TOEIC L&Rテストに向けて一生懸命勉強しているはずなのに、スコアが上がらない。そんな悩みを抱える学習者をサポートし、目標スコアに導くために作られた『TOEIC L&Rテスト 壁越え』シリーズ(旺文社)。刊行以来、多くの学習者の支持を得ている本シリーズに、このたび『TOEIC L&Rテスト 壁越え模試』が加わりました。本書に込められた思い、書籍の特徴、模試の活用法などの気になるポイントを、著者である濱崎潤之輔先生と大里秀介先生、それから問題監修を手掛けられたメディアビーコンさんに伺いました。(文責・「英語の友」編集部)

「壁越え」に込めた思い

600点からさらに上を目指したい人に

――まずは、『壁越え模試』のコンセプトについてお聞かせいただけますか。

濱崎潤之輔先生(以下、濱崎):本書にはTOEIC L&Rテスト(以下TOEIC)で600点以上、いわゆる中級レベル以上の方が、700点~900点を取るために必要不可欠な、「やや難易度が高め」の問題を凝縮して収録しています。問題は難しめではありますが、本番で出題される範疇を超えるような問題は皆無です。一問一問の問題から学びが得られるよう仕上げています。

大里秀介先生(以下、大里):TOEIC600点を突破した方から、なかなか1つ高いレベルのスコア、すなわち700点、800点、900点を越えられない、というお声をよく頂いていたこともあり、そうしたニーズに応えるべく、2020年に各Part別のトレーニング本を手がけました。今回の本は、そのトレーニングで積んだ力を実戦形式で確認する、いわゆる総仕上げの位置づけになります。トレーニングに続けて模試を解いていく過程で、1つ、いや2つくらい上のレベルの壁越えを目指していただければ、と願いを込めて執筆しました。

―― 既に600点取れている人が、さらに上を目指すためのシリーズ、ということですね。先生方はこれまでたくさんの学習者を見てこられたと思います。多くの人を悩ませているTOEICテストの「壁」はどんなものでしょうか。

大里:600点くらいまでは、テストの形式や、基本パターン、語彙、文法など、「覚えて学んでいきやすい領域」を中心に学習すれば到達できます。一方で、600点を超えるためには、少しひねったヒッカケ問題や、ポイントを押さえて聞いたり読んだりできないと正解選択に迷う問題、どの選択肢も不正解に見えてしまうような問題も、確実に解く必要があります。この辺で苦労していると多くの方に伺いました。そういう問題に出会うと、聞く、読むスピードが落ちて、時間内に解けない、という負のスパイラルに陥ります。そうなると、心の中に「このレベルを越えることができない」と思って諦めてしまう障壁ができてしまいます。つまり「壁」というのは、自分の弱点に気がついたときに、その弱点を克服するのは無理かもしれないと感じる、心理的プレッシャーのカタマリのようなものだと考えています。

――濱崎先生はいかがでしょうか?


▲壁越えについて語る濱崎先生

濱崎:そうですね、確かに、リスニングの基礎を学び、語彙や文法という基本事項もしっかりとコツコツ学んでいけば、現在のTOEICの平均スコアである600点前後くらいまでは誰でも到達することが可能です。ですが、勉強を続けて行くと、700点、800点、そして900点のいずれかのスコア近辺で足踏みをしてしまう方が非常に多いです。その原因は、語彙力や文法知識が足りないという基礎的なことももちろんありますし、リスニングの意図問題に弱い、読解問題の解答速度が遅い、Part 6の文挿入問題が苦手であるなどのもっと細かなこともあり、苦手とする部分は十人十色、千差万別です。これら全てが各学習者の前に立ちはだかる「壁」なのです。

『模試』はシリーズの集大成

――「これが何点の壁」と一言で表せるものではなく、それぞれの学習者によって克服すべき壁は異なるんですね。先生方は、そんな学習者の皆さまを「壁越え」シリーズでサポートされてきましたが、今回の『壁越え模試』がシリーズの集大成ということになりますか。

濱崎:そうです、「完全なる集大成」です。皆さまの学習段階において「最終のステージで使うべき模試」になれるよう、そういう思いを込めて制作した2冊です。既刊の『壁越えトレーニング』をお使いいただいている方にとっては、本書が目標達成に繋がる学習の「総仕上げ」になるはずです。ご自身の弱点が特定のパートにある場合には、『壁越えトレーニング』を使って分野別に先に弱点を克服し、そのうえで本書での学習に進まれる、という順路をたどられるのもいいでしょう。

大里:「集大成」という言い方、見方はある意味正しいのですが、この本を仕上げることは「終わり」を意味するわけではありません。シリーズを全てこなすことで、正しい学習方法を習得できますし、今まで壁だと感じていた問題・意識を越えてさらに飛躍していくきっかけ、スタートラインにもなると感じています。常に「こういった学習をすることでわかる・できる」という意識を持って学習に臨んでもらいたいですね。そのためにも繰り返し解いて、知識や解法パターンを得ることは重要です。壁越えシリーズとしては集大成ですが、本シリーズで得た知識やパターンを他の学習書にどう生かせるかを考えてみるなど、「次へつながる・つなげるきっかけづくり」にしてほしい、と考えています。

――ありがとうございます。では、本の内容についてもう少し詳しく聞かせてください。

『壁越え模試』の特徴

圧倒的な大ボリュームでたっぷり演習

――― TOEICの模試は書店でもたくさん見かけますが、リスニング・リーディングの模試が各5セットも収録されているものはなかなかないです。

濱崎:難易度が非常に高く、特に「900点以上を目指すため」に作られているのであろう模試であれば、すでに良書が存在します。本書はそれらの良書と同等のボリューム感に加えて、「中級者~上級者」のどなたが使われても取り組んだ成果が確実に得られる、本番で実力を発揮することに繋がるような問題を集めたこと、そして解説の詳しさが大きな目玉となっています。TOEIC対策の学習を進めて行くうえで大切なのは「学習の質」ですが、同時に「学習の量」、すなわち解答すべき「問題数」も重視したいところです。この「質」と「量」の両方をこなすというニーズを満たすべく企画を練った結果が、各セクション「500問」ずつ、2冊で合計1,000問収録になった次第です。

大里:それに、リーディング・リスニング別になっている本に関しては、そんなに多くないと思います。加えて、今回はコンセプトとして、実際の本番レベルより「ほんの少し難しめ」「難しめ」の問題を多めに入れました。これにより、より壁越えしやすいレベルを体感いただけて、復習し甲斐があると思っています。さらに、この本で難しいな、と思ったら『壁越えトレーニング』で、ブラッシュアップする、というサイクルを行えるのは、まさしく『壁越え』シリーズならではの強みです。何よりも私だけではなく、濱崎さんやメディアビーコンさんの知識・経験・思いがふんだんに込められている、ということは、質・量ともに業界最高水準の模試だと思います。5セットの分量も、手ごたえがあってちょうどいいですね。

――― 問題をこれだけたくさん作るのは、本当に大変なお仕事ですよね!

濱崎:問題数は各冊に500問、2冊で合計1,000問。本番の試験は200問ですので、本試験×5回分のボリュームです。『公式問題集』には1冊に400問・本試験2回分が収録されているので、本書の場合「リスニング」「リーディング」を合わせると、公式問題集2.5冊分の問題が収録されていることになります。このような「大きな作業」は著者だけでは到底成しえるものではありません。これはTOEIC対策書籍編集のエキスパート集団である、問題監修のメディアビーコンさんの力による部分が非常に大きいです。メディアビーコンの編集担当者の方々がTOEICに非常に精通しているからこそできた仕事だったと確信しています。

大里:おっしゃるとおり大変、いやメチャクチャ大変でした(笑) 単にネイティブに問題作成してもらって解説だけ執筆したわけではなく、私や濱崎さん、そして問題に携わっていただいたメディアビーコンさんが問題のドラフトの段階でいろいろと議論し、変更・修正を重ねて作り込んでいきました。「妥協・手抜き」はいっさいなしです! その分、昼夜土日問わず、執筆や確認を毎日繰り返し行い、作業は熾烈を極めましたが、読者の皆さまが目標スコアを達成して喜ぶ姿を想像しながらの制作だったため、あまり疲れはなく、むしろ編集担当者さんを含め、プロ集団と作り込める喜びを感じながら行っていたため、とても楽しく、かつ私自身も学びの多い仕事をさせてもらったな、と思います。

――― 問題制作の様子について、メディアビーコンさんにもぜひお伺いしたいです。

メディアビーコン:制作の過程では、最新のTOEICの傾向を鑑みながら、テストごとに様々なパターンの問題をちりばめることを意識しました。「TOEICによく出ているな」という、公開テストで何度も出題される定番のトピックから、「これってちょっと珍しいかも」と思えるようなトピックまで、「今」のTOEICに出るありとあらゆるパターンを集めました。簡単な問題もあれば、難しい問題も混ざっている。その「リアルさ」を追求し制作を行いましたので、学習者の皆さまには本番のテストを受けているような感覚を味わってもらえると思います。

選び抜いた問題で「質と量」の両立を実現

――― 量があるだけではなく、問題の質にもとてもこだわって作られたと伺いました。

濱崎:本書は著者だけでなく、問題作成者、そして編集者全てがしっかりとTOEICを受験し、「TOEICに精通しています」と胸を張って言えるメンバーだけで制作されています。だからこそ、世に出して恥ずかしくない、責任を持って「本番の試験に向けて必ず役に立つものに仕上がりました」と言い切ることができる完成度で仕上がりました。TOEICを学ばれている学習者の方は数多くいらっしゃいますが、その誰が使ってくださっても「これは本物だ」と実感していただけるレベルの質である問題だけが収録されています。

大里:1つ1つの語彙、文法、表現、誤答にかなりこだわった、ということに尽きます。「これはこうしたほうがよいのでは?」と思って意見すると、複数の担当者の方が吟味し、ネイティブチェックもしながら、変更案がいくつも提案されてきます。私も複数の辞書をチェックし、TOEICらしさをイメージしながら、その提案を選び抜く、あるいは提案し直す、といった作業を繰り返し行いました。加えて、私と濱崎さんのそれぞれの担当したパートをお互いに見返す、ということもしましたし、1問1問に相当な人数が情熱をこめて作り上げた結晶、といった感じです。出来上がった見本を手にしてみると、とても重く感じますね。

――― 特にどういった点に注力して問題を作られたのですか?

メディアビーコン:1つ1つのトピックや問われているポイント、単語や言い換え表現の情報をアウトラインにまとめ、「テスト全体で似た問題が続いていないか?」「バランスが悪くないか?」ということに注意していました。ありとあらゆるテーマや出題パターンを網羅していますので、5つの模試を通じて様々な単語やフレーズ、文法項目を学ぶことができるようになっています。それぞれの問題に、「この問題ではこのポイントを学んでほしい」というメッセージを込めています。各ポイントについては、濱崎先生や大里先生が分かりやすく解説してくださっていますので、ぜひ読んでみてください。

濱崎:TOEICは問題形式こそ毎回同じではありますが、その中身は年間何回も開催される中で、着実に細かなアップデートが繰り返されているのが実際のところです。その微細な変化を毎回受験する際に体感し、その経験が一問一問に注ぎ込まれています。本書の問題を解き、解説を読んで理解し、その知識をご自身のストックとして貯め続けていってください。必ずや目標スコアを手にすることができるはずです。


▲シリーズの特徴を語る大里先生

大里:問題を作り込みながら、「カンタンには解かれないぞ!」という少し邪悪な思い(笑)もありました。一方で、しっかり、みっちりトレーニングを積んだ方には、「このアプローチで解けるからガンバレ!」というコーチ的な思いもあります。この問題、どういう思いで作ったんだろう、と解いた後で味わっていただけると著者冥利に尽きますね!

自動採点機能で手軽に学べる

―― この本には、PCやスマートフォンで使える「自動採点」の機能があるそうですが。

濱崎:僕が学習者として毎日ガシガシ問題を解いていた頃は、マークシートを何枚もコピーし、それを使って本番さながらに正解のマークを塗りつぶす、という作業を当たり前のようにしていました。本書はPCやスマホで使える「自動採点機能」が付いています。

大里:自動採点機能は、マークミスさえしていなければ正確に採点してくれる非常にありがたいツールです。その正確性に加えて、メールで結果が届くので、それを見返せば自分の弱点を探ることもできます。加えてスマホでどこでも手軽にできる利便性もあります。紙ベースのアナログな採点も温かみがあってよいのですが、こうした機能を活用してスマートに自分の実力を確認することができるのはうれしいことです。編集部の説明も参考にして、是非使ってみてください。

旺文社編集部旺文社TOEIC(R) L&Rテスト対策書「自動採点サービス」は、弊社刊行のTOEIC(R) L&Rテスト対策書付属のサービスです。スマホ・タブレット・PCで各書籍のオンラインマークシートにアクセス、解答を入力・送信いただくだけで、予想スコアとパートごとの正答数などが瞬時にチャート付きで表示されます。

▲チャート付きで採点結果が見られる

リスニングセクションでは、音声の再生もこのオンラインマークシート上でできるので、便利です。また、解答の際に自信がなかった問題は、「?」ボタンを押しておくと、採点後の正誤一覧に表示されるので、復習の際に役立ちます。

▲「?」ボタンも活用しよう

対応書籍の中でも「壁越えシリーズ」では、パートごとの分析に加え、「設問タイプ」別でも正答数を集計し、チャートで表示することができます。苦手(得意)な設問タイプが、すぐに視覚的に把握できるので、模試を解いた後の学習計画も立てやすいですよ! ぜひ使ってみてください。

▲苦手な問題も一目瞭然

模試のオススメ学習法

基本は「本番さながら」に

――『壁越え模試』の特徴がよく分かりました! 早速問題を解いてみたくなってきましたが、模試の学習をどう進めていくべきか迷います。先生方のお勧めする基本の使い方を教えてください。

濱崎:基本は「本番さながらに解く」ことです。リスニング約45分間、リーディング75分という時間をきちんと計り、100問連続で解答することをお勧めします。42.195kmを走るマラソン選手が、毎日5kmしか走らないのでは結果は見えていますよね。せめて毎日10kmや20kmは走らなければ、当日どのような結果になってしまうかを想像することはたやすいでしょう。とはいうものの、なかなかまとまった時間が取れない方が多いのも事実ですね。リスニングのPart 1とPart 2だけを解く、リーディングのPart 5&6とPart 7を別々に解くといった使い方もアリです。それでもできる限り本番に近づけていこう、という心構えは無くさないでください。本番では2時間通しで解答するわけですから、問題を解き続ける練習を通して「集中力」が、そして「たくさんの問題を解き続けることができるスタミナ」が養われるという側面もあります。

大里:どれくらい時間が確保できるかにもよりますね。例えば月曜から金曜が会社勤めで土日がお休み、という場合は、土日のどちらかに模試を1セットやって、平日は復習をする、というようにメリハリをつけるといいでしょう。模試には、きっちり時間を計って解くような机の前でなければできない学習と、音読や自分の解答の見直しなどの移動時にできる学習があります。自分は何をいつどういう場面でするとより成果があがるのか、という点を考えながら取り組んでみてください。土日に模試、平日に復習というパターンですと、5週間で5セットを終えることができますが、復習に時間をかけたい場合は、この倍、つまり10週間くらいかけてもよいでしょう。ちなみに私なら、平日に5日間連続でお休みを頂いて一気に解きます(笑)

まとまった時間がとれないなら

―― 本番と同じように解いて、復習するのがベストということですね。とはいえリスニングは45分、リーディングは75分と、1セットにそれなりの時間がかかります。忙しくてまとまった時間がとれないなら、模試を使って学習するのは難しいですか?

濱崎:まず、「まとまった時間がとれない」という前提条件が本当にどうにもならないことなのか、よく考えてみてください。その前提を口にしている時点で、自分で自分の限界を決めてしまっているのではないでしょうか。不要なスマホいじりをしていませんか? テレビやYouTubeをダラダラ見ていませんか? しなくてもいい惰眠をむさぼっていることはないですか? 自分を甘やかす行為を正当化する言い訳は、私たちの周りには溢れています。学習できるはずの時間を無駄にしながら、その一方で「まとまった時間が取れなくて」という矛盾した言い訳をしているなら、とてももったいないことです。「これから頑張って絶対に目標スコアを取るぞ」という、心の底から湧き上がる熱意のある学習者は、そんな言い訳はしていないんじゃないでしょうか。無為に過ごしている時間はないか、日々の生活を見つめ直すことが先決です。

でも、もしあなたが自分なりに時間を作ってできる限り頑張っている、それでもまとまった時間が取れない、というのであれば安心してください。模試を使って学習する資格、TOEICを受験する資格は十二分にあります。先に述べましたが、各パートを分割して解くのもよし、です。少しでも前に進もうという向上心を持ち続けましょう。

大里:まとまった時間が取れない場合、(1)優先的に時間を確保する、(2)細切れの時間を工夫してみる、という2つの方法を考えてみてください。(1)であれば、次に受験するTOEICでベストスコアを取るための方法とそれにかかる時間を見積もってみましょう。1つの模試を繰り返し解いて復習したほうがいいのか、5セットを全部解いてみるか、復習にはどのくらいかけたらいいかなど、学習イメージを作って必要時間を書き出します。そして、その時間を自分のライフスタイルにどう組み込むかを考えてみてください。生活の中でやっていることの優先順位を見直し、学習期間中はこれを我慢する、と決める必要もあるかもしれませんね。

(2)に関しては、直近1か月くらいの自分の予定を考えて、1日あたりどれくらいの余裕があるか、あらかじめリストアップし、5分、10分、20分でできること、を考えておきます。例えば5分であれば、前日に解いた問題の復習をする、よく聞き取れなかったPart 2をListen & Repeatするくらいならできそうですね。限られた時間で何ができるか、を明確にしておくことが重要です。これにより、急に時間ができた! という時は、その機会を最大に生かして学習に取り組むことができます。細切れの時間しかない、というのはピンチではなく、工夫すればチャンスになる、と前向きに取り組んでみましょう。

本番まで残り1週間しかないときは

―― 目標をしっかり定めて、計画的に学ぶことがどんな場合でも大切ですね。とはいえ、気がついたらもうテストまで1週間! 5セット解くのは難しそう、なんていうスロースターターさんもいると思いますが、そういう方もうまく模試を役立てる方法はありますか?

大里:気がついたらテストまで1週間というのであれば、よほど事情があって学習できなかったか、サボっていたかのいずれかですね。その場合は、本書には手をつけず、今まで学習したことのある本に集中したほうがいいかもしれません。本番で自分の得意な問題タイプ、苦手な問題タイプを見極めて、本書にはテスト後にじっくり取り組んで復習するとよいのではないでしょうか。本書は少し難しめの「壁越え」問題がたくさん収録されていますので、あせって解こうとすると逆に自信をなくしてしまう可能性があるからです。

どうしてもやってみたいというときには、1セットだけ解いて採点し、「このタイプの問題は本番で解けるから勝負する」「このタイプの問題は今の力では解けないので1週間後は捨てて、いずれトレーニングを積んでから再挑戦」といったように、本番に向けた戦略を立てるのに使いましょう。直前の1週間で急に力は伸びませんから、「今の実力で最大限できること」をしっかり認識するようにしてみてください。

濱崎:残り1週間しかない、でも取り組んでみたい、ということでしたら、1セット100問だけを何回も、できる限り繰り返す、という取り組み方がいいと思います。初見の問題に対応できるために必要なことは、平たく言うと「確実に使える知識の量」です。1週間で5セット全ての問題を解くこともできなくはないですが、自分の持っていなかった知識を短期間でインプットできる量には限りがあります。500問から薄く浅く知識を取り込もうとするより、100問からでいいので濃く深い理解をご自身にインプットしてみてください。これは濃く深いからこそ本番でも使える知識、つまり武器になるのです。

学習者の皆さまへのメッセージ

―― 学習に役立つお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました! 最後に、「壁越え」を目指して頑張っているTOEIC学習者の皆さまにメッセージをお願いします。

濱崎:本書に真摯に取り組めば、必ずやあなたの英語力は向上します。そして、それに比例してTOEICのスコアも必ずアップします。TOEICは外国語である英語のテストなので、簡単ではないのは至極当然です。それでもTOEICに挑戦したい、目標スコアを奪取してご自身の未来を少しでもいい方向に変えたい方、趣味として英語学習を楽しみたい方、勉強を頑張ることを通じて自身に自信を付ける体験をしたい方、そんな皆さまを心から応援しています。頑張っていきましょう!

大里:本書は、本気で目指しているスコアの壁を越えられず悩んでいる方向けに、ハイクオリティな問題だけを集めたコンテンツとなっています。さらに、苦手分野にも対応できるPart別トレーニング本とのシリーズになっていますので、復習もしやすい設計です。初級レベルを卒業した方が次にやる指南本として、ベストな構成ですので、是非毎日取り組んで、レベルアップ、スコアアップを目指してください。壁を越えるようなレベルというのは、一朝一夕ではなく、毎日の着実な努力で身に付いていくものです。この本に取り組む皆さまが、目標スコアを達成し、夢を叶えることを心より願っております!

メディアビーコン:TOEIC学習者の方々が感じる「壁」は様々です。本書は、学習者の皆さまがTOEIC学習を通じてぶつかるあらゆる「壁」を乗り越えられるよう、1問1問こだわり抜き、作りあげた珠玉の1冊です。本書を繰り返し解き、諦めずに学習を続ければ、必ず「壁」を越えることができます。TOEICで培った英語力は、消えることはありません。本書での学習を通じ、TOEICのスコアアップはもちろんのこと、これからの皆さまの人生がもっと豊かなものになるよう、心から願っております。

書籍情報の確認・ご購入はこちらから!

『TOEIC L&Rテスト 壁越え模試 リスニング』

TOEIC L&Rテストのリスニングセクションが5セット分入った模擬試験集。良質なリスニング問題500問で、スコアアップを目指そう!

『TOEIC L&Rテスト 壁越え模試 リーディング』

TOEIC L&Rテストのリーディングセクションが5セット分入った模擬試験集。良質なリーディング問題500問で、スコアアップを目指そう!

※本シリーズの音声は旺文社リスニングアプリ「英語の友」でお聞きいただけます。

著者・監修者紹介

著: 濱崎潤之輔

大学・企業研修講師、書籍編集者。これまでにTOEIC L&Rテスト990点(満点)を70回以上取得。現在は、全国の大学で講師を務めるかたわら、大手企業でもTOEIC L&Rテスト対策の研修を行う。著書に、『改訂版 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト990点攻略[改訂版]』『TOEIC L&Rテスト470点奪取の方法』『TOEIC L&Rテスト目標スコア奪取の模試』(旺文社)などがある。

著: 大里秀介

TOEIC L&Rテスト990点、TOEIC S&Wテスト ライティング200点満点取得の経験を持つ現役サラリーマン。2006年から英語学習を開始して、2007年スコア730点を突破、社内選考でイギリス留学を経験する。2012年からカナダに駐在勤務し、北米間の大ビジネスプロジェクトをTOEICで磨いた英語力を駆使して成功に導く。著書に『3週間で攻略 TOEIC L&Rテスト900点!』(アルク)、『TOEICテスト新形式完全攻略模試』(学研プラス)などがある。

問題監修: メディアビーコン

1999年創業。語学教材に特化した教材制作会社。TOEIC、英検をはじめとする英語の資格試験からビジネス英語まで、英語教材全般の制作を幅広く行う。著書に『TOEIC (R) L&R TEST 990点獲得 最強Part7模試』(ベレ出版)、『寝る前5分暗記ブック TOEIC (R)テスト単語&フレーズ』(学研プラス)、『いちばん最初のネイティブ英会話フレーズ2000』(西東社)などがある。YouTube「ビーコン イングリッシュ チャンネル」にてTOEIC情報を発信中。