この記事では、英語試験TOEFL(トーフル) iBTテストの受け方について解説しています。まず、申し込みの方法、Bulletin(受験要綱)の入手方法、受験料など、受験に必要な情報を紹介します。公式サイトでのアカウントの作り方や、それを使った申し込み方法についても詳述しています。次に、持ち物やチェックインの仕方など、試験当日に知っておくべきことを案内しています。最後に、スコアが見られる時期やスコアレポートの見方など、受験後の情報もまとめています。TOEFL iBTテストを受験しようと思っている方、留学を視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事は、2024年4月時点の情報に基づいています。受験の際は、TOEFLテストウェブサイトで最新情報を確認してください。

TOEFL iBTテストの申し込み

以下では、TOEFL iBTテスト受験に必要な情報、申し込み方法、申し込み時期によって変わる受験料、アカウント作成や申し込みの仕方について解説しています。

試験の概要

TOEFL iBTテストは、アメリカに拠点を置く非営利テスト開発機関 ETS (Educational Testing Service)が開発した英語試験です。北米・イギリス・オーストラリアなどの、大学・教育機関への留学を志す人を主な対象としています。TOEFLテストとは、Test of English as a Foreign Language の略です。アカデミックな場面で使われる英語の能力を主に審査するテストです。日本ではETS Japanが運営に当たっています。

※この記事では、「TOEFL iBTテスト(TOEFL Internet-based Test)」について解説します。同じく留学を目的とした「TOEFL Essentialsテスト」や、大学・企業など団体向けの「TOEFL ITPテスト(TOEFL Institutional Test Program)」とは、異なる試験なので注意してください。

受験の際はテストセンターで、1人1台のパソコンを割り当てられます。リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能を、すべてコンピュータ上で測定します。

TOEFL iBTテストには、自宅受験(Home Edition)という受け方もあります。テストセンターで実施される会場受験と同じく、4技能すべてをコンピュータ上で測定します。使用する機器やシステム要件を事前にチェックする必要があるので、自宅受験TOEFL iBTテストまたはETS Webサイトをよく確認しましょう。

TOEFL iBTテストについて、より詳しく知るには、「TOEFL iBTテストとは:概要と勉強法・試験対策」がおすすめ!

この記事には、レベルや試験内容、他の英語試験との比較など、TOEFL iBTテストの概要がまとめられています。出題傾向に合わせた勉強法や当日の試験対策も、例題を挙げて詳述されています。ぜひ参考にしてください。

Bulletin(受験要綱)

まずETS Japanのサイト「受験申込(会場受験)」で、TOEFL iBTテスト受験の流れについて把握しましょう。このETS Japanのウェブページを経由して、アメリカ本国のETS TOEFLテスト公式Webサイトから、Bulletin(受験要綱)を入手することができます。TOEFL iBTテストの開発機関ETSは、「受験者がこのBulletinの内容を理解し、全ての条項に同意した上で申し込み・受験している」と見なしているので、必ず目を通しておきましょう。

申し込み方法

受験の申し込みは通常、テスト日の約6か月前より可能です。まず、会場受験か自宅受験かを選びましょう。

会場受験

ETSアカウント(My TOEFL Home)を作成してインターネットで申し込みます。
その作成については下記「ETSアカウントの作成」をご覧ください。

自宅受験

申し込みの仕方は、下記の「自宅受験の場合」で詳述します。

受験料

日本におけるTOEFL iBTテストの受験料は、通常の申し込み締め切りまでに申し込んだ場合、245米ドルです。通常の申し込み締め切り以降に申し込んだ場合(ネット申し込みの場合テスト日2日前まで、電話申し込みの場合テスト日の前営業日17時まで)は285米ドルです。

ETSアカウントの作成

テスト日に有効なパスポート、運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カードのいずれか1点(国籍が日本以外の方は原則パスポート)を用意したうえで、TOEFLテストウェブサイトのログインページにアクセスします。言語表示を日本語に変えたい場合は、右上の言語設定からJapaneseを選びましょう。そして「New Users/新しいユーザー」から「Create an Account/アカウントを作成する」をクリックします。あとは、画面に必要事項を入力していきます。氏名欄に入力する氏名は、冒頭の身分証明書の氏名の表記と一致していなければなりません。注意してください。

※ETSアカウントは、App StoreやGoogle Playで入手できる無料アプリ「TOEFL Official App」を使って作成することも可能です。

ETSサイトからの申し込み

TOEFLテストウェブサイトのページ「受験者」にアクセスし、右上のアイコン「ログイン/申込」をクリックします。「My TOEFL Home」に移動するので、「MyTests」の「Register for a test 」をクリックし、次に受けたい形式の下の「Resister for this test」を選びます。

「Find a test location and date」という項目の「Search test centers near this location」という欄に、受験希望地の都市名を入力します。例えば「Tokyo」「Kanagawa」などです。すると候補が出てくるので、その中から希望地を選びましょう。次に、「Find dates during this 2-month period」という欄で、受験希望月を2か月単位で選び、「Search」をクリックします。

カレンダーが表示されます。空席のある日が表示されているので、希望日をクリックします。すると受験可能な会場が表示されるので、都合のよい会場を選び、「View Available Test Times」をクリックします。受験可能な回が表示されるので、希望の時間を選びましょう。

人気の会場はすぐに満席となる傾向があります。「締め切りまでに申し込めばいいや」と思っていると、希望の地域で受けられなくなるかもしれません。早めの申し込みを心がけましょう。

キャンセルにより後日空きが出ることもあります。希望のテストセンターがある場合は、こまめにログインして状況を見てみるのもよいでしょう。会場の変更には手数料がかかり、直前申し込みは割高となることに注意してください。

次のページでは、身分証明書の情報を入力します。パスポートを使用する人は「Passport」を選択して「Country」から国名を選び、「ID」にパスポートナンバーを入力しましょう。パスポート以外の身分証明書を使用する人は、自分が準備した身分証明書を選択して番号を入力します。

このページの下には、ETSアカウント作成時に入力した情報が表示されます。確認して、変更があった場合は更新しましょう。

次に、TOEFL Search Serviceへの登録を希望するかどうかと、経歴や今後の希望を尋ねられます。TOEFL Search Serviceは試験を受ける学生と、大学や大学院などの教育機関をマッチングするサービスです。登録は任意です。

「Free Score Recipients」のページでは、スコアレポートの送付先を4校まで無料で選べます。希望校を検索し入力しましょう。「Your Personal Score Report Preference」という欄は、受験者本人に送付されるスコアレポートの様式を選ぶ箇所です。オンラインのスコアレポートのみでよければ、上の「Online score report only」を選びましょう。オンラインのものに加え、紙のスコアレポートも郵送してほしい場合は、「Online score report and a paper copy mailed to you」を選びます。スコア送付を急ぐ場合には、20ドルを追加で支払うことで速達を選択することもできます。

ここまでの選択と入力を終えたら内容をカートに送ります。「Shopping Cart」に移動し、受験料などの金額、受験場所やその他登録内容を確認しましょう。また、プロモーションやバウチャーなどのディスカウントがある場合は入力し、「Terms and Conditions(利用規約)」を確認してチェックを入れ、「Proceed to Payment」で金額を確定します。

※App StoreやGoogle Playで入手できるも無料アプリ「TOEFL Official App」からも申し込めます。

自宅受験の場合

TOEFLテストウェブサイトの自宅受験TOEFL iBTテストのページ「受験申込(自宅受験)」にアクセスします。ページを下へスクロールしていくと、ボタン「受験申込をする」があるので、クリックしてETSアカウントにログインし、申し込みましょう。システムの関係上、必要な手順を一定時間内に終了しないとタイムアウトになってしまいます。手元に身分証明書(パスポートなど)とクレジットカードを用意した状態で手続きしましょう。

自宅受験のメリット、事前に準備しておくべきこと

自宅受験には、感染症への対策になる、慣れた環境・機器で受験できる、ほかの受験者の声を聞かなくて済むといったメリットがあります。

一方で、受験環境を整える必要があります。TOEFLテストウェブサイトのページ「自宅受験TOEFL iBTテスト」をよく読んでください。特に重要なのは、使用機器などの事前チェックです。「デスクトップまたはノートパソコン」を使用することとなっており、タブレットまたはモバイルデバイスは使用不可です。スピーカー・マイク・カメラについては、それぞれ「PC内蔵(Built-in)または外部に取り付けるタイプ」の使用が要件で、ヘッドセット、イヤホンは使用不可です。システム要件を事前にクリアせずに受験し、トラブルが発生した場合、再受験の費用は自己負担となります。

テストの開始前には試験監督者(proctor)に、パソコンのカメラで部屋の中を360度見せたり、手鏡などでパソコンの画面を提示したりする必要があります。ノートテイキングは可能ですが、使用できる筆記具は、

  1. A3〜A4程度の卓上用ホワイトボード(1枚・両面利用可)と消せるマーカー(1本)
  2. A3〜A4程度の透明なシートプロテクターに入れた紙(1枚・両面利用可)と消せるマーカー(1本)

のいずれかです。公式のノートテイキングセットが販売されているので、ボードやマーカーを持っていない場合や手持ちのものが使えるかどうか不安な場合には、購入しておくのもよいでしょう。また服装についても、「耳・顔・腕は、髪、帽子、その他の物で覆われていない状態で、テスト中も常に見えている必要がある」と規定されています。

受験当日の注意点

以下では、持ち物、チェックインの注意点、メモ用紙の使い方など、テスト当日の心得について述べています。「自宅受験の場合」と特筆してあるもの以外は、会場受験についての情報です。

当日の持ち物

以下の3点は必須の持ち物です。忘れないようにしましょう。

  1. 規定の身分証明書(ID)
  2. 予約番号(Appointment Number)
  3. My TOEFL Home(申し込みをしたウェブサイト)の「Upcoming Tests/今後のテスト」より該当のテスト日を選択し、「Test Appointment Details/テストの予約の詳細」で受験会場・時間を再確認し、印刷したもの

チェックイン

TOEFL iBTテストのチェックインでは、身分証明書の確認、写真撮影、誓約書への署名、セキュリティチェックなどが行われます。その時間がかかるため、テスト開始時間の30分前には会場に着いている必要があります。遅刻した場合は受験できず、受験料の返金もありません。

また、規定の身分証明書をチェックイン時に提示できない場合も、受験できないので注意しましょう。セキュリティチェックはとても厳しく、身分証明書以外のものは原則持ち込み不可です。ネクタイやヘアバンドなどの衣類や着用品が、調べられたり禁止されたりすることもあります。TOEFLテストウェブサイトのページ「申込後・受験日」で規定を確認し、必要のない物はなるべく持参しないようにしましょう。

試験中

以下では、知っておくと試験中に役立つことを述べています。些細な情報のようですが、目を通しておくと安心して試験に臨めるでしょう。

ほかの人の声が聞こえても惑わされないようにする

TOEFL iBTテストは、受付が済んだ順にテストが始まるので、試験の進行がほかの受験者とは異なります。「自分と周囲の受験生が同時にスピーキングをやっているときは、お互いの解答が聞こえる」だけでなく、「自分はまだリスニングを解いているときに、周囲がスピーキングに入ると声が聞こえて気が散る」、「周囲はライティングなのに、自分だけまだスピーキングで、声が目立ち恥ずかしい」といった事態が起こり得ます。ほかの受験生の声はどうしても気になり、集中の妨げになることでしょう。自分の発話を聞かれたくなくて、無意識に小声になるかもしれません。しかしTOEFL iBTテストのスピーキングでは、一定量以上のボリュームで話さないと、採点されない恐れがあります。周囲を気にせず、自分のテストに集中して乗り切りましょう。声のボリュームを保ち、はきはきと明瞭にスピーキングすることも大事です。

メモ用紙の使い方

TOEFL iBTテストでは、メモ用紙と鉛筆が提供され、試験中はいつでもメモを取ることが可能です。リスニングではボリュームのある英文が話され、細部の内容まで問われることがあるので、ノートテイキングは必須です。しかしメモ取りに過度に集中して、リスニングがおろそかになるのも困りものです。プライオリティは聞き取りに置き、表記は略号を使うなどして、できるだけ簡潔にメモを取りましょう。

キーボード配列が日本のものと異なることがある

TOEFL iBTテストでは、QWERTY配列の米国式キーボードが使用されます。「ふだん使っている日本のキーボードとは、アポストロフィなどの位置が違う!」と、戸惑いを感じる方もいるかもしれません。しかし事前に説明がなされるので、慌てず落ち着いて対応しましょう。変更箇所の案内例は、TOEFLテストウェブサイトのページ「申込後・受験日」の、「受験日」にある「テスト受験」で見ることができます。心配な方は事前にチェックしておきましょう。

トラブル時の対応

パソコンの画面が進まない、リスニングの音声が聞こえないなど、トラブルが起きることもあり得ます。慌てず、手を挙げて試験監督官(proctor)に知らせ、その指示に従いましょう。

終了時に仮スコアが出る

テスト終了時、画面上にReadingとListeningセクションのスコア(非公式)が表示されます。テスト終了後、成績が判明するまでの間は、結果が気になってしまうことでしょう。しかしこの非公式スコアにより、だいたいの見当をつけることが可能です。

なお、この非公式スコアが表示されたとき、同時に「このスコアをキャンセルするかどうか」と問われます。ここでキャンセルすると、その日のテスト結果が無効になります。たとえスコアが期待どおりでなくとも、その日の成果を白紙にしてしまうのはもったいないので、キャンセルは極力しない方がよいでしょう。また、誤ってキャンセルしてしまった場合は、受験後60日以内に限り、有料でスコアの復活が可能です。詳細は、TOEFLテストウェブサイトのページ「スコア」の「キャンセルしたスコアの取り戻し」で確認してください。

自宅受験の場合

自宅受験では、TOEFLテストウェブサイトのページ「自宅受験TOEFL iBTテスト」をよく読み、必要な準備をしておきましょう。システム要件を事前にクリアせずに受験し、トラブルが発生した場合、再受験の費用は自己負担となります。上で述べた「自宅受験のメリット、事前に準備しておくべきこと」も参考にしてください。

テスト中に技術的な問題が発生した際は、口頭またはLogMeInチャット機能を通してオンライン試験監督者(proctor)に通知しましょう。インターネット接続が切れて再接続できない、または試験監督者と話すことができない場合は、窓口(https://ets.custhelp.com/app/forms/toefl)に英語で問い合わせて、サポートを受けましょう。

スコア確認

以下では、TOEFL iBTテスト受験後のことを解説しています。スコアの確認方法や、その内容の把握の仕方、役に立つ参考書などについて述べています。

スコア確認

スコアは、会場受験の場合、テスト日から約6日後に確認可能になります。自宅受験では約6~10日後に確認可能です。

スコアレポートには、

  1. Official Score Reports(公式スコアレポート):米国ETSから志望大学・団体に直接送付される公式スコアレポート
  2. Test Taker Score Report(受験者用控えスコアレポート):受験者の手元に届く控えのスコアレポート

の2種類があります。

Test Taker Score Report(受験者用控えスコアレポート)は、テスト日から約8日後に、ETSアカウント上でPDF版のダウンロードが可能になります。その他、スコアレポートの郵送依頼の仕方などについては、TOEFLテストウェブサイトのページ「スコア」で確認してください。

スコアの見方

TOEFL iBTテストの結果は合格・不合格ではなく、スコアで表示されます。Reading、Listening、Speaking、Writingの各セクションが0-30、総合スコアが0-120です。スコアの有効期間は、テスト日から2年間です。

セクションごとに、4または5段階のレベルがあります。スコアレポートには、何点から何点のスコアがどのレベルに該当するかも書かれています。自分がどれくらいのレベルに該当するのか確認して、現段階の実力の把握や、今後の学習計画に役立てましょう。

TOEFL iBTテストのスコアレポートには、

 

  1. Test Dateスコア
  2. MyBestスコア

という、2種類のスコアが表示されます。

Test Dateスコアは、そのテスト日の試験結果で、各セクションのスコアと総合スコアが表示されます。

MyBestスコアは、その受験者が過去2年間に受けた有効なTOEFL iBTテストスコア全ての中から、各セクションの最も高いスコアを組み合わせたスコアのことです。つまり、過去2年間に取得した各セクションの自己ベストスコアが抽出されるので、総合スコアが高くなるというメリットがあります。ただし、MyBestスコアを受け入れるか否かはスコア受取先の大学・機関次第なので、使用できないケースもあり得ます。出願先の募集要項やホームページで、要件を必ず確認してください。

おすすめの参考書

TOEFLテスト対策には、旺文社の『TOEFLテスト大戦略シリーズ』がおすすめです。TOEFL iBTテストのほか、大学・企業でよく利用されるTOEFL ITPテストに特化した参考書も豊富に用意されています。特に『はじめてのTOEFLテスト完全対策』は、初のTOEFLテスト受験にこれから臨む方におすすめです。ぜひお役立てください!

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まとめ

TOEFL iBTテストは外国で開発された試験です。そのため、国内の英語資格試験とは勝手が違ったり、手続き段階で英語のBulletin(受験要綱)を読んだりと、「申し込みのハードルが高い!」と感じられることでしょう。しかし海外留学や就職という夢の第一歩となる大事なテストです。このサイトを参考にして受験までたどり着き、しっかりと対策をして、目標スコアを目指してください!!