この記事では、お子さまの英検受験をお考えの方に向けて、英検4級合格に必要な情報をまとめて紹介しています。最初に、レベルはどのくらいで合格点は何点か、合格するとどんなメリットがあるかといった英検そのものの解説や、試験日程などの情報を挙げてあります。次に、出題の傾向や特徴、効率的な勉強のさせ方、初級者向けリスニング対策など、かなめとなる試験対策を詳述します。最後に、試験当日の流れや具体的な問題例と解答のコツ、付き添いの方ができることなどのポイントをまとめています。ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2024年2⽉時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は、複数ある試験⽅式のうち、最も基本的な方式である「従来型」を前提に解説しています。試験⽅式の詳細は、「英検とは:概要と級別の勉強法・試験対策 試験⽅式について」をご参照ください。

英検とは

英検とは、実用英語技能検定のことです。公益財団法人 日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援しています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、年に3回実施されています。年間の総志願者数は420万人を超える、日本で最大規模の英語検定試験です。長年にわたる実施歴により、抜群の知名度と信頼を得ており、近年では、「読む・聞く・書く・話す」の4技能を身につけられるようリニューアルが進められています。

検定料は4級で4,700円で、試験会場も多く受験しやすいのが特長です。小学生から社会人まで幅広い年齢層を対象としているため、職歴や経験によって結果が左右されないよう設計されており、「誰でも受けられる」「英語力そのものを測る」検定という定評があります。

7つの級のどれにチャレンジしてもかまいません。級別のレベル設定はお子さまにもわかりやすいので、「次は○級を目指そう!」という学習意欲の向上に役立ちます。また、試験後に送付される成績表には、合否判定だけでなく、合格ラインをどのくらい上回ったか/下回ったかなども示されます。今の実力を確実に知ることができるので、学習プランを練るための資料としても有益です。

レベル

英検4級は中学中級程度のレベルとされ、「簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる」とうたわれています。There is 構文や時制など、日本人には馴染みにくい文法が出題されるようになるという点で、5級より一段上の内容であり、英語力を今後伸ばしていく上で重要な基礎事項を問われる級と言えるでしょう。小学生や中学生を中心に、幅広い層に受験されています。

受験する意義

小学生にとっては、中学中級レベルである英検4級を持っていることは、標準以上の英語力があることを意味します。そのような級に挑戦し成功したという証拠ですので、お子さまにとって大きな自信となり、英語学習に弾みがつくでしょう。

中学生にとっては、中学中級レベルである英検4級にいつ合格できるかは、学習進度の目安となるでしょう。中学1年時に取得できれば標準以上であり、3年時であれば、それまでの学習事項を確実に習得できているということを確認する機会となります。また、英検4級は多くの小学生・中学生に受験されている級ですので、同じ級をめざすお子さまがたの姿を試験会場で目にすることは、学習意欲を刺激することでしょう。

試験内容

英検4級には、一次試験(筆記・リスニング)とスピーキングテスト(コンピュータ端末を利用した録音形式)があります。

一次試験

一次試験は、筆記試験とリスニングテストの2部構成で、解答形式はマーク式です。
筆記試験は35分で、リーディングの技能が判定されます。
リスニングテストは約30分で、筆記試験に続いて実施されます。

問題の構成は下記のとおりです。

●筆記試験

測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リーディング   1 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 15
2 会話文の
文空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5
3 日本文付き
短文の語句整序
日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替える。 5
4 長文の内容
一致選択
パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。 10

●リスニングテスト

測定技能 問題番号 問題形式 詳細 設問数
リスニング 第1部 会話の応答文選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。
(放送回数2回、補助イラスト付き)
10
第2部 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10
第3部 文の内容一致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。
(放送回数2回)
10

英検4級では、家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化などに関する話題が出題されます。

スピーキングテスト

スピーキングテストは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどコンピュータ端末を利用した録音形式で実施され、自宅や学校などで受験することが可能です。
専用サイトにアクセスし、受験票横の「本人確認票」、または一次試験個人成績表に記載された英検IDとパスワードでログインして受験します。試験時間は約4分です。

出題される問題は下記のとおりです。

測定技能 問題番号 問題形式 詳細
スピーキング   音読 25語程度のパッセージを読む。
No. 1, 2 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 3 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する。
No. 4 受験者自身のことなど 日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)。

4級のスピーキングテストは、一次試験の合否に関係なく受験できるテストです。合格者には「4級スピーキングテスト合格」という資格が認定されます。

英検4級の級認定は、リーディングとリスニングの一次試験の合否のみで判定されます。スピーキングテストは別個のテストで、スピーキングテスト単独で合否を判定します。

一次試験が残念な結果となってしまった場合でも、スピーキングテストにはぜひチャレンジしましょう! お子さまにとっては巻き返しのチャンスです。期間内であればいつでも受験できますので、ベストコンディションのときにリラックスした心境で受けさせてあげ、今後の英語学習への励みにしましょう。

日程

英検4級は年に3回実施されます。実施月は下記のとおりです。
ただし、4級スピーキングテストは受験日に指定はなく、以下の開始日から終了日までの間の、任意の日時に1度だけ受験できます。

  一次試験 二次試験* スピーキングテスト
第1回 6月 7月 開始日:申し込みをした試験回の一次試験合否閲覧日から
終了日:申し込みをした試験回の二次試験日から1年を経過した日まで
第2回 10月 11月
第3回 1月 3月

* 英検4級に二次試験はありません。

個人受験は、下記の日程で実施されます。

●2024年度

  受付期間 一次試験
第1回 3⽉15⽇〜5⽉8⽇* 6月2日(日)
第2回 7⽉1⽇〜9⽉9⽇* 10月6日(日)
第3回 11⽉1⽇〜12⽉16⽇* 2025年1月21日(日)

* 受付期間はいずれもインターネット申し込みの場合です。コンビニ支払・郵便局ATM(Pay-easy)支払の場合、書店申込の場合の締切日は異なりますので、英検ウェブサイトの「2024年度 試験日程」をご確認ください。

個人受験でも準会場(団体試験の会場)で受験できる場合があります。その場合は、上記の個人受験(本会場)の日程とは異なり複数の日程があります。詳しくは、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。また、団体受験の受験日も、個人受験の日程と異なり複数ありますので、ご自身の所属する団体に問い合わせましょう。

過去問

英検4級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが一番です。英検ウェブサイトにて、直近3回分の過去問が公開されています。過去問は、試験終了後1週間程度でアップされます。

過去問で英検4級対策をするなら、日本語訳と丁寧な解説が掲載された旺文社の過去問シリーズがおすすめです。じっくり取り組ませたい方は、6回分の過去問を収録した『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』を、短期で学習させたい方は、3回分の過去問を収録した『2023-2024年対応 直前対策 英検4級 3回過去問集』をご利用ください。

『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』

英検4級合格を目指すなら、まずは過去問から!

本書を通して過去問を解くことで、試験の傾向をつかみ、英検4級合格に必要な力を身につけましょう! 別冊解答には、出題のポイントをとらえ、解答にいたるまでの最短の考え方を示した解説を掲載しています。わかった問題もわからなかった問題も、解説を読むことで理解をより深めることができます。

また、はじめての受験でも安心なように、「解答用紙6回分」のほか、個人情報の記入の仕方を説明した「個人情報の書き方」を掲載しています。前もって記入方法を練習しておけば、本番でも落ち着いて試験に臨むことができるでしょう。

音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことができます(ただし、書籍に記載されたパスワードの入力が必要です)。

このように本書は英検対策をはじめるのに最適な1冊となっています。フル活用して学習にお役立てください!

合格点・合格率

一次試験

2015年度までは、設問ごとに配点は1点で、合計点が合格点以上であれば合格でした。しかし2016年度からは、技能ごとに算出されたCSEスコアという指標をもとに合否が判定されるようになり、その結果何問正解すれば合格か、はっきりとは分からなくなりました。ただし日本英語検定協会は、「2016年度第1回*では、各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格した」と発表しており、今後も6割程度の正答率が合格ラインだと予測されます。

* CSEスコアによる合否判定が導入された最初の試験回

CSEスコアでは、リーディング・リスニングの技能ごとに500点満点とされており、英検4級の合格基準スコアは2技能合計で622点です。

スピーキングテスト

スピーキングテストは、一次試験とは別個に採点・判定されます。スピーキングのCSEスコアが500点満点中324点以上なら合格です。

一次試験・合格率

2015年度の合格率は69.9%でした。2016年度以降、合格率は公表されていません。

合格までの道のり

受験級の確認

英検を受験する際には、まず、お子さまが受験すべき級が4級で妥当であるか、よく検討しましょう。英検は下の級から順に受験する必要はなく、初めて英検を受験する場合でも、英検4級を受験してかまいません。ただ、実力とあまりにもかけ離れた級を受験すると、試験対策も本番も難しすぎ、英語学習のモチベーションが下がってしまう恐れがあります。

英検ウェブサイトで1回分の過去問を解かせた上で、手ごたえを確認しましょう。難易度が高いようであれば、まず5級を受験し、ステップアップするというやり方もあります。

ケース別学習手順

ケースA:英検4級レベルの学習をほぼ終えている場合

中学2、3年生など、すでに英検4級レベルの学習の大半を終えている場合、
・試験に慣れること
・苦手分野を補強すること
の2つが重要です。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 過去問で問題演習

英検は試験形式が毎回一定している試験ですので、試験に慣れるだけでも、素早く解答し、正答率を上げることができます。『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』で過去問を解き、試験形式に慣れさせましょう。必ず時間を計り、どれくらいの速さで解答していけばよいか、確認しましょう。

2. 答え合わせと、苦手分野の発見

過去問を解き終わったら答え合わせをし、間違えた問題の解説をよく読ませましょう。英検4級合格に必要な正答率は明らかにされていませんが、6割程度が合格ラインだと予測されます。大問ごとに正答率を算出し、正答率が6割を切った問題は、苦手な分野だと考えましょう。

3. 苦手分野の補強

苦手な分野があった場合には、『英検4級 総合対策教本[改訂版]』であてはまる章を学習しましょう。単語・熟語に不安があったら『英検4級 でる順パス単』を使用して、語彙力を補強しましょう。

4. スピーキングテストの問題演習

『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』のWeb特典で、スピーキングテストを体験してみましましょう。音読がたどたどしいようであれば、声に出して読む練習をさせましょう。使うべき単語を思い出せないようであれば、『英検4級 でる順パス単』で学習させましょう。

ケースB:英検4級レベルの学習が身についていない場合

小学生、中学1年生など、まだ習っていないことが多いお子さまの場合は、英検4級に最低限必要な知識をまず固めていきましょう。

英検対策書を使った学習手順の一例をご紹介します。

1. 文法を学ぶ

文法は英語を学ぶ基礎になります。『英検4級 総合対策教本[改訂版]』のPART 2で、英検4級によくでる文法事項を学びましょう。英検5級の出題範囲である基本的な文法事項がおぼつかない場合は、PART 1でおさらいすることができます。年少のお子さまの場合は、『小学生のためのよくわかる英検4級 合格ドリル[4訂版]』が、親しみやすいイラストと平易な説明で、自習しやすくなっています。

2. 重要単語を覚える

単語集『英検4級 でる順パス単』の「学校で習う単語」の349語をまず覚えましょう。この単語集はでる順に掲載されており、効率よく学習できます。年少のお子さまには、『英検4級 絵で覚える単熟語[4訂版]』が、フルカラーイラストやクイズ付きでおすすめです。

ここまで終えたら、ケースAの学習手順に進みましょう。

合格に必要な学習時間

上記の手順で学習をすすめた場合、どれくらいの学習時間が必要か、一例を挙げてみました。

ケースA

1. 過去問で問題演習:過去問6回分の演習で6.5時間
2. 答え合わせと、苦手分野の発見:過去問6回分の答え合わせと丁寧な復習で6時間
3. 苦手分野の補強:苦手分野1つにつき1時間
4. スピーキングテストの問題演習:1時間

苦手分野の数によりますが、15~20時間程度を見込むとよいでしょう。

ケースB

1. 文法を学ぶ:未習文法を学ぶのに4時間
2. 重要単語を覚える:「学校で習う単語」を覚えるのに4時間
+ケースAの学習時間

未習分野の量によりますが、23~28時間程度を見込むとよいでしょう。

もちろん個人差もありますし、一度やっただけでは定着せず、時間のかかる項目もありますので、上記の時間はあくまで目安です。日頃、学校で英語の授業を受けているお子さまは、その分、英語力が日々高まっているはずですので、個人学習にここまでの時間は必要ないかもしれません。逆に、学校で英語の授業がまだ始まっておらず、独学しているお子さまは、十分な学習時間を確保できるよう、しっかり計画を立てることが大切です。

勉強法

単語・熟語

英検4級にでる単語・熟語は、日常生活の身近な事柄に関するものが中心で、中学1~2年の教科書に出てくるレベルです。

筆記試験大問1では、15問中7問程度が単語、5問程度が熟語の知識を問う問題となっています。名詞と動詞の出題が多くなっていますが、形容詞や前置詞も問われます。動詞は過去形を問う問題が頻出します。

大問1によくでる単語・熟語を例に挙げると、clean(~をきれいにする)、ready(用意ができて)、for a long time(長い間)などです。

参考書

おすすめの参考書は、『英検4級 でる順パス単』です。過去の英検問題を分析し、よく出題される単語・熟語を「でる順」に掲載した、リスト型単語集です。年少のお子さまには、フルカラーイラストで視覚的に覚えられる『英検4級 絵で覚える単熟語[4訂版]』が向いています。

旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば、『英検4級 でる順パス単』の音声を無料でダウンロードすることができます! 収録された見出し語のリストを見ながら発音を確認できるので、英検4級レベルの単語・熟語を、リスニング力を鍛えながら覚えられます。

勉強法

英検4級レベルの単語・熟語を学習するには、まず、教科書や参考書、問題集で目にしたものをしっかり覚えるのが基本です。動詞の過去形や、形容詞の比較級・最上級で混乱しないよう、原形をしっかり暗記させましょう。不規則動詞の過去形は発音、スペル共に原形から大きく変わることが多いので、しっかり覚えさせる必要があります。

さらに効率よく学ぶには、単語集『英検4級 でる順パス単』がおすすめです。単語集は、まずは「覚えている」「覚えていない」を仕分けるチェックリストととらえましょう。暗記はあと回しにして、載っている単語・熟語を覚えているか覚えていないかだけで、短時間で仕分けていきます。単語集の見出し語にはチェックボックスがありますから、「覚えていない語にチェックを入れる」とルールを決めて(逆に覚えている語にチェックを入れてもかまいません)、チェックを入れていきましょう。「学校で習う単語」の見出し語の仕分けが終わったら、この章の覚えていない単語を集中的に暗記します。それが完了したら「英検にでる単語」を、同じように仕分けし、覚えましょう。そして次に「熟語編」を、と順々に、地道に学習していきます。

英検4級を受験するレベルのお子さまでは、まだアルファベットに慣れていなかったり、英語のスペリングのパターンをのみこめていなかったりします。したがって、見るだけ、読むだけでは覚えられません。その単語の発音を聞き、自分でも言ってみて、何回も書くなど、五感を駆使して勉強させましょう。単語集に付属している赤セルや、ミニテストなどを使えば、ゲーム感覚で楽しく学べます。

『英検4級 でる順パス単』は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使って音声を無料で聞くことができます。しかも、アプリの機能「単語モード」を使えば、見出し語の音声を聞きながらチェックを入れて、「覚えている」「覚えていない」をアプリ上で仕分けることができます。

スペルを書いて単語を覚えたいお子さまには、『英検4級 でる順パス単』に収録された語を書き込んでいける教材『英検4級 でる順パス単 書き覚えノート』がおすすめです。

また、『英検4級 絵で覚える単熟語[4訂版]』は、暗記が苦手なお子さまや、英検に初めてチャレンジする小学生向きの、イラストやクイズ、音声を使って、楽しく学べる教材です。

英文法

英検4級では、中学1~2年で習う文法が出題されます。筆記大問1では、文法そのものの知識を問う問題が3問程度出題される上、筆記大問3の語句整序でも文法力がカギになってきます。出題頻度が高いものは過去形と未来形、および疑問文、比較の文、命令文、否定文の作り方です。

参考書

おすすめの参考書は『英検4級 総合対策教本[改訂版]』です。重要な文法の解説を読み、それから問題を解いていく形式になっているので、まだ習っていない項目があるお子さまでも自習できます。英検5級相当の文法もまとめられているので、基礎を固めるのにも有効です。
小学生には『小学生のためのよくわかる英検4級 合格ドリル[4訂版]』が、説明もより平易でイラストを多用しており、おすすめです。

勉強法

英検4級では、動詞が過去形、未来形、to不定詞、動名詞と、様々な形を見せるようになります。さらに過去形には、覚えるべき不規則動詞が数多くあります。記憶力と理解力の双方に負荷がかかるため、覚えるだけで精いっぱいになってしまうお子さま、理解しきれずあてずっぽうで解答する生徒さんが見られる項目でもあります。

暗記と理解を両立させるには、暗記項目は日々少しずつ、負担にならない程度を積み上げていくべきでしょう。そして理解するべき文法事項は、1項目ずつ時間を取り、未来のことを表すには〈will+動詞の原形〉または〈be動詞+going to+動詞の原形〉を使うのだ、過去のことを表すには、一般動詞の末尾にdかedをつけるが、不規則動詞とbe動詞の場合は特殊な形になるのだ、などと、じっくり定着させましょう。文法問題を解かせたときは、答え合わせに時間をかけ、マルかバツかを確認するだけではなく、なぜその正解になるのか、解説をじっくり読ませて理解させましょう。

to不定詞と動名詞は、どちらにも「~すること」という意味があるため、お子さまが混乱しやすい項目です。例えば、I like to talk. と I like talking.は、どちらも「私は話すことが好きだ」という意味になるなどです。

この対策として、to不定詞・動名詞をみっちりやらせるのも手ではあります。しかし、英検4級レベルでは、動名詞の出題は形がかなり限られています。時間に余裕がない場合やお子さまが混乱している場合は、動名詞を熟語扱いして、「enjoy doing = ~することを楽しむ」などと、暗記してしまうのも一策です。

長文読解

英検4級の長文読解では、日常生活の身近な話題に関する簡単な文章を理解することができるレベルが求められます。

長文読解は、筆記の大問4で出題されます。大問4は、A、B、Cの3つに分かれています。

問題 長文の種類 語数の目安 設問数
A 掲示 60語程度 2
B 手紙文またはEメール 150語程度 3
C 説明文 170語程度 5

合計380語程度を、できれば15分ほどで解きたいところです。

Aでは、日曜市開催や英語学校開校など、身近なイベントの掲示が多く出題されます。
Bでは、友人、親戚の間の手紙やEメールが多く出題されます。
Cでは、休日にしたことやホームステイに行った思い出など、架空の人物の体験を表した説明文が多くを占めます。

参考書

おすすめの参考書は『英検4級 総合対策教本[改訂版]』です。掲示や手紙・Eメール、説明文の形式や構成から解説しており、長文のどこに注目するべきかが理解できます。また、「いつ」「どこで」「だれが」という重要な情報が色分けされているので、語句の羅列に惑わされず学習できる仕組みです。

勉強法

長文読解は英検4級にはない項目です。まとまった文章を読むことに慣れていないお子さまの場合は、単語をひとつひとつたどり、文をひとつひとつ理解するのがやっとで、全体の要旨がつかめない、ということもあるかもしれません。意味のわからない単語があるとそこで先に進めなくなるということもあるでしょう。まずは、長文の構成・形式を理解しそれに慣れること大切です。理解できた文から全体の要旨を推測することを学ばせましょう。

Aの掲示は、必要な情報が一目でとらえられるように、箇条書きでまとめられています。
BのEメールや手紙では、まず宛名と差出人を把握し、登場人物を整理しながら読み解くことが大事です。
Cの説明文は複数の段落で構成されています。体験談などの場合は、主人公がどんな人なのかが最初に書かれていることが多く、2段落め以降は、「いつ」ということがわかる「時を表す語句」に注目して、話の流れをつかみましょう。

長文とそれを読み上げた音声がある場合は、音声を聞きながら、読まれている個所を指でなぞってみるのも、この問題の形式になれる良い方法です。日本語の語順どおりに行きつ戻りつしながら解読してしまうことがなくなり、英語の語順になじめるようになります。また、数字(時間、人数、値段など)や名詞など、ポイントの語句をマークさせると、内容の把握が進みます。

リスニング

英検4級のリスニングでは、日常生活の身近な事柄に関する簡単な内容を理解することができるレベルが求められます。

第1部では、男女2人の会話を聞き、最後の発話に対する応答としてふさわしいものを選びます。友人同士や親子、店員と客などの、日常的な場面が中心です。
第2部では、男女2人の会話を聞き、その内容と一致するものを選びます。友人同士や親子などの、日常的な会話が多く出題されます。
第3部では、25語程度の英文を聞き、その内容と一致するものを選びます。学校や家庭生活での日常的な話題や趣味の話などが多く、学校や店、駅などでの案内放送も出題されます。

英文はすべて2回放送され、読まれるスピードはかなりゆっくりです。

実際に音声を聞いてみて、英語が読み上げられるスピードを確認しましょう。

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

参考書

リスニングを基礎から学びたい方は『DAILY2週間 英検4級 集中ゼミ[5訂版]』がおすすめです。10日め-13日めがリスニング編となっており、CDも付属しています。『英検4級 でる順パス単』も、日常生活でよく使われる会話表現を100収録している上、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で音声を無料ダウンロードできるので、リスニング対策に向いています。

勉強法

リスニング対策は、一にも二にも、英語特有のリズムやイントネーションに慣れることです。カタカナに頼らせず、単語や文を聞こえたままに復唱する練習をさせましょう。また、第3部は会話ではなく25語前後の英文のリスニングとなるので、情報の要点を聞き取る必要があります。今後、3級、準2級と進むにつれ、英文がさらに長くなっていきますので、聞きながらメモを取る練習をここで始めるとよいでしょう。書くことに気を取られて耳がおろそかにならないよう、キーワードだけを書きとめます。キーワードになりやすいのは数字や名詞なので、「これから聞く英文に数字がいくつ出てくるか、メモを取ってみよう」などと、ゲーム感覚でやらせるのも手です。

また、英検4級のリスニング問題には、挨拶や会話、電話、案内放送などの定型表現が多く取り上げられます。定型表現は知っていれば簡単ですが、そうでない場合はどのような場面の会話なのかについて把握することが難しくなります。例えば、May I help you? は、店員などが言う「いらっしゃいませ;何かお探しですか」だとわかっていれば、聞いたとたん、「ああ、これは店での会話だな」と推測できます。しかし、知らなかった場合は、「私はあなたを助けてもよろしいでしょうか?」と文字どおりに解釈してしまい、「誰かがトラブルに遭っているのだろうか」などと勘違いしてしまうのです。ですから、定型表現はひたすら聞かせ、声に出して言わせ、書かせて身につけさせたいものです。

『英検4級 でる順パス単』は単語集と銘打ってありますが、会話表現も100項目収録されています。しかも、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で音声も無料ダウンロード可! ぜひリスニング対策に役立ててください。

過去問・予想問題

試験時間内に全部終わらなかった―お子さまがそんなふうにしょげていたことはありませんか? 本番では慌ててしまい、ほんの少し答えを悩んだつもりでも、驚くほど時間が経ってしまっていたりするものです。試験当日、こんな失敗をしないためには、普段から実際の試験と同じ分量の問題を時間内に解くトレーニングをしておくことが大事です。過去問や予想問題はこのトレーニングに最適な素材です。

参考書

『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』をおすすめします。Web特典で、解答用紙のダウンロードも可能です。一次試験直前の総仕上げには、筆記・リスニング合わせて5セット分の予想問題を収録した『英検4級 予想問題ドリル』がおすすめです。

勉強法

過去問・予想問題を解かせるにあたって重要なことは、本番と同じ方式で取り組むことです。付属のマーク式解答用紙を切り離して実際にマークさせる、時間を厳守する、などを心がけましょう。実際の試験会場では緊張のあまり、1問飛ばしてマークしてしまう、はみ出し・うす過ぎが気になってマーク欄を過剰に丁寧に塗ってしまう、といったことが起こりがちです。事前に本番同様の状態で練習して、当日は落ち着いて受験できるようにしましょう。

過去問・予想問題は、せっかく時間をかけて解いても、解きっぱなしでは効果が半減します。答え合わせをして、弱点の発見と克服に努めましょう。間違った箇所の解説をよく読み、理解しておくことは非常に重要です。合否判定はCSEスコアで行われるため、何問正解したら合格なのかははっきりしませんが、およその合格ラインは6割程度と言われています。もし正解率が6割を切る大問があったら、それは苦手な大問ですから、入念に復習させましょう。より細かいところまで見てあげられる場合は、単語力が不足しているのか、文法を覚えきれていないのか、リスニングが聞き取れていないのか見極め、『英検4級 総合対策教本[改訂版]』で苦手な箇所をもう一度勉強させましょう。

スピーキングテスト

英検4級のスピーキングテストでは、日常生活の簡単な内容についてやりとりすることができるレベルが求められます。

一次試験の結果にかかわらず受験することができる別個のテストです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどコンピュータ端末から、専用サイトにアクセスして受験します。

まず、画面上に25語程度のパッセージ(英文)とイラストが表示されます。そのパッセージを黙読し、それから音読します。
次に、そのパッセージについての質問に答えます。
それから、イラストについての質問に答えます。
最後に、受験者自身について質問がされるので、それに答えて終了です。

出題される話題は、「放課後にすること」などです。架空の少年少女が学校や家庭で何をしているか、何をすることを好むかといった日常的なテーマが多くなっています。最後に、それに関連付けて、受験者自身が普段やること/好きなことを尋ねられるパターンが一般的です。

参考書

英検4級スピーキングテスト対策には、『英検4級 総合対策教本[改訂版]』がおすすめです。PART 6がスピーキングテスト対策の章となっており、CDも付属しています。また、『2024年度版 英検4級 過去6回全問題集』にも、スピーキングテストが体験できるWeb特典が付いています。

勉強法

普段から、英語を声に出すことに慣れさせておくことが大事です。学校で英語の授業があるお子さまの場合は、その日習ったページを音読させ、そうでない場合は参考書などの英文を声に出して読ませましょう。テレビの英会話番組、英語の歌などを聞かせて、いっしょに英語で話したり歌ったりするのもよい方法です。

本番で最も問題となるのは、音読を課せられたパッセージの中に未知の語句があったときに止まってしまうことです。知らない単語であってもつづりから発音を推測し、声に出して言えるよう日頃から訓練しておきましょう。文と文の間は少しあけて読む、大きな声ではっきり話すなども、普段からの練習でくせにしておくと、本番でも自然と行うことができるでしょう。

試験当日の試験対策

一次試験(筆記・リスニング)

試験会場に自動車などで行くことは禁止されています。必ず、電車やバスなどの公共交通機関を利用してください。会場に早めに着き、トイレを済ませて、リラックスして試験開始を待てるよう計らいましょう。

●当日の持ち物リスト

  受験者(お子さま)の持ち物 保護者の方の持ち物
必ず持っていくもの 一次受験票 うわばき(お子さまの受験票に「持ち物:うわばき」と記載されている場合)
HBの黒鉛筆/シャープペンシル お子さま用の飲み物(試験教室内は飲食できませんが、試験時間が長いので水分補給をしてから入室する方がよいかもしれません。)
消しゴム 座席調整用の座布団・クッションなど(会場施設の机・いすが体のサイズに合わない場合に備えます。)
うわばき(受験票に「持ち物:うわばき」と記載されている場合)  
必要に応じて用意するもの 腕時計 待ち時間用の本など
必要事項を書き込んだ練習用解答用紙コピー  
防寒用の服  
ハンカチ  
ティッシュ  

保護者は、筆記試験開始5分前(集合時間の25分後)まで付き添い可能です。個人情報の記入などを手伝うこともできます。退室後は、試験会場内の「保護者控室」で待機します。また、携帯電話を持っている受験者には、試験中は電源を切るよう試験監督者から指示があります。お子さま自身で電源を切ることができない場合は、保護者の方が管理しましょう。

試験は、筆記試験、リスニングテストの順で行われます。筆記試験開始前に、リスニングテストの音量チェックが行われます。リスニングテストの直前には音量チェックは行われませんので、音量が小さいなど聞こえづらい場合は、必ずこのタイミングで申し出るよう、お子さまに伝えておきましょう。

筆記試験は35分です。大問ごとの目標解答時間は下記のとおりです。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 目標解答時間
1 短文の語句
空所補充
文脈に合う適切な語句を補う。 15 10分
2 会話文の
文空所補充
会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5 5分
3 日本文付き
短文の語句整序
日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替える。 5 5分
4 長文の内容
一致選択
パッセージ(長文)の内容に関する質問に答える。 10 15分

筆記 大問1:短文の語句空所補充

短文または会話文の空所に、文脈に合う適切な語句を4つの選択肢から選ぶ問題です。15問のうち、7問程度が単語、5問程度が熟語、3問程度が文法を問う問題です。

例題:
空所にあてはまる語を選びなさい。

A: These tomatoes are very delicious.
B: Thank you. I grew them in my (        ).

1 computer 2 garden 3 food 4 word

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの目安は、15問中9問正解です。単語は意味をよく考えて、文の意味が通るものを選びましょう。熟語は、熟語の一部が空所となっている問題が多いので、空所前後の語句がヒントになります。大問1は、知っているかどうかで決まる問題が多く、「わからない」と悩むだけ時間がむだになるので、あれこれ考えず、「正答だ」と思うものにマークして、すぐに次へ進むのが得策です。

お子さまには、「わからない問題でも解答欄には答えをどれか必ず記入するように」と伝えておきましょう。「見直したときマークすればいいや」と思ってあと回しにすると、時間切れで記入しきれないことがあります。

筆記 大問2:会話文の文空所補充

会話文の空所に、文脈に合う適切な文や語句を、4つの選択肢から選ぶ問題です。日常会話でよく使われる表現が頻出します。設問数は5問です。

例題:
空所にあてはまる文を選びなさい。

Son: Would you pass me the salt, please?
Mother: (        )

1 Here you are.
2 Yes, it is.
3 Yes, let’s.
4 You’re welcome.

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:1

合格ラインの目安は、5問中3問正解です。会話の定型表現がよく出題されるので、その言い回しを知っているか知らないかで勝負が決まります。知らない場合は時間をかけず、正答だと思うものをマークして次へ進みましょう。

筆記 大問3:日本文付き短文の語句整序

日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替えて、その2番目と4番目にあたる語句の組み合わせを選択肢から選ぶ問題です。5問出題されます。

例題:
日本文の意味を表すように①から⑤までを並べかえて          の中に入れなさい。そして、2番目と4番目にくるものの最も適切な組合せを選びなさい。
※ただし、(        )の中では、文のはじめにくる語も小文字になっています。

1 ④-③ 2 ⑤-④ 3 ②-⑤ 4 ⑤-②

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの目安は、5問中3問正解です。英文の最後に「?」がついていれば疑問文ですから疑問文の語順になるよう気をつけましょう。否定語の「not」があれば、助動詞やbe動詞のあとに置かれる可能性が高いです。試験本番の問題冊子にはメモや書き込みをしてもよいので、         の中に実際に答えを記入して、数字の見間違いなどケアレスミスをしないようにしましょう。

筆記 大問4:長文の内容一致選択

パッセージ(長文)を読み、その内容に関する質問の答えとしてふさわしいものを、選択肢から選ぶ問題です。内容に合うよう文を完成させる問題であることもあります。
パッセージは、A、B、Cの3種類があります。

問題 長文の種類 語数の目安 設問数
A 掲示 60語程度 2
B 手紙文またはEメール 150語程度 3
C 説明文 170語程度 5

例題:
次の英文の内容に関して、以下の質問に対する答えとして最も適切なものを選びなさい。

Peter and Judo

Peter is 12 years old. Last year, he moved to Kobe from New York with his family because his father got a job there. It was his first time to live in another country. Peter couldn’t speak Japanese, so he didn’t have any friends at school.(以下略)

What did Peter’s father do last year?
1 He got a new job in New York.
2 He moved to New York with his family.
3 He started to work in Kobe.
4 He taught Peter Japanese.

(『英検4級 予想問題ドリル』より抜粋)

答え:3

合格ラインの目安は、10問中6問正解です。質問の内容は、問題文の内容と同じ順序で作られています。まず、質問を読んで問題文と見比べ、どの辺りが解答について書かれている場所なのかを特定し、それから該当する部分を丁寧に読んで、解答を選ぶ方法を取ることもできるでしょう。

筆記試験が終わると、続けてリスニングテストが行われます。

問題番号 問題形式 詳細 設問数 放送回数
第1部 会話の応答文選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。
(補助イラスト付き)
10 2回
第2部 会話の内容
一致選択
会話の内容に関する質問に答える。 10 2回
第3部 文の内容一致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 10 2回

リスニング 第1部:会話の応答文選択

問題冊子に印刷されているイラストを参考にしながら、男女2人の会話を聞き、その最後の発話に対する応答としてふさわしいせりふを、選択肢3つの中から選ぶ問題です。選択肢は問題冊子には印刷されておらず、英語で読み上げられます。10題出題され、会話と選択肢は2度ずつ放送されます。

例題:
イラストを参考にしながら対話と応答を聞き、最も適切な応答を選びなさい。

(問題冊子にかかれたイラスト)

(放送文)
A: Mr. Brown, I don’t understand this question.
B: Really?
A: Can you help me?

1 Yes, I can play it.
2 OK. Show it to me.
3 I have one, too.

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:2

合格ラインの目安は10問中6問正解です。最初にイラストを見て、話者と場面を理解しておきましょう。男女2人の2往復の会話となっているので、最後の発話(3つめのせりふ)を集中して聞くことが大事です。疑問文の場合、文頭の疑問詞を聞き逃すと何を問われているのかを把握できない場合があるので、特に注意して聞きましょう。

リスニング問題は、放送中が勝負! あとから思い返して悩んでも、正答に近づく可能性はほとんどありません。ですから、会話の雰囲気や聞き取れた表現も手がかりにして、最も正答らしい答えをマークしたあとは、すぐに気持ちを切り換えて、次の問題に集中するようにしましょう!

リスニング 第2部:会話の内容一致選択

最初に男女2人の会話、続いて質問が放送されます。その質問に対する解答を4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、会話と質問は2度ずつ放送されます。選択肢は問題冊子に印刷されています。

例題:
対話と質問を聞き、その答えとして最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 At 9:15.
2 At 9:25.
3 At 9:30.
4 At 9:40.

(放送文)
A: When does the next bus come?
B: At 9:15. We have to wait for 10 more minutes.
A: We’ll be late for the concert. It starts at 9:30.
B: Then let’s take a taxi.

Question: When is the next bus?

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:1

合格ラインの目安は10問中6問正解です。2回放送されるので、1回めで会話の内容と質問の意味をつかみ、2回めは質問にかかわる部分を集中して聞くようにしましょう。数や場所、時などの情報が解答のカギであることが多くなっています。

リスニング 第3部:文の内容一致選択

最初に25語程度の英文、続いて質問が放送されます。その質問に対する解答を4つの選択肢から選ぶ問題です。10問出題され、英文と質問は2度ずつ放送されます。選択肢は問題冊子に印刷されています。

例題:
英文と質問を聞き、その答えとして最も適切なものを選びなさい。

(問題冊子に記載される選択肢)
1 Go to a bookstore.
2 Look at some animals.
3 Borrow a book.
4 Study in the library.

(放送文)
Amy likes reading books. She often goes to the city library. She is going to borrow a book about animals tomorrow.

Question: What will Amy do tomorrow?

(『英検4級 予想問題ドリル』より)

答え:3

合格ラインの目安は10問中6問正解です。「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「どのように」にかかわる情報を注意して聞き、できればメモをとりましょう。英文と質問は2回放送されるので、1回めで、特に質問冒頭の疑問詞を注意して聞き取り、2回めで正答にたどりつくことが大事です。

スピーキングテスト

英検4級のスピーキングテストは、自宅や学校などで、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのコンピュータ端末から、専用サイトにアクセスして受験します。
申し込みをした試験回の一次試験合否閲覧日から受験でき、利用終了日は二次試験日から1年を経過した日になります。
ログインには、受験票横の「本人確認票」、または一次試験個人成績表に記載された英検IDとパスワードが必要です。

テスト開始前には、使用するコンピュータ端末での通信環境や動作確認、試験の流れ、注意事項の確認が行われます。この作業は、保護者が補助してもよい事項となっています。

問題番号 問題形式 詳細
  音読 25語程度のパッセージを読む。
No. 1, 2 パッセージについての質問 音読したパッセージの内容についての質問に答える。
No. 3 イラストについての質問 イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する。
No. 4 受験者自身のことなど 日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む)。

パッセージの音読

画面上に25語程度のパッセージ(英文)とイラストが表示されます。まず20秒でパッセージを黙読し、それから音読します。

例題:
(画面に表示されるパッセージとイラスト)

Tom’s Favorite Place

Tom likes to read history books very much. Tom goes to the library after lunch. Tom wants to become a writer in the future.

(旺文社作成予想問題)

黙読の間に文の意味をだいたいつかみ、もし知らない単語があっても、例えば、「somedayはsomeとdayだから、サムデイと発音するんじゃないかな」などと、スペルから発音を推測するようにさせましょう。タイトルも忘れずに読みあげること。音読は、多少間違ったり舌がもつれたりしても動揺せず、落ち着いて、ゆっくりはっきりと読むことが大事です。

面接委員の声が聞き取れなかったときは、画面の「もう一度聞いてやり直す」ボタンでやり直すことができます!

No. 1, 2 パッセージについての質問

パッセージを見るように促され、パッセージの内容について2つ質問されます。

例題:
No. 1
Please look at the passage. When does Tom go to the school library?

解答例:He goes there after lunch.

No. 2
What does Tom want to become in the future?

解答例:He wants to become a writer.

(旺文社作成予想問題)

質問の最初の疑問詞を聞き逃さないように集中しましょう。「トムは将来何になりたいですか。」と質問されたら、「He」を使って答えるなど、代名詞をきちんと使うことがポイントです。heやsheが主語のときには一般動詞の語尾にsやesをつけることを忘れないように。

No. 3 イラストについての質問

イラストを見るように促され、イラストの中に描かれている人やものについて質問されます。

例題:
Please look at the picture. What is the girl doing?

解答例:She is using a computer.

(旺文社作成予想問題)

イラストの中には複数の人物が描かれているので、どの人についての質問か、まず把握しましょう。答えるときは、girlについて聞かれた場合はsheと、主語を代名詞に換え、現在進行形で尋ねられたら、現在進行形を使うのがポイントです。

No. 4 受験者自身についての質問

受験者自身のことが質問されます。イラストやパッセージに直接関連しない内容である場合もあります。

例題:
Do you like to go to the library?

(Yes.と答えた場合)How often do you go there?
(No.と答えた場合)What do you usually do after lunch?

解答例:
Yes. → I go there twice a week.
No. → I play soccer with my friends.

(旺文社作成予想問題)

最初の質問は、YesかNoで答えられます。続く質問は、受験者の答えを受けたものになります。あわてずに、最初の疑問詞を注意して聞くようにしましょう。頻度を聞かれた場合は、every day(毎日)や once a week(週に1回)などの表現が便利です。

お子さまが、質問を聞き取れず、パニックになることも予想されます。そのようなときは画面上の「もう一度聞いてやり直す」ボタンを押せば聞き直しができることを、お子さまに教えてあげましょう。それでも聞かれていることがわからない場合は、「聞き取れたことから想像してでも、精一杯答えるのが大事であること」を伝え、落ち着いて臨めるようにしましょう。

まとめ

お子さまの英検4級受験にあたって、どのようなバックアップが必要か、ご理解いただけたでしょうか? 英検は問題形式が決まっていますので、ひとつひとつの形式をよく把握しておけば、それぞれの正解率を上げることができます。一方で、付け焼刃が通用しにくく、地道な対策が合格のカギとなるのも英検の特徴です。合格を目指して、お子さまと二人三脚でがんばってください!