言えそうで言えない身近なモノの英語表現 #1 洗濯編
ふだん何気なく使っているものの名前をいざ英語で言おうとするとまったく口に出てこない。そんなことあるんじゃないでしょうか。
この「言えそうで言えない身近なモノの英語表現」シリーズでは、日常生活や職場などで当たり前に目にするものの名前、それに関連する表現を英語でどう言うか紹介します。
今回は洗濯に関連する英単語・表現です。
(文:Kan Andrew Hashimoto)
洗濯機の種類
私は今この原稿を自宅で書いています。ドアの向こうからは洗濯機が回っている音が聞こえます。家事をしながら仕事ができることは在宅勤務のいいところですね。
簡単ですね、washing machine です。
でも私が子どものころ(1970年代のアメリカ)washing machine という語は使ったことはありませんでした。
washer と言っていました。どちらも正しい英語ですが今も私の回りのアメリカ人は washer と言う人の方が多いです。
「ドラム式洗濯機」・・・何と言うでしょう?
front-loader または front-loading washerと言います。
load とは物を機械に入れること。洗濯物を洗濯機に入れることも、皿を食洗機に入れることも、銃弾を銃に装填することも load です。「データをダウンロードする」も「アップロードする」もこの load です。
front-loader は「前から(洗濯物を)入れる洗濯機」という意味です。それに対して上から入れるタイプの洗濯機は top-loader / top-loading washer と言います。
新宿の家電量販店で「drum washing machine」と書かれているのを見たことがあります。隣にいた Texas 出身の友人は「和太鼓を洗う機械か?」と言っていましたが(全然面白くないですがこれ、ジョークです)、そういう英語は存在しません。
- tubとは「たらい、桶」。「洗い桶が2つある洗濯機」ということです。
- 日本語でドライヤーというと髪を乾かす機械ですが、それは英語では hair dryer / blow dryer です。
- 「洗濯をする乾燥機」日本語と完全に同じ表現ですね。
洗濯に使うもの
- 洗濯洗剤 : detergent
laundry detergent と言うとより明確です。laundry soap とも。 - 柔軟剤 : softener 「柔らかくするもの」という意味。シンプルですね。
- 洗濯バサミ : clothespin / pin イギリス人は clothes peg または peg と言います。pin は「洗濯物を留める」という意味の動詞にも。pin the laundry で「洗濯物を洗濯バサミで留める」
洗濯物に関連するフレーズ
- 洗濯物を干す : hang out / air the laundry
air は「(乾かすために外において)干す」という意味の動詞でもあります。 - 洗濯物を取り込む : take in / bring in the laundry
- 洗濯物をたたむ : fold the laundry
- 洗濯物をしまう : put away the laundry
洗濯に関連する言い回し
- まだ生乾きだ! : The washing is still damp!
washing は laundry と置き換えてもOK。
洗濯物としての washing/laundry は数えられない名詞です。
いくつか服があるとしても常に単数形です(要注意です)。 - 生乾きで臭うよ! : It’s mildewy. または It smells like mildew.
mildewy は/míldùːiː/, mildew は/mílduː/と発音します。
mildew は「白カビ」のこと。耳慣れない言葉かもしれませんが、生乾きの臭いを指すときによく使われる単語です。 - シャツに染みがついている : There’s a stain on my shirt.
- 洗濯日和だ! : A perfect day for laundry!
- 雨が降りそう。洗濯物を取り込まなきゃ! : It looks like rain. I have to take in the laundry!
ちなみにアメリカでは洗濯物はまず屋外に干しません。
ヨーロッパも同様です。通りに面したベランダなど他人が見える場所で洗濯物を干すことを禁止している国さえあります。
町の外観を保つためという理由です。
日本語には日光に当てて乾いたタオルなどに対して「お日様の匂いがする」という言い方があります。美しい表現で私は大好きですが、アメリカ人にはその感覚は理解しがたいです。友人たちは「太陽に匂いなんてないでしょ」とか「It’s just an outdoor scent.(ただの屋外の匂いだよ)」と言います。当然「お日様の匂い」という英語もありません。言葉を通じて文化の違いも楽しめたら素敵ですね。
次回もお楽しみに。
米・ウィスコンシン州出身。英・日バイリンガル。英語教育関連の音声、映像、書籍などの制作を手がける(株)ジェイルハウス・ミュージック代表取締役。公益財団法人 日本英語検定協会、文部科学省、法務省、警察庁などの教育用映像(日・英版)の制作などを行う。著作に「雑談力が伸びる英語の話し方」(斎藤孝と共著・アルク)などがある。