この記事では、小学生を主な対象とした英語検定試験「英検Jr.」について解説しています。まず英検Jr.の概要を、グレードや試験形式、申し込み方法などの項目別にまとめています。次に、英検Jr.の受験に向けてお子さまと一緒にできる勉強法や、本番前にやっておきたいことなどを解説しています。お子さまに英検Jr.を受けさせたいとお考えの方や、年少期の英語教育に関心のある保護者・指導者の方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2019年7月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検Jr.ウェブサイトで最新情報をご確認ください。

英検Jr.の概要

英検Jr.は、公益財団法人 日本英語検定協会が実施する試験です。2015年4月に改名されるまでは「児童英検」と呼ばれていました。以下では、英検Jr.がどんな試験か、英検とは何が違うのか、などについて解説しています。

英検Jr.とは

英検Jr.は、小学生を主な対象とした英語のリスニングテストです。英語を聞いて、その内容に合ったイラストや音声を選び、○をつけるという、ゲーム感覚で取り組める方式となっています。レベルは、やさしい方から「BRONZE(ブロンズ)」、「SILVER(シルバー)」、「GOLD(ゴールド)」という、3つのグレードに分けられています。

試験方式は3種類あり、1)塾など5人以上のグループ単位による申し込み専用の「ペーパー版」、2)学校からの申し込み専用の「学校版」、3)個人でもグループ単位でも申し込み・受験できる「オンライン版」、となっています。問題の内容やテストの形式は、ペーパー版とオンライン版のどちらも同じです。「学校版」は英検Jr.の問題を再構成したテストです。この記事では、個人で受験が可能な「オンライン版」について解説します。

英検との違い

実用英語技能検定、いわゆる英検では、成績は合否で表されます。一方英検Jr.は、子どもが挫折感を味わうことがないように、合否ではなく「正答率(%)」で成績を表示します。目安として、80%以上正解できていれば、そのグレードに相当する英語力がついていると見なせます。英検は文字を読んで解答する形式がほとんどなのに対し、英検Jr.はSILVER(シルバー)からは文字が導入されますが、選択肢がほとんどイラストか音声なので、基本的には、読み書きがまだできない子どもでも受験できる試験形式です。

また、英検Jr.は、「読む(リーディング)、聞く(リスニング)、書く(ライティング)、話す(スピーキング)」の4技能のうち、「聞く(リスニング)」を中心とした英語コミュニケーション能力を測定します。それに対して英検は、「読む、聞く、書く、話す」の4技能を測定します。ただし4級と5級は、比較的低年齢の受験者を想定して設計されているので、「読む、聞く」の2技能のみで合否を判定し、スピーキングテストは2技能の合否にかかわらず、任意で受けられる方式となっています。

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英検Jr.の体系

以下では、英検Jr.のグレード、問題内容、受験のしかたなどについて解説しています。

受験できるグレード

英検Jr.には、「BRONZE(ブロンズ)」「SILVER(シルバー)」「GOLD(ゴールド)」という3つのグレード(レベル)があり、BRONZE→SILVER→GOLDの順に難度が高くなります。年齢制限などはないので、各自でふさわしいと思うグレードを選んで申し込むことになります。以下の各グレードの目安を参考にしてください。

主な学習経験  BRONZE
(ブロンズ)
SILVER
(シルバー)
GOLD
(ゴールド)
英検Jr.の受験 初めて受験する子ども BRONZEで80%以上正解した子ども SILVERで80%以上正解した子ども
塾などでの学習 半年~1年程度 1年~2年程度 2年~3年程度
小学校での英語活動 1年半~2年程度 2年~3年半程度 3年半~5年程度
文字の学習 学習経験なし 1年~2年程度 2年~3年程度
その他 未就学の子ども
(家庭学習)

※学習年数は、週1回50分のレッスンを受けている場合を目安としています。

各グレードの試験形式

英検Jr.の各グレードの試験形式は、下表のとおりです。

BRONZE(ブロンズ)

問題数
(大問数)
40問(7問)
テスト時間 約30分
到達目標 1.英語の音やリズムに慣れ親しむ
2.初歩的なコミュニケーションに必要な語句や簡単な表現を聞き、理解する
出題のねらい
(テスト分野)
語句:定型表現や基本文中の名詞、形容詞、動詞の聞きとり
会話:あいさつや、動詞を含んだ初歩的な会話(1往復)の聞きとり
文章:簡単で短い文章(1〜3文)の聞きとり
主な話題・場面 日常生活(家庭・学校など)での身近なできごと、家族・先生・友人との交流、朝起きてから寝るまでにすること、 毎日の生活に欠かせないこと、子どもの関心のあることなど

SILVER(シルバー)

問題数
(大問数)
45問(9問)
テスト時間 約35分
到達目標 1.日常生活での身近な事柄に関する簡単な語句や表現を聞き、理解する。それに対して簡単に応答する
2.簡単な会話や文をいくつか聞き、その中にある情報を理解する
3.文字と音声の結びつきに関心をもつ
出題のねらい
(テスト分野)
語句:定型表現や基本文中の基本的な前置詞の聞きとり、いろいろな文の中の名詞、形容詞、動詞の聞きとり、カテゴリー別複数単語の聞きとり
会話:話しかけに対する応答選択や簡単で短い会話(2〜3往復)の聞きとり
文章:簡単で短い文章(2〜3文)の聞きとり、否定文や疑問文の聞きとりと応答
文字:アルファベットと音声の結びつきの認識、簡単で短い単語の認識
主な話題・場面 身近な社会生活(近隣地域)でのできごと、初めて会う人や外国人との交流、学校で習うことや課外活動、子どもの生活での一般的な知識など

※出題のねらい、主な話題・場面には、BRONZEの内容が加わります。

GOLD(ゴールド)

問題数
(大問数)
50問(9問)
テスト時間 約45分
到達目標 1.日常生活での身近な事柄に関する語句や表現を聞き、理解する。それに対して質問したり応答したりする
2.まとまった会話や文章を聞いて、その中の情報を理解し、その場面状況を判断したり要旨を把握したりする
3.身の回りの語句や簡単な短い文を読む
出題のねらい
(テスト分野)
語句:いろいろな文の中での語句の聞きとり
会話:簡単でまとまった会話(3往復以上)の聞きとり
文章:つながりのある複数の文(3文以上)の聞きとり、5W1Hによる疑問文の応答、質問文の投げかけ
文字:基本的な語句や簡単で短い文の認識
主な話題・場面 日本や外国の身近な話題・行事・文化、海外旅行、身近な社会活動、夢や将来のこと、ボランティアなどの課外活動、架空のものや物語、問題を解決することなど

※出題のねらい、主な話題・場面には、SILVERの内容が加わります。

問題内容

英検Jr.の各グレードの問題内容は、公式サイトで公開されています。以下に各グレードの例題を紹介しますので、参考にしてください。

BRONZE(ブロンズ)

以下は、大問1「絵にあう文は?」と同様の例題です。1番から3番の英文を聞き、絵の内容に合う文を選び、その番号の答えの欄に〇をつけます。英文は1回しか放送されません。

例題:
(問題用紙に印刷されている設問)

(放送される英文)
(1番)It’s a carrot.
(2番)It’s a potato.
(3番)It’s a pumpkin.

『楽しくはじめる英検Jr. ブロンズ[新装版]』より)

こたえ:3

SILVER(シルバー)

以下は、大問2「返事をしよう」と同様の例題です*。人物や動物などの問いかけを聞いて、その内容に合った応答を選び、その番号の答えの欄に〇をつけます。英文は1回しか放送されません。

*放送される指示文の表現は、実際の試験とは多少異なります。

例題:
(問題用紙に印刷されている設問)

(放送される英文)
Clerk: Hello. May I help you?
Boy:
 (1番)Yes, please.
 (2番)Me, too.

『楽しくはじめる英検Jr. シルバー[新装版]』より)

こたえ:1

GOLD(ゴールド)

以下は、大問4「お話をきこう」と同様の例題です*。物語や紹介文などのまとまった文章を聞き、その内容に合った絵を6枚の中からそれぞれ1枚ずつ選び、その番号の答えの欄に〇をつけます。英文は1回しか放送されません。

*放送される指示文の表現は、実際の試験とは多少異なります。

例題:
(問題用紙に印刷されている設問)

(放送される英文)

Yesterday, my father took me to the zoo. I was happy because I love animals. There was a large pond and we walked around it. I saw many kinds of birds here and there. Some were flying in the air and some were catching fish in the water. I enjoyed listening to their beautiful songs, too.

『楽しくはじめる英検Jr. ゴールド[新装版]』より)

こたえ:1

サンプル問題

英検Jr.のサンプル問題は、公式サイトでご覧になれます。実際の問題を体験してみましょう。

申し込みから結果発表まで

英検Jr.には3種類の受験方法がありますが、以下では、個人で申し込みのできるオンライン版について解説します。 英検Jr.オンライン版は、パソコンおよびインターネット環境(推奨環境)さえ整っていれば、いつでも申し込み・受験が可能です。申し込みから3か月以内に、1回のみ受験できます。

日程・申し込み方法

英検Jr.オンライン版の日程・申し込み方法は、下表のとおりです。

日程 任意(申し込みから3か月以内)
会場 家庭や教室など
(グループ申し込みでも家庭で受験可)
受験料(税込) ブロンズ:2,300円
シルバー:2,500円
ゴールド:2,700円
申し込み方法 公式サイトより申し込みます。
申し込み受付期間 任意
テストの結果 受験後、約3週間後に郵送されます。

申し込みから結果受け取りまでの流れ

英検Jr.オンライン版を個人で申し込む場合は、以下のような流れになります。

1. 公式サイトにアクセスし、会員登録の上、申し込む

2. 受験料を支払う(クレジットカード決済またはコンビニエンスストアでの現金払い)

3. 有効期間内(申し込みから3か月以内)に受験(1回のみ)

4. テスト結果の確認(テスト終了後、すぐに画面で確認可能)

5. 受験から約3週間後、REPORT CARD(個人成績表)とCERTIFICATE(成績証明書)が郵送で届く

勉強法

以下では、英検Jr.受験に向けてのお子さまとの勉強法や、本番前にすべきことなどを解説しています。

単語・表現を覚える

まずは、英語の単語や表現を覚える必要があります。英検Jr.では基本的な物の名前や日常的な表現が問われるので、英語学習用の素材などを使い、親子で楽しく取り組むとよいでしょう。保護者が物や場面の描かれたイラストを見せ、お子さまがその名前や場面にふさわしい表現を答えて、どれだけ正解できるか競うなど、ゲーム感覚で学ぶ方法が効果的です。英検Jr.の各グレードに合わせた語彙を収録している『キクタン キッズ』シリーズ(アルク)などの単語集がおすすめです。

耳で聞いて理解できるようにする

英検Jr.はリスニングテストなので、耳で聞いて理解できることが何よりも大事です。音声付きの教材を使ったり、子ども向けの英語のアニメを一緒に見たりして、英語の音に触れる機会を増やしましょう。おすすめは、NHKが制作している英語教育番組です。対象レベルの目安は、BRONZE(ブロンズ)なら「えいごであそぼ with Orton」(テレビ)、BRONZE(ブロンズ)~SILVER(シルバー)レベルなら「エイゴビート」(テレビ;ネット配信)、SILVER(シルバー)~GOLD(ゴールド)なら「えいごリアン」(ネット配信)となります。英語の基礎的な表現法、歌やアニメなどの動画コンテンツが充実しています。

参考書で勉強する

英検Jr.用の参考書を利用すると、本番の試験と同じ形式の問題に慣れることができます。例えば、『楽しくはじめる英検Jr. ブロンズ[新装版]』『楽しくはじめる英検Jr. シルバー[新装版]』『楽しくはじめる英検Jr. ゴールド[新装版]』を使うと、テストの形式や解き方の確認をした上で、本番そっくりな問題にチャレンジできます。また、保護者や指導者向けの「指導冊子」が別冊で付いているので、お子さまの勉強の際に教えるべきこと、重要なポイントなどを把握して、適切に指導することが可能です。

 英検Jr.対策には、『楽しくはじめる英検Jr.』シリーズがおすすめ!
 このシリーズは、英検Jr.の各グレードに向けて、楽しくテスト対策できる内容となっています。『楽しくはじめる英検Jr. ブロンズ[新装版]』『楽しくはじめる英検Jr. シルバー[新装版]』『楽しくはじめる英検Jr. ゴールド[新装版]』の3種類があります。本番形式の問題を通じて、実際のテストに向けた練習ができる教材です。また、「表彰状」、「ごほうびシール」など、やる気アップにつながる特典が満載です。音声は、付属CDのほか、旺文社リスニングアプリ「英語の友」でも手軽に再生できます。このシリーズを活用して、親子で英語に親しんでいただけることを願っております。

『楽しくはじめる英検Jr.』シリーズの音声は、付属CDのほか、旺文社リスニングアプリ「英語の友」でも聞くことができます。このアプリは無料でダウンロードでき、スマートフォンやタブレットで英語の音声を手軽に聞くことが可能です。アプリの詳しい使い方は、当サイト内の記事「アプリ「英語の友」の使い方と学習法」をご覧ください。

テスト前にやっておきたいこと

英検Jr.の本番前には、以下の2点をお子さまと一緒に確認するとよいでしょう。

1. 解答のしかた
英検Jr.オンライン版の場合は、パソコン操作のしかた、マウスの動かし方などを確認しましょう。お子さまによっては、緊張のあまり、パソコンの操作などに気を取られてしまうかもしれません。公式サイトのサンプル問題を体験して慣れておけば、本番はリラックスして臨めるでしょう。

2. 試験時間の長さ
子どもの集中力は持続しないものです。30~45分の間、きちんと座って取り組めるでしょうか。問題集を解く際に時間を計るなど、試験時間の長さを一緒に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

お子さまの英検Jr.受験にあたって、どのようなバックアップが必要か、参考にしていただけたでしょうか。試験ではリスニング力が問われます。テレビ番組やCD、アプリなどを使い、英語の音声に触れる機会を増やしてあげてください。ゲーム感覚で取り組める試験なので、英語を楽しいと感じる機会にもなります。楽しく学べるよう工夫された教材や英検Jr.の成績証明書は、英語学習のモチベーションアップにも役立つでしょう。ぜひお子さまと一緒に英語に親しんでください!