言えそうで言えない身近なモノの英語表現 #6 病気・けが編
今回の「言えそうで言えない身近なモノの英語表現」は、「病気・けが」についてです。
海外旅行先での突然のけがや病気の際、自分のからだの状態を言葉で伝えることができないのは、とても不安なことだと思います。
知っておけばいざというときに役立つ、病気・けがに関する英語表現を紹介します。
(文:Kan Andrew Hashimoto)
1から10のレベルでどのくらい痛い?
子どものころ苦手な質問のひとつにこんなものがありました。
“How much does it hurt on a scale of 1 to 10?” (1から10のレベルでどのくらい痛い?)
これはアメリカで医師が必ずと言っていいほど訊ねる質問のひとつです。
「1から10のレベルで」と言われても困る、そこまで細かく分けられない、といつも思っていました。
あるときクラスメイトが言いました。
「僕は全部10と答えてる、その方が心配してくれるから」
なるほどと思いまねしてみたところ、大騒ぎになってしまいました。
それ以来さらにこの質問が苦手になりました。
文頭の How much does it hurt は What’s your pain level やHow much pain are you feeling と置き換えることも可能です。
What’s your pain level on a scale of 1 to 10?
痛みを表す語には ache, pain, hurt などがあります。
- ache
ache は持続的で、鈍い痛みを表します。- 頭痛 : headache
- 背中の痛み、腰痛 : backache
- 心の痛み : heartache
- お腹が痛いですか? : Do you have a stomachache?
- 腰が痛いです。 : My lower back is aching.(動詞)
- pain
pain は ache よりも強い痛み、または鋭い痛み、外傷のような一時的な痛みを表します。- 痛みはありますか? :Do you have any pain?
- 胸に痛みがあります。 : I have/feel a pain in my chest.
- 胃がひどく痛みます。 : I feel a sharp pain in my stomach.
慢性的な痛みの意味合いを含む stomachache よりも、pain を使った方が「より痛い」印象があります。
sharp(キリキリした)/severe(激しい)/burning(焼けるような)などの語で pain をさらに細かく説明することも多いです。
- hurt
hurtは「痛み、傷」という名詞でもありますが、動詞(痛む)や形容詞(痛い、ケガをしている)としても多く使われる語です。
- 首が痛い。 : My neck hurts.
- 右脚が痛いです。 : My right leg hurts.
- 痛みますか? : Does it hurt?
- どこを痛めましたか? : Where are you hurt?
旅行中に体調が悪くなった時に便利な表現
- 体調が悪い。 : I’m not feeling well.
- 熱があります。 : I have a fever.
- 熱っぽいです。 : I’m feverish.
- 寒気がします。 : I feel chilly.
- 鼻水が出ます。 : I have a runny nose.
- 咳が出ます。 : I have a cough.
- 下痢をしています。 : I have diarrhea. 強勢は語尾。 /dàiəríːə/
生水を飲めない地域に行く際の必須表現です。 - 1週間便秘が続いています。 : I’ve had constipation for a week
- 吐きました。 : I threw up.
嘔吐するはvomitですが、上の言い方も一般的です。 - 生理中です。 : I’m on my period. : (in ではなく on です)
- 生理痛(で気分がすぐれないの)です。 : I have cramps.
- 足を骨折しました。 : I broke my leg.
- 医者を呼んでください。 : Call a doctor.
持病ほか
- 持病があります。 : I have a chronic disease.
chronicは「慢性的な」という意味。
chronic fatigue は慢性疲労、
chronic drinker で飲酒常習者 - ぜんそくです。 : I have asthma.
- 高血圧です。 : I have high blood pressure.
高血圧を略して単にBPという人(医師も含めて)も多いです。
(You have BP? と訊ねられたら「高血圧ですか?」という意味です) - 糖尿病です。 : I’m diabetic.
- 貧血なんです。 : I’m anemic.
- 二日酔いです。 : I have a hangover.
- いま何か薬を飲んでいますか? : Are you on any medication? / Are you using any medications?
- 〜の薬を飲んでいます : I take medicine for ~
- インフルエンザにかかりました。 : I had the flu.
- 新型コロナに感染しました。 : I’m infected by COVID-19.
新型コロナは英語ではCOVID-19と言います。
痛みのレベルを問われることが苦手だったことを最近 California州在住の医師に話しました。
彼は笑って言いました。
「レベルが分からないのは構わない。それならこう言って欲しい」
I don’t know. (レベルは分からない。)
But I’m in pain.(でも痛いんです。)
お役に立てることがあれば嬉しいです。
「言えそうで言えない身近なモノの英語表現」シリーズは今回が最終回です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。