この記事では、英検1級一次試験のリスニングテストについて詳しく解説しています。はじめに、問題の形式と構成、内容の傾向など、試験の概要を述べています。次に、試験の流れや解答のコツ、解答の際の集中すべきポイントなど、試験直前に再確認すると役立つ情報がまとめてあります。最後に、実力を養う学習方法や、アプリ・参考書を使った対策を詳述しています。ぜひ参考にしてください。

(本記事は、2018年5月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。)

試験内容

以下では、英検1級のリスニングの概要と問題例を挙げています。問題の形式や頻出テーマ、質問のパターンについても述べています。

概要

英検1級は大学上級程度のレベルとされ、リスニングでは、社会性の高い幅広い内容を理解することができるかが試されます。リスニングは一次試験で、筆記(リーディングとライティング)に続いて行われます。試験時間は約35分です。英文が読み上げられるスピードは、会話やアナウンスは1分あたり150~160語程度、パッセージは1分あたり130語程度です。

リスニング問題は Part 1、Part 2、Part 3、Part 4から構成されています。Part 1では会話、Part 2では文章、Part 3ではReal-Life形式の音声(実生活で体験するアナウンスなど)、Part 4ではインタビューが放送されます。設問数は Part 1と Part 2が各10問、Part 3が5問、Part 4が2問の計27問です。解答時間は、各設問につき、その問題の放送が終わったあとの10秒間です。解答時間とは別に Part 3には、放送の開始前に10秒間、問題冊子にある「状況」「質問」を読む時間が与えられています。どの問題も1回しか放送されません。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 放送回数
Part 1 会話の内容一致選択 会話の内容に関する質問に答える。 10 1回
Part 2 文の内容一致選択 パッセージの内容に関する質問に答える。 10 1回
Part 3 Real-Life形式の内容一致選択 Real-Life形式の放送内容に関する質問に答える。 5 1回
Part 4 インタビューの内容一致選択 インタビューの内容に関する質問に答える。 2 1回

英検1級の一次試験では、リスニング、リーディング、ライティングの各技能に CSE スコアが850点ずつ割り当てられています。3技能のスコアの合計が2028点以上で一次試験合格となります。

(CSE スコアについては、「英検1級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策:合格点・合格率」をご参照ください。)

リスニング Part 1

放送文は、会話とその内容についての質問です。質問に対する答えを、問題冊子に記載されている4つの選択肢から選びます。話者は男女2名であることがほとんどですが、毎回1問程度、3名による会話もあります。毎回2問程度、分量が他の問題の2倍ほど多い会話が出題されます。

話者の間柄は友人・家族などであることが多く、半数以上を占めています。次いで多いのが同僚などとの職場での会話で、3割強あります。顧客との会話や学校での会話も見られます。内容は、大人同士が仕事や家計、税金、住宅、景気を語り合うなど、日常会話であっても難度の高いものです。口語表現も多用されます。質問は、登場人物が話した内容について尋ねるものや、登場人物についてわかったことを問うものなどがあります。

問題例

例題:
Listen to the dialogue and choose the best answer from among the four choices.

(問題冊子に記載される選択肢)
1 Ted will make a purchase.
2 Ted will withdraw money from an ATM.
3 Janice will pay Ted’s debt for him.
4 Janice will pay back Ted some money.

(放送文)
A: Say, Janice, I’ve been looking for you. Remember that 50 dollars I lent you the other day? I need it back to pay a few bills, like garbage and a few utilities.
B: That’s right, Ted. But remember, I already paid you back 20 last week.
A: Oh, you’re right. So you just owe me 30, then.
B: If you have a few minutes now, we can stop at the automatic teller down the street and I’ll get it for you.
A: That would be great, Janice. I hate to bother you about it now but I’m completely broke myself this week.

Question: What will most likely happen next?

『英検1級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:4

リスニング Part 2

放送文は、200語前後のパッセージと、その内容についての2つの質問です。質問に対する答えを、問題冊子に記載されている4つの選択肢から選びます。

パッセージは多くが論説文で、テーマは医療・心理、時事・社会、動物・自然、海外・文化など、多岐にわたります。質問は2問あり、パッセージの前半と後半から1問ずつ出題される傾向があります。質問の多くは、具体的な事実や、事実間の因果関係を問うものです。

問題例

例題:
Listen to the passage and choose the best answer from among the four choices.

(問題冊子に記載される選択肢)
1 As an interior designer of sounds.
2 As a lover and creator of music.
3 As a business person who understands other business persons.
4 As an inventor of business identities.

(放送文)

The Power of Sound

Sounds, including music, can alter emotions and behavior. Julian Treasure, a former drummer for punk bands in the 1970s and 80s, knows the power of sound well. Today, Treasure is the head of Sound Agency, a consultancy that helps businesses profit from tailoring sounds to please customers. Treasure sees himself as an audio interior designer, who removes unpleasant sounds and music and replaces them with more appealing sounds. Sometimes, the sounds are used to boost a business’ identity or capture the essence of a particular brand.(以下略)

Question: How does consultant Julian Treasure basically perceive himself?

『英検1級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:1

リスニング Part 3

放送文は、生活場面で体験する案内放送や専門家のアドバイス、電話での音声ガイダンスなど、Real-Life形式の音声です。電話の呼び出し音など、臨場感あふれる効果音が入ることもあります。問題冊子に記載されている状況・質問を読んだ上で放送を聞き、質問に対する答えを、問題冊子の4つの選択肢から選びます。

音声の種類は、さまざまな場面で直接伝えられる連絡・説明であることが大半です。次いで多いのが電話のメッセージです。音声には、まぎらわしい情報が多く含まれており、必要な情報を確実に聞き取るスキルが求められます。質問は「あなた」が主語となっており、多くは「何をするべきか」を問うもので、「何ができるか」などもあります。

問題例

例題:
Read the situation and question. Listen to the passage and choose the best answer from among the four choices.

(問題冊子に記載される内容)
Situation: You hear a flight attendant make an announcement. You are transferring to another flight.
Question: What should you do?

1 Follow the red lines.
2 Follow the blue signs.
3 See a representative.
4 Go through immigration.

(放送文)
You have 10 seconds to read the situation and question.
Attention passengers. If this is your final destination, you must go through immigration, baggage claim, and customs. U.S. citizens and Green Card holders should follow the green lines. All other immigrants should follow the red lines, unless instructed otherwise by an official. Please follow the blue signs to your next flight if you are a transit passenger. If any person has a fever or does not feel well, you must report to the quarantine counter for an interview. Also, persons who recently visited countries and regions shown on the sign, which are affected by epidemics, must see a representative and complete a questionnaire.
Now mark your answer on your answer sheet.

『英検1級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:2

リスニング Part 4

放送文は、3分程度のインタビュー形式の英文と、その内容についての2つの質問です。質問に対する答えを、問題冊子に記載されている4つの選択肢から選びます。

ゲストを招いて、その職業・専門についてインタビューするという体裁の英文です。ラジオ番組のトークショーなどをイメージするとよいでしょう。その職業・専門を選んだ理由、その仕事の良い点と悪い点、心がけていることなどをインタビュアーが尋ね、ゲストが答えます。ゲストの専門分野は多岐にわたります。質問は、そのゲストについてわかることや、その人が体験したことなど、全体を問うこともあれば詳細を尋ねることもあります。

Part 4の放送は、uh、um などの言い淀みを多く含んでおり、話す速度も速くなったり遅くなったりするなど、ナチュラルな発話にとても近いものになっています。ゲストによってはかなり聞き取りにくいこともあるので、注意が必要です。

問題例

例題:
Listen to the interview and choose the best answer from among the four choices.

(問題冊子に記載される選択肢)
1 He read about Central Asia in National Geographic when he was a boy.
2 He had read some interesting books on Mongolia before planning the trip.
3 He had heard that Central Asian people were friendly and generous.
4 He wanted to film a documentary of the trip for several television networks.

(放送文)
I (Interviewer): Today we have with us a very distinguished travel writer and lecturer, Mr. Kenneth Stevenson. Welcome to the program.
K (Kenneth Stevenson): I’m glad to have the chance to talk with you and your audience.
I: To start with, could you give us a little background information about your career as a world traveler and writer?
K: Well, umsince I was very small, I’ve wanted to see new places and experience different cultures. I think I first became attracted to travel from looking at copies of National Geographic my parents had subscribed to for years.
I: And the writing?
K: Well, it just came naturally, and it was a perfect way to support my travels. I always liked to read travel magazines and travel books, even before I had ever left my home country.
I: Could you give us some idea of one of those early books you read thatuhreally impressed you?
K: Sure, umone book I always remember is a book titled The Royal Road to Romance, written by Richard Haliburton. It’s a classic of travel writing.
I: You’ve just finished a book about hiking through Central Asia. Could you comment on that trip and on writing the book?
K: Yes, well, one of my hobbies is reading historical novels and straight history. I’d read some fascinating books on Mongolia several months before the trip and that persuaded me to go. It was a wonderful experience and the Mongolian people were so friendly andand generous. It’s a vast country with an ancient, proud culture.
I: Well, it certainly looks to be a wonderful, wonderful book. My best wishes for its success.(以下略)

Question: Why did Mr. Stevenson decide to travel through Central Asia for his latest book?

『英検1級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より)

答え:2

試験の流れと解答のコツ

以下では、英検1級のリスニングがどのような流れで実施されるかを述べ、その流れに沿って解答のコツ、解答の際の集中すべきポイントなどを説明しています。試験前にもう一度チェックするとよいでしょう。

筆記試験が始まる前に音量テストが行われます。音声が聞き取りにくいと感じたら、すぐに試験監督者に申し出ましょう。音量テスト終了以降は、調整を頼んでも受け付けてもらえませんから気をつけましょう。

Directions

リスニングは Part 1、Part 2、Part 3、Part 4から構成され、各部の問題が始まる前に、Directions(指示文)が放送されます。まず、「ただいまから、1級リスニングテストを行います。…」と日本語での前置きがあった後、英語で The listening test for the Grade 1 examination is about to begin. と続き、Part 1の解答のしかたなどが指示されます。Part 2、Part 3、Part 4は、(Finally) here are the directions for Part . と始まるのが通常です。

Part 4は、インタビュー番組という体裁の問題であり、Directionsの最後でゲストのプロフィールが述べられます。重要な情報なので注意して聞き取りましょう。

問題冊子の選択肢を先読みする

Directionsは、毎試験ほとんど変わりません。ですからDirectionsの放送中に、問題冊子に印刷された選択肢をざっと見て、出題内容を推測しておくとよいでしょう。

Part 1の場合、質問のパターンがある程度決まっています。例えば、選択肢が動詞句であれば多くは、会話が行われた後の話者の行動を推測させたり、話者が提案している内容を問うたりする問題です。選択肢が文であれば、話者の意図や、起きている問題の原因・理由を問う問題などだと予想できます。

Part 2では、選択肢に例えば environment や pollution、toxic という単語があったら「環境問題かな」とトピックを予想できます。前述のリスニング Part 2の「問題例」の例題の場合は、4つの選択肢すべてが「As a / an+職業名」で始まっているので、登場人物の仕事について問われると推測できます。

Part 3は、問題ごとに10秒間、問題冊子を読む時間があります。しかし読まなければならない分量が多いので、Directions の放送中にできるだけ先読みしておくと、余裕を持って各問題に答えられます。「状況」と「質問」の冒頭を見て、「どんな感じの状況で、何を問われるのか」をチェックしましょう。

Part 4では、例えば前述のリスニング Part 4の「問題例」の場合は、4つの選択肢のすべてが He で始まり、trip という単語が重複して見られ、Mongolia など地名も多いことから、「ゲストは男性の旅行家かな」と予測できます。このように先読みをしつつも、Directionsの最後に言及される、ゲストの名前や専門分野、業績などを聞き逃さないように注意しましょう。

大事なのは、選択肢に目を通しながらメモすることです。ポイントになりそうな語に丸をつける、推測できたことのキーワードを記すなど、問題冊子に書き込むようにしましょう。リスニングの問題は立て続けに放送されるので、書き留めておかないと、せっかく推測したことも忘れたり、他の問題と混同したりしてしまう恐れがあります。

問題

Part 1では、「No. 1」「No. 2」などと問題番号がまず読まれます。それから会話、続いてQuestionが放送されます。

Part 2では、“(E) The Power of Sound” などと、パッセージの順番を表すアルファベットと、パッセージのタイトルが読み上げられます。それからパッセージと、2問のQuestionsが放送されます。

Part 3では、“(H) You have 10 seconds to read the situation and Question No. 23.” などと、パッセージの順番を表すアルファベットと「状況」「質問」を読むようにとの指示が流れます。それから Real-Life形式の音声が流れ、最後に Now mark your answer on your answer sheet. と、解答用紙にマークするよう指示されます。

Part 4では、インタビューが放送され、最後に2問のQuestionsが読み上げられます。

放送文の冒頭で内容を推測する

Part 1は会話の聞き取りです。ここでは話者である2人の関係や会話が行われている場面を、一刻も早く把握することが大事です。そのヒントは最初のせりふに含まれていることが多いので、注意して聞きましょう。ファーストネームで呼びかけていれば、家族や友人や同僚など親しい者同士の会話だと推察できます。Ms. などの敬称を付けていたら、親しくない人や上司、社会的身分のある人などを相手にしている可能性が高いでしょう。口調や雰囲気から、親しい間柄なのか礼儀正しく接するべき関係なのか感じ取ることも大切です。

Part 2では、パッセージのタイトルと最初の1文を集中して聞きましょう。タイトルは文章の主題を短く表しています。また、最初の1文も文章の主題を語るトピックセンテンスである可能性が濃厚です。この2つを聞き取れれば、そのあとのリスニングはぐっと楽になります。

Part 3は、「状況」と「質問」が問題冊子に書かれているので、他のPartほど、冒頭の聞き取りに注力する必要はありません。その先の展開を予想しつつ、必要な情報を待つスタンスで聞きましょう。

Part 4は、冒頭が特に重要です。Today we have with us a very distinguished travel writer and lecturer, Mr. Kenneth Stevenson. など、インタビュアーによるゲストのプロフィール紹介で始まることが多いからです。ゲストの職業や最近の業績などを、しっかり聞き取るようにしましょう。

冒頭を聞き逃してもあきらめない

英検1級のリスニングは、ナチュラルスピードである上、難度の高い語彙も出てきます。冒頭が聞き取れなかったり、未知の単語が聞こえて慌てたりするかもしれませんが、あきらめずに耳を傾けましょう。特にPart 1では、解答の鍵となる内容が最後の会話に含まれていることが多々あります。またPart 2とPart 4は、パッセージの前半部分から1問、後半部分から1問が出題されることが多く、冒頭を聞き落してもそのあとをしっかり聞き取ることができれば、後半部分についての問いには答えられる可能性が高まります。集中力を保って聞くようにしましょう。

言い換え表現に注意する

英検1級レベルになると、放送文中の語句・表現がそのまま選択肢でも使われるということはほとんどなく、別の表現に置き換えられていることが大半です。したがって、耳にした英文の意味を考え、その言い換え表現を見つけることが大事です。

例えば、前述したリスニング Part 4の「問題例」では、
Why did Mr. Stevenson decide to travel through Central Asia for his latest book?
というQuestionに対して、正答は
He had read some interesting books on Mongolia before planning the trip.
です。放送文中、この情報は
I’d read some fascinating books on Mongolia several months before the trip and that persuaded me to go.
という形で述べられており、some fascinating books on Mongolia several months before the trip が 選択肢では some interesting books on Mongolia before planning the trip と言い換えられています。
放送文中にNational Geographicなど、特徴的な語が聞こえたというだけで、その語が含まれる選択肢に飛びつくことは危険です。引っかけである可能性を頭に入れておきましょう。

必要な情報を待ち構えて聞く

Part 3では、質問は問題冊子に書かれています。つまり、聞き取るべきことは放送前にわかっているのです。放送文中には、似て非なる内容や必要のない情報も含まれています。したがって必要な情報を待ち構え、ふるいわけるようにして聞く姿勢が求められます。

例えば、前述のリスニング Part 3の「問題例」では、「別の便に乗り換えるには何をすべきか」がポイントです。4つの選択肢
1 Follow the red lines.
2 Follow the blue signs.
3 See a representative.
4 Go through immigration.
を眺めながら聞きましょう。乗り継ぎについて述べた Please follow the blue signs to your next flight if you are a transit passenger. が聞こえた時点で、“2 Follow the blue signs.” が正答だと判別できます。そして残りの放送文を、念のため聞きましょう。このように、メリハリをつけた聞き取りをすることが大事です。

解答時間

1問ごとに10秒のポーズが置かれます。この10秒間が解答時間です。

次の問題の選択肢を先読みする

マークを終えて時間が余ったら、次の問題の選択肢を先に読んでおきましょう。例えば、選択肢すべてが She から始まっていたら、女性の登場人物について問われることが推測できます。booking、canceling、hotel とあれば、予約またはその解約の話かもしれません。状況を想定しながら聞くとポイントを把握しやすい上、心理的にも余裕を持つこともできます。

次の問題に迷いを引きずらない

迷っても10秒の解答時間内に、答えをどれかに決めてマークしてしまいましょう。記憶をたどって「ああ言ったかも、いやこうだったかな」と迷っていても正解に近づく見込みは低いので、ある程度で見切りをつけて、次の選択肢を先読みする方が効率的です。そして、次の問題の放送が始まったら、過去の問題はすっぱり忘れて、今流れている放送に集中するようにしましょう。

学習方法

学習方法

英検1級のリスニングは、出題形式がほぼ定まっています。ですから過去問や予想問題などで演習を数多くこなすことによって、スコアを上げることができます。放送回数や解答時間を守って緊張感ある演習を重ね、本番同様の状況に慣れておきましょう。

放送される語句はだいたい聞き取れているはずなのに、Questionの答えであるポイントは聞き落としてしまう、という人は、漫然と聞いてしまっている恐れがあります。そういう方には、以下の訓練がおすすめです。まず、英文をメモを取りながら聞いてみます。それからメモと記憶を頼りに、英語でも日本語でも構いませんから、聞いた英文を再現してみましょう。このときに詳細まで立ち入る必要はなく、要旨で十分です。最後にスクリプトや全訳を見て、聞き取りにミスはないか、質問されるような重要な点を書き落としていないか、答え合わせをしましょう。この訓練を重ねると、重要なポイントで集中し、そうでない箇所では緊張を程よく緩めるというメリハリの利いた聞き方ができるようになります。この方法は、必ず書いて実行するようにしましょう。頭の中で内容をまとめるだけでは、弱点やミスを見逃しがちなので、紙に書き出して可視化することがポイントです。

上記の訓練には、『英検1級 文で覚える単熟語 三訂版』がおすすめ! 語彙力強化を目的とした単語集ですが、英検1級の過去問や、レベルや内容が近いオリジナル英文を多数収録しているので、聞き取りトレーニングに有効です。音声は、英文を収録した CD3枚が付属しているほか、見出し語を収録した音声ファイルをウェブサイトから無料でダウンロードできます。

つなぎ言葉に習熟することも大事です。特に Part 2は論説文なので、論理展開を把握しなければいけません。英検1級のリスニングは語彙レベルが高く、内容も高度です。惑わされずに展開を追うためには、つなぎ言葉を聞いた瞬間に次の内容が予測できるくらい、聞き込みを重ね慣れておくことが必要です。因果関係を示す so や therefore、他者の意見を引用するときの according to、逆接・対照の however や on the contrary など、ライティング、スピーキングの練習時にも意識して使い、手、口、耳に馴染ませておきましょう。

リスニング練習には、アプリ「英語の友」がおすすめ! 旺文社の定評ある英検対策書から、多くの英文の音声を無料でダウンロードできます。リピートしたりシャッフルで聞いたり、お気に入りマークをつけて、マークのついた文だけ(または、ついていないものだけ)を再生したりと、いろいろな使い方が可能です。再生速度変更機能で読み上げる速度を目的に合わせて変えたり、聞き落したポイントを3秒戻し機能で効率よく聞いたりもできます。

リスニング力を鍛えるには、音読・シャドーイング・ディクテーションが有効です。アプリを使えば、効率よくトレーニングできます。

音読:音声をお手本にして、スクリプトを読み上げます。ネイティブの発音・イントネーションによく耳を傾け、できる限り真似しましょう。自分で発声できるようになった音は、自然と聞き取れるようになります。
シャドーイング:音読のバリエーションのひとつです。お手本の音声を追いかけるように、聞こえた音に少し遅れて発声するトレーニングです。慣れてきたらスクリプトを見ずに練習しましょう。
ディクテーション:音声を聞き、その英文をスペルアウトするトレーニングです。どの部分が聞こえていないのかが明確になります。聞き取れない部分は、アプリの再生速度変更機能を使って速度を落としてみたり、3秒戻し機能を使って何度も聞いたりしてみましょう。

参考書

実際の英検1級の問題を使って耳を慣らしたいという方には、『2018年度版 英検1級 過去6回全問題集 CD』がおすすめです。過去問6回分のリスニングと面接の音声を、4枚のCDに収めたものです。付属のコンパクトな問題冊子には、問題・解答番号・スクリプトが掲載されています。問題の訳・解説が必要であれば、『2018年度版 英検1級 過去6回全問題集』を併せて利用するとよいでしょう。

数をこなしたいという方には、『英検1級 リスニング問題150』がおすすめです。過去問から精選した問題96問と、オリジナル問題54問(模試2回分)から構成され、3枚のCDが付属しています。また各Partの最初には、それぞれのPartの狙いと対策を記した「攻略法」のページが設けられています。苦手なPartがある人は、その出題意図を理解して克服しましょう。

『2018年度版 英検1級 過去6回全問題集 CD』 
 英検1級合格を目指すなら、まずは過去問から! 
 本CDのリスニング音声は、実際の試験と同じスピード・間合いで吹き込んであります。『2018年度版 英検1級 過去6回全問題集』と併用し、本番同様の演習を重ねて、リスニング対策をしっかりとしておきましょう。
 また、二次試験・面接の音声と、モデルナレーション・質問・解答例も収録しています。Web 上で面接を体験できるシミュレーションも、特典としてつけています。ぜひ一度体験してみてください。リスニングの練習をスピーキング対策と併せて行うことで、確かな英語力が身につくことでしょう。

まとめ

英検1級のリスニングについて把握できたでしょうか? 出題形式は決まっているので、問題演習によってスコアを上げることができます。「リスニング対策って、何をやればいいのかわからない」と、後回しにしてしまいがちですが、聴解力はリスニングテストだけでなく、面接にも必須の重要な能力です。日々の努力を重ねて、合格を勝ち取ってください!