この記事では、英検1級の二次試験(面接)について詳しく解説しています。はじめに、どのような問題が出され、どのような流れで進行するのかについて、コンパクトにまとめてあります。次に面接の流れに沿って、トピックの選び方やスピーチ量の目安、応答のポイントなど、解答に役立つ情報を細かく挙げています。それから過去問・参考書を使った対策や実力を練成する学習方法を詳述し、最後に、いざというときに使えるフレーズなど面接のノウハウについて述べています。ぜひ参考にしてください。

(本記事は、2018年1月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。)

サンプル問題と二次試験の流れ

面接では、5つのトピックが印刷された「トピックカード」が渡され、そのうち1つのトピックを選んでスピーチをするよう求められます。それからそのスピーチの内容にかかわる質問がいくつか行われます。ここでは、トピックカードと、スピーチ・Q&Aの具体例を挙げて、面接室への入室から退室までの、二次試験全体の流れを説明します。

サンプル問題

トピックカード

1. Should the Internet be censored?
2. Is adopting orphans from other countries a good thing?
3. Does the media invade the lives of public figures too much?
4. Does history show that people are becoming more civilized?
5. Should Japan allow more immigrants into the country?

課題

スピーチの準備とスピーチ
You have one minute to choose a topic and prepare your speech.
〈1 minute〉
You have two minutes. Please begin.

Topic 1. “Should the Internet be censored?” のスピーチ例:

 Yes, I believe that the Internet should be censored.
 One reason this should be done is to protect children and other vulnerable individuals from viewing material that’s harmful to them. The Internet is full of violent and pornographic sites. These sites are easily accessible and display content that could negatively affect an individual’s emotional health. Images of violence and indecent sexual acts can lead to harmful and destructive behavior.
 The other reason the Internet should be censored is to prevent the expression of racist language and extremist views that are currently allowed. Many blogs and other postings are so full of offensive words and opinions that readers may be unduly influenced. These inflammatory comments create an atmosphere of racial tension and intolerance that lead people to mistrust and fear one another. Their presence on the Internet causes nothing but hatred in a world in desperate need of harmony.
 I believe the Internet is useful and it should be a forum for a large number of views and ideas. However, the Internet has too much impact on people and society as a whole to allow people complete access to any kind of content. We need to make sure that content is appropriate to users of all ages.

Q&Aの例
Has the Internet affected people in negative ways?

解答例:

Yes, I believe it has. I believe people spend too much time in front of their computers, and much of it is spent simply surfing the Internet for entertainment. People are not getting enough exercise and they have less face-to-face time with friends and family members. Many young people have fewer social skills because of this.

『英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』より)

面接の流れ

1. 入室

受付を済ませたら控え室で待機します。「面接カード」を渡されるので、氏名・個人番号などを記入しましょう。係員に面接室前へ案内される際は、荷物をすべて持って移動します。自分の番がきたら係員の指示に従い、Hello. などと挨拶して入室しましょう。

2.「面接カード」を渡す

面接委員は2人で、やりとりはすべて英語で行われます。「面接カード」を渡すよう指示されるので、Here you are. などと言って差し出しましょう。

3. 着席

面接委員の指示に従って着席します。荷物は自分の席の脇に置きましょう。

4. 氏名の確認と簡単な日常会話

面接委員に名前を尋ねられます。受験級の確認をされることもあります。それから簡単な日常会話が行われます。

5.「トピックカード」を受け取る

5つのトピックが印刷された「トピックカード」を、面接委員から渡されます。

6. スピーチの考慮時間(1分間)

5つのトピックから1つを選び、それについてのスピーチを考えます。考慮時間は1分間です。

7. スピーチ(2分間)

面接委員の指示に従い、スピーチを始めます。制限時間は2分間です。

8. Q&A(4分間)

受験者が行ったスピーチの内容にかかわる質問をいくつかされます。

9.「トピックカード」を面接委員に返す

面接委員から、「トピックカード」を返すよう言われます。

10. 退室

挨拶をして退室します。退室後は他の受験者と話したり、控え室に戻ったりすることはできません。

面接のポイント

以下では、前項の「面接の流れ」で挙げた項目それぞれについて、知っておくとよいポイントや解答のコツなどを、詳細に述べています。サンプル問題を参照しながら読むと理解が深まるでしょう。

1. 入室

受付を済ませたら控え室で待機します。「面接カード」を渡されるので、氏名・個人番号などを記入しましょう。順番が近づいたら係員の案内で、荷物をすべて持って面接室前へ移動します。係員に入室するよう指示されたら、ドアをノックしましょう。受付からここまでは日本語で案内されます。ノックしたあとはドアを開け、Hello. などと挨拶して入室しましょう。

3級から準1級まで評価の対象であるアティチュード(態度・姿勢)は、1級では評価項目に入っていません。しかし影響がないとは限りませんので、面接委員らとアイコンタクトをしっかり取り、聞き取りやすい、大きな声で話すようにしましょう。

2.「面接カード」を渡す

控え室で記入した「面接カード」を、面接委員に渡します。Can I have your card, please? などと言われるので、Here you are. などと言って差し出しましょう。

3. 着席

Please have a seat. などと着席を促されるので、Thank you. と答えて座りましょう。手荷物は、隣に空いた椅子があればその上に、なければ自分の足元に置きましょう。

4. 氏名の確認と簡単な日常会話

面接委員らが自分の名前を名乗り、May I have your name, please? などと聞いてくるので、My name is . と答えましょう。受験級を確認されることもあります。それから簡単な日常会話が行われます。「今日はここまで何で来ましたか?」「お仕事は?」など、カジュアルなやりとりです。この会話はウォームアップで、採点には含まれません。ですから考え過ぎず気楽に応答し、舌と心をほぐすようにしましょう。

5.「トピックカード」を受け取る

面接委員が Let’s start the test. などと言ったら、ウォームアップは終了です。5つのトピックが印刷された「トピックカード」を、This is your card. と渡されるので、Thank you. と答えて受け取りましょう。

6. スピーチの考慮時間(1分間)

最初の課題は、「トピックカード」に書かれた5つのトピックから1つを選び、その話題についてスピーチをすることです。スピーチの準備に1分間与えられます。メモを取ることはできません。トピックは Is adopting orphans from other countries a good thing? など、国内外の社会問題で、一般的に賛否が分かれ、どちらの意見が正しいとも言えないものが多くなっています。スピーチ自体の制限時間は2分間です。

まずすべきなのは、自分に最も合ったトピックを選ぶことです。自分の意見がはっきりしている話題や、その背景・現状についての知識があって意見を支える根拠を挙げやすいものを選びましょう。英検1級の面接はスピーチをして終わりではなく、そのスピーチの内容を踏まえた質問が5問ほどなされます。自分の考えとは異なることを意見として述べたり、よく知らない話題を選んだりすると、スピーチや質問の答えの内容が首尾一貫しないものになってしまう可能性があるので、馴染みのある、論理をシンプルに展開できるトピックを選びましょう。

1分間の準備時間では、スピーチ内容を逐一考える余裕はありません。ですからトピックを選んだら、それに対して Yes か No か(または賛成か反対か)、自分の立場を決めましょう。それからそう思う理由を2~3つほど考え、それぞれについて3~4センテンス程度で説明できるよう、要点を思い浮かべます。

7. スピーチ(2分間)

準備時間の1分が経過すると、タイムキーパー役の面接委員から One minute has passed. と声がかかります。するともう一人の面接委員が Which topic did you choose? と聞いてくるので、Topic one, “Should the Internet be censored?” などと答えましょう。You have two minutes. Please begin. などと言われたらスピーチを始めます。制限時間の2分間が過ぎると、スピーチが終わっていなくても打ち切られてしまうので気をつけましょう。

最初に Yes. / No. または I agree. / I disagree. などと、自分の立場をはっきり表明するのが大事です。それから、そう考える理由を挙げていきます。First, .、Second, . や The second reason is .、The final reason is . などの理由を挙げる表現を使うとよいでしょう。ひたすら自分の意見を列挙するだけでなく、別の見方にも触れた上で However, . や Having said that, . などとその見方に反論し、自分の立場を改めて主張すると、説得力が増します。例示には、for example を繰り返すのでなく、for instance や such as、in particular などを使い分けると、表現の多彩さがアピールできます。最後は For these reasons, .、Therefore, .、In conclusion, . などの結論を言う表現で締めくくりましょう。

英検1級の面接では、「発音が正確で、アクセントやイントネーションが適切か」も評価対象です。緊張すると発音の長年の癖が出たり、早口になって不明瞭に聞こえたりしがちなので、口周りの筋肉を意識して使うようにしましょう。wanna や gonna、Yeah などの口語を使うのも望ましくありません。面接という場にふさわしい、きちんとした話し方を心がけましょう。

8. Q&A(4分間)

面接委員から、Have you finished? とスピーチが完了したことを確認されます。そのあと、You said that . But . などと、受験者のスピーチに基づく質問がいくつか行われます。質問の意図をしっかり把握した上で、3~4文程度で返答できるとよいでしょう。

予想外の質問や、自分の意見の論拠が弱い箇所をつく問いがなされると、慌ててしまうかもしれません。しかし英検の面接はあくまでも語学の試験であって、ディベートの勝ち負けを競う訳ではないので、落ち着いて自分の意見をまとめましょう。That’s a very good point. や You are right. などと相手の意見を認めても大丈夫です。その上で But や However を使い、自分の意見の根拠を説きましょう。The point (I’d like to make) is . を使うと、自分の意見が強調できます。Personally, I am for / against . と、「自分個人は…に賛成/反対だ」と述べ、それを支える体験談などを語る方法もあります。

9. 「トピックカード」を面接委員に返す

Your time is up. などと言われたら試験終了です。Could I have the card back, please? などと言われるので、「トピックカード」を返却しましょう。

10. 退室

面接委員に You may go now. と言われたら、Thank you. Goodbye. などと挨拶して退室します。Have a nice day. と挨拶された場合は、You too. と返すなど、退室の瞬間までコミュニケーションを取るようにしましょう。

退室の際は、忘れ物をしないよう注意すること。退室後は、他の受験者と話をしたり、控え室に戻ったりすることはできません。

面接の対策と練習方法

過去問

英検1級の二次試験については、英検ウェブサイトからサンプル問題をダウンロードできます。ただし解説はないので、演習をするには不向きです。ですから英検の過去問を使って二次試験の演習をしたいという方には、詳細な解説や答え方のアドバイスが掲載された、旺文社の過去問シリーズをおすすめします。6回分の過去問を収録した『2018年度版 英検1級 過去6回全問題集』(CD別売)をご利用ください。独自に作成したモデルスピーチが各回5本、合計30本収録されています。またWeb特典の動画「面接模範例」など、実際の二次試験を模擬体験できる工夫も盛り込まれています。

参考書

英検1級の面接対策にいちばんおすすめの参考書は、『英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』(CD+DVD付)です。評価のポイントやスピーチを組み立てるコツといった情報に加え、豊富なQ&Aなど、受験者が不安に感じる点に対してきめ細やかに対応した内容となっています。また、モデルスピーチや解答例のそれぞれについて、解答の要点や別の視点が示されているほか、そのトピックに関連した覚えておくべき語彙も挙げられています。例題は11セット収録されており、数をこなしてトレーニングすることもできます。

『英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』
本書の特長はなんといっても付属のDVDです。面接試験中のようすはもちろん、会場到着から試験開始までの待ち時間や、試験終了後の動きまで、すべてを映像で確認することができるのです。また「面接のシミュレーションをしよう」を再生すれば、実際に面接委員と対面して面接を受けてみることができるようになっています。この本で勉強すれば、自信を持って面接に臨めます!

『英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』を使った効果的な学習方法は、以下のとおりです。まず「面接シミュレーション」のページを読んで、二次試験の流れを把握します。それから、収録された例題を、実際の二次試験を受ける気持ちで解答してみます。自分の解答はスマホなどで録音し、あとで解答例と比較して、問題点を洗い出しましょう。発音やイントネーション・アクセントが正確か、同じ単語・表現を繰り返し使っていないかなども、客観的に分析・点検することが大事です。そして仕上げにDVDコンテンツの「面接のシミュレーションをしよう」で、本番同様の模擬試験を体験してみます。このようにすれば本番でもリラックスして、実力を発揮できることでしょう。

練習方法

英検1級の二次試験対策は、実際に声を出しアイコンタクトを取る演習を、何度もこなすことが大事です。「イメージトレーニングでいいや」と頭の中の練習だけにとどめていると、いざ本番というときに口がうまく動かなかったり、知らず知らず小声や伏し目になってしまったりする恐れがあります。できれば先生や友人に面接委員役を務めてもらいましょう。相手がいない場合はぬいぐるみを代わりに置くという手もあります。発声やアイコンタクトは体で覚えることによって、緊張した状態でも自然にできるようになるものです。練習の回数を重ねて身につけてしまいましょう。

スピーチの演習の際は、タイマーを、実際のスピーチ時間である120秒より少し短く、100秒にセットして練習するのがおすすめです。短めの時間に慣れておくことで、本番のときに言いよどんでしまっても「大丈夫、言いなおす時間はある」と、心理的な余裕を持てるからです。

演習を何回かやっているうちに、「この速度なら、全部話しきれる」と要領がつかめてきます。スピーチが苦手でしどろもどろになってしまうという人は、150~180語程度のスピーチ原稿をまず作り、それをだいたい覚えて話してみるといいでしょう。慣れてきたら、書くのはキーセンテンスだけにして、それを見ながらスピーチをしてみます。このように段階を踏んで慣れていけば最終的には、要点を頭の中に列挙して、それを思い出しながらスピーチできるようになるでしょう。

面接ノウハウ

アティチュード(態度・姿勢)について

英検準1級までの面接試験にはアティチュード(態度・姿勢)という採点項目があり、積極的にコミュニケーションしようとする姿勢が評価の対象になっています。英検1級ではアティチュードは評価ポイントとされていませんが、評価に影響がないとは言い切れません。面接委員の指示に適切に従い、聞き取りやすい明瞭な声で、積極的に答える姿勢を心がけましょう。

シチュエーション別・覚えておきたい英語表現

面接委員に聞き返すときの言い方は?

● I beg your pardon?(もう一度言っていただけますか?)
面接委員の言ったことが聞き取れなかった場合は、聞き返しても大丈夫です。I beg your pardon? や I am sorry, but could you repeat the question again? といった表現を使って、もう一度言ってもらいましょう。Could you say that again? や Pardon?、Excuse me? などの表現も使えます。ただし、不自然なほど何度も聞き返すと、「リスニング力が低い」と判断されて評価に響きます。最悪の場合、次の質問へ進められてしまうので、ほどほどにしましょう。

考える時間がほしいときは?

● Well, (ええと…)
ちょっと考えてから答えたいときは、Well, と言って考え中であることを伝えましょう。Let’s see. や Let me see. なども使えます。Hmm. と言ったり、質問文をゆっくり繰り返したりするという方法もあります。無言で考え込むことだけは避けましょう。「聞き取れないようだ」「発話できないらしい」などと誤解されてしまいます。

● That’s a difficult question.(それは難しい質問ですね)
かと言って、Well ばかり繰り返しているのもよくありません。そういう場合は、That’s a difficult question. が使えます。Let me think about it. と続けてもよいでしょう。

質問の内容がわからないときは?

● Do you mean ?(つまり…ですね?)
英検の二次試験では、面接委員の質問を問い返したところで、繰り返してはくれても別の言葉に言い換えてはくれません。ですから、面接委員の発言をしっかり聞き取り、類推してでもその意図をつかむことが重要です。とはいえ1級の二次試験の場合は、受験者のスピーチを基に Q&Aが行われるので、多少は相手の意図を確認する余地があるかもしれません。例えば、“Should the Internet be censored?” というトピックのQ&Aで、面接委員が What should parents teach their children about computers? と聞いてきた場合には、Do you mean about using the Internet? と問い返して、論点が「子どもとコンピューター」なのか「子どもとインターネット」なのかをはっきりさせる、という手もあるでしょう。また、Could you paraphrase the question? と言えば、質問そのものの言い換えをしてもらえるかもしれません。

賛成でも反対でもないときは?

● I am neither for nor against .(私は…に賛成でも反対でもありません)
質問に対しては、賛成か反対かをはっきりさせた方が明快な解答ができるものですが、とは言っても「どちらでもない」ということもあるでしょう。その場合は、無理に白黒つけようとして間を空けてしまうより、I am neither for nor against . と率直に言う方がおすすめです。It depends. も使えます。自分の気持ちとは違う意見を無理に述べて一貫性を欠く主張になってしまうより、「どちらでもない」理由を述べて発話量やコミュニケーション力をアピールする方がよいでしょう。

言いなおしたいときは?

● Let me put it this way.(こんなふうに言いなおさせてください)
話し始めたのに「いや、やっぱりそうは思わない」と感じたり、意見をまとめきれず慌てたりすることもあるでしょう。そういうとき使えるのが Let me put it this way. です。Let me back up a little.(少し前に戻って話させてください)とも言えます。会話を仕切りなおし、改めて話し始めることができます。

まとめ

英検1級の二次試験の内容や勉強法、解答のコツが把握できたでしょうか? 問題の形式は一定なので、出題形式に慣れることによってスコアを上げることができます。「学問に王道なし」と言うとおり、地道な努力が合格へのカギです。日頃から耳と口を英語に慣らすよう心がけ、合格を目指してがんばってください!