自動翻訳や校正ツールの進歩により、英語で文章を書くハードルは格段に下がりました。一方で、「この英文、失礼なニュアンスだったりしないかな?」と、ちょっと不安になることもあるのでは?

こちらの「メールで使える英語表現」シリーズは、英語でメールを書くときに使える便利な語彙・表現を、シチュエーションごとに紹介する記事です。定型的な表現に、言い換え文例を複数つけ、注意するポイントも挙げてあります。英文メールのテンプレートとしても活用してください!

キャンパスライフ編第4回は、「研究室を訪ねてもよいか伺う」です。

今回のテーマ:Request for an office visit

大学生活の中では、レポートや卒業論文について教授に相談したいと思う場面があるかもしれません。「研究室に伺って相談したいのですが、いつならいらっしゃいますか?」と、教授にアポを取るメールを書けるようになりましょう!

メール文の例

To: ◎◎◎◎◎@mail.com
Subject: A request for a visit at your office

Dear Professor Collins,

I hope you are doing well. This is Shun Sasaki, and I’ve been enjoying your seminar on international political economy. I’m currently working on my graduation thesis, and the title is The Relationship between Environmental Policy and International Trade. I was wondering if I could visit you at your office to ask some questions. When would be a good time for you to meet? I’m free on weekday afternoons, except for Tuesdays. Thank you for your consideration. I look forward to your response.

Sincerely,
Shun Sasaki

(訳)

To: ◎◎◎◎◎@mail.com
件名: 研究室訪問のご依頼

コリンズ先生

お世話になっております。佐々木俊です。国際政治経済学のあなた(先生)のゼミをいつも楽しく受講しております。現在、卒業論文に取り組んでおり、そのタイトルは「環境政策と国際貿易の関係」です。いくつか質問をするために、あなた(先生)の研究室に伺えないかと思っておりますお会いするのにご都合のよい日時はいつでしょうか。私は、火曜日以外の平日午後が空いております。ご検討いただけますと幸いです。お返事をお待ちしております。

よろしくお願いいたします。
佐々木俊

重要表現

① I’ve been enjoying your seminar on ~.
「~のあなた(先生)のゼミをいつも楽しく受講しております」

これはやや丁寧な表現に当たります。先生によっては、よりカジュアルな言い方を好む人も、逆にフォーマルな口調を喜ぶ人もいるでしょう。普段のゼミから感じられる人柄や、先生との関係性に応じて使い分けてください。ただし丁寧さの度合いにかかわらず、このメールの趣旨は面会のお願いです。まずは上記のように、普段のゼミへの感謝を表す文から書き始めるとよいでしょう。教授に対する敬意が伝わり、面会の許可を得やすくなります。

類似表現

丁寧

  • I have truly appreciated your seminar on ~.
    「~のあなた(先生)のゼミを、普段よりありがたく思っております」

やや丁寧

  • I’m having a good time in your seminar on ~.
    「~のあなた(先生)のゼミでは、いつも有意義な時間を過ごしています」

カジュアル

  • Your seminar on ~ is really interesting.
    「~のあなた(先生)のゼミはとても興味深いです」

なお、上記の「カジュアル」の例文に使われている interesting という語は「精神的に刺激的である」というニュアンスです。新しいアイデアに触れることで視野が広がる状態を表現することができます。先生のゼミに対し「interesting」と言うのは抵抗感があるという人は、「engaging(魅力的な)」に差し替えてもよいでしょう。

② I was wondering if I could visit you at your office.
「あなた(先生)の研究室に伺えないかと思っております」

これも何かをお願いする、やや丁寧な言い方です。許可を求める表現といえば、「~してもよいですか?」と、ダイレクトに尋ねる文の方が思いつきやすいことでしょう。例えば Could I visit you at your office?「あなた(先生)の研究室を訪問してもよいですか?」などです。もちろん、そのように書いても意図は伝わります。ただ余裕があったら、この例文のような I was wondering if「~かと思っております」を使ってみましょう。Would it be possible?「~はできますでしょうか?」という表現もよいでしょう。Could I visit you at your office?「あなた(先生)の研究室を訪問してもよいですか?」よりも、言葉づかいに注意を払っている感じが出ます。

類似表現

丁寧

  • I’d like to make a request for an office visit.
    「研究室に伺うお願いをしたいと存じます」

やや丁寧

  • Would it be possible to visit you at your office?
    「研究室に伺ってもよろしいでしょうか?」

カジュアル

  • Can I drop by your office?
    「研究室に立ち寄ってもいいですか?」

③ When would be a good time for you to meet?
「お会いするのにご都合のよい日時はいつでしょうか」

これもやや丁寧な表現です。When would? や What time and day would? など、礼儀正しい言い方を適切に使うよう心がけましょう。また、おすすめの書き方はまず丁寧な表現で趣旨を述べ、続く文章でシンプルに質問をするというものです。具体的には、I was wondering if I could visit you at your office.「先生の研究室に伺えないかと思っております」と先に書き、続けて When are you free?「いつ空いていますか」 などと質問する、といった書き方です。このようにすると、先行する文で趣旨を丁寧に伝えることができているので、続く文をシンプルに書いても失礼な印象にはなりません。

類似表現

丁寧

  • Could you please inform me of your availability?
    「空いているお時間をお知らせくださいますか?」

やや丁寧

  • What time and day would you be available?
    「都合のよい時間と曜日はいつでしょうか?」

カジュアル

  • When are you free?
    「いつ空いていますか?」

まとめ

大学ですと、先生と普段はカジュアルなやり取りをしている人もいるかもしれません。それでもこちらからお願いをするときには相応の礼儀が求められます。大勢の学生を教える先生の負担とならないよう、用件を丁寧かつ明確に伝えられるようになりましょう!