この記事では、英検の成績表に合否判定とは別に表示される「英検CSEスコア」について解説しています。英検CSEスコアの仕組みや、そのスコアが示す英語力のレベル、大学入試における具体的な役立て方についても述べています。ぜひ参考にしてください。

(本記事は、2019年3月時点の情報に基づいています。最新情報は、英検ウェブサイトでご確認ください。)

英検の概要とレベル

英検の正式名称は「実用英語技能検定」です。公益財団法人 日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援している、国内最大級の英語資格試験です。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、各級のレベルの目安は以下のとおりです。

レベルの目安
1級 大学上級程度
準1級 大学中級程度
2級 高校卒業程度
準2級 高校中級程度
3級 中学卒業程度
4級 中学中級程度
5級 中学初級程度

英検について、より詳しく知るには、この記事がおすすめ!
「英検とは:概要と級別の勉強法・試験対策」

この記事では英検の特徴や、その他の英語資格試験との違いについて解説しています。各級のレベルや、2018年8月に導入された英検CBTなど、英検の体系についても述べています。当サイトに掲載されている記事の中から英検対策に役立つものも、級ごとに紹介しています。ぜひ参考にしてください。

英検で測定される技能

英検は、1~3級では、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能を測定します。4級・5級では、リーディング・リスニングの2技能のみを測定します*

* 4級・5級は、2技能の合否にかかわらず、受験者全員が自宅や学校のパソコン・スマートフォン・タブレットなどでスピーキングテスト(録音形式)を受けることができます。

  リーディング リスニング ライティング スピーキング
1級
準1級
2級
準2級
3級
4級    
5級    

これまでの大学入試の英語科目では、リーディングとリスニングの技能を測定する試験が主流でしたが、グローバル化にともない、ライティングとスピーキングを加えた4技能を測定する方向へ変わりつつあります。ただ、ひと口に4技能試験と言っても、難易度や内容、受験料など、試験ごとに特徴があります。それらさまざまな英語資格・検定試験を比較・検討してみたいという方は、「大学入試のための英語資格・検定試験の特徴と選び方:英語資格・検定試験の特徴」をご参照ください。

英検CSEスコアとは

以下では、英検CSEスコアとは何か、英検CSEスコアにより何がわかるのか、などについて解説しています。英検各級との関係、語学力の指標CEFRとの対照関係、英検の成績表の見方についても述べています。

英検CSEスコア導入の背景

かつて英検は級の合否だけを判定する試験でした。しかしグローバル化にともなって、英語力を国際的な指標で表す必要性が高まったため、合否判定だけでなく、CSEというユニバーサルなスコア尺度に基づき英語4技能を評価する、英検CSEスコアの成績をも表示することとなりました。CSEとは、Common Scale for English(英語のための共通尺度)の頭文字です。

英検CSEスコア導入により、4技能の技能ごとにスコアが均等に割り振られるため、受験者はどの技能が苦手なのかをはっきり認識できるようになりました。また、各級の合格基準スコアは毎回固定されているので、受験者は回次が異なる受験結果を比較して、合格までの距離をより客観的に把握できるようになりました。さらに、英検CSEスコアを見れば、英検の他級や同じくCSEスコアが表示される英語試験 TEAP と比較して、自分の成績がどのくらいのレベルにあるのか知ることもできます。

CSE2.0とは
スコア尺度「CSE」は一度改定されており、改定前のものを「CSE1.0」、後のものを「CSE2.0」と呼称します。2016年度以降の英検は、CSE2.0によって算出された英検CSEスコアで成績を表示しています。

英検級と英検CSEスコア

英検のそれぞれの級に合格するには、どれくらいの英検CSEスコアが必要なのでしょうか。英検CSEスコアは、難度の高い級ほど高いスコアが割り当てられています。具体的には、1級では各技能につき850、満点で3400であり、2630以上を取ると合格となります。一方3級の場合は、各技能につき550、満点で2200であり、1456以上を取ると合格できます。

また英検CSEスコアは、自分のレベルを級をまたいで把握できるのが特徴です。例えば、英検準2級を受けて合格し、その英検CSEスコアが1900だったという人は、もう少しで2級合格圏の1980に達するレベル、ということになります。

なお英検CSEスコアは、全受験者の答案を採点したあとで、統計的手法を用いてその試験回の難易度などを調整した上で算出されます。正答数が同じでも回次により英検CSEスコアは異なるため、受験者が自己採点によって英検CSEスコアを算出することはできません。

英検CSEスコア
1級 各技能の満点850
全技能の満点3400
合格点2630
準1級 各技能の満点750
全技能の満点3000
合格点2304
2級 各技能の満点650
全技能の満点2600
合格点1980
準2級 各技能の満点600
全技能の満点2400
合格点1728
3級 各技能の満点550
全技能の満点2200
合格点1456
4級* 各技能の満点500
全技能の満点1000
合格点622
5級* 各技能の満点425
全技能の満点850
合格点419

* 4級・5級の合否は、リーディングとリスニングの2技能のみで判定されます。

CEFRと英検CSEスコア

英検CSEスコアは、語学力の国際的な指標CEFR*に対応しており、自分の英語力を世界的な基準で把握することができます。

* CEFRは、世界中で広く利用されている外国語運用能力の指標です。詳しくは当サイト内の記事「CEFRで見る英語・外国語検定試験」をご参照ください。

CEFR 英検各級の測定範囲 英検CSEスコア
C2 熟達した言語使用者      
C1 1級   2600~3299
(1級合格:2630)
B2 自立した言語使用者 準1級 2300~2599
(準1級合格:2304)
B1 2級 1950~2299
(2級合格:1980)
A2 基礎段階の言語使用者 準2級 1700~1949
(準2級合格:1728)
A1 3級 1400~1699
(3級合格:1456)

大学入試センターの公開資料より)

例えば、「英検CSEスコアが2280だから、CEFRのB1レベルでも上位の方だ」などと、自分のレベルを確認することが可能です。また、CEFRに対応した他の英語資格・検定試験のスコアと比較することもできます。

大学入試で英語の資格・検定試験を活用する場合は、CEFRの基準に沿って英検CSEスコアと他の英語資格・検定試験を比較している大学入試センターの公開資料などを見て、英検以外の資格・検定試験を受けた場合の成績を推し量ってみてもよいでしょう。

成績表

英検CSEスコアが導入されたことで、英検の成績表は変わりました。2016年度以降の成績表には、合否、英検CSEスコア、合格水準までの距離を示す「英検バンド」が表示されています。英検CSEスコアについては、トータルスコアと技能別スコアが明記されます。

英検の成績表のサンプルを見たい方は、英検ウェブサイトの「新しい成績表の表示と見方」をチェックしてください。

トータルスコア

各技能の英検CSEスコアを合計したものです。ただし一次試験の成績表では、1~3級はリーディング・ライティング・リスニングの3技能、4・5級はリーディング・リスニングの2技能のスコアの合計が表示されます。

技能別スコア

技能ごとに示された英検CSEスコアです。英検CSEスコアは、技能ごとに均等に配分されているので、各技能のスコアを比較することで、自分の苦手な技能を把握できます。

英検バンド

合格水準からの距離を表す指標です。合格ラインより上回ったら「+」、下回ったら「-」が表示されます。「+」のあとに書かれている数字が大きいほど、余裕をもって合格したことを意味します。「-」のあとの数字が小さいほど合格まで「近い」ことを、大きいほど「遠い」ことを示します。

なお、英検バンドの数値の前に表示されているGは「級」を、Pは「準」を意味します。例えば「GP2-1」の場合、「準2級の合格まであと少し」であったことを表しています。

英検バンドについて詳しく知りたい方は、英検ウェブサイトの「合格ラインまでのキョリを示す英検バンド」をチェックしてください。

英検CSEスコアを利用した大学入試

英検の試験結果が合格・不合格だけでなく、英検CSEスコアでも発表されるようになったことを受けて、このスコアを入試に利用する大学が増えつつあります。以下では、大学受験に当たって英検CSEスコアをどのように活用できるのか、具体的に解説しています。

英語外部検定利用入試とは

英語外部検定利用入試(外検入試)とは、英検、TEAP、IELTSなど大学外部の英語資格・検定試験の結果を利用する大学入試のことです。利用されている外部検定の中で最も多いのは英検で、外検入試を行っている大学のほとんどで採用されています*。多くの場合、英検準2級以上相当のレベルが求められます。外検入試を利用すると、受験のチャンスが増えるなどのメリットがあるので、志望大学・学部に外検入試がある場合は利用を検討するとよいでしょう。

* 旺文社教育情報センター「【推薦・AO 編】英語外部検定は今年も利用拡大」(2019年1月7日付リリース)および「【一般入試編】利用大学数は 5 年連続増加!」(2019年2月1日付リリース)による

外検入試には、各大学が細かい条件をそれぞれ定めていますが、大きく分けると以下の4つの利用パターンがあります。
出願資格:大学が指定した外部検定を出願の要件にする
 例:英検2級に合格していないと出願できない
得点換算:大学が指定した外部検定を、その大学の英語入試の点数に換算する
 例:英検2級に合格していると、英語入試の80点に換算される
加点:大学が指定した外部検定を、その大学の入試の総合点に上乗せする
 例:英検2級に合格していると、総合点に10点が加算される
合否参考・判定優遇:合否判定の際に何らかの優遇措置を行う
 例:入試の得点が同点だったとき、英検2級合格者が優遇される

これら4つの利用パターンや、外検入試について詳しく知りたい方は、当サイト内の記事「大学入試のための英語資格・検定試験の特徴と選び方:英語外部検定利用入試」をご参照ください。

英検CSEスコアの利用パターン

大学入試での英検CSEスコアの利用法には、
●英検級の合格と英検CSEスコアの両方を求める
●英検級の合格と英検CSEスコアのどちらでもよい
●英検級の合否は問わず、英検CSEスコアのみを求める
●英検CSEスコアに加えて、各技能スコアを求める
という4つのパターンがあります。それぞれのパターンについては、次項で具体的に解説しています。

志望校・志望学部が決まっている人は、募集要項を調べてどのパターンで実施しているか確認しましょう。その上で、必要な英検CSEスコアを取るためにはどのような勉強をすればいいのか、計画を立てて臨むとよいでしょう。

(以下の4項目は、2019年度入試の情報に基づいています。別の年度の入試については、各大学の公式発表をご確認ください。)

英検級の合格と英検CSEスコアの両方を求める

英検のある級の合格と、一定以上の英検CSEスコアの両方を要求するパターンです。

例えば南山大学は、
●全学統一入試[センター併用型]
●センター利用入試[前期3教科型][前期5教科型][後期]
●国際教養学部特別選抜試験[センター利用型]
において、外検を実施しています。

その利用方法は、
●2級以上合格かつ英検CSEスコア2304以上
の両方を満たすことが要件です。
ただし、一度の受験で、4技能の英検CSEスコアをそれぞれ460以上取得する必要もあります。

これらを満たす場合、個別学力試験の「外国語」、または大学入試センター試験の「外国語」の得点が満点に換算されます。つまり、個別学力試験またはセンター試験の英語で満点を取ったものとして合否判定してもらえる、ということです。

注意すべきは、英検2級の英検CSEスコア合格点は1980であることです。南山大学が要求する英検CSEスコア2304とは、英検準1級の合格点に相当します。したがって、英検準1級を目指すくらいの気持ちで勉強する必要があります。加えて、各技能のそれぞれに英検CSEスコア460という最低基準も設定されているので、苦手な技能がある場合は計画的に学習し、克服しておくようにしましょう。

英検級の合格と英検CSEスコアのどちらでもよい

英検のある級の合格と、規定以上の英検CSEスコアのどちらでもよい、というパターンです。
例えば専修大学は、全学部の以下の一般前期入試において、外検を利用しています。

学部個別入学試験 3教科同一配点(A方式)
大学入試センター試験併用(AS方式)
国語重視(D方式)
英語単独(E方式)
2教科数学重視(F方式)
全学部統一入学試験

その利用方法は、外検の成績を入試の英語の得点に換算する「得点換算」です。具体的には、
●2級合格または英検CSEスコア1980以上の場合、80点に換算
●準1級以上合格または英検CSEスコア2304以上、100点に換算
というものです。

英検CSEスコア1980は2級合格の、2304は準1級の、最低合格ラインです。したがって、これらの級の合格を目指すことが、専修大学入学に必要な英検CSEスコアを獲得することに直結していると言えます。

英検級の合否は問わず、英検CSEスコアのみを求める

英検の合否は問わず、英検CSEスコアのみを要求する、というパターンです。
例えば東洋大学は、一般入試の前期日程において、全13学部(文・経済・経営・法・社会・国際・国際観光・情報連携・ライフデザイン・理工・総合情報・生命科・食環境科)で外検を実施しています。

その利用方法は、外検の成績を入試の英語の得点に換算する「得点換算」です。具体的には、
●英検CSEスコア1800以上の場合、80点に換算
●英検CSEスコア1980以上の場合、90点に換算
●英検CSEスコア2150以上の場合、100点に換算
というものです。
2017年4月以降に2級以上の1次試験を受験し、上記のスコアを取得していることも求められます。

英検のそれぞれの級の測定範囲を確認した上で、取り組みやすい級で受験するとよいでしょう。例えば、英検CSEスコア1980は英検2級の合格に相当しますが、英検準2級を受験し高得点を取ることでも取得可能です。

英検CSEスコアに加えて、各技能スコアを求める

英検CSEスコアのトータルスコアだけでなく、各技能スコアも求めるパターンです。
例えば早稲田大学の文化構想学部文学部の一般入試(英語4技能テスト利用型)で、外検を実施しています。

その利用方法は、事前に受けた外部検定の成績表を出願時に同封するというもので、実質的には「出願資格」に相当します。英検で、
●英検CSEスコアの、トータルスコアが2200以上、技能別スコアがそれぞれ500以上
という基準を満たしている受験者は、国語、地歴の2教科の成績により合否判定されます。英検の場合、二次試験を2016年度第3回以降に受験したものを有効とするなど、細かい条件があるので募集要項をよく確認しましょう。

英検CSEスコアのトータルスコア2200は、2級と準1級のそれぞれの合格点の間のレベルであり、単純計算で言えば各技能550を取ることが目安となります。加えて、技能別スコアがそれぞれ500以上という要件があるため、4技能をバランスよく伸ばすことが大事です。

まとめ

英検CSEスコアは、英検の合否にかかわらず英語力の証明として利用することができ、国際的な語学力指標CEFRにも対応している、大変便利な基準です。自分の英語力を客観的に把握したり、各技能のスコアを比較することで弱点を見つけたりと活用できます。英検の試験結果が届いたら、合否だけでなく英検CSEスコアにも注目して、今後の学習に役立ててください。