この記事では、英検3級の一次試験で出題されるライティング(英作文)問題について詳しく解説しています。はじめに、どのような問題が出されるのか、ライティングの配点が合否にどの程度かかわるのか、どのような観点から採点されるのか、など試験の概要を述べています。次に、理想的な英作文を書くためのコツや解答のノウハウ、役に立つ表現について解説しています。英作文の質を上げるために確認すべき事項のチェックリストも載せています。最後に、作文力をつけるための学習方法や、参考書を使った対策を詳述しています。ぜひ参考にしてください。

(本記事は、2018年3月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。)

試験概要

以下では、英検3級で出題される英作文問題の概要と、問題例、その解答例を挙げています。どのような観点から採点されるのか、合格点はどの程度と予想されるのか、頻出テーマは何か、などについても述べています。

概要

英検3級の英作文は、一次試験・筆記の大問4として出題されます。出題数はわずか1問ですが、英検3級の一次試験に合格するためには、この1問で一定以上の点数をとらなければいけません。というのも、英検の一次試験では、リーディングとライティング、リスニングの各技能に CSE スコアが550点ずつ割り当てられているからです。すなわち、英作文のこの1問が、一次試験の1/3のウェイトを占めているということになります。

(CSE スコアについては、「英検3級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策:合格点・合格率」をご参照ください。)

この英作文問題の内容は、与えられたQUESTIONに対する自分の考えとその理由を、25~35語程度で書くというものです。QUESTIONは英文10語程度で、多くは、「好きな季節は何ですか?」など、受験者自身についての身近な話題です。目標解答時間は、筆記試験全体が50分で、リーディングが大問1~3まで計30問あることを考えると、約15分が目安になります。

問題例

例題:
●あなたは,外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。
●QUESTIONについて,あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。
●語数の目安は25語~35語です。
●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。

QUESTION
What do you want to do in the future?

『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)

解答例

解答例:
I want to work as a doctor because my father is a doctor and I respect him. Also, I want to help a lot of sick people in the future.

『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』より抜粋)

採点の観点と配点

英検3級の英作文は、以下の4つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~4点が配点されており、合計16点満点です。各技能バランスよく得点して合格するには、10点程度を目標とするとよいでしょう。この点数がCSEスコアに変換され、リーディング・リスニングのCSEスコアと合算されて一次試験の合否が決まります。

①内容 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
②構成 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
③語彙 課題に相応しい語彙を正しく使えているか
④文法 文法的に正しい英文が書けているかどうか

第1の観点「内容」で最も大事なポイントは、与えられたQUESTIONに対して適切に答えているかどうかです。関係がまったくない内容を書くと、たとえ英語としては正しい文章を書いていても、0点になることもあります。ですから読み違えないよう、問題文とQUESTIONは慎重に読みましょう。また自分の考えだけでなく、そう思う理由も書かなければいけません。

次の観点「構成」は、自分の考えとその理由をわかりやすく論理的に書けているかがポイントです。自分の考えと矛盾する内容は書かないようにしましょう。また、接続詞などのつなぎ語を効果的に使うと論旨の通った文章にすることができます。

3つめの観点「語彙」は、課題に相応しい語彙を正しく使えているかです。正確なスペルで、語と語の間には適切なスペースを空けて書くようにしましょう。文頭の単語や固有名詞の1字めを大文字で書くことや、複数形の語尾を正しく変化させることも大事です。

最後の観点「文法」は、文法的に正しい文が書けているかです。特に動詞は、主語や時制に対応した形にするよう気をつけて書きましょう。意味の区切れにはカンマ、文末にはピリオドを打つなど、英文のルールを守ることも忘れないように。

頻出テーマ

英検3級の英作文は、2017年度第1回検定から新たに出題されるようになりました。したがって、何が頻出と言えるほどの出題事例は蓄積されていません。ただ、これまでの出題傾向を見ると、面接と同じような身近なことに関するテーマがでると予測されます。具体的には、夏休みに行ってみたい場所、余暇の過ごし方、訪ねてみたい都市などです。

2つのコツ

以下では、英検3級の解答として理想的な英作文を作成するための、重要なコツを2つ挙げています。

型に沿って書く

模範的な形式

英検3級の英作文に、使用すべき単語や文型などの規定はありません。しかし「自分の考えとその理由を2つ書く」「語数の目安は25~35語」などの指示を満たしながら、内容のまとまりのある英語の文章を書くとなると、おのずから形式は定まってきます。模範的な形式は以下のとおりです。

主張 自分の考えを述べる。(1文程度)
理由1 1つめの理由を挙げる。(1文程度)
理由2 2つめの理由を挙げる。(1文程度)

この形式を、前項で挙げた「解答例」にあてはめてみましょう。

主張 I want to work as a doctor
理由1 because my father is a doctor and I respect him.
理由2 Also, I want to help a lot of sick people in the future.

このように、模範的なパターンにあてはめて書くようにしましょう。そうすれば、問題文の指示に沿った上で、理想的な構成の英作文を書くことができます。

解答には、because、also などのつなぎ語を大いに利用しましょう。上の表の「理由2」を見てください。もし、理由2が Also なしで I want to help a lot of sick people in the future.(私は将来おおぜいの病気の人たちを助けたいです。)だったら、どう見えますか? それまで my father is a doctor and I respect him. (父は医者で、私は父を尊敬しています)と父と自分の話をしていたのに、なぜ「人を助けたい」という話に切り替わったのだろう、と感じませんか? 文頭につなぎ語 also(また、さらに)を置くことで、「これからもう一つの理由について書きます」と示すことができます。

書き方の手順

自分の考えと、それを支える2つの理由を手際よくまとめるコツは、以下のとおりです。

まず、日本語でも英語でもいいので、QUESTIONに対する自分の考えを書きましょう。次に、それを支える理由を箇条書きにします。それから理由のそれぞれをチェックして、英語で表現しやすいものを2つ選びます。そして、以下のようなメモを作りましょう。

QUESTION: What do you want to do in the future?

メモ例
自分の考え:医者として働きたい
理由1:父が医者 父を尊敬している
理由2:病気の人たちを助けたい

このメモがそのまま英文の骨格になります。ここまでを、3分程度でこなせるとよいでしょう。

次に、このメモに従って解答欄に英文を書いていきます。自分の考えを上の表の「主張」の位置に入れ、2つの理由をそれぞれ「理由1」「理由2」にあてはめる、という要領で書いていきましょう。「主張」で1文、「理由1」で1文、「理由2」でも1文の、計3文程度が目安です。文と文をつなぎ語でまとめる場合は、2文程度でも構いません。この英文を書く作業は10分程度を目標にしましょう。

最後に、2分程度を使って見直しをしましょう。見直す事項は、あとの「解答のチェックリスト」を参考にしてください。語数の目安は25~35語と指示されていますが、多少オーバーしても、解答欄の枠内に収まっていれば減点されません。ですから時間が足りない場合は、語数の調整に神経をつかうより、スペルや文法をチェックするほうがよいでしょう。

表現しやすい理由を選ぶ

英検3級の英作文は、語学の試験です。相手を言い負かすディベートでもなければ、内容の高度さを競うテストでもありません。正しい英文で自分の考えを、論理的に展開することが大事です。ですから、自分の考えを支える理由は、難しさや専門性よりも、表現のしやすさを基準に選ぶようにしましょう。

例えば、「医者になりたい」という考えに対する理由として、「感染症をなくしたいから」と思いつき、「これは私が普段から思っていることだから、ぜひ書きたい!」と考えたとしましょう。しかし、「感染症」をどう英語で表現してよいか思いつけないときは、別の理由を選ぶべきです。言いたいことを表現できるのが理想ですが、無理な場合はそれにこだわらず、「病気の人を助けたいから」などと、自分が英語で表現できそうな理由を考えるようにしましょう。

解答のノウハウ

解答用紙に慣れておく

英検で使用される解答用紙の見本は、英検ウェブサイトからダウンロードできます。事前に実際に書いてみて、要領をつかんでおきましょう。参考書などの模範解答を、読みやすいように語と語の間を適切に空けて、書き写してみることもおすすめです。理想的な解答がどれくらいの分量になるかわかっていると、本番でも落ち着いて書けるでしょう。

語数が足りないようなら具体例を増やしましょう。例えば、I want to go to foreign countries.(私は外国に行きたい)という英文であれば、for example,(例えば)を加えて、for example, France, Italy, and Spain.(例えば、フランス、イタリア、それにスペイン)と具体例を挙げれば、6語増やすことができます。

語数のカウントは、だいたいで OK です。35語を多少オーバーしても、解答欄に収まっていれば問題ありません。ただし、解答欄の外にまで書いてしまうのは絶対に NG! また、解答欄に収まるからといって、内容や構成に悪影響を及ぼすほどだらだらと長く書くのも好ましくありません。あくまでも、問題文に指示された目安の語数を目指しましょう。

使える表現

すでに述べたように英検3級の英作文には、模範的な形式があります。その形式に従って英作文をするときに、役立つ表現は以下のとおりです。

自分の考えを言い表す

自分のしたいことを言うなら、I want to+動詞の原形.(私は…したいです)という表現が定番です。自分の好きなことを表現するなら、I like to+動詞の原形. あるいは I like ing.(私は…することが好きです)という言い方が便利です。

理由を挙げる

自分の考えを述べたあと、I have two reasons.(理由は2つあります)と書くと、「これから理由を2つ挙げる」ということを明示できます。理由の2つめの文頭に Also,(また、さらに)を使うと、「これからもう1つの理由を述べる」ということが明示できます。また、それぞれの理由を述べる文の冒頭に、First, .(第一に、…)と Second, .(第二に、…)を使うやり方もあります。

具体例を挙げる

for example, (例えば…)という表現が定番です。

比較する

I like A better than B. (私はBよりAが好きです)という表現を使うと、2つのものを挙げてどちらが好きかを言い表せます。「いちばん好きだ」と言いたいときは、I like the best. (私は…がいちばん好きです)と最上級を使いましょう。

希望を述べる

I hope to+動詞の原形 (in the future). という表現を使うと、「私は(将来)…することを望んでいます」と言えます。

解答のチェックリスト

問いに適切に答えているか

与えられたQUESTIONに対して適切に答えているか、「理由を2つ書く」という要件を満たしているか、この2点は特に重要です。メモを作成したあと、解答用紙に書き始める前に、今一度確認しましょう。

考えと矛盾する理由や説明がないか

「わかりやすく論理的であること」も採点のポイントの1つです。自分の考えと矛盾する内容は、書かないようにしましょう。

関係のない内容が含まれていないか

内容と無関係な文章が入っていると、「わかりやすく論理的であること」という採点の観点からはマイナスとなります。

つなぎ語を適切に使っているか

つなぎ語(for example や because、and など)を適切に使えていると、文章の構成がわかりやすくなります。

スペルミスがないか

焦ると思わぬミスをしがちです。foreigner(外国人)や Wednesday(水曜日)など、発音されない文字を含む単語は特に気をつけましょう。second など、日本語での発音(セカンド)とスペルにズレのある単語も要注意です。

英語ではない単語を使っていないか

和製英語などのカタカナ語は、エアコンなら air conditioner など、正しい英語で書きましょう。着物など日本語特有の表現などを使う場合は、英語話者に理解できるよう説明を加える必要があります。ただし、25~35語では、説明する余裕はあまりないでしょう。したがって使わないほうが無難です。

時制のミスがないか

動詞を時制に合った適切な形にしているかチェックしましょう。未来を表す助動詞 will のあとでは、動詞は原形にしなければいけません。過去形なら、動詞の末尾を -ed [-d] に変えるのが基本ルールです。

単数/複数が適切か

複数の人・物について書くときは、名詞を忘れずに複数形にしましょう。child(子ども)の複数形は children になるなど、不規則な複数形もあるので注意が必要です。数えられる名詞の複数形に -s [-es] が付いているか、主語の単複や人称に応じて適切な動詞の形を使っているか、など名詞だけでなく、それに対応する動詞や代名詞も相応しい形にしましょう。

冠詞がついているか

冠詞の a / an / the を必要なところに使っているか、確認しましょう。 a / an は、初めて話題に出る、不特定の可算名詞(数えられる物・人)の単数形に付けます。the は、可算名詞か不加算名詞か、単数か複数かを問わず、一度話題に出た、もしくは特定できる名詞に付けましょう。

語と語、文と文の間に適度なスペースがあるか

語と語の間、文と文の間には、1文字に相当するスペースが必要です。1つの単語を、文字と文字の間を空けて書くと、1つの単語に見えなかったり、次の単語との境界が不明確になったりする恐れがあります。文字は単語ごとにキッチリとまとめて書くようにしましょう。

大文字で始めるべき語が大文字になっているか

文頭の単語、固有名詞、月・曜日名などを表す単語は、最初の文字を大文字にします。これもしっかり確認しましょう。I(私は)は常に大文字です。

ピリオド、カンマが抜けていないか

文末にピリオドを書き忘れていないか、カンマを適切に使っているかなども確認しましょう。理由を列挙するときの First, . (第一に、…)と Second, . (第二に、…)のカンマを忘れずに。

学習方法

学習方法

英検3級の英作文は、経験がものを言います。ピリオドを打つことや名詞の複数形を語尾変化させることなどは、習慣づけることによってミスを減らせるからです。また、英検ウェブサイトからダウンロードできる解答用紙サンプルを使って書き慣れておくと、どのくらいの分量を書けば指定の語数になるか見当がつくようになります。手書きで書く練習も、数をこなすことが重要です。パソコンやスマホでばかり書いていると、スペルチェック機能や予測変換に助けられて、スペルを意外と覚えていなかったりします。本番の緊張した状況では、馴染みのある単語であってもあやふやになることがあるので、怠らず手書きで書くようにしましょう。

英作文が苦手で、何から始めていいかわからないという人は、過去問や問題集の解答例を書き写すことから始めましょう。そのうち、模範的な文の形式がわかってきます。大体のパターンがつかめたら、解答例を熟読し、よく使われる表現を覚えて自分の解答に使ってみるようにしましょう。

また、英作文に欠かせないのが単語力です。単語を知らなければ、自分の言いたいことも表現できませんし、思い出そうとしたり別の言い回しや理由を考えようとしたりして、時間をむだにしてしまいます。日頃から、身の回りの物を見てはその英語名を言ってみる、知らなければ調べるなどして、日常生活に関する語彙を増やしましょう。単語集『英検3級 でる順パス単』などを使って、日本語の意味を見ては、その見出し語の英単語を即座に思い出す訓練をするのもいい方法です。

『英検3級 でる順パス単 書き覚えノート』は、単語力の強化とスペリングの手書き練習が同時にできる書き込み式ノート! 『英検3級 でる順パス単』に対応した形式になっていて、じかにスペルを書き込むことで実力をつけられます。付属の別冊を使えば、自分だけの単語帳も作れますよ。

参考書

英作文を基礎から学びたい方には、『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』がおすすめです。第5章が英作文対策にあてられていて、英語で作文をするのに必要な文型の知識から、英検3級のライティングに頻出する表現、注意が必要な英語特有の言い回しまで詳しく書かれています。また言うまでもないことですが、作文に不可欠なのは文法の知識です。文法の知識がなければ、前項の「解答のチェックリスト」と自作の英作文を照らし合わせても、ミスしているのかいないのかが判別できないでしょう。『英検3級 総合対策教本[改訂増補版]』では第1章で、英検3級合格に必要十分な文法を網羅しています。さらに、巻頭の「重要文法一覧表」を使って、必要な文法を理解しているかをチェックすることもできます。

問題をたくさんこなしたい方には、『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』がおすすめです。英作文問題が合計7問収録されているので、時間を計りながら本番のつもりでやってみましょう。それから前項の「解答のチェックリスト」を参照して、問題点を自分なりに洗い出してみます。解答例と解説を読む際は、自分が知らなかった表現があったら覚えるようにしましょう。「この語句をチェックしよう」の項で挙げられている単語・言い回しは、特に覚えるべきものです。時間に余裕があれば、解答例を書き写してみるといいでしょう。

『英検3級 予想問題ドリル[新試験対応版]』には、本番の体裁を模した解答用紙が2回分付いているので、切り離して使用しましょう。その際は、時間を計る、実際に書き込む、辞書や参考書を参照しないなど、実際の試験と同じ条件で挑戦してみることをおすすめします。本番では、QUESTIONに知らない単語があって焦る、手が震えて思うようなペースで書けないなど、予想外のことが起きるものです。実戦気分の演習を事前に一度体験するだけで、本番の緊張はやわらぎますよ。

まとめ

英検3級の英作文問題について把握できたでしょうか? 出題形式は一定なので、練習によって点数を上げることができます。しかしライティングという問題の特性上、高スコアをとるには単語・熟語・文法の幅広い知識と、地道な練習が不可欠です。合格を目指してがんばってください!