TOEFL iBTテストとIELTS:留学のための英語試験、比較と選び方

英語力を証明するテストには、目的やレベルごとにさまざまな資格・検定試験がありますが、留学に当たり英語力の証明として求められることが多いのは、TOEFL iBTテスト(トーフル iBTテスト)またはIELTS(アイエルツ)です。留学を視野に入れていて、どちらを受けるべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。この記事では、TOEFL iBTテストとIELTSのそれぞれの概要や、両者の共通点・相違点を紹介しています。どのような点に注目して選択すればよいのかも具体的に解説しています。ぜひ参考にしてください。
※本記事は、2026年1月にリニューアルされた新形式のTOEFL iBTテスト、および「IELTS(コンピューター版)」の情報に基づき記載しています。
※IELTSのペーパー版試験は2026年8月末をもって終了したため、本記事内のIELTSの記述はコンピューター版を前提としています(スピーキングのみ対面面接形式)。最新情報は、TOEFL iBTテストはTOEFLテスト日本事務局、IELTSは日本英語検定協会・JSAF・バークレーハウスのウェブサイトをご確認ください。
目次
それぞれの試験の概要と比較
以下では、TOEFL iBTテスト、IELTSのアカデミック・モジュールという、2つの試験についてそれぞれの概要を説明しています。両者を比較して、共通点と相違点、レベルについても述べています。
TOEFL iBTテストとは
TOEFLは、Test of English as a Foreign Language の略です。アメリカに拠点を置く非営利テスト開発機関 Educational Testing Service(ETS)が開発した英語試験で、日本では ETS Japan が運営に当たっています。
この記事では、「TOEFL iBTテスト(TOEFL Internet-based Test)」について解説します。大学・企業など団体向けの「TOEFL ITPテスト(TOEFL Institutional Test Program)」とは、異なる試験なのでご注意ください。
TOEFL iBTテストは、北米の大学への留学を志す人を主な対象として開発された英語試験で、そのスコアは北米を中心に160カ国で、大学への入学、推薦入学、奨学金給付などの基準として認められています。アカデミックな語彙・文章や、大学生活を想定した会話・内容が主に出題され、発音や定型表現にはアメリカ英語の特色が多く見られます。より詳しく知りたい方は、「TOEFL iBTテストとは:概要と勉強法・試験対策」をご参照ください。
IELTSとは
IELTSは、International English Language Testing System の略で、ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営で保有する試験です。日本では公益財団法人 日本英語検定協会、一般財団法人 日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)、バークレーハウスがそれぞれ実施しています。
IELTSには、移住などのためのジェネラル・トレーニング・モジュールという種類もありますが、この記事では、留学を目的としたアカデミック・モジュールについての情報を扱います。
IELTSはTOEFLと同様、留学のための英語力を測る試験です。イギリスおよびイギリスと歴史的に関係の深い国々(カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど)を中心に、150以上の国と地域で採用されています。イギリスで一般的な語彙・表現が多く、リスニングテストではイギリスを中心に多様なアクセントが用いられています。より詳しく知りたい方は、「IELTSとは:概要と勉強法・試験対策」をご参照ください。
IELTS対策には、『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』がおすすめ!
本書には、IELTS受験に当たって必要なものや申し込み方法まで、公式情報が収録されており、試験形式も確認できます。4技能それぞれについて、出題形式、テストの流れ、評価基準、攻略法が述べられており、問題量も豊富です。また本番形式の模擬試験と、切り離して使える解答用紙がついているので、本番さながらの状況で現時点での実力を測ってみることも可能です。模試の結果から、どれくらいのバンドスコアを見込めるか把握できる換算表もついています。目標バンドスコア取得へ向けて、ぜひ本書と共にがんばってください!
※2026年9月より、IELTSペーパー版はリスニング・リーディング・ライティングをPCで解答するIELTSコンピューター版へ完全移行しました。なお、ペーパー版とコンピューター版とで試験内容に違いはありませんので、本書籍を引き続き対策にお使いいただけます。
共通点と相違点
以下では、TOEFL iBTテストとIELTSの共通点および相違点を簡潔にまとめています。
共通点
| TOEFL iBTテスト | IELTS |
| リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を測定すること | |
| 大学や大学院への留学の際、英語能力の証明として広く認定されていること | |
相違点
| TOEFL iBTテスト | IELTS | |
| 開発主体 | アメリカが拠点のETS | イギリスが拠点のブリティッシュ・カウンシル他 |
| 実施・運営団体 | ETS Japan | 日本英語検定協会 JSAF |
| 主な採用地域 | 北米を中心に世界的に採用 | イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどを中心に世界的に採用 |
| 試験時間 | 最大約90分以内 | 約165分(※スピーキング含まず) |
| 受験料 | 195米ドル(通常申込の場合) | 27,500円〜29,700円(税込) ※日本英語検定協会実施分は2026年9月1日申込分より29,700円 |
| 申し込み方法 | TOEFLウェブサイト | 日本英語検定協会かJSAFのサイト |
| スコア | 各技能1〜6(0.5刻み)のバンドスコア ※2028年1月までは旧スコア(各30点/計120点)も併記 |
各技能0~9.0の0.5刻みのバンドスコア、オーバーオールは全技能の平均 |
| 出題形式* | リーディング:選択・語句完成(PC) リスニング:選択(PC) スピーキング:録音方式(PC) ライティング:タイピング・並べ替え(PC) |
リスニング:選択・画面上での記述(PC) リーディング:選択・画面上での記述(PC) ライティング:タイピング(PC) スピーキング:1対1の面接(対面) |
* 出題形式の詳細は、次章「それぞれの出題傾向」で、技能ごとに解説しています。
レベルとスコアの比較
TOEFL iBTテストのスコアと、IELTSのバンドスコアが表す英語力レベルを、語学力の指標のひとつであるCEFR*を使って比較すると、下表のようになります。
| CEFR | TOEFL iBT(新バンドスコア) | 【参考】TOEFL旧スコア目安 | IELTS |
| C2 | 6 | 114点〜 | 8.5-9.0 |
| C1 | 5.0 – 5.5 | 95 – 113点 | 7.0-8.0 |
| B2 | 4.0 – 4.5 | 72 – 94点 | 5.5-6.5 |
| B1 | 3.0 – 3.5 | 44 – 71点 | 4.0-5.0 |
※TOEFL iBTではリニューアル後2年間(2028年1月まで)、スコアレポートに旧120点満点のスコアも併記されます。
(大学入試センターの公開資料を基に作成)
* CEFRは、世界中で広く利用されている外国語運用能力の指標です。詳しくは当サイト内の記事「CEFRで見る英語・外国語検定試験」をご参照ください。
それぞれの出題傾向
以下では、TOEFL iBTテストとIELTSの出題傾向を技能ごとに解説した上で、全体的な傾向を比較しています。
リーディング
TOEFL iBTテストの内容と傾向
リニューアル後のTOEFL iBTテストのリーディングは、2段階の「アダプティブ方式(受験者の正答率に応じて難易度が変化する仕組み)」が導入されています。
タスクは「単語を完成させる」「日常生活に関する文章を読む」「アカデミックな文章を読む」の3種類(最大50問、所要時間最大30分)で構成されます。従来の約700語におよぶ長文のみの形式から一変し、短文の語彙穴埋めやEメールなどの身近な題材も出題されるようになったため、より実用的な英語力とテンポ良い解答が求められます。
IELTSの内容と傾向
IELTSのリーディングでは、3つのパッセージ(合計2,150~2,750語)を読み、各13~14問の設問に答えます。試験時間は60分です。パッセージは一般向けに書かれた本や新聞などの文章で、専門的なトピックは出題されません。パッセージ順に難度が上がります。答え方は選択または記述方式で、複数の選択肢を選んだり、指定された語数で答えたり、文章や図表などを完成させたりと多岐にわたります。
比較してみると
IELTSのパッセージにはTOEFL iBTテストより長いものもあり、速読する力が求められます。答えの記入に当たり、減点対象となるスペルミスなどにも注意が必要です。一方、TOEFL iBTテストは文章1つの語数が大幅に短くなり(約15〜200語)、日常生活に関する問題も増えたため、長文読解の負担は軽減されました。ただし語句完成タスクなど文法・語彙の正確性を問う問題が含まれるため、基礎力が不可欠です。
リスニング
TOEFL iBTテストの内容と傾向
リスニングもリーディング同様、2段階のアダプティブ方式が導入されています。
タスクは「音声を聞いて応答を選ぶ」「会話を聞く」「アナウンスを聞く」「アカデミックな講義を聞く」の4種類(最大47問、所要時間最大29分)です。従来の講義(3〜5分)に比べて講義音声が短く(1〜2分)なり、買い物や趣味といった日常会話や学内アナウンスなど、キャンパスライフや日常生活に密着した題材が多く出題されるのが大きな特徴です。
IELTSの内容と傾向
IELTS(コンピューター版)のリスニングは4つのパート(計40問・約30分)で構成されます。音声を一度だけ聞きながら、画面上の選択肢をクリックするか、キーボードで英単語を入力して解答します。かつてのペーパー版と異なり「最後に解答用紙へ10分間転記する時間」はなく、各パート終了後に2分間の見直し時間が与えられます。音声の内容は、日常的・社会的なものが2セクション、大学生活にかかわるものが2セクションです。音声を聞きながら設問を解いていく方式で、答え方は、選択肢を選んだり指定された語数で答えたりとさまざまです。
比較してみると
TOEFL iBTテストでは、大学での授業や留学生の生活に関係がある場面が多く出題されます。一方IELTSは、大学や留学関係のトピックとまったく違うトピックが半分ずつとなります。
スピーキング
TOEFL iBTテストの内容と傾向
TOEFL iBTテストのスピーキングは、PCのマイクに向かって回答を録音する形式で、所要時間は約8分(最大11問)です。
画面に表示されたイラストの説明文を聞いてそのまま音読・リピートする「聞いて繰り返す」と、インタビュアーからの質問(4問)にそれぞれ45秒以内で答える「インタビューを受ける」の2つのタスクで構成されています。
IELTSの内容と傾向
IELTSのスピーキングは試験官と1対1の面接方式で、所要時間は11~14分間です。3つのパートから構成されています。問題に先立って、名前や国籍などを問う本人確認が行われます。
パート1では、家や家族、住んでいる場所についてなど受験者自身に関する質問がいくつか行われたあとで、日常生活に関するトピックについて対話を行います。試験時間は4~5分です。
パート2では、指定されたテーマについてスピーチをします。準備時間が約1分、解答時間が1~2分です。スピーチ後、その内容に関連する質問が1つか2つ行われます。
パート3では、指定されたトピックを元に社会的な問題について試験官とディスカッションします。1つのトピックに対し、2つから3つのサブカテゴリーに分けた質問が行われます。試験時間は4~5分です。
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比較してみると
TOEFL iBTテストは、リスニングの技能を使うタスクもこなさなければならない点が大きな特徴です。各問題につき、話し始める前に準備時間が設けられている点もIELTSと異なります。録音方式なので目の前に試験官はおらず、問題が表示された画面を見て、マイクで答えを吹き込む点もIELTSとの違いです。一方IELTSは、パート数は少ないけれど話す分量は多めです。スピーチ以外の問題では、話し始める前に準備時間がないため、問われたらすぐに答える力が必要です。また、人を相手に話す方式なので、質問を聞き逃した場合は問い返すことが可能です。
ライティング
TOEFL iBTテストの内容と傾向
試験時間は最大23分(最大12問)です。語句を並べ替えて会話文を完成させる「文を作る(10問)」、指定された状況に応じて返信を書く「メールを書く(1問・7分)」、教授や他の学生の意見を踏まえて自分の考えを書く「アカデミックなディスカッションのために文章を書く(1問・10分)」の3タスクが出題されます。短時間で正確に英文を組み立てるタイピング速度と文法力が試されます。
IELTSの内容と傾向
タスク1(図表やチャートの要約・150語以上)とタスク2(エッセイ・250語以上)の2問を60分間でタイピング入力します。必要な最少語数が指定されており、コンピューター版では語数が自動でカウントされます。
タスク1では、グラフや表、見取り図など、与えられた視覚的な情報を英文で描写することが求められます。解答時間の目安は20分、必要な語数は150語以上です。
タスク2は、社会的なトピックへの賛否などについて、自分の意見をその理由とあわせて英文エッセイにまとめる問題が一般的です。ある問題について解決法を提示するように求める問題や、「AとBを比較せよ」など、2つの事物の長所・短所を客観的に述べさせる出題もあります。解答時間の目安は40分で、必要な語数は250語以上です。
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比較してみると
TOEFL iBTテストとIELTSのライティングは、どちらもタイピングで解答する必要があります。いずれの試験でも、タイピングに不慣れな場合は練習しておくことが大切です。
TOEFL iBTテストは短時間で要件を満たした文を書くことができれば、スコアを比較的伸ばしやすいといえるでしょう。一方IELTSは、図表の読み取りなど単純ではない問いに対して、論理的かつ説得力ある答えを英文エッセイとして作成する必要があり、高得点の取得には確かな実力が必要と考えられます。
全体的な傾向
新形式のTOEFL iBTテストでは、不完全な単語を完成させる問題や語句の並べ替え、音声のリピートなど、正確な語彙力や文法知識を短時間で処理するタスクが増加しました。また、日常会話やメール作成、短いインタビューなど、実用的なコミュニケーション能力を直接的に測る傾向へと変化しました。
一方、IELTSは、まとまった長文や講義音声から必要な情報を正確に読み取って解答するスタイルが中心です。また、ライティングで図表やデータの分析・要約が求められるなど、アカデミックな情報を整理・出力する能力が重視されます。
試験の選び方
志望校の応募要件から判断する
留学先としてイギリスを志望しているのなら、IELTSを選ぶとよいでしょう。TOEFL iBTテストのスコアを認定している教育機関はイギリスにもありますが、学生ビザを取得するなら、イギリスではIELTSの方が便利です。イギリス以外ならTOEFL iBTテストが基本ですが、IELTSのスコアも認定する教育機関が世界的に増えてきました。まずは志望校の要件を調べてみましょう。
サンプル問題を解いてみる
志望校がTOEFL iBTテストとIELTS、両方のスコアを認定している場合には、本番形式の問題集などを使い、TOEFL iBTテストとIELTSの両方を本番さながらの状況で解いてみましょう。そして、自分にとって解きやすいか否か、よいスコアを取れたのはどちらか、これからの対策によりスコアを伸ばせそうかどうか、などを考慮して、どちらかを選ぶとよいでしょう。
本番形式の問題を解くことのできる問題集をご紹介します。最初の1冊としておすすめなのは、TOEFL iBTテストの場合『TOEFL iBT公式総合対策』、IELTSの場合『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』*です。
* 2026年9月よりIELTSペーパー版はリスニング・リーディング・ライティングをPCで解答するIELTSコンピューター版へ完全移行しました。なお、ペーパー版とコンピューター版とで試験内容に違いはありませんので、本書籍を引き続き対策にお使いいただけます。ただし、本書籍の模試は紙で解く形式にのみ対応しており、コンピューター上で解くことはできません。
自分の得意・不得意を考えてみる
得意なものをいかせるか、苦手なことを回避できるか、という視点から選ぶ方法もあります。TOEFL iBTテストとIELTSそれぞれの試験の特徴と、自分の適性を照らし合わせて選択しましょう。
例えばスピーキングテストにおいて、準備時間が設問それぞれに設けられている方が安心できる、マイクに向かって録音する方が緊張せずに話せる、という人の場合は、TOEFL iBTテストの方が向いているでしょう。相手がいた方が話しやすいという人は、IELTSの方がおすすめです。
リスニングテストにおいて、IELTSはTOEFL iBTテストよりも分量があります。長時間のリスニングやメモ取りが得意ならIELTS、苦手ならTOEFL iBTテストがおすすめです。
それぞれの詳しい試験内容と対策については、「【2026年1月スタート】新形式のTOEFL iBTテストを徹底解説!」および「IELTSとは:概要と勉強法・試験対策」も合わせてご参照ください。
まとめ
TOEFL iBTテストとIELTSは、どちらも「高等教育機関に留学できるレベルであるかどうか」を測定する英語試験です。付け焼刃では歯が立ちません。日頃から、単語・文法の知識、4技能それぞれの訓練など、地道な学習を積み重ね、確かな英語力を培うようにしましょう。一方で、どちらの試験も大学での講義やキャンパスでの会話を出題範囲に含んでおり、留学後に役立つ内容となっています。留学を、外国へ行くということだけでなく、さらなる将来へつながる成功したものとするためにも、ぜひがんばって取り組んでください!






TOEFL iBTテスト対策には、『TOEFL iBT公式総合対策』がおすすめ!
2026年1月からの新形式に完全対応しています。
また、実際の試験問題を作成しているETSによる問題を収録しているため、本番と同じレベル、クオリティの問題を解くことができます。
音声はダウンロード音声ファイルおよび旺文社リスニングアプリ「英語の友」で聞くことが可能です。本書を活用して、目標スコアを勝ち取ってください!