よく見かける表現だけど、実は使い方が「あいまい」な英語ってありませんか? そんな「あいまい英語」を、東進ハイスクール・東進衛星予備校の英語科の人気講師・大岩秀樹先生がスッキリ整理整頓してくれるコラムです。もうこれで「あいまい英語」とサヨナラできる!

「カタカナ語=英語」じゃない!

「ノートパソコンほしくてさ、パン屋でアルバイトしてるんだよね」

カタカナ語はとっても便利。仮に、カタカナ語を使わずに上記の内容を伝えようとすれば、

「情報検索や書類作成、取引先とのやり取りなんかが即座にできる持ち運びと文字の打ち込みが可能な電子機器がほしくてさ、小麦粉と水などを混ぜてからふっくら焼き上げる食べ物を売る店で、正規の社員ではない従業員として働いているんだよね」

ええと……何かのクイズかな? となりそうです……。グローバル化が加速する現代の日本で、カタカナ語を使わない会話は、もはや不可能なのかもしれないですね。さて、突然ですが、ここで気が付いた人はいたでしょうか? 冒頭の文は英語にすると、

“I work part-time at a bakery to buy a laptop computer.”

になるんですよ。ん? あれ? ない! 「ノートパソコン」も、「パン(屋)」も、「アルバイト」も単語として出てない! えっ、何で!? そうなんです。これらの単語は、実は英語ではないんです! そのことに、英語を見る前に気が付いていたとしたら、さてはアナタの正体は言語マニアですね?

不思議と、かつての私がそうであったように、「カタカナ語=英語」と思っている人って多いんですよね。カタカナ語はおもに外来語を表すものなので、フランス語だったり、イタリア語だったり、ロシア語だったり、ポルトガル語だったり、「チャプチェ」みたいに韓国語だったり。実際は英語だけでなく、いろんな国の言葉だったりします(ちなみに、パンはポルトガル語、アルバイトはドイツ語由来の単語)。

では、カタカナ語なら全てが外来語で、日本以外のどこかの国では通じる単語なのでしょうか? 実は、意外と通じないものが多いのです。発音をネイティブ・スピーカー並にトレーニングしても、日本以外の国では通じないカタカナ語もけっこうあります。そうです! それが、「和製英語」と呼ばれる「カタカナで表される日本語」なのです!

そこで今回は、外国語のフリをした日本語、和製英語を見ていきましょう。これから、非常によく使われる和製英語を並べますので、英語に直してもらっていいですか? それではいきましょう、和製英語英訳チャレンジ、Go!

海外では通じない!? 和製英語 20選

1)ビジネスホテル(毎年、年間50泊以上お世話になっております)
2)タオルケット(子どものとき、これが変わると眠れませんでした)
3)ホテルのフロント(海外のドライな感じ、キライじゃないです)
4)トイレ(重要なので、2通りの言い方でお願いします)
5)コンセント(ホテルによっては部屋の隅に1カ所しかないことも)

6)サラリーマン(この表現を直訳すると「給料男」。シブい)
7)タレント(タレントって芸能人のことでしょうか? 俳優? 歌手?)
8)タッチパネル(最近、触れてもなかなか反応しなくなりました……)
9)ワイシャツ(着用時のカレーは自分に禁止してます)
10)ホッチキス(ホッチキスは発明者の名前です)

11)ガソリンスタンド(給油キャップ、どこまで締めていいのかいまだにわかりません)
12)オートバイ(ほしい。風になりたい。)
13)バックミラー(ミラーに目をやると、後部座席には……)
14)クラクション(今まで鳴らした記憶がないです)
15)(車の)ハンドル(車輪みたいですよね、見た感じ)

16)(分譲)マンション(賃貸はapartment(米)、flat(英)と言います)
17)レンジ(毎日、ぬくもりをありがとう、この一言を)
18)ソフトクリーム(これとかき氷は時間との戦いです。次は勝つ!)
19)プリン(絶対、見た感じで名付けましたよね)
20)バイキング(食べ過ぎずに帰る人に会ってみたい)

お疲れ様でした! いくつ言えたでしょうか? では、対応する英語表現の例を見ていきましょう(他の表現もありますが、いっぱい出てくると混乱するのでおもにアメリカ英語の代表例を見ていきましょう)。

1)commercial hotel(ビジネスホテル)
2)cotton blanket(タオルケット)
3)front desk / reception(ホテルのフロント)
4)bathroom / restroom(トイレ)
5)outlet(コンセント)

6)corporate employee(サラリーマン)
7)entertainer(タレント)
8)touch screen(タッチパネル)
9)dress shirt(ワイシャツ)
10)stapler(ホッチキス)

11)gas station(ガソリンスタンド)
12)motorcycle(オートバイ)
13)rearview mirror(バックミラー)
14)horn(クラクション)
15)steering wheel ((車の)ハンドル)

16)condominium[condo]((分譲)マンション)
17)microwave oven(レンジ)
18)soft serve ice cream(ソフトクリーム)
19)caramel pudding(プリン(甘いプリンはpuddingの一種にすぎません))
20)buffet(バイキング)

いかがでしたか? 和製英語って、よく使う単語ほど、身近に紛れ込んでいるんですよね……。では、そろそろ今回もおしまいとなりますが、最後に一言。和製英語とは、簡単に言えば、外国語「風」の日本語のことです。「四川風麻婆豆腐」の「風」ってなんだよ! って、誰もが一度は思ったことがあると思いますが、「風=っぽい」ですよね(四川風=四川っぽい)。そうなると、外国風日本語である和製英語は「外国語っぽい日本語」となります。これは大変なことですよね!

海外のホテルで ”The concent is broken.”(コンセント壊れてます)は通じないんですよ!? 英語なら ”The outlet is broken.” と伝えないと、いつまでも修理が来ず、スマホの充電できないんですよ! もう、死活問題です。ですので、代表的な和製英語は、まず「日本語」であることを知り、対応する英語を身につけていく。これが英語学習では密かに重要なんです。今回の和製英単語も、ぜひ少しずつ覚えてみてくださいね。それでは、また次回お会いしましょう。今回は、ここまで。お疲れ様でした!