し回る)の場合
①nose(⿐︔くんくんにおいをかぐ)と around(あちこちに)の意味をチェックする。
②nose と around のイメージを結びつける。
③nose around で「辺りをかぎ回る、捜し回る」と関連づける。
④例⽂(He hated it when his boss started nosing around his desk.)を読み、記憶にインプットする。
この、単語の語義から熟語の意味を想像する⽅法は、⼤問1の選択肢を絞り込むときだけでなく、読解で知らない熟語があったときにも役⽴ちます。
長文読解
英検1級の⻑⽂読解では、歴史・⽂化から時事問題、テクノロジーまで多岐にわたるテーマの論説⽂を読んで、理解することができるレベルが求められます。傾向としては、新聞や雑誌で取り上げられるような題材や、欧⽶の歴史・政治にかかわる内容が多くなっています。
⻑⽂読解は、⼀次試験・筆記の⼤問2と3で出題されます。⼤問2では、約350語の⻑⽂2つに、空所が3カ所ずつ(計6カ所)あります。それぞれの空所にあてはまる語句を4つの選択肢から選びます。約15分で解きたいところです。
⼤問3では⻑⽂が2つあります。最初は約500語のパッセージで、設問は3問です。2つめのパッセージは約800語で、設問は4問です。問われるのは主に⻑⽂の細部の内容ですが、全体の主旨・結論を問う出題もあります。全部で1300語程度、計7問を、できれば28分ほどで解きたいところです。
参考書
⻑⽂読解を基礎から学びたい⽅には『英検1級 総合対策教本』がおすすめです。⻑⽂の構成や、必要な情報のみの読み取り⽅など、短時間で正確に⽂脈を把握する⽅法を指導しています。数をこなして読解⼒をつけたい⽅には、120問解いて実⼒を練成する『英検分野別ターゲット 英検1級 リーディング問題』がおすすめです。
勉強法
英検1級の⻑⽂読解では、アカデミックな⽂章や専⾨⽤語が使われた記事など、⾼度な英⽂が出題されます。背景知識があると解きやすくなるので、欧⽶の歴史・⽂化、政治などについての知識を⾝につけるよう⼼がけましょう。時事的な話題も多いので、新聞やニュースに触れることも⼤事です。
英検1級レベルの⻑⽂読解で必要なのは、メリハリをつけて読むスキルです。量のある⽂章を時間内に読んで正答するには、設問にかかわる箇所は精読し、そうでない箇所はさらっと読むという「読みの使い分け」が要るからです。そのような読み⽅はどうすればできるようになるのか︖ おすすめの⽅法は問題集で数をこなすことです。⽬標解答時間があるので緊張感を持って取り組むことができ、Questionを多く解いているうちに⻑⽂の「どの辺りが重要なのか」がつかめるようになってきます。おすすめの問題集は、『英検1級 総合対策教本』や『英検分野別ターゲット 英検1級 リーディング問題』です。『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』や『英検1級 予想問題ドリル』も、⻑⽂の収録数が多いので役に⽴ちます。
わからない単語があったとしても、パラグラフごとに⼤意をつかんで全体の論理展開を追えるよう、つなぎ⾔葉から論旨を理解する訓練を積みましょう。難解に⾒える語句も、⽂中に繰り返し現れる⾔い換え表現に注⽬すれば、意味を類推できたりするものです。このように辞書なしで⼀度読んでから、辞書を引いたり解説を読んだりして精読しましょう。最後にもう⼀度全⽂を、できれば時間を限って読み、英⽂の構造を再確認します。このような練習の積み重ねによって、英検1級合格に必要な読解⼒が⾝につくでしょう。
ライティング
英検1級のライティングでは、1級レベルの語彙・文法を使い、論理的でまとまりのある⽂章を書くことができるレベルが求められます。
ライティングは、⼀次試験・筆記に2題出題されます。1題目は「英文要約」です。提示される英文は300語程度の、新聞記事や論文などに見られるアカデミックな文章です。要件は以下の2点です。
- 提示された文章を読み、そのサマリーを、できるだけ自身の言葉で作成する。
- 語数は90〜110語。
2題目は「英作文(意見論述)」です。トピックは「発展途上国にとって経済発展は環境保護より優先されるべきか」など、賛否両論があるグローバルな社会問題です。要件は以下の4点です。
- 指定されたトピックについてエッセイを書く。
- ⾃分の意⾒の根拠となる理由を3つ挙げる。序論・本論・結論の構成で書く。
- 語数は200〜240語。
参考書
英作⽂を基礎から学びたい⽅には、エッセイの基本構造から学べる『英検1級 総合対策教本』がおすすめです。ライティング⼒をしっかりつけたい⽅には、オリジナル問題が13問収録されている『英検1級 英作⽂問題』がおすすめです。
※この2教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式には対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。
勉強法
英検1級のライティング・要約問題では、まず与えられた英文の内容をつかむことが大切です。目標時間2分程度で、パッセージ全体の論旨と、各パラグラフで述べられている内容、パラグラフ間の論理的なつながりをしっかりと読み取りましょう。
パッセージの内容が把握できたら、全体の主張と各段落の内容をそれぞれ1~2文程度でメモに書き出してみます。メモは日本語で書いても構いません。
例えば
- 全体の主張:
- パラグラフ1の内容:近年、~である。
- パラグラフ2の内容:しかし、~という問題もある。
- パラグラフ3の内容:したがって、~になるだろう。
ここまでをパッセージを読み終えてから2分くらいでできるとよいでしょう。
メモができたら、それをもとにして要約文を書いていきます。10分程度で完成できるとよいでしょう。
要約問題では与えられた英文を「できるだけ自分の言葉で表現する」ことが求められていますので、パッセージ中の表現をそのまま使ってはいけません。具体的な用語や固有名詞は、抽象的な表現で言い換えられないか工夫しましょう。作文を既定の語数に収めるためにも、簡潔に言い換えることは必須になります。多彩な表現を使って作文できるように、普段から単語集『英検1級 でる順パス単』などで語彙力を養っておきましょう。
要約問題では論理的な一貫性も重要になります。要約文の構造が、パッセージのパラグラフ間の関係と同じ構造になるように注意して書き進めましょう。「しかし」「そのために」「したがって」のような繋ぎことばで文の流れを示すことも効果的です。
90~110語は想像以上に短く、あれもこれもと盛り込んでいるとあっという間に語数がオーバーしてしまいます。繰り返しや不要な修飾表現はできるだけ削り、コンパクトにまとめることを心がけましょう。
書き終えたら、一度頭をまっさらにして自分の書いた要約文を読み返してみます。その時、「元の英文を読んだことがない人でも、要約文だけを読んで論旨が把握できるか」という観点で読みましょう。前提知識がなければわからないようなことばや表現がないか、注意して確認するとよいでしょう。スペルミスや文法の間違いももちろん避けるべきです。
ライティング・英作文(意見論述)問題では、⼆次試験の⾯接と異なり、⾃分の答えやすいトピックを選ぶことができません。したがってどんなトピックが出題されても、「この問題に対する⾃分の意⾒は〜だ。理由は〜、〜、そして〜だからだ」と、即座に答えられるだけの知識と思考⼒が求められます。⽇頃からニュースや新聞に触れ、幅広い社会常識を⾝につけておきましょう。また、ニュースでコメンテーターが意⾒を述べたときなどに、「⾃分も賛成だ、なぜなら…」と理由をいくつか挙げてみたあとにすぐ、今度は反対の⽴場から理由を考えてみるなど、賛否双⽅の⽴場から考える頭の体操をしておくとよいでしょう。
また、論理的にまとまったエッセイを書けないと、⾼得点は望めません。最初のうちはいきなり書き始めるのではなく、⽇本語でもよいので、まずは論理展開の⾻⼦となるキーワードだけを書き出してみましょう。⽬標時間は2、3分です。
例えば「発展途上国にとって経済発展は環境保護より優先されるべきか」というトピックであれば、
①[序論]⾃分の意⾒。(環境優先/environmental protection)
②[本論]その意⾒の根拠3つ。(環境汚染、⽣態系破壊、⾷料供給→危うい/pollution, destruction of ecosystems, threat to food supply)
③[結論]全体のまとめ。(環境を優先すべき/prioritize the environment)となります。
それから、この構成で書けるかどうか検討します。具体的には、上記①〜③のキーワードを以下の
①⾃分の意⾒を述べる。(第1パラグラフ)
②その意⾒の根拠を3つ展開する。(第2〜第4パラグラフ)
③第1〜第4パラグラフを別の表現でまとめて締めくくる。(第5パラグラフ)
という5段落にあてはめてみて、論理展開に無理がないか検討するのです。4、5分でできるとよいでしょう。
そのあとは15〜20分ほどの⽬標時間で、実際にエッセイを英語で書いてみましょう。途中で別の観点が頭をよぎって意⾒がぐらつくこともあるかもしれませんが、この段階で⼤きく意⾒を変えようとするとまとまりのないエッセイとなる恐れがあるので、迷わず書き上げることが⼤事です。それから全体を⾒直してみて、スペルミスや⽂法の誤りがないか確認しましょう。近年はパソコンに頼って書くことが多くなり、いざ⼿書きするとスペルを間違えたり思い出せなかったりするので、⼿で書く練習も忘れないようにしましょう。
英検1級では、英語の表現の質も大事! 簡単すぎる単語は言い換えましょう。
例:
- get → obtain, acquire
- say → state, maintain, claim
- important → essential, significant
- good → effective, adequate
1つのエッセイの中で、同じ言い回しを多用するのもNGです。類語辞典あるいは類語情報の豊富な英英辞典で語彙力をつけ、多彩な表現ができるようになっておきましょう!
英検1級のライティングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「【2024年新試験対応版】英検1級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。
リスニング
英検1級のリスニングでは、社会性の⾼い幅広い内容を聞いて理解できるレベルが求められます。
リスニングテストには、Part 1、Part 2、Part 3、Part 4があり、放送回数はすべて1回です。
Part 1では、⽇常の様々な場⾯における男⼥の会話が読み上げられます。⽇常会話であっても話題は仕事や家計、税⾦、景気などで、内容も重要な情報交換だったり複雑な状況での頼みごとだったりと⾼度です。ビジネス上の会話も多く、ネゴシエーションも⾒られます。話者の間柄は家族や友⼈、同僚、企業と顧客などです。
Part 2では、200語前後の説明⽂が読み上げられます。⽂章のジャンルは医療・⼼理、時事・社会、動物・⾃然、海外・⽂化、テクノロジー、経済・ビジネスなど多岐にわたります。
Part 3では、アナウンスや⾳声ガイダンスなど実⽣活で⽿にする英⽂が読みあげられます。直接話しかけられる諸連絡・説明が多数を占めますが、電話のメッセージも出題されます。臨場感のある効果⾳が⼊っていることもあります。
Part 4では、3分ほどのインタビューの模様が放送されます。ゲストは本の著者や様々な会社の社員など多岐にわたります。その仕事についた理由や仕事のよい点と悪い点、仕事柄注意していることなどをインタビュアーが聞き、ゲストが答える形式になっています。
実際に⾳声を聞いてみて、英語が読み上げられるスピードを確認しましょう。
(『英検1級 予想問題ドリル』より)
参考書
英検1級のリスニングの出題パターンを知り、それに即応したノウハウを⾝につけたい⽅には、『英検1級 総合対策教本』がおすすめです。問題の数をこなして⾼得点を狙いたい⽅には、『英検分野別ターゲット 英検1級 リスニング問題』が役⽴つでしょう。『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』も、過去問6回分のリスニング問題をすべて収めています。
勉強法
英検対策⽤のリスニング素材を使った演習が絶対的におすすめです。英検1級のリスニングでは膨⼤な英⽂が放送されます。特に、Part 4では約3分(500〜600語程度)の放送中に、あとで何を質問されても答えられるようなレベルのメモをとるスキルが必要です。したがって、たとえリスニングに⾃信のある⼈であっても、ぶっつけ本番で漏らさず正答するのは難しいでしょう。点を確実に取るためには演習を重ね、解き⽅に習熟しておきましょう。
なんとなく聞き取れるのだけれど、試験になると点数がいまひとつ伸びない―そういう⽅は、細部の聞き取りができていない恐れがあります。試しに次のようなリスニングをしてみましょう。キーワードをメモしながら聞いて、聞き終わったらそのキーワード群を使って、内容を再構成してみるのです。話の内容は「なんとなく」わかったけれど、主題(Main idea)を明⽰できない、⽀持⽂(Supporting details)が何と何だったか挙げられない…そんな事態になってはいませんか︖ つなぎ⾔葉は聞き取れたけれども、それによって対⽐されていたものが何と何かは、メモできていなかったりしませんか︖ そのような場合は⼀度スクリプトを読 み、内容の構造を理解した上で、再度リスニングにトライしましょう。メモしたキーワードを筋道⽴てて再構成し、話の内容を頭の中で復元できてこそ、「リスニングができた」と⾔えるのです。
ダラダラ聞きでは、英検1級レベルはツライ︕ 演習の際は本番のつもりで、緊張感を持って臨みましょう。集中⼒を⾼める訓練も受験勉強のうちです︕
英検1級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検1級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。
スピーキング(二次試験・面接)
英検1級のスピーキングでは、社会性の⾼い幅広い話題について、⾃分の意⾒を論理的にプレゼンテーションし、さらに質疑応答できるレベルが求められます。
スピーキングテストは、⼆次試験において⾯接形式で⾏われます。
まず、トピックが5つ書かれたトピックカードを受け取ります。その中の1つのトピックについて2分間でスピーチをします。それから、そのスピーチについて質問がされます。
過去の出題例は、科学の発展は常に有益か、芸術への財政的⽀援増加の是⾮、世界経済における⽇本の役割、選挙権の⾏使を義務化するべきか、遺伝⼦組み換え⾷品の安全性、公共の場における治安改善の必要性などです。
参考書
⾯接の流れをあらかじめ知っておけば、不安も解消︕ 11セットの予想問題に加え、⾯接をリアルに体験できる動画の付いた『14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』がおすすめです。予想問題11回分をこなしているうちに、出題パターンとスピーチのコツがつかめてくるでしょう。
勉強法
英検1級のスピーキングでは、⾸尾⼀貫した英語スピーチを1分間で準備し、2分にわたって話し続ける⼒が求められます。語数にして150語程度を⽬標にしましょう。まず必要なのは、⾃分の主張とその根拠を短時間で整理し、論理的に話す能⼒です。最初は⽇本語でも構わないので、社会問題について実際にプレゼンテーションしてみましょう。その際、できれば⼈に聞いてもらい、主旨が伝わったか、声や話し⽅は聞き取りやすかったか、講評してもらうのです。適当な⼈がいない場合は、⾳声を録⾳したり動画を撮ったりして、あとで⾃分で客観的に確認しましょう。
次に必要なのは発話慣れです。英語は話さないと発話⼒がどんどん落ちてくるので、問題演習をする余裕がない⽇はせめて⾳読などをして、⼝を英語に慣らしておきましょう。ネイティブスピーカーの友⼈・同僚と英語で話す機会を設けたり、英会話学校・オンライン英会話に参加したりするなどして、スピーキング⼒の維持・底上げを図る努⼒も⼤事です。
英検1級の⾯接では、グローバルな社会問題・時事問題について、意⾒とその理由を述べなければなりません。提⽰された5つのトピックの中に、よく知っているジャンルや考えてみたことのあるトピックがあれば、⼤きな強みになります。⽇頃からニュースや新聞に⽬を通し、社会・時事問題についての知識を蓄えるようにしましょう。知識だけでなく問題意識も持ち、何事に対しても「⾃分は賛成か反対か、その理由は」と考える習慣をつけておけば、本番で話すことがなくて困ったり、意⾒がまとまらずしどろもどろになったり、という事態を防げるでしょう。
英検1級の⼆次試験・⾯接について、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検1級⾯接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。
過去問・予想問題
実際に試験を受けてみたら、時間が⾶ぶように過ぎてしまい、最後の問題までたどり着かなかった―そんな経験をしたことはありませんか︖ ほんの少し答えを悩んだつもりでも、驚くほど時間が経ってしまっていることがあります。試験当⽇、こんな失敗をしないためには、普段から実際の試験と同じ分量の問題を時間内に解くトレーニングをしておくことが⼤事です。過去問や予想問題はこのトレーニングに最適な素材です。
※ここで紹介されている一部の教材は、2024年の英検リニューアル後の試験形式には、対応していません。リニューアル後の問題形式と対策については「英検合格ナビゲーター」をご覧ください。
参考書
『2024年度版 英検1級 過去6回全問題集』には、6回分の過去問が丁寧な解説と共に収められています。2024年度から変更される新ライティング問題に関して、要約問題の英検公式サンプル問題と旺文社オリジナル予想問題を、それぞれ解答例、訳、解説付きで載せています。
⼀次試験直前の総仕上げには、2024年度検定から実施の新形式に対応している『英検1級 予想問題ドリル』がおすすめです。ライティングに新しく加わった「英文要約」問題が5回分、収録されています。
勉強法
過去問や予想問題を解くときには、下記の「試験当⽇の試験対策/⼀次試験」の問題ごとの時間配分を参考に、各⼤問にどれくらいの時間をかけるか、決めておきましょう。⼤問がひとつ終わるごとに時計を⾒て、時間どおりに進められているか確認しながら解き進めることが⼤事です。わからない問題に時間を割きすぎては、時間内に解き終わることはできません。マーク式の部分であれば、あとで時間が余ったら⾒直せるように問題冊⼦に印をつけた上で、マークシートには勘で答えを記⼊してしまいましょう。このように本番の試験と同じ気持ちで、過去問・予想問題に取り組むことが⼤事です。
答え合わせが終わったら、⼤問ごとに正解率が何パーセントであったのか、算出しましょう。合否判定はCSEスコアで⾏われるため、何問正解したら合格なのかははっきりしませんが、およその合格ラインは7割程度と予測されます。もし正解率が7割を切る⼤問があったら、それは苦⼿な⼤問ですから、⼊念に復習しましょう。『英検1級 総合対策教本』で苦⼿な⼤問の解説を読み、基礎知識をしっかりと固めるのもよいでしょう。
試験当日の試験対策
試験会場に⾃動⾞やバイクで⾏くことは禁⽌されています。必ず、電⾞やバスなどの公共交通機関を利⽤して会場に向かってください。会場には早めに着き、トイレも済ませ、愛⽤の参考書で最終確認をしながらリラックスして試験開始を待ちましょう。
⼀次試験(筆記・リスニング)
⼀次試験は、筆記試験、リスニングテストの順で⾏われます。筆記試験開始前に、リスニングテストの⾳量チェックが⾏われます。リスニングテストの直前には⾳量チェックは⾏われませんので、⾳量が⼩さいなど聞こえづらい場合は、必ずこのタイミングで試験監督者に申し出るようにしましょう。
筆記試験は100分です。⼤問ごとの⽬標解答時間は下記のとおりです。
問題番号 | 問題形式 | 詳細 | 設問数 | 目標解答時間 |
1 | 短⽂の語句 空所補充 |
⽂脈に合う適切な語句を補う。 | 22 | 12分 |
2 | ⻑⽂の語句 空所補充 |
パッセージの空所に⽂脈に合う適切な語句を補う。 | 6 | 15分 |
3 | 長文の内容 一致選択 |
パッセージの内容に関する質問に答える。 | 7 | 28分 |
4 | 英文要約 | 与えられた英文の要約文を書く。 | 1 | 20分 |
5 | 英作⽂ (意見論述) |
指定されたトピックについての英作文を書く。 | 1 | 25分 |
時折、時計を⾒て、進み具合を確認しましょう。試験には腕時計の携帯が許可されています(ただし、Apple Watchなどのウェアラブル端末の携帯は禁⽌されています)。
筆記 大問1:短文の語句空所補充
⽂中の空所に、⽂脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選んで⼊れ、⽂章を完成させる問題です。単語の知識を問う問題が⼤半で、最後の4問程度は熟語についての出題です。
例題:
Choose the best word or phrase from among the four choices for the blank.An agreement between the two leading parties appears ( ). The negotiators are working late into the night to bridge the few remaining differences.
1 contingent 2 contagious 3 imminent 4 derisive
(『英検1級 予想問題ドリル』より)
答え:3
合格ラインの⽬安は、22問中16問正解です。知らない単語は接頭辞や接尾辞、語根から、熟語は動詞や前置詞、副詞から意味を推測できることがあります。しかし、⼤問1は悩んでも答えがひらめくことはあまりないので、わからない問題は早々に⾒切りをつけて、⻑⽂読解やライティングに⼗分な時間を取るのが得策です。
⼤問1に限りませんが、わからない問題でも解答欄には答えをどれか記⼊しておきましょう。「ライティングまで終わったら、⼤問1に戻ってマークしよう」と思っていても、実際には時間切れでマークができないこともありますから、ご注意を。
筆記 ⼤問2︓⻑⽂の語句空所補充
350語程度の⻑⽂2つにそれぞれ空所が3カ所ずつ(計6カ所)あり、空所に⼊る適切な語句を4つの選択肢から選んで⽂章を完成させる問題です。
例題:
Read the passage and choose the best answer from among the four choices for the blank.The Mystery of Shakespeare
In spite of his fame and peerless celebration, William Shakespeare remains somewhat of a mystery with regard to his personality. Although some official documents surviving from Elizabethan times provide a skeletal history of the Bard, there is very little information available that attests to what kind of person he really was. One would expect Shakespeare’s voluminous literary output to shed substantial light on the man himself. However, scholars have long alleged that his works and other records of the time ( ) to do so.(以下略)
1 stimulate efforts
2 provide the keys
3 raise vital issues
4 elude attempts(『英検1級 予想問題ドリル』より抜粋)
答え:4
合格ラインの⽬安は、6問中5問正解です。まず速読して論旨の展開を理解し、それから空所の前後を丁寧に読んで解答を選びましょう。⼤問2では⽂脈を追うことが正解につながるので、つなぎ⾔葉(however, consequentlyなど)に特に注意しましょう。
筆記 ⼤問3︓⻑⽂の内容⼀致選択
⼤問3では、パッセージが2つ出題されます。最初のパッセージは500語程度の英⽂で、設問数は3問です。2つめの英⽂は800語程度で設問数は4問です。原因や根拠、理由などを問う問題が多く、全体の主旨・結論を問う出題もあります。
例題:
Read the passage and choose the best answer from among the four choices for the question.Heinrich Schliemann
Although most people may not know the name Heinrich Schliemann, few have not heard of the ancient city of Troy that he is credited with discovering. His story as a self-educated man from a poor family who went on to amass a large fortune in business before becoming the patriarch of modern archaeology is one that both inspires and mystifies. Although Schliemann claimed his interest in archaeology dated back to his early childhood—he is alleged to have had at the age of 12 a premonitory vision of finding Troy—some historians suggest his ambitions to unveil what at that time in the early nineteenth century was considered a largely mythical city began with his study of Classical Greek later in his life. Reading Homer, the pinnacle of Greek literature, no doubt would have sparked his curiosity about whether or not the Trojan War actually occurred.(以下略)
What is one way in which the views of some historians differ from Heinrich Schliemann’s own recollection?
1 They argue that Schliemann’s obsessive desire to discover Troy stemmed from his interest in Greek literature.
2 They believe that Schliemann’s early childhood experiences meant he was destined to discover a mythical city.
3 They think that Schliemann’s success as trader was due to the connections he gained while working as an archaeologist in Greece.
4 They say that Schliemann would have located Troy much earlier had he not been forced to give up his linguistics education when he did.(『英検1級 予想問題ドリル』より抜粋)
答え:1
合格ラインの⽬安は、10問中7問正解です。⼤問3の⻑⽂は量が多いので、最初に設問を読んで問われるポイントを理解し、その上で速読するとよいでしょう。設問にかかわる箇所にさしかかったら、その周辺を⼊念に読みます。また、複数の意⾒・理論を対⽐して論じる⽂章が多いので、つなぎ⾔葉に注意すると、それらの意⾒・理論を混乱せずに読み解けます。正答肢は本⽂の内容をまとめたり、別の表現で⾔い換えたりしていることが多くなっています。
筆記 ⼤問4︓英文要約
提示された英文を読み、3分の1ほどに要約します。本文を写すのではなく、極力言い換える必要があります。
例題:
● Instructions: Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.
● Suggested length: 90-110 words
● Write your summary in the space provided on your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.Thanks to an international agreement known as the Antarctic Treaty, the world’s southernmost continent has become a region administered by an international partnership involving 56 different nations and is primarily a place of scientific research. Regulations prohibit activities such as mining and the dumping of waste, and non-native species are banned. Furthermore, all proposed activities to be carried out by any country or organization must be assessed beforehand to determine their environmental impact. Seen from this perspective, Antarctica enjoys some of the strictest environmental regulations of any region in the world.
However, the treaty has not been as effective as hoped. Critics argue that while it is an admirable effort to protect the continent, the agreement has a fundamental flaw. That is, even though it is in a geographically solitary location, Antarctica’s environment is susceptible to the effects of pollution and carbon emissions in other regions of the globe. In coming decades, ice cover is expected to recede dramatically due to global increases in temperature, and while this would cause more indigenous plants to bloom, it would also make it easier for non-native species accidentally brought in on visiting ships to spread. There is even the possibility that global warming could lead to the extinction of species, such as the emperor penguin.
As Antarctica’s environmental crisis becomes more severe, some people have vocalized a demand to broaden the scope of the Antarctic Treaty so the countries that signed it would have to take the continent into consideration when making their own climate policies. For instance, some experts argue that countries should be held accountable for their carbon emissions and their impact on the Antarctic environment. However, until people around the world put pressure on governments to reduce global warming, the current situation is unlikely to change.解答例:
The Antarctic Treaty is an international agreement that not only forms the basis on how the region is governed, but also protects the continent’s nature with some of the world’s strictest environmental regulations. The treaty is sometimes criticized, though, because despite its isolation, Antarctica is vulnerable to global pollution and carbon emissions, as rising temperatures threaten its ice cover. This could enable invasive species to thrive, potentially leading to the extinction of Antarctic species. Calls for expanding the treaty’s scope to hold signatories accountable for their carbon emissions have emerged, yet Antarctica’s future requires a global effort on combating climate change, making the current situation unlikely to shift soon.(「英検合格ナビゲーター」より引用)
筆記 大問5︓英作⽂(意見論述)
指定されたトピックについて200〜240語の英⽂エッセイを書きます。⾃分の意⾒と、そう考える理由3つを明⽰し、序論・本論・結論の構成で書く必要があります。
例題︓
● Write an essay on the given TOPIC.
● Give THREE reasons to support your answer.
● Structure: introduction, main body, and conclusion
● Suggested length: 200-240 wordsTOPIC
Should elderly parents be cared for at home?(『英検1級 予想問題ドリル』より)
必要な語数は200〜240語と多く、語数を数えるのも⼤変です。解答欄に記⼊する際、1⾏あたり何語程度で書くか、何⾏程度書けば解答として⼗分な語数になるかなどを事前に確認しておくと、試験当⽇、語数のカウントに時間をとられずに済みます。
2題のライティングはどちらも、下記の4つの観点から採点されます。スコアは32点満点で、合格ラインは23点程度だと思われます。
①内容 | 課題で求められている内容(意⾒とそれに沿った理由)が含まれているかどうか |
②構成 | 文の繋がりが明快で一貫性のある構成になっているか |
③語彙 | 適切な語彙を正しく使っているか |
④⽂法 | ⽂法的に正しい英⽂になっているか |
解答が要件を満たしていない場合や、内容に⽭盾がある場合は、⽂法的に正しい英⽂を書いたとしても0点や減点になる恐れがあるので、気をつけましょう。
英検1級のライティングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「【2024年新試験対応版】英検1級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ」をご覧ください。
筆記試験が終わると、続けてリスニングテストが⾏われます。
問題番号 | 問題形式 | 詳細 | 設問数 | 放送回数 |
Part 1 | 会話の内容 一致選択 |
会話の内容に関する質問に答える。 | 10 | 1回 |
Part 2 | 文の内容一致選択 | パッセージの内容に関する質問に答える。 | 10 | 1回 |
Part 3 | Real-Life形式の内容 一致選択 |
Real-Life 形式の放送内容に関する質問に答える。 | 5 | 1回 |
Part 4 | インタビューの内容 一致選択 |
インタビューの内容に関する質問に答える。 | 2 | 1回 |
解答時間は、設問ごとに10秒間です。
リスニング Part 1︓会話の内容⼀致選択
設問数は10問です。No. 1〜No. 9では男⼥2⼈の会話が、No. 10では3⼈の会話が放送されます。質問は会話のあとに放送され、問題冊⼦に印刷された選択肢4つの中から答えを選びます。会話と質問は1度しか放送されません。
例題:
Listen to the dialogue and choose the best answer from among the four choices.(問題冊子に記載される選択肢)
1 Ted will make a purchase.
2 Ted will withdraw money from an ATM.
3 Janice will pay Ted’s debt for him.
4 Janice will pay back Ted some money.(放送文)
A: Say, Janice, I’ve been looking for you. Remember that 50 dollars I lent you the other day? I need it back to pay a few bills, like garbage and a few utilities.
B: That’s right, Ted. But remember, I already paid you back 20 last week.
A: Oh, you’re right. So you just owe me 30, then.
B: If you have a few minutes now, we can stop at the automatic teller down the street and I’ll get it for you.
A: That would be great, Janice. I hate to bother you about it now but I’m completely broke myself this week.Question: What will most likely happen next?
(『英検1級 予想問題ドリル』より)
答え:4
合格ラインの⽬安は、10問中7問正解です。あらかじめ選択肢に⽬を通し、内容を予測しておくといいでしょう。選択肢にある⼈名などの固有名詞は、必ず会話に出てくるので、意識しておくと内容がつかみやすくなります。
リスニング Part 2︓⽂の内容⼀致選択
放送される英⽂と質問を聞き、その答えを、印刷されている4つの選択肢から選ぶ問題です。約200語の説明⽂5つに対して2問ずつ、計10問出題されます。英⽂と質問は1度しか放送されません。
例題:
Listen to the passage and choose the best answer from among the four choices.
(問題冊子に記載される選択肢)
1 As an interior designer of sounds.
2 As a lover and creator of music.
3 As a business person who understands other business persons.
4 As an inventor of business identities.(放送文)
The Power of Sound
Sounds, including music, can alter emotions and behavior. Julian Treasure, a former drummer for punk bands in the 1970s and 80s, knows the power of sound well. Today, Treasure is the head of Sound Agency, a consultancy that helps businesses profit from tailoring sounds to please customers. Treasure sees himself as an audio interior designer, who removes unpleasant sounds and music and replaces them with more appealing sounds. Sometimes, the sounds are used to boost a business’ identity or capture the essence of a particular brand.(以下略)
Question: How does consultant Julian Treasure basically perceive himself?
(『英検1級 予想問題ドリル』より抜粋)
答え:1
合格ラインの⽬安は、10問中7問正解です。最初に読まれるタイトルは、内容の予測に役⽴ちます。難しい専⾨⽤語がでてきても、そのあとで説明されたり、⾔い換え表現が繰り返し現れたりするので、あきらめずに聞き続けるようにしましょう。パッセージの前半から1問、後半から1問出題されるパターンが多くなっています。
リスニング Part 3︓Real-Life形式の内容⼀致選択
問題冊⼦に印刷された「状況」「質問」「選択肢」を10秒で読んだ後、実⽣活を想定した⾳声を聞きます。そして、質問に対する解答を4つの選択肢から選びます。設問数は5問です。英⽂と質問は1度しか放送されません。
例題:
Read the situation and question. Listen to the passage and choose the best answer from among the four choices.(問題冊子に記載される内容)
Situation: You have just moved into a dormitory at the university. You hear a phone message explaining how to use voicemail.
Question: What is one step you need to do to create your main mailbox?1 Press 9.
2 Enter a passcode.
3 Enter your name.
4 Press 0.(放送文)
You have 10 seconds to read the situation and question.
Welcome to University Voice Mail! To create your main mailbox, press the sharp key, enter your student identification number, press the sharp key again, enter a secret six-digit passcode, and press the sharp key a third time. Your information will be repeated back for your confirmation. Confirm by pressing 1, or revise by pressing 2. After creating your main mailbox, you can add up to four sub-mailboxes at any time so callers can leave messages for particular individuals. Mailbox owners can create sub-mailboxes now by pressing zero. To repeat these instructions, press 9.
Now mark your answer on your answer sheet.(『英検1級 予想問題ドリル』より)
答え:2
合格ラインの目安は、5問中4問正解です。「状況」の主語が You で、「質問」は「あなたはこれから何をするべきか」というものがほとんどです。放送前の10秒で、「状況」「質問」「選択肢」をしっかり読み取り、放送中は不要な情報をふるい落としながら、必要な情報を抽出するようにしましょう。自分がその「状況」に置かれている、と想像しながら聞くと集中できます。
リスニング Part 4︓インタビューの内容一致選択
3分500~600語程度のインタビューが放送され、そのあと、質問が2問読み上げられます。答えは印刷されている選択肢から選びます。英文と質問は1度しか放送されません。
例題:
Listen to the interview and choose the best answer from among the four choices.(問題冊子に記載される選択肢)
1 He read about Central Asia in National Geographic when he was a boy.
2 He had read some interesting books on Mongolia before planning the trip.
3 He had heard that Central Asian people were friendly and generous.
4 He wanted to film a documentary of the trip for several television networks.(放送文)
I (Interviewer): Today we have with us a very distinguished travel writer and lecturer, Mr. Kenneth Stevenson. Welcome to the program.
K (Kenneth Stevenson): I’m glad to have the chance to talk with you and your audience.
I: To start with, could you give us a little background information about your career as a world traveler and writer?
K: Well, um . . . since I was very small, I’ve wanted to see new places and experience different cultures. I think I first became attracted to travel from looking at copies of National Geographic my parents had subscribed to for years.
I: And the writing?
K: Well, it just came naturally, and it was a perfect way to support my travels. I always liked to read travel magazines and travel books, even before I had ever left my home country.
I: Could you give us some idea of one of those early books you read that . . . uh . . . really impressed you?
K: Sure, um . . . one book I always remember is a book titled The Royal Road to Romance, written by Richard Haliburton. It’s a classic of travel writing.
I: You’ve just finished a book about hiking through Central Asia. Could you comment on that trip and on writing the book?
K: Yes, well, one of my hobbies is reading historical novels and straight history. I’d read some fascinating books on Mongolia several months before the trip and that persuaded me to go. It was a wonderful experience and the Mongolian people were so friendly and . . . and generous. It’s a vast country with an ancient, proud culture.
I: Well, it certainly looks to be a wonderful, wonderful book. My best wishes for its success.(以下略)Question: Why did Mr. Stevenson decide to travel through Central Asia for his latest book?
(『英検1級 予想問題ドリル』より抜粋)
答え:2
合格ラインの⽬安は、2問中2問正解です。インタビュー冒頭で⾏われるゲストの紹介は、内容の予測に役⽴つので注意して聞きましょう。質問がわかるのはインタビューのあとなので、インタビューの放送中は、できるだけ細かくメモをとることが⼤事です。
英検1級のリスニングについて、さらに詳しく知りたい⽅は、「英検1級リスニングの問題と解答のコツ」をご覧ください。
二次試験(面接)
⼆次試験の会場は、⼀次試験の会場とは異なりますので、⼆次試験受験票をよく確認しておきましょう。会場では、受付を済ませたら、控え室で待機します。⻑く待たされる場合もありますので、なるべくリラックスして過ごすようにしましょう。順番が近づくと、⾯接室の近くの席に案内されます。試験後は控え室に戻ることはできませんので、荷物はすべて持って移動しましょう。係員に⼊室するよう指⽰されたら、⾯接室のドアをノックして⼊室します。
問題形式 | 詳細 |
⾃由会話 | ⾯接委員と簡単な⽇常会話を⾏う。 |
スピーチ | 与えられた5つのトピックの中から1つ選び、スピーチを⾏う。 (2分間) |
Q&A | スピーチの内容やトピックに関連した質問に答える。 |
英検準1級までの⾯接試験にはアティチュード(態度)という採点項⽬があり、積極的にコミュニケーションしようとする姿が評価の対象になっています。英検1級ではアティチュードは評価ポイントとされていませんが、評価に影響がないとは⾔い切れません。⾯接委員の指⽰に適切に従い、聞き取りやすい明瞭な声で、積極的に答える姿勢を⼼がけましょう。
自由会話
2名の⾯接委員と、簡単な⽇常会話をします。⽒名確認の延⻑上で、「今⽇はここまで何で来ましたか︖」「お仕事は︖」など、カジュアルなやりとりが⾏われます。⾃由会話はウォームアップで、採点には含まれません。ですから考え過ぎず、気楽に応答し、⾆と⼼をほぐすようにしましょう。
スピーチ
トピック5つが書かれたトピックカードを渡されます。考慮時間1分間の間に、1つのトピックを選び、スピーチを構想します(メモを取ることはできません)。それから2分間でスピーチを⾏います。
例題:
(トピックカード)
1. Should the Internet be censored?
2. Is adopting orphans from other countries a good thing?
3. How can Japan best provide assistance to less developed countries?
4. Agree or disagree: It is too late to prevent climate change
5. Can Japan’s rural communities be revitalized?
トピック5つを素早く⾒⽐べ、⾃分にとってスピーチしやすいものを選びましょう。その分野についての知識があり、根拠や理由を挙げやすいトピックが最適です。それから⾃分の⽴場を定め、①⾃分の主張、②その根拠や理由を2つか3つ、考えます。スピーチの内容のほか、語彙、⽂法、発⾳も評価ポイントです。正確な⽂法、話題に適した語彙、明瞭な発⾳を⼼がけましょう。
Q&A
2名の⾯接委員は、1名がネイティブスピーカー、1名が⽇本⼈です。それぞれの⾯接委員から、スピーチの内容やトピックに関連した質問がなされるので応答します。
例題:
(トピック “Should the Internet be censored?” に対して)
Has the Internet affected people in negative ways?
「質問に応答し、会話が続けられる」スキルは、英検1級の面接で重要なポイントです。Yes / No だけをぽつんと答えるのではなく、そう考える根拠や理由を続けて、自分の主張を説明する英語力があることをアピールしましょう。あくまでも試験なので、Yeah や I got you. など、くだけすぎた表現は避け、Yes や I understand. など、場にふさわしい言葉づかいをすることが大事です。
英検1級の二次試験・面接について、さらに詳しく知りたい方は、「英検1級⾯接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ」をご覧ください。
まとめ
英検1級の全貌が把握できたでしょうか︖ 英検は問題形式が決まっていますので、ひとつひとつの形式をよく把握しておけば、それぞれの正解率を上げることができます。合格ラインは 7割程度。地道な対策が合格のカギです。合格を⽬指してがんばってください︕
個⼈受験でも準会場(団体試験の会場)で受験できる場合があります。その場合は、上記の個⼈受験(本会場)の⽇程とは異なり複数の⽇程があります。詳しくは、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。また、団体受験の受験⽇も、個⼈受験の⽇程と異なり複数ありますので、ご⾃⾝の所属する団体に問い合わせましょう。