ふだん何気なく使っているものの名前をいざ英語で言おうとするとまったく口に出てこない。 そんなことあるんじゃないでしょうか。 この「言えそうで言えない身近なものの名前・表現」シリーズでは、日常生活や職場などで当たり前に目にするものの名前、それに関連する表現を英語でどう言うか紹介します。
今回は会社・仕事に関連する英語です。
(文:Kan Andrew Hashimoto)

「仕事」を表す英単語

日本語の「仕事」に対して job, work, business, occupation, task など色々な英単語がありますが、例えば以下の文脈で使われるときふさわしい単語はどれでしょう?

  1. 新型コロナの影響を大きく受けている私の仕事の状況を心配して、電話をするたび弟が必ずこう聞いてくれます。
      仕事の調子はどう?: How’s your (     ) going?
  2. レコーディングの時に友人の売れっ子ナレーターが思わず口にした一言
      仕事が多くて死にそう : I have too much (     ) to do, I feel like dying.
  3. そのナレーターが2)の直後に「でもね」と言ってから続けたセリフ。
      自分の仕事は好きです : I like my (     ).

日本語ではすべて仕事ですが、(     ) に入る英単語は、それぞれ1. business, 2. work, 3. jobです。 いずれも報酬が発生するものです。

job は多くの場合職や職業と置き換えることができます。そして報酬を伴います。

  • 就職活動 : job hunting
  • アルバイト : part-time job
  • 転職 : job changing
  • いずれも報酬が発生するものです。

それに対してworkは働くこと、その行為全体を表す語で job よりも広義の意味を持ちます。
jobと重なる部分も多いですが、たとえば報酬を伴わないボランティア活動は job ではなく work です。

  • 子育ては大変な仕事です : Parenting is hard work.
  • 仕事ばかりじゃつまらない人間になってしまうよ(諺) : All work and no play.
  • 人手が多ければ仕事が楽になる(諺) : Many hands make light work.
  • どれも有償か無償かは明言できません。

    冒頭の2.3.で友人は、ナレーションや翻訳、英文校閲までやらなければならない、片付けなければならない作業(=work)が多くて死にそうだ、けれど自分の職業(=job)自体は好きだ、と言っているわけです。

business は商売、事業、事業内容、取引という意味を持つ言葉です。

  • 実業家 : business person
  • 営業時間 : business hours
  • 実務英語/商業英語 : business English
  • これらの表現からもニュアンスの違いを感じ取っていただけると思います。

occupationはやや硬い表現で職業
という意味。
飛行機内で書く入国カードの「職業」は occupation が使われています。

taskはある期間内に終えなければならない作業、任務
という意味です。
アメリカでは犯した犯罪に対しての刑罰として、罰金や懲役とは別に、またはその代わりに、無報酬の労働が課されることがあります。
ある期間、監督者のもと毎週公共の場所を掃除することなどが一般的ですが、これはtaskです。workではありますが、 job, business, occupationではありません。

職場に関する英語表現

  • 総務部 : General Affairs Department
  • 経理部 : Accounting Department
  • 営業部 : Sales Department
  • 広報部 : Public Relations Department
  • 内線 : extension
  • 外線 : outside line
  • 見積り : quote/estimate
  • 相見積り : bids/competitive bidding/ competitive quote(s) 
      bid/biddingは「入札」の意味も。
  • 見積りをください : Give me an estimate/a quote, please.
  • 相見積りを取るべきです : We should get some competitive biddings.
      またはもっとシンプルに、 Let’s get some quotes from different companies. と言うこともできます。
  • 給料明細 : pay slip
  • 給料の手取り額 : take-home pay
  • 勤務時間 : working hours
  • サービス残業 : unpaid overtime work
  • 営業部に異動になりました : I moved to the sales department.
      異動を命じられた、というニュアンスを含めたい場合は、次のように言います。
      I was transferred to the sales department.

育休・産休・有給

  • 彼女は育児休暇中です : She’s on family leave.
      「家庭の事情で休職中」が直訳ですが、育児休暇や産休を間接的に表現した気を遣った言い方です。(病気の家族の看護や親の介護などの理由も含みます)
      maternity leave を「育休」と訳しているものもありますが、正しくは「産休」という意味です。使い分けるべきです。
  • 有給休暇を取りたいです : I’d like to take a paid leave.
  • 有給休暇が残っています : I have leftover paid leave.
  • 有給が5日残っています : I have 5 days of paid leave.
      paid holiday/paid vacation という言い方もあります。

いかがでしょう?業務で使えそうな表現はありましたか?
参考にしていただけたら光栄です。
次回もお楽しみに。

Kan Andrew Hashimoto 米・ウィスコンシン州出身。英・日バイリンガル。英語教育関連の音声、映像、書籍などの制作を手がける(株)ジェイルハウス・ミュージック代表取締役。公益財団法人 日本英語検定協会、文部科学省、法務省、警察庁などの教育用映像(日・英版)の制作などを行う。著作に「雑談力が伸びる英語の話し方」(斎藤孝と共著・アルク)などがある。