この記事では、英検2級の一次試験で出題されるライティング問題について詳しく解説しています。はじめに、どのような問題が出されるのか、ライティングの配点が合否にどの程度かかわるのか、どのような観点から採点されるのか、など試験の概要を述べています。次に、理想的な英文を書くためのコツや解答のノウハウ、役に立つ表現について解説しています。英文の質を上げるために確認すべき事項のチェックリストも載せています。最後に、作文力をつけるための学習方法や、参考書を使った対策を詳述しています。ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2024年4月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。

目次

試験概要

以下では、英検2級で出題されるライティング問題の概要と問題例、その解答例を挙げています。どのような観点から採点されるのか、合格点はどの程度と予想されるのかなどについても述べています。

概要

英検2級のライティングは、一次試験・筆記の大問4と大問5に1問ずつ出題されます。英検2級の一次試験に合格するためには、この2問で一定以上の点数を取らなければいけません。というのも、英検の一次試験では、リーディングとライティング、リスニングの各技能にCSEスコアが650点ずつ割り当てられているからです。すなわちこの2問だけで、一次試験の3分の1のウェイトを占めているということになります。

※CSE スコアについては、「英検2級のレベルと合格までの勉強法、面接の対策:合格点・合格率」をご参照ください。

大問4は、英文要約問題です。150語程度の、社会や生活に関する英文を読んで、45~55語のサマリー(要約)を作成します。目標解答時間は約15分です。

大問5は意見論述問題です。内容は、与えられた TOPIC について、自分の意見とその理由を80~100語程度のエッセイ(英文)にまとめるというものです。社会性のある話題について自分の意見を書くことができるかが試されます。目標解答時間は約20分です。
与えられる TOPIC は、英文20語程度です。多くは、「インターネットショッピングをする人は増えると思いますか?」など、社会性のある内容です。参考となる観点として、POINTS が3つ、提示されます。ただし、POINTS の使用は自由で、これら以外の観点から書いてもかまいません。

英文要約問題の問題例

例題:
● 以下の英文を読んで,その内容を英語で要約し,解答欄に記入しなさい。
● 語数の目安は45語~55語です。
● 解答が英文の要約になっていないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。英文をよく読んでから答えてください。

When students graduate from high school, some decide to go to university, while others choose to start working. There are also other choices. Some students choose to take a gap year, a year-long break, before deciding what to do.
Why do students decide to take a gap year? Some students think it is a chance to travel and experience the world. Others might take the time to think about what they want to study. There are even students who use the time to work and earn money before entering university.
Nevertheless, during gap years, some students lose motivation to study at university. This may eventually lead them to give up on their future dreams. Others may get a job but fail to earn enough money for university. As a result, they may end up deciding not to go to university.

(『2024年度版 英検2級 過去6回全問題集』収録「旺文社オリジナル予想問題」)

英文要約問題の解答例

Students take a gap year after high school for different reasons. During the break, some want to see the world, while others consider what to study or make money for university. However, for some students, gap years can be problems, such as losing interest in their studies and abandoning their dreams or not earning enough. (55 words)

(『2024年度版 英検2級 過去6回全問題集』収録「旺文社オリジナル予想問題」)

意見論述問題の問題例

例題:
● 以下の TOPIC について,あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
● POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし,これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
● 語数の目安は80語~100語です。
● 解答が TOPIC に示された問いの答えになっていない場合や,TOPIC からずれていると判断された場合は,0点と採点されることがあります。TOPIC の内容をよく読んでから答えてください。

TOPIC
In some Japanese university programs, students must study abroad for one year. Do you think the number of such programs will increase in the future?
POINTS
● Cost
● Work
● Communication

(『英検2級 予想問題ドリル』より抜粋)

意見論述問題の解答例

There are two reasons why I think the number of programs which require students to study abroad will increase in the future. The first reason is that it is good for students to learn from different viewpoints. These programs offer students an opportunity to learn from professors with various backgrounds. The second reason is that students who study abroad will be able to get many chances to work with foreign people. The world is becoming more globalized, so their experience will be welcomed by many companies. For these reasons, I think more universities will require students to go abroad. (99 words)

(『英検2級 予想問題ドリル』より抜粋)

採点の観点と配点

英検2級のライティングは、以下の4つの観点から採点されます。それぞれの観点に0~4点が配点されており、合計16点満点です。各技能をバランスよく得点して合格するには、12点以上を目標とするとよいでしょう。この点数がCSEスコアに変換され、リーディング・リスニングのCSEスコアと合算されて一次試験の合否が決まります。

①内容 課題で求められている内容が含まれているかどうか
②構成 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
③語彙 課題に相応しい語彙を正しく使えているか
④文法 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

第1の観点「内容」で最も大事なポイントは、課題に適切に応答しているかどうかです。課題とは異なる趣旨の英文を書くと、英語としては正しい文章を書いていても、0点になることもあります。ですから読み違えないよう、出題内容は慎重に読みましょう。指示された要件も満たさなければいけません。

次の観点は「構成」です。英文要約問題の場合は、提示された文章と同じ論理展開で書かれているかが審査されます。パラグラフ同士のつながり方を見極め、適切なディスコースマーカー(つなぎ語、論理マーカーとも)を使うことが大事です。意見論述問題の場合は、自分の意見とその理由をわかりやすく論理的に書けているかがポイントです。エッセイの形式にのっとり、主張(自分の意見)、それを補強する理由、再主張(意見をもう一度述べる)という順序で、論理の展開を明快に示しましょう。

3つめの観点「語彙」は、課題に相応しい語彙を正しく使えているかを見ます。同じ単語や語句を繰り返し使うと、語彙力が不十分だと見なされる可能性があるのでできるだけ避け、別の言い回しを使うなど工夫しましょう。

最後の観点「文法」は、多様な文構造を正しく使えているかです。例えば、自分の意見を述べると言っても、I think . (私は…だと思います)ばかり繰り返すのは単調です。In my opinion, . (私の意見では、…)や People should . (人々は…すべきです)を使い分けるなど、多様な文型や言い回しを適切に使って表現しましょう。

英文要約問題 解答のコツ

以下では、英検2級の英文要約問題で、理想的な英文を書くためのコツを挙げています。

全体と各パラグラフの主旨をしっかり読み取る

要約とは、文字数をひたすら減らして分量を圧縮することではありません。「筆者がこの文章/パラグラフを通じて言おうとしていることは、要するに何か」を、はっきり示すことです。

例えば、上に挙げた例題の第1パラグラフを見てみましょう。When students graduate from high school(生徒たちが高校を卒業したとき)という文章から始まり、go to university、start working、choose to take a gap year という語句が目に入ります。文章全体の主旨を考えずに「このパラグラフを縮めなきゃ!」と思ってしまったら、Students choose various paths after their graduation. (生徒たちは卒業後さまざまな進路を選ぶ)などと書きたくなることでしょう。しかし、続く文章を読んでみると、中心的な話題は gap year であることがわかります。したがって、go to university や start working は、話の根幹ではなく、枝葉だと判断できます。
このように、目先の単語や文章に気を取られるのではなく、「話題は gap year だ」と意識しながら、各パラグラフを注意深く読むことが大事です。

各段落から1文ずつピックアップする

150語というボリュームを総体として眺めると、多く感じられて圧倒されてしまうでしょう。しかし「45語~55語の英文」という分量は、各パラグラフ(3~5文ほど)から1文ずつ英文を作れば、満たされる程度の長さです。「全体の文意がつかめない!」と感じたら、あわてず、「1段落を1文に要約する」ことを考えましょう。

英文要約問題 解答のノウハウ

元の英文を手掛かりにする

英検2級の英文要約問題は、150語前後、3パラグラフの英文を、約3分の1の分量にまとめる問題です。

おすすめは、元の英文の流れに沿ってサマライズ(要約)するやり方です。まずは、段落ごとにキーセンテンスを見つけながら、文全体を読みましょう。それから、パラグラフ同士のつながり方を見極めます。例題の場合、第1段落で「ギャップイヤーを選択する生徒がいる」と主題が示され、第2段落ではそのポジティブな理由、第3段落ではネガティブな側面が語られるという構造です。これに従って次のように要約の構想を練ってみましょう。

  1. 各パラグラフのキーセンテンスを1文程度の明快な文に言い換える。
  2. 1の文を眺めてみて、主題→理由の提示→対比的な側面の提示、という構造を見通すことができるかを確認しながらメモを取る。
  3. 構造が見えにくい箇所に、適切なディスコースマーカー(つなぎ語)を足す。

以上の手順で適切な要約文を作成できます。

書くことを頭の中で整理できたら、解答欄に記入を始める前に内容をもう一度点検し、記入上の留意点も思い起こしましょう。あとの「英文要約問題 解答のチェックリスト」を参考にしてください。ライティング問題は何よりも書き上げることが大事なので、「読解はできたのに、解答を最後まで書けなかった」ということがないように、書き始めたら一気に書ききってしまいましょう。

使える表現(ディスコースマーカー)

要約を作る際は、元の英文の構造どおりに文と文をつなぐ必要があります。以下は、それに役立つディスコースマーカー(つなぎ語)です。

順接・添加

  • therefore
  • in addition
  • additionally
  • besides

逆接

  • however
  • although
  • despite
  • yet

対比

  • on the other hand
  • while
  • meanwhile

結論

  • as a result
  • in conclusion
  • in the end

英文要約問題 解答のチェックリスト

重要な情報だけを拾っているか

事物の名称が具体的に列挙されている場合、多くは例示で、キーセンテンスや結論を支える役割を果たしています。削除するか、それらの総称に当たる抽象的な語に言い換えるかして、結論だけを書くようにしましょう。

各パラグラフから要素を抽出できているか

英語の理想的なエッセイに無用のパラグラフはありません。必ず全部のパラグラフから要素を抜き出しましょう。「この段落の内容は盛り込まなくてもいいのではないか…」と感じるようなら、全体の主旨を取り損ねている恐れがあります。もう一度、先入観なしで読んでみるのがおすすめです。

ディスコースマーカー(つなぎ語)を適切に使っているか

ディスコースマーカー(therefore や however など)を適切に使えていると、明快なサマリーに仕上がります。元の英文の構成を理解できているというアピールにもなります。反面、誤って使うと「大意を読み取れていない」と判断されてしまうので、うっかりミスをしていないか、再確認しましょう。

スペルミスや文法・語法のミスがないか

焦るとスペルミスをしがちです。書き上げたあと、もう一度チェックしましょう。時制が合っているか、単数/複数が適切か、冠詞の付け忘れがないか、も忘れずに。

英文要約問題 学習方法

コラム記事で練習する

新聞や雑誌には、分量が一定の連載記事が多く載っています。その中から、150語前後の英文を選んで、要約する練習を重ねるとよいでしょう。同じ記事を ChatGPT など AI に要約させて見比べるのも一案です。主旨のつかみ方や、短縮・言い換えのコツがつかめるでしょう。

人に読んでもらう

要約文とは、元の文章を読んでいない人にも、元の文の本旨が伝わる文章のことです。ですから自分の書いた要約を、元の記事を知らない人に読んでもらい、コメントをもらうとよい練習になります。その人にとって読みやすい文章になっていたか、意味は伝わったか、誤解されていたりしないかなどを、質問して確認しましょう。

難しければ日本語から

そもそも要約が苦手だという人は、日本語の文章でトレーニングするという手もあります。新聞・雑誌などからアカデミックなコラム記事を選んで、各パラグラフの主題を書き出し、全体を構成する練習をするとよいでしょう。ただ、英語の記事でやってみる方が、長文読解の訓練にもなって一石二鳥です。

意見論述問題 解答のコツ

型に沿って書く

模範的な形式

英検2級の意見論述問題に、使用すべき単語や表現などの厳密な規定はありません。しかし、「自分の意見とその理由を2つ書く」「語数の目安は80語~100語」という要件を満たしながら、英文エッセイの一般的な構成で書くとなると、おのずから形式は定まってきます。模範的な形式は以下のとおりです。

主張  TOPIC に対する自分の意見(賛否、是非など)を述べる。(1文程度)
理由1    1つめの理由を挙げる。(1文程度)
補強 理由1の具体例や、その内容を補強する事実などを述べる。(1~2文程度)
理由2    2つめの理由を挙げる。(1文程度)
  補強 理由2の具体例や、その内容を補強する事実などを述べる。(1~2文程度)
再主張  冒頭で述べた自分の意見をもう一度繰り返して締めくくる。(1文程度)

具体的には、まず冒頭で TOPIC に対する自分の意見を I believe . (私は…だと思います)などと述べます。それから、その意見の根拠を2つ挙げます。One reason is . (理由の1つは…)と Also, . (そして、…)という表現が便利です。そして最後に、For these reasons, . (これらの理由で、…)などと、自分の意見を繰り返して結論としましょう。
この形式を、前項で挙げた「意見論述問題の解答例」に当てはめると、以下のようになります。

主張  There are two reasons why I think the number of programs which require students to study abroad will increase in the future.
理由1   The first reason is that it is good for students to learn from different viewpoints.
  補強 These programs offer students an opportunity to learn from professors with various backgrounds.
理由2   The second reason is that students who study abroad will be able to get many chances to work with foreign people.
  補強 The world is becoming more globalized, so their experience will be welcomed by many companies.
再主張 For these reasons, I think more universities will require students to go abroad.

このように、模範的なパターンに当てはめて自分の意見を展開すれば、問題文の指示に沿った、理想的な構成のエッセイを書くことができます。

書き方の手順

自分の主張と、それを支える2つの理由を手際よくまとめるコツは、以下のとおりです。
まず日本語でも英語でもいいので、TOPIC に対する自分の主張(賛否や是非)を書きましょう。次に、それを支える理由を箇条書きにします。それから理由のそれぞれをチェックして、補強となる具体例や根拠で思いつくものから2つを選びます。具体例や根拠を挙げるときは、英語で表現しやすいかも考慮しましょう。そして、以下のようなメモを作りましょう。

TOPIC:学生に留学を求めるプログラムは増えると思うか

メモ例
主張:学生に留学を求めるプログラムは増える

理由1:幅広い視点から学べる
    補強:さまざまなバックグラウンドの教授から学べる
理由2:外国人と協働する機会を得られる
    補強:その経験は就職にも役立つ

それからこのメモを見直し、論理展開に矛盾がないか検討します。ここまでを5分程度でこなせるとよいでしょう。
次に、このメモに従って解答欄に英文を書いていきます。意見を上の表の「主張」の位置に入れ、2つの理由をそれぞれ「理由1」「理由2」に当てはめ、「再主張」に自分の意見をもう一度入れる、という要領で書いていきましょう。「主張」で1文、「理由1」で計2~3文、「理由2」でも計2~3文、「再主張」で1文、計6~8文が目安です。この英文を書く作業は10分程度を目標にしましょう。
最後に、5分程度を使って見直しをしましょう。見直す事項は、あとの「意見論述問題 解答のチェックリスト」を参考にしてください。

表現しやすい理由を選ぶ

英検2級の意見論述問題は、語学の試験です。誰かを論破する必要もなければ、専門的な内容を書くテストでもありません。ですから自分の意見を支える理由は、内容の高度さや専門性よりも、表現のしやすさを基準に選ぶようにしましょう。
例えば、「大学生は留学すべきだ」という意見に対する理由として、「国際親善に貢献できるから」と思いつき、「これはぜひ書きたい!」と考えたとしましょう。しかし、「国際親善」や「貢献」をどう英語で表現してよいか思いつけないときは、別の理由を選ぶべきです。言いたいことを表現できるのが理想ですが、無理な場合はそれに固執せず、「いろいろな国から来た学生と友達になれるから」などと、自分が英語で表現できそうな理由を取り上げるようにしましょう。

意見論述問題 解答のノウハウ

問題文にある POINTS を使う

自分の言いたいことをあれこれ考え、それらに合わせて単語や表現を思い出そうとする前に、まずは問題文に挙げられた POINTS を利用することを考えましょう。限られた時間の中で思いつきを広げるより、POINTS をもとに理由を考えるほうが効率的だからです。

POINTS の単語がそのままでは使いにくかったら、品詞を変えるなど工夫しましょう。例えば、「外国人とコミュニケーションを取る」と書く場合、POINTS に Communication と名詞形で提示されていたとしても、動詞形をつかって to communicate with と表現してかまいません。

ただし、POINTS はあくまでも参考です。使わなくてもよいので、提示された POINTS では展開するのが難しいと感じたら、別の切り口を考えましょう。臨機応変な対処が大事です。

何行めまで書くべきか把握する

英検で使用される解答用紙の見本は、英検ウェブサイトからダウンロードできます。事前に実際に書いてみて、自分の書き方なら1行にだいたい何語入るか、したがって、指定の語数である80語~100語書いた場合は何行程度書く必要があるかを、把握しておくことをおすすめします。例えば、1行に8語程度を書く人の場合は、10行以上が目標となります。
また、前項の「書き方の手順」のように、メモを作成してから記入すれば、自分が今、どのあたりを書いているのかがわかります。ですから解答欄のスペースを目分量で測ってみて、語数が足りないようなら具体例を増やすなど工夫しましょう。自分の経験談を追加するという方法もあります。もっとも、前述の「型に沿って書く」の形式を守っていれば、だいたい指定された語数になるはずなので、語数を合わせることにあまり神経質にならなくても大丈夫です。

解答の英文を解答欄の外にまで書いてしまうのは絶対にNGです! また、解答欄に収まるからといって長々と書き、内容や構成に悪影響を及ぼすのも好ましくありません。問題文に指示された語数と、しっかりした構成の両立を目指しましょう。

使える表現

すでに述べたように英検2級の意見論述問題には、模範的な形式があります。その形式に従ってエッセイを書くときに、役立つ表現は以下のとおりです。

自分の意見を言い表す

I think . (私は…だと思います)/ I do not think . (私は…ではないと思います)が定番です。I believe . (私は…だと思います)も使えます。We must . (私たちは…しなければなりません)と言えば、とても強い信念を表せます。In my opinion, . (私の意見では、…)や People should . (人々は…すべきです)という表現も使えます。自分の見方とは違う意見を紹介した上で自分の考えを表明するときには、However, . (しかしながら)を使いましょう。

理由を挙げる

理由を2つ挙げるには、One reason is . (1つの理由は…)と Also, . (そして、…)という表現があります。First, . (第一に、…)と Second, . (第二に、…)も使えます。

具体例を挙げる

such as や for example, 、for instance, (例えば…)という表現が定番です。In my experience, . (私の経験では、…)を使うと、自分の体験を具体例として示すことができます。

結論として意見を再主張する

For these reasons, . (これらの理由で、…)や Therefore, . (ですから、…)、As a result, . (結果として、…)などのつなぎ語が役立ちます。また、冒頭で I think . と意見表明した場合、結論で I believe . と述べるなど、表現にバリエーションをつけるようにしましょう。

意見論述問題 解答のチェックリスト

問いに適切に答えているか

与えられた TOPIC とは別の内容を書いていないか、「理由を2つ書く」という要件を満たしているか、この2点は特に重要です。

意見と矛盾する要素や関係ない内容がないか

エッセイの趣旨が「わかりやすく論理的であること」も採点のポイントの1つです。意見に対する理由、また理由を補強する具体例や説明に矛盾する内容はないか、注意して点検するようにしましょう。無関係な文章を入れてしまうのもマイナスになります。

理由に対する説明や補足があるか

理由に対する説明や補足がないと、説得力を欠き、また語数も足りていないでしょう。ですから、理由1と理由2のそれぞれに対して、具体例や事実、追加の説明などを1~2文ずつ加えて、その内容を補強するようにしましょう。

ディスコースマーカー(つなぎ語)を適切に使っているか

つなぎ語(for example や therefore など)を適切に使えていると、エッセイの内容がわかりやすくなります。また、英語のエッセイで理想とされる構成を理解できているというアピールにもなります。

英語ではない単語を使う場合、その語の説明があるか

日本語特有の表現などを使う場合は、英語話者に理解できるよう説明を加えましょう。例えば、a kimono, a traditional Japanese dress, のように、カンマで区切って解説する表現が便利です。和製英語などのカタカナ語は、エアコンなら air conditioner など、正しい英語に直すよう気をつけましょう。

スペルミスや文法・語法のミスがないか

スペルミスはないか、時制が合っているか、単数/複数が適切か、冠詞の付け忘れがないか、もう一度チェックしましょう。

意見論述問題 学習方法

英検2級の意見論述問題は、経験がものを言います。模範的な形式に当てはめて書くことや制限時間内にまとめることは、慣れによって上達するからです。また、英検ウェブサイトからダウンロードできる解答用紙サンプルを使って適切な分量を把握しておくと、語数を数える時間を省略できます。本番でスペルを忘れたる事態を防ぐためにも、怠らず手書きで練習して慣れておきましょう。
英文を書くことが苦手で、何から始めていいかわからないという人は、過去問や問題集の解答例を書き写すことから始めましょう。そのうち、模範的な形式によく使われる表現に馴染んできます。大体のパターンがつかめたら、解答例を熟読し、エッセイがどのような構造になっているのか分析しましょう。数をこなしているうちに、説得力のある英文がどう構成されているのかがわかってきます。
また、英検2級の意見論述問題で扱われる TOPIC は、多くが社会一般で話題になっていることです。ですから日頃から、日本語でもいいので新聞・ニュースなどに親しみ、社会問題に関する知識を増やすようにしましょう。様々な人の意見に触れ、それらに対して自分は賛成か反対かを考えてみることも大事です。そうすれば試験本番で、意見が思い浮かばず困るなどということはなくなるでしょう。

参考書

英検2級のライティング対策には、要約問題・意見論述問題4セット分の予想問題を収録した『英検2級 予想問題ドリル』がおすすめです。本試験に近い形式の問題を4問も実際に書いてみることで、語数の感覚やライティングの手順が身につきます。解答例と解説も収録されているので、自分の解答の出来ばえをチェックするのにも最適です。また言うまでもないことですが、作文に不可欠なのは語彙力です。特に英検2級の場合、社会に関わる単語を知らなければいけません。単語集『英検2級 でる順パス単』などを使い、日本語の意味を見て見出しの英単語を即座に思い出せるよう、訓練を積みましょう。旺文社リスニングアプリ「英語の友」を使えば音声を無料ダウンロードして、空き時間に耳で学習することも可能です。

まとめ

英検2級のライティングについて把握できたでしょうか? ライティングという分野の特性上、高スコアを取るには単語・熟語・文法の幅広い知識と、地道な練習が不可欠です。日々の努力を重ねて、合格を目指してがんばってください!