英検準1級面接の問題と流れ・合格のコツ・使えるフレーズ
この記事では、英検準1級の二次試験(面接)について詳しく解説しています。はじめに、どのような問題が出され、どのような流れで進行するのかについて、コンパクトにまとめてあります。次に面接の流れに沿って、使えるフレーズや応答のポイントなど、解答に役立つ情報を細かく挙げています。それから過去問・参考書を使った対策や実力を練成する学習方法を詳述し、最後に、評価の対象となるアティチュード(態度・姿勢)や答え方のノウハウについて述べています。ぜひ参考にしてください。
(本記事は、2024年4月時点の情報に基づいています。受験の際は、英検ウェブサイトで最新情報をご確認ください。)
サンプル問題と二次試験の流れ
面接では、指示文とイラストが印刷された「問題カード」が渡されます。ここでは、問題カードと課題の具体例を挙げて、面接室への入室から退室までの、二次試験全体の流れを説明します。
サンプル問題
問題カード
You have one minute to prepare.
This is a story about a young boy who had no free time to play.
You have two minutes to narrate the story.Your story should begin with the following sentence:
One day, a boy walked by a park on his way to his violin lesson.
課題
ナレーションの準備とナレーション
Look at the pictures carefully and read the directions silently for one minute.
〈1 minute〉
Now, please begin your narration.解答例:
One day, a boy walked by a park on his way to his violin lesson. He saw some children playing in the park. He was very envious of them because they were having a good time and he had to go to violin practice. Ten minutes later, he was having a violin lesson at a music school. He was frustrated because when he told the teacher he couldn’t play a song, she simply told him that he needed to practice harder. Later that night, he did his homework. There was a lot to do, so he had to stay up very late to complete it. During that time, he imagined the children he saw playing in the park and wished he could join them. The following week, his mother and father attended a parent-teacher conference. The teacher told them that their son was smart and was doing well with his studies. However, she also said that he couldn’t make friends with the other children because he didn’t have sufficient social skills.
No. 1 イラストに関連した質問
Please look at the fourth picture. If you were the boy’s mother, what would you be thinking?解答例:
I’d be thinking, “I probably need to cut back on my son’s scheduled activities immediately and allow him more time to play with his friends.”
No. 2 問題カードのトピックに関連した質問
Do you believe that cram schools are beneficial for children?解答例:
Yes. They help children understand their regular lessons better and prepare them for life after graduation, which can be pretty competitive.
No. 3 問題カードのトピックに関連した質問
Do you think that young people today are less ambitious than they were in the past?解答例:
No. I think that, thanks to the Internet, a whole new business sector has been created and a lot more young people are taking the opportunity to enter the sector and start up their own businesses.
No. 4 問題カードのトピックにやや関連した、社会性のある質問
Do you think the low birth rate means Japan should accept more immigrants in the future?解答例:
Yes. The Japanese economy is based on manufacturing, both for the domestic and export markets. Unless Japan accepts more foreign workers, companies may no longer be able to maintain output.
* 2024年度第1回検定から、No.4 の QUESTION に話題導入文が追加されますが、答え方に変更はありません。
面接の流れ
1. 入室
受付を済ませたら控え室で待機します。「面接カード」を渡されるので、氏名・個人番号などを記入しましょう。係員に面接室前へ案内される際は、荷物をすべて持って移動します。自分の番がきたら係員の指示に従い、Hello. などと挨拶して入室しましょう。
2.「面接カード」を渡す
面接委員とのやりとりは、すべて英語で行われます。「面接カード」を渡すよう指示されるので、Here you are. と言って差し出しましょう。
3. 着席
面接委員の指示に従って着席します。荷物は自分の席の脇に置きましょう。
4. 氏名・級の確認、簡単な日常会話
面接委員に名前を尋ねられます。準1級のテストであることを確認され、それから簡単な日常会話を行います。
5.「問題カード」を受け取る
指示文とイラストが印刷された「問題カード」を、面接委員から渡されます。
6. ナレーションの考慮時間(1分間)
「問題カード」にかかれたイラストを見て、その内容を説明するナレーションを考えます。考慮時間は1分間です。
7. ナレーション(2分間)
面接委員の指示に従い、ナレーションを始めます。制限時間は2分間です。
8. Q&A(No. 1)
イラストに関連した質問をされます。「問題カード」を見ながら解答できます。
9. 「問題カード」を裏返す
面接委員の指示に従って、「問題カード」を裏返し机の上に置きます。
10. Q&A(No. 2、No. 3)
「問題カード」のトピックに関連した、受験者自身の意見を問う質問がされます。
11. Q&A(No. 4)
「問題カード」のトピックにやや関連した、社会性のある質問がされます。受験者自身の意見を問う質問です。
12. 「問題カード」を面接委員に返す
面接委員から、「問題カード」を返すよう言われます。
13. 退室
挨拶をして退室します。退室後は他の受験者と話したり、控え室に戻ったりすることはできません。
面接のポイント
以下では、前項の「面接の流れ」で挙げた項目それぞれについて、知っておくとよいポイントや解答のコツ、使えるフレーズなどを、詳細に述べています。サンプル問題を参照しながら読むと理解が深まるでしょう。
1. 入室
受付を済ませたら控え室で待機します。「面接カード」を渡されるので、氏名・個人番号などを記入しましょう。順番が近づいたら係員の案内で、荷物をすべて持って面接室前へ移動します。係員に入室するよう指示されたら、ドアをノックしましょう。受付からここまでは日本語で案内されます。ノックしたあとはドアを開け、Hello. などと挨拶して入室しましょう。
2.「面接カード」を渡す
控え室で記入した「面接カード」を、面接委員に渡します。Can I have your card, please? などと言われるので、Here you are. と差し出しましょう。
3. 着席
Please have a seat. などと着席を促されるので、Thank you. と答えて座りましょう。何も言わずに座ったり、うつむいたままでアイコンタクトを取らなかったりすると、「コミュニケーションの意欲がない」と思われてしまうので気をつけてください。手荷物は、隣に空いた椅子があればその上に、なければ自分の足元に置きましょう。
4. 氏名・級の確認、簡単な日常会話
面接委員が May I have your name, please? などと聞いてくるので、My name is …. と答えましょう。受験級を確認する質問もされます。This is the Grade Pre-1 test, OK? などと尋ねられるので、OK. と返事をしましょう。そのあと、簡単な日常会話が行われます。「海外に行ったことがありますか?」などカジュアルな質問を皮切りに、2、3往復程度のやりとりであることが一般的です。この会話はウォームアップで、採点には含まれません。ですから気楽に応答し、舌と心をほぐすようにしましょう。
5.「問題カード」を受け取る
面接委員が Let’s start the test. などと言ったら、ウォームアップは終了です。指示文とイラストが印刷された「問題カード」を、This is your card. と渡されるので、Thank you. と答えて受け取りましょう。
6. ナレーションの考慮時間(1分間)
最初の課題は、「問題カード」にかかれた4コマのイラストを見て、その内容を順序だてて物語ることです。「問題カード」には、そのイラストの背景についての説明や、ストーリーの冒頭とするべき1文なども書かれています。それらの指示文・イラストを1分間の準備時間内に把握し、さらにナレーションの骨格を考える必要があります。ナレーション自体の制限時間は2分間です。
まずすべきなのは指示文から、ストーリーの「中心人物」と「話題」をつかむことです。たいていの場合、指示文の第2文にこの情報があり、しかもこの文は下線が付されて目立つようになっています。したがって、この情報をつかむことは難しくありません。
次にイラストを見て、ストーリーの流れを理解します。
1コマめ:現代社会にありがちな問題が起こる
2コマめ:それを解決しようと「中心人物」が行動を起こす
3コマめ:問題が解決したかに見える
4コマめ:しかし、その解決策のせいで新たな問題が起きてしまう
など、因果関係のある構成になっています。結末で困った状況となることが多いので、事態がどのように推移した結果そうなったのか、明快に説明できるよう話を組み立てましょう。
1分間の準備時間では、ナレーションを逐一考える余裕はありません。ですからストーリーの流れを把握したら、1コマにつき2~3文の英文を作ることを目安に、「誰が」「何をしたか」という要点だけを把握しましょう。登場人物の感情も盛り込むべき情報です。吹き出しや表情にも注目し、A was envious of B(AはBを羨ましく思った)、A was shocked by B (AはBに衝撃を受けた)、A was pleased with B(AはBに満足した)、A thought B would be happy(AはBが喜ぶだろうと思った)など、描写に使える語句を記憶の中から呼び起こしましょう。
7. ナレーション(2分間)
面接委員の指示に従い、ナレーションを始めます。制限時間は2分間で、それを過ぎるとナレーションが終わっていなくても打ち切られてしまいます。ただし、1コマにつき2~3文程度で話すようにすれば十分余裕がある時間設定なので、慌てる必要はありません。
ナレーションの冒頭は、「問題カード」に印刷された1文で始めなくてはいけません。この文の動詞は通常、過去形が使われています。したがってナレーション全体の時制も、過去が中心となります。進行中の動作については過去進行形を使いましょう。
各コマにつき、「いつ」「誰が」「何をした」で1文、「誰が」「何と言った」で1文、「誰が」「どのように感じた」で1文という調子で、3文ずつ話すとよいでしょう。2~4コマめには A week later などの時間の推移を表す語句がよく書かれています。ストーリーの流れが明快になるので、各コマ第1文の冒頭はこの時間表現で始めるようにしましょう。絵から読み取れる場所の情報も、at a music school、at home のように付け加えれば、場面がより具体的になり、聞き手に内容が伝わりやすくなります。
8. Q&A(No. 1)
イラストに関連した質問がされます。イラストの4コマめについて、自分がもし登場人物ならばどう思うかを答える問題であるケースが大半です。If you were the woman, what would you be thinking? などと仮定法で問われる場合が多いので、同じく仮定法で I’d be thinking …. と答えましょう。答え方は、直接話法でも間接話法でも構いません。
ポイントは、ストーリー全体を把握した上で、起きている問題についての登場人物(自分)の考えをまず1文で述べることです。加えて、「その問題にどう対処したいか」「○○をしていればこのような問題は起きなかった」などの考えをもう1文程度で述べると、適当な分量になるでしょう。
9. 「問題カード」を裏返す
No. 1の質問が終わったら、面接委員から Please turn over the card and put it down. と、「問題カード」を裏返して机の上に置くよう指示されます。ここから先は、「問題カード」を手がかりにすることはできません。面接委員の目をしっかり見て、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
10. Q&A(No. 2、No. 3)
「問題カード」のトピックに関連して、受験者自身の意見を問う質問がされます。大半は Do you think that …? や Should …? という形の質問ですが、Is [Are] …? などもあり、注意が必要です。Yes / No で答えられる問題は、Yes か No を先に答えましょう。賛否がはっきりしない場合は、It depends. と答える手もあります。それから、そう思う理由を1、2文程度付け加えましょう。
理由を述べる際には、できるだけ多様な言い回しを使うようにしましょう。I hear that …. や I’ve heard that ….、Many people may think that …. などを適宜言えるようになると表現の幅が広がります。Therefore(したがって)や Otherwise(そうでなければ)などのつなぎ言葉も、意見を伝わりやすくするでしょう。For example や such as を使って実例を挙げると、発言に説得力が加わります。
11. Q&A(No. 4)
社会性のある問題について、受験者自身の意見を問う質問がされます。「問題カード」のトピックとは、かなりかけ離れた内容であることもあります。QUESTION の冒頭で話題導入文が読まれるので、どんなテーマについて聞かれているのか、注意深く聞き取ることがポイントです。意見がすぐにはまとめられない場合は、Well, や Let me see, などと言い、不自然な間を空けないようにすべきです。なぜなら、無言で考え込んでしまうと、「まったく聞き取れないのだ」と誤解されかねないからです。
社会的な問題について自分の意見を考えると、つい日本語の専門用語を思い浮かべてしまい、英語の語彙が出てこない、ということになりがちです。そういうときは、思い出そうとして黙り込んでしまうより、平易な語彙を使ってでも会話をつなぐようにしましょう。例えば「製造業」と言いたい場合は、とりあえず making goods in factories と口に出すのです。そう言っている間に思い出せたなら、I mean, manufacturing. と言い直しましょう。別の表現に言い換える力や、発話量で語彙の不足を補う力も、コミュニケーション力のひとつです。
No. 2~No. 4は現代社会の問題について、受験者自身の意見を問う問題となっています。トピックを選ぶことはできず、考慮時間も設けられていません。したがって、どのような話題について聞かれても、すぐに意見と、そう思う根拠を1つか2つ述べられるだけの社会的知識が必要です。日頃からニュースや新聞に目を通し、様々な問題に対して自分の意見を持っておくようにしましょう。
12. 「問題カード」を面接委員に返す
面接委員に This is the end of the test. と言われたら試験終了です。Could I have the card back, please? などと言われるので、Here you are. と言って「問題カード」を渡しましょう。
13. 退室
面接委員に You may go now. と言われたら、Thank you. Goodbye. などと挨拶して退室します。Have a nice day. と挨拶された場合は、You too. と返すなど、退室の瞬間までコミュニケーションを取るようにしましょう。
退室の際は、忘れ物をしないよう注意すること。退室後は、他の受験者と話をしたり、控え室に戻ったりすることはできません。
面接の対策と練習方法
過去問
英検準1級の二次試験については、英検ウェブサイトからサンプル問題をダウンロードできます。ただし解説は含まれていないので、面接の練習には不向きです。ですから英検の過去問を使って二次試験の演習をしたいという方には、詳細な解説や答え方のアドバイスが掲載された、旺文社の過去問シリーズをおすすめします。じっくり取り組みたい方は、6回分の過去問を収録した『2024年度版 英検準1級 過去6回全問題集』を、短期で実力を完成させたい方は、3回分の過去問を収録した『2024-2025年対応 直前対策 英検準1級 3回過去問集』をご利用ください。本番同様のカラーの「問題カード」が付属しているほか、Web 特典の動画「面接シミュレーション」「面接模範例」など、実際の二次試験を模擬体験できる工夫がたくさん盛り込まれています。
参考書
英検準1級の面接対策にいちばんおすすめの参考書は、『英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』です。評価のポイントや、ナレーションに要点を盛り込むコツといった情報に加え、豊富なQ&Aなど、受験者が不安に感じる点に対してきめ細やかに対応した内容となっています。付属の「問題カード」は、実際の試験と同様フルカラーで、本番の気分を模擬体験するのにぴったりです。また、受験者が自己採点しにくい意見を述べる問題に関しては、理想的な解答例と不十分な解答例の両方が挙げられているので、両者の違いを客観的に見てよりよい解答を目指すことができます。問題は14セット収録されており、数をこなしてトレーニングすることが可能です。
『英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』
本書の特長はなんといっても付属の動画です。面接試験中のようすはもちろん、会場到着から試験開始までの待ち時間や、試験終了後の動きまで、すべてを映像で確認することができるのです。また「面接のシミュレーションをしよう」を再生すれば、実際に面接委員と対面して面接を受けてみることができるようになっています。この本で勉強すれば、自信を持って面接に臨めます!
音声は、旺文社リスニングアプリ「英語の友」で無料で聞くことができます。
『英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題[改訂版]』を使った効果的な学習方法は、以下のとおりです。まず「面接試験の流れ」「出題内容」のページを読んで、二次試験の流れを把握します。それから、カラーの「問題カード」を切り離し、付属音声をかけて、実際の二次試験を受ける気持ちで解答してみます。自分の解答はスマホなどで録音し、あとで解答例と比較して、問題点を洗い出しましょう。正確な発音で聞き取りやすく話せているか、冠詞の言い忘れや時制の不一致がないかなども、客観的に確認することが大事です。時間があれば同じ問題にもう一度トライして、完璧な解答例に近い内容の答えが実際に口から出るかどうか、確認することが望ましいでしょう。そして仕上げに動画コンテンツの「面接のシミュレーションをしよう」で、本番同様の模擬試験を体験してみます。このようにすれば本番でもリラックスして、実力を発揮できることでしょう。
練習方法
英検準1級の二次試験対策は、実際に声を出しアイコンタクトを取る演習を、何度もこなすことが大事です。「イメージトレーニングでいいや」と頭の中の練習だけにとどめていると、いざ本番というときに口がうまく動かなかったり、知らず知らず小声や伏し目になってしまったりする恐れがあります。できれば先生や友人に面接委員役を務めてもらいましょう。相手がいない場合はぬいぐるみを代わりに置くという手もあります。発声やアイコンタクトは体で覚えることによって、緊張した状態でも自然にできるようになるものです。練習の回数を重ねて身につけてしまいましょう。
演習の際は声を録音し、あとで聞きなおしてチェックすることも大事です。英検準1級の面接では、ナレーションの流れが論理的か、表明した意見とその根拠との間に整合性はあるか、などの点も重要だからです。また、ミスを避けようとして平易な語彙やシンプルな文法ばかり使うのも好ましくありません。聞きなおすときは、ふさわしい語彙を使えているか、別の表現もあり得るのではないかなどを考慮し、よりよい解答を目指すようにしましょう。可能ならば、先生やネイティブの友人に助言を求めるとよいでしょう。
演習の際はいつも本番のつもりで、緊張感を持って練習することも大事です。「どうせ練習だから」と時間制限をゆるめたり辞書を引いたりしながら演習をしていると、本番で慌ててしまったり、単語を忘れたときに対応できなかったりしますよ。時間が不足しても冷静に対処する、思い出せない言葉は即座に別の単語で言い換える、といったことができるよう、日頃から、本番同様の練習を積んでおきましょう。
面接ノウハウ
アティチュード(態度・姿勢)について
英検準1級の二次試験では、アティチュード(態度・姿勢)も評価対象となっています。具体的にいうと、発声の明瞭さや反応の自然さ、積極性なども採点されるという意味です。ですから、積極的にコミュニケーションしようとする姿勢を見せ、相手に聞き取りやすいよう、大きな声で明瞭に話しましょう。入室から退室までの態度のすべてが評価されるので、無言で勝手に席に着いたり、目も見ずボソボソ答えたりなどはしないよう気をつけましょう。質問をされたら、「完璧に答えなくては!」と悩んで不自然な間をあけるより、Well, … などと言って会話をつなぐ方が好印象です。
いちばんいけないのは、黙ってしまうことです。英語を話すスキルは未熟な点があっても、知っている単語や文法を活用して自分の意志を伝えようとする姿勢があれば、アティチュードの評価はプラスになります。ミスをしたとしても、明快に Excuse me. と言って仕切りなおせば大丈夫です。とにかく避けたいのは、「失敗した…」と諦めて投げやりになったり、発音の悪さや苦手意識をごまかそうとしてモゴモゴと不明瞭にしゃべったりすることです。
シチュエーション別・覚えておきたい英語表現
面接委員に聞き返すときの言い方は?
● I beg your pardon?(もう一度言っていただけますか?)
面接委員の言ったことが聞き取れなかった場合は、聞き返しても大丈夫です。I beg your pardon? と言って、もう一度言ってもらうようにしましょう。Could you say that again? や Pardon?、Excuse me? などの表現も使えます。ただし、何度も聞き返すのはNGです。反応が不自然だということでアティチュードに響きますし、「この受験者はリスニング力が低いのだ」と判断され、次の質問へ進められてしまうかもしれません。
考える時間がほしいときは?
● Well, …(ええと…)
ちょっと考えてから答えたいときは、Well, … と言って考え中であることを伝えましょう。Let’s see. や Let me see. なども使えます。Hmm. と言ったり、質問文をゆっくり繰り返したりするという方法もあります。無言で考え込むことだけは避けましょう。「聞き取れないのだな」「受け答えができないのだな」と誤解され、最悪の場合、次の質問へ進められてしまいます。
● It can be said …(…と言える)
かと言って、Well ばかり繰り返しているのもよくありません。そういう場合は、「今何を考えているのか」を言い表すようにしましょう。It can be said …. という言い回しを使えば、とりあえず頭にある考えを、「…と言える、…という意見もある」と表現できます。Some people might say …. や Probably, … may …. などの言い回しも使えます。そのように言っている間に考えをまとめて、〈…〉に同意するなら I think so, too.、不同意なら But I don’t think so. とつなげるのです。そしてこのままではやや自信に欠ける意見表明になってしまいますので、I mean と仕切りなおしてはっきりと In my opinion, …. Because…. と、自分の意見を改めて表すようにしましょう。
質問の内容がわからないときは?
● I am sorry, but could you repeat the question again?(すみませんが、質問をもう一度繰り返していただけますか?)
面接委員の質問の意味がわからないとき、まずすべきことは、その質問をもう一度言ってもらうことです。前述の Pardon? や Excuse me? などの他に、I am sorry, but could you repeat the question again? という表現も使えます。ただし、質問の単語の意味を聞いたり、別の言葉に言い換えてくれるように頼んだりしても、答えてはもらえません。ですからどうしてもわからない場合は、聞き取れた範囲の語句から意味を類推して、堂々とした態度で答えるようにしましょう。
よくないのは小声でゴニョゴニョ言ってごまかすことです。また I don’t know. も、「わからないのか、では仕方ないね」と判断され、次の質問へ進められてしまいます。うっかり言ってしまった場合には、すぐ No, sorry. などと言って取り消しましょう。
まとめ
英検準1級の二次試験の内容や勉強法、解答のコツが把握できたでしょうか? 問題の形式は一定なので、出題形式に慣れることによってスコアを上げることができます。「学問に王道なし」と言うとおり、地道な努力が合格へのカギです。日頃から耳と口を英語に慣らすよう心がけ、合格を目指してがんばってください!
吹き出しで示されている各登場人物のせりふは、A said (to B), “….” という形でナレーションに盛り込みやすいので、ぜひ活用しましょう。そのまま読み上げれば、ミスも減らせます。A complained (to B) that ….(AはBに…と不平を言った)やA suggested that B do.(AはBが…すべきだと提案した)などと言うと、登場人物の感情も併せて表現できたり、多彩な表現を使えることをアピールできたりします。